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IDOLA have the immortal servant-14 - (2008/10/22 (水) 22:29:22) の1つ前との変更点

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#navi(IDOLA have the immortal servant)  キュルケらが傭兵達を相手にしている頃、ルイズ達は桟橋へとひた走っていた。  マチルダは離脱の機会を窺っていたが、そのタイミングが掴めない。 申告通りに精神力が空になっているわけではないのだが、先ほどの『錬金』でそれなりに消耗したのも確かだからだ。  傭兵の別働隊にでも出くわせば骨を折りそうだ。魔法衛士隊とフロウウェンに護衛されている方がかなり安全である。 ワルドの人となりは知らないが、フロウウェンの方は少なくとも仲間を見捨てるような性格をしてはいない。  このまま桟橋まで付き合って、搭乗のどさくさに紛れて姿を消すのが良いかも知れない。  長い昇り階段へとワルドが駆け込む。この階段を昇り切れば巨大な樹が見えるだろう。それが桟橋である。 「これは……大したものだな……」  フロウウェンが桟橋を見て、感嘆の声を上げた。  山ほどもある巨大な樹木をそのまま利用しているのである。下からでは見上げても頂点がわからず、一際太い枝にぶら下がるように飛行船が待機している。 名こそ桟橋と言っているが、これは空港のターミナルのようなものなのだろう。 「桟橋を見るのは初めてなのかい?」 「少なくとも、こんな樹は見るのは初めてだな」  フロウウェンの答えに、少しだけマチルダが満足する。  いつも冷静な男だけに、もう少し慌てふためいたり、驚いたりするところが見たかったのである。 「何であなたが得意げな顔をするのよ」 「別に?」  ルイズが不審そうな顔でマチルダを見やるが、マチルダはとぼけて見せた。  木の根元をくり抜いて作られたホールは不気味なほど静まり返っていた。夜ということもあって、人がいないのだろう。 「諸君。こっちだ」  ワルドは幹に打ち付けられた鉄のプレートに書かれた文字を確認して、桟橋の階段を昇っていった。  フロウウェンは、プレートに『スカボロー行き』の文字が躍っているのを認めると、後へと続く。  木で作られた階段は体重をかけるとしなる。足場が心もとない。手すりの強度もそれほど強くない。ここで戦うなら、『フライ』や『レビテーション』が使えなければ分が悪いだろう。  踊り場に差し掛かったところで、後ろから追いすがる足音に気付いた。  フロウウェンが声を上げ、注意を促す。 「来るぞ!」  言うなり、フロウウェンは躊躇なく自分の後ろの足場をデルフリンガーで切り払った。  傭兵が相手ならこれで足止めできるし、メイジならば『フライ』や『レビテーション』を使う必要に駆られる。足止めにはならないが、宙にいる間は攻撃に移れない。ワルドと二人がかりであればそれを撃墜するのに苦は無いだろう。  後ろから来るのが追いついたタバサ達なら何の問題もない。こちらからは彼女達が『フライ』を使うのを邪魔したりしないのだから。  走ってきたのは、白い仮面を被った男だった。黒塗りの杖を手にしている。十中八九、敵方のメイジだ。  出方を伺うべくデルフリンガーを構えるが、男は既に呪文の詠唱を半ばまで終えていた。  白仮面はフロウウェンの対処の意図するところも、追いつけるタイミングも把握しているのだ。最良且つ最大の反撃を初手で繰り出すのは、造作もないことだった。 「なんだ……?」  落とされた足場の手前で足を止めると同時に呪文が完成する。白仮面の手にした杖が振るわれると、周囲の温度が急速に下がって冷気が肌を刺した。白い仮面の男の頭上へ向かって風が吹き、薄い靄が生まれる。 「『ライトニング・クラウド』だ! 構えろ!」  デルフリンガーが怒鳴るように声を上げる。その声の調子から、フロウウェンの背筋を冷たい予感が走った。 「低気圧か!」  呪文の名前と眼前で起こる現象から、術の正体を直感的に看破する。その瞬間、空気が震えた。  フロウウェンが両の手を男に向かって突き出すのと、白仮面の周囲の空間から電撃の閃光が走るのが殆ど同時―――! 「ぐあああっ!」 「ぐうっ!」  苦悶の声はフロウウェンと白仮面の、両者の口から漏れた。 「なんだ、今のは……!?」  デルフリンガーを支えにフロウウェンは膝を付く。電撃が来ると看破したときには、ギゾンデを撃つ体勢に入っていた。  両手を突き出したのは金属であるデルフリンガーを敵の使う術の避雷針代わりにする為のもの。ギゾンデは身体を走る電撃を制御、誘導して経路を作り、そっくりそのまま跳ね返してやる為のものだ。  最良のタイミングでこれを行えたなら先制のカウンターで敵の術の出足を止められるか、敵の術にギゾンデの威力を上乗せして一方的に勝つことができる。最悪でも相打ちが取れる……はずだった。  今のは、結論から言えばただの相打ちだ。初動が遅れたこともあって、痛み分けの結果に終わった。不可解なのはそこではない。  ギゾンデで放たれた雷撃は指向性を持って、術者が目標と認識した対象に次々と通電していく。対象以外は感電させるのを避けるのだ。自然現象で発する雷とは性質を異にする。  だというのに、左手から放たれた電撃は、まずデルフリンガーの刀身に吸い込まれ、それから白仮面に向かったのだ。しかも、大きく威力を減衰させていた。  案の定威力が不十分だったのか。白仮面は頭を振って立ち上がると、すぐに復帰してきた。術自体の威力も向こうの方が上であるのか、フロウウェンの方が被った被害が大きい。  無くなった足場とフロウウェンの頭上を一足飛びに越え、マチルダの眼前に迫る。 「く!」  マチルダが杖を構えるより早く、白仮面の手刀がマチルダの首筋に叩き込まれる。そのままマチルダは倒れ伏して、気を失った。  白仮面は気絶したマチルダに止めを刺そうと杖を振り上げるが、立ち上がったフロウウェンが斬り込んでくるのを視界の端に認めると、剣の間合いの外へ飛び退り、そのまま走ってルイズを抱え上げた。 「きゃあ!」  ルイズを抱えたまま跳躍する。階下まで一気に飛び降りて連れ去るつもりなのだろう。  一切逡巡もせず、フロウウェンも跳んだ。  次の刹那、ワルドの『エア・ハンマー』が宙にいた白仮面を捉えた。ルイズの手を離して、階段の手すりに捕まって落下を回避する。  フロウウェンが壁を蹴って下方向へ加速し、落下していくルイズに追いつく。彼女を腕に抱えると、言った。 「掴まっていろ」 「え?」  ルイズがフロウウェンの言葉を理解するより早く、彼女を包み込むように抱きかかえ、自分の背に向けて手をかざす。次の瞬間、フロウウェンの背中側の空間が爆ぜ、二人は吹き飛ばされた。 「きゃあああ!」  悲鳴を上げながら、ルイズは理解した。至近距離を指定して爆発のテクニック、ラフォイエを使ったのだ。  爆風に乗って、フロウウェンとルイズは階段へと復帰した。 「怪我は無いな?」 「え、ええ」  呆気に取られてルイズは首をかくかくと縦に振った。攻撃用の術を空中の制動に使うなんて無茶苦茶だ。 フロウウェンは自分のことを、テクニックユーザーとしては最下級で、攻撃用のテクニックも大した威力は無い、などと言っていた。だから割り切ってできることなのだろう。 「さて」  再び階段でフロウウェンは白仮面を見上げるように対峙した。その距離5メイルほど。一瞬で斬り込むことの可能な距離だ。しかも、上にはワルドが控えている。 「今度は挟み撃ちだな」  白仮面が自棄になって杖を掲げるが、遅きに失していた。  最初に動いたのはワルドだ。『エア・ハンマー』が白仮面の背を直撃し、一瞬遅れてフロウウェンの手にしたデルフリンガーが左の大腿部を薙ぐ。白仮面は鮮血を撒き散らしながら階下に落下していった。  ワルドの『レビテーション』で二人は階段の踊り場まで戻される。 「ヒース……大丈夫……!?」  ルイズが蒼白な顔で問う。デルフリンガーを握っていた右腕が、肘の辺りまで服ごと焼け焦げていた。自身のラフォイエによる爆風を受け止めた背中のダメージも気になる。 「……大した威力だな。あの魔法は」  戦いが終わったのでルーンも機能を停止している。従って、再生も止まってしまうということだ。 「さっきの呪文は『ライトニング・クラウド』。風系統の強力な呪文だぜ。あいつ、相当な使い手のようだな」 「まあ……あの傷なら暫くは追ってはこれまいが」  階下を見下ろしてフロウウェンは言う。白仮面の姿はもうそこにはないが、風の使い手なら『治癒』の呪文は不得手だろう。 「しかし、腕だけで済んでよかったな。本来なら、命を奪うほどの呪文だぞ。どうも、この剣が呪文を反射したように見えたが……」  なるほど。傍目から見たワルドにはそのように見えたらしい。推測できることはいくつかあるが、フロウウェンもデルフリンガーも、アカデミーに情報が渡りかねない相手に解説や種明かしをするつもりはなかった。 「おりゃあ、そんなことしてねえけどな」 「インテリジェンスソードか。珍しいな。よく分からんが、金属ではないのか?」 「知らん。忘れた」 「奴が感電したのは……大方、術の制御に失敗でもしたのだろうよ」  フロウウェンの言葉に、ワルドは眉を顰めた。 「失敗だって……?」  そんなはずはない。『遍在』にしろ『ライトニング・クラウド』にしろ、自分の術の制御は完璧だったはずだ。  疑問符がワルドの頭を埋めるが、食い下がって不審に思われても困る。それ以上は追究できずに、ワルドは考え込むしかできなかった。 「まあ、それは良いとして……さっきの爆発は?」  そうだった。もう一つ訊ねておくべきことがある。  あれで二人は落下の軌道を変えたのだった。 「あれは―――」 「あ、あれは、わたしの爆発よ」  ルイズが割って入って、自分の失敗魔法だと主張する。 「君のか? 暫く見ない内に随分と強烈になったな。しかも、思い切ったことをする」 「そ、そうなのよ。ごめんなさい。ヒース」 「気にするな」  ルイズは曖昧に笑って、それにフロウウェンが合わせる。  デルフリンガーを鞘に収め、気絶したまま倒れているマチルダを腕に抱えた。  名を呼んで軽く肩を揺さぶるが、マチルダは目覚めなかった。フロウウェンは小さく溜息を吐く。  マチルダはアルビオンに渡りたがらないだろうが、意識が戻らなければここに置いていくわけにもいかない。新手が来ないとも限らないからだ。  怪我をしているフロウウェンにさせるようなことではないと、ルイズが慌てて駆け寄る。ルイズの体格でマチルダを支えるのは骨が折れるので、結局怪我をしていないワルドが二人に代わってマチルダを抱えた。  船員達は渋ったのだが、ワルドの交渉であっさりと船は出港する運びとなった。明日の昼頃にはアルビオンの港町、スカボローに着くとのことだ。 「ヒース。傷は大丈夫?」  ルイズがフロウウェンに話しかけると、フロウウェンは小さく笑う。 「この通りだ。心配はいらん」  そう言ってかざした右腕は、服こそ焦げていたが傷一つない。 「あ……レスタね?」  テクニックの取り回しの良さにルイズは感心する。こうやってその場で秘薬も無しに傷を治せるから、ああいう無茶な作戦を躊躇いなく実行できるのだろうか。 「傷が治っているのを子爵に見咎められたら、ルーンのお陰、とでも答えておけば良かろう」 「……なんか、騙しているみたいで気が引けるわ」 「半分は事実だ」  そんな話をしていると、二人の所にワルドがやってくる。 「船長の話では、ニューカッスル付近に陣を配置した王軍は、攻囲されて苦戦中のようだ」  その言葉に、ルイズがはっとした顔になって訊ねる。 「ウェールズ皇太子は?」 「わからん。討ち取られたという報も、捕らえられたという報も入っていないから、生きてはいるようだが」 「どうせ、港町は全て反乱軍の統治下なんでしょう?」 「そうだね」 「どうやって、王党派と連絡を取ればいいのかしら?」 「陣中突破しかあるまいな。スカボローから、ニューカッスルまでは馬で一日だ」  フロウウェンは腕を組む。ギーシュと、その使い魔のヴェルダンデがいればそんな心配は無用だったのではないだろうか。地下を通ることで、安全に王党派に接触できたはずだ。とすると、組分けの人選を誤ったかもしれない。 「まあ、反乱軍も公然とトリステインの貴族に手出しはすまいよ。何かしてくるとしたら、夜陰に乗じてだろう。隙を見て包囲線を突破し、ニューカッスルの陣へ向かう」 「敵はこちらの特徴を知っている。トリステイン貴族であることを喧伝して歩くのは不味いな。港に着く前に偽装してやれば良い」  ルイズとワルドの話に耳を傾けていたフロウウェンが言った。 「どうやって?」 「ミス・ロングビルが目覚め次第『錬金』してもらう。兜を被り、鎧を纏って剣を吊るして歩けば傭兵にしか見られまいよ。 正規兵がいるのであれば、一目につかない所で似たような装備に『錬金』し直せば、騒ぎを起こすことなく安全に連中の装備を手に入れられる。 そうすれば陣中を横切るのも容易くなるだろう」 「なるほどね。それで行こうか」  ワルドが頷いた。 「そういえば、あなたのグリフォンはどうしたの?」  ルイズが訊ねると、ワルドは微笑んで口笛を吹く。下からグリフォンの羽音が聞こえてきた。そのまま甲板に着陸する。 船員達が驚嘆の声を上げていたが、ワルドが手を振ってグリフォンに害意がないことを知らせると、ちらちらとグリフォンを眺めながら仕事に戻っていく。 「あのグリフォンで直接向かうわけには行かないのか?」 「竜なら行けるでしょうけど、グリフォンはそんなに長い距離を飛べないわ」 「竜、か……」  タバサがいれば頃合を見て船から離脱し、直接ニューカッスル城へ向かえたわけだ。やはり……人選というか手勢を分散させたのが痛い。だが、この場にいない人間を当てにできるはずも無い。全ては現場の判断の結果だった。 「ん。いつの間に手当てをしたんだい?」  ワルドがフロウウェンの手を見て、言う。 「使い魔のルーンの効果でな。傷の治りが早い」 「ほう。便利なものだな」  ワルドは顎に手をやって感心したように小さく頷く。 「それより子爵。あのメイジ。何者だと思う?」 「さあ? 見当もつかないね」  突然、白仮面に話題が移った。ワルドはとぼけてみせる。 「オレは、あれがトリステインの貴族では無いかと思う」  それは核心に迫る言葉だった。内心の動揺を隠して、ワルドは問う。 「何故?」 「仮面で顔を隠していたからだ」  フロウウェンの返答に、ワルドは言葉を失った。 「こちらにいる誰かに、正体を知られては困る。正体を知られる可能性がある。だから顔を隠す必要があった……とオレは見ている」  その通りだ。素顔を見られれば、『遍在』であることが解ってしまう。 「そして、その裏切り者は、魔法衛士隊である可能性が高い」 「馬鹿な!」  今度こそ、ワルドは思わず立ち上がっていた。  どこまで把握しているのだ。この男は。ただ単にカマをかけているのか?  いや、自分は現時点では疑われるようなミスはしていないはずだ。  引っ掛けでは無いなら、推論だけでそこまで辿り着いたというのか? 「ワ、ワルド?」  ルイズが不安げな面持ちで見上げてきたので、ワルドは頭を振ると腰を落ち着け、言う。 「は、栄えある魔法衛士隊に、そんな不心得者がいるはずがない! 一体なんの根拠があってそんなことを」  動揺を誤魔化す為に、魔法衛士隊の矜持を傷つけられた、と言わんばかりのポーズを作ってみせる。 「いや、落ち着いてくれワルド子爵。気持ちは分かるが、あくまでオレの推論だ。可能性の話でしかない」 「よかろう。何故そう思ったのか聞かせてもらおうじゃないか」  どかっと腰を落ち着けて、ワルドはフロウウェンに向き合った。 「あの傭兵どもの待ち伏せにしろ、宿を包囲する手配にしろ、情報が漏れているのは確実だ。金でしか動かない末端の傭兵連中が、こちらの特徴を正確に掴んで攻めてきた。ここまではいいかな?」 「ああ」 「だが、アルビオンへの使いとして姫殿下の密命が下ったのは前日の夜のこと。内容を知っているのはオレと、ルイズとギーシュだけだ。子爵も何をしにアルビオンに行くのか聞かされているのかな?」 「姫殿下の命とあらば、理由など訊ねるのは不遜というものだ。僕の任務は君らと、君らの持つ密書を護ること。それさえ知っていれば充分だからね」  ワルドは首を横に振った。実際の所、任務の内容にも察しはついているのだが、それを口にするわけにもいかない。 「要するに、情報が漏れる経路は非常に限られている。だが、王女の動きを察知できる者の中に、その内容に察しがつく裏切り者がいればその限りではない」  ワルドは、フロウウェンの推論を苦虫を噛み潰したような顔で聞いていた。 「君の仲間達は? 彼女らは……外国人だろう?」 「ガリアもゲルマニアも、アルビオン貴族派は共通の敵だ。それに学院にスパイを紛れ込ませる意味はあまりなかろう。オレとしては、あの三人は信用できると思っている」 「ミス・ロングビルも?」  ルイズが問う。疑わしいというならロングビルこと、フーケが一番信用が置けない。 「ミス・ロングビルもだ。騙しているなら媚薬騒動の時にそう白状しているだろうよ」 「あ……それもそうね」  先日のしおらしくなった彼女を思い出して、ルイズは唸った。洗いざらい正直に口走りそうで苦労していたのだ。間者であれば、精霊が反乱軍の首魁の名前を出した時に勝手に自白していただろう。 「媚薬?」 「この件とは直接の関係はないが、学生の悪戯で一騒動あってな。それが彼女を信じる根拠に足る、ということだ」 「だから、魔法衛士隊、か」 「あの白仮面。使う呪文の強力さといい、身のこなしといい、相当訓練されているようだったからな」 「ライトニング・クラウドを使うっていうことは……風のメイジよね」  ルイズが言う。  あの場でフロウウェンを殺すつもりで放った術だ。結果論だが、あれを見せたのは仇になってしまった。 「魔法学院に姫殿下が逗留している間、その動きを察知できた人物。風メイジで、実戦経験が豊富である人物。 オレ達の中の誰かに、或いは雇った傭兵にも顔を見られては不味い人物。敵が複数いるという可能性もあるな。まあ、最悪の状況は想定しておくものだ」 「それで、魔法衛士隊……か」  なるほど。理詰めでそこまで行きついたわけだ。  確かに、そんな実力を持ち、都合良く情報を得られる人間が、そうそういるわけがない。「最悪を想定する」というなら、魔法衛士隊を疑う理由も充分に納得できる。  しかし……それをわざわざ自分に言うということは、『遍在』を知らないのだろうか? それとも知っていて、自分もその条件に当てはまると、カマをかけてきたのか?  どちらにせよ、後でアンリエッタかマザリーニ辺りに報告されれば、自分などは真っ先に疑われる立場となるわけだ。懐具合を調べられれば、貴族派と通じていたことも簡単に発覚してしまうだろう。トリステインに戻る必要はないから致命的ではないが。  だが、この男は危険だ。腕が立つばかりでなく、頭も切れる。確実に任務の障害になる。  これからの行動は細心の注意を払わねばなるまい。それから……隙を見て殺す。必ずだ。  殺意を胸に秘めて、ワルドは明るい笑みを浮かべた。 「分かった。姫殿下には任務が終わり次第、僕から報告しておこう。魔法衛士隊に裏切り者がいるとなると、士気にも関わってくるからね」 「そうだな」  ワルドの提案に、フロウウェンはあっさり引き下がった。  少なくとも自分を疑ってはいない、ということか。この男の場合、腹芸の可能性もあるから油断はならないが。  明るい光と船員達の足音で、マチルダは目を覚ました。  最初に目に飛び込んできたのは青い空だった。  状況が正確に把握できずに周囲を見渡すと、ルイズが横に眠っていた。 「うっわ……船に乗せられてるじゃないか」  閉じ込められているわけではないから、貴族派に捕まったというわけではないらしい。だが、アルビオン行きは確定している。  あの場に残していってくれた方が良かったとも言えずに、マチルダは溜息をついて、せめてもの意趣返しとばかりに件の人物を睨む。  フロウウェンはとっくに目を覚ましていて、舷側に立って空の向こうを見ていた。  デルフリンガーを携えて、朝日と風を受けるその姿は愚痴をこぼすことを忘れるほど絵になっている。 「アルビオンが見えたぞー!」  見張りの声が響くと、ルイズが寝惚け眼を擦りながら起き上がってきた。  表情に変化のなかったフロウウェンの目が少しだけ大きく開かれる。 「驚いた?」  それを目ざとく見つけたルイズが言う。 「……素晴らしい」  視線を外さず、フロウウェンは呟くように答えた。  遮るものもない空を行くアルビオンは美しかった。と同時に、圧倒されるほどの威容を誇る。  白の国の名の由来通り下半分を雲海が覆い、まるで雲が大陸を運んでいるようだ。白い靄が切り立った岸壁を覆っている。 山頂に雪を被る山々が大陸上部に広がり、アルビオンから空へと注ぐ川は朝日を受けて煌きながら巨大な虹をかける。  何せ、浮遊する大陸である。星間移民船パイオニア1よりも巨大な質量の物体だ。それが魔法によるものか、自然の手によるものかは判らないが、ともかく事実として空を浮遊しているのだ。 宇宙開拓時代に生まれついたフロウウェンですら見たことの無い光景であった。 「右舷上方の雲中より、船が接近してきます!」  その時、鐘楼の上から、見張りが声を上げた。  三人が、そちらを見やると、なるほど。船が接近してくるのが見える。  船体から大砲がずらりと突き出ているのを認め、ルイズが眉を顰める。 「いやだわ……貴族派の軍船かしら」 「……では、旗を掲げていないのはどういうわけだ?」 「それじゃ空賊じゃないの!」  マチルダが声を上げるとルイズの顔色が青くなった。 「く、空賊ですって!?」  向こうの船の方が足が速い。こちらにあっという間に追いつき、並んだかと思うと即座に大砲をぶっ放してきた。  最初に撃ってきた大砲は命中しなかった。向こうが敢えて命中させなかった、という方が正しい。  船が裏帆を打って停船すると、向こうの船に屈強な身体つきの男達が顔を覗かせた。ルイズは怯えたようにフロウウェンの後ろに隠れる。 「心配はいらん。もしもの時の手は残してある」  フロウウェンが言う。 「そ、そうだけど。あれは本当の本当に最後の手段じゃない」 「まあ、な」 「何の話?」  マチルダが尋ねると、フロウウェンが答えた。 「最悪の状況になった時に逃げ出す算段だ」 「逃げ出すって……」  どこに? ここは空の上ではないか。というか、これが最悪の状況でなくて、なんだというのだ。  空賊船の舷側に、ずらりと弓に、フリント・ロック銃といった飛び道具を手にした男達が並ぶ。  あの大砲も弾を込められて、いつでも撃てるように準備をしているのだろう。  鉤付きロープが投げられて、蛮刀や斧を手にした数十人の男がこちらに渡ってくる。 「どうにからならないの?」  せめてもの願いを込めてルイズが訊ねるが、フロウウェンは首を横に振った。  何せ敵の人数が多すぎる上に地の利がない。ルイズを護りながら戦わなければならないというのは無理だし、例えできたとしても向こうは旗色が悪くなれば躊躇なくこちらの船を沈めるだろう。 「今は、無理だ」 「そのようだ。参ったね」  何時の間にかワルドが戻ってきていた。ワルドは船長と話をしに行っていたはずだ。 「子爵。魔法は使えるのかな?」 「生憎風石に注ぎ込んで空っぽだよ。使えてもこの状況じゃ抵抗はできないし、すぐに杖も取り上げられてしまうだろうけどね」  甲板にいたグリフォンが驚いて喚くが、青白い雲が生まれてグリフォンの頭部を包み込む。どうっと甲板に倒れてグリフォンは寝入ってしまった。 「おまけにメイジもいるらしい」  ワルドは肩を竦めた。 「今の魔法は?」 「スリープ・クラウド。風のトライアングル・スペルだよ」 「風のトライアングル……厄介だな」  この空を行く船の上で、少なくともタバサと同等の魔法が使える相手とやり合うというのは、ゾッとしない話だ。 「船長はどこでえ」  黒髪に無精髭、眼帯という容貌の、賊の頭らしき男が辺りを見回しながら言う。 「わたしだ」  船長が手を上げた。精一杯の虚勢を張っているが、膝が震えている。 「船の名前と、積荷は?」  曲刀の腹でぴたぴたと顔を叩きながら空賊の頭が問う。 「トリステインの『マリー・ガラント』号。積荷は硫黄だ」  硫黄と聞いて、空賊の連中が一斉におおーという溜息を漏らす。 「船ごと全部買った。料金はてめえらの命だ」  船長の帽子を奪って被ると、にやっと笑う。それから、ルイズとワルドを目に留める。 「おやおや。貴族の客まで乗せてるのか」  そう言って目の前までやってきて、ルイズと、それからマチルダを見やり、目を大きく見開いた。 「お前―――」  マチルダは無言でそっぽを向いた。空賊なんぞに知り合いはいないが、アルビオンで自分の顔を知っている者がいたとしてもおかしくはないからだ。 「……こりゃ別嬪だな。なあ、お前。俺の船で皿洗いをやらねえか」  頭は手を差し伸ばしたが、マチルダはにべもない様子で一瞥すると、それを手で払った。 「触らないで下さい」 「はっ。お高くとまりやがる」  マチルダの返答に肩を震わせて笑う。 「てめえら。こいつらも運びな。身代金がたんまり貰えるだろうぜ!」  頭はそう言い残し、踵を返して戻っていった。  マリー・ガラント号の船員達は、自分達の船の曳航を手伝わされているらしい。ルイズ達は船倉に閉じ込められた。荷物も一見して武器と判るもの以外は手をつけられなかった。 アンリエッタの密書もマグも、そのまま手元に残されたし、予備として持ち歩いているセイバーの発振機もフロウウェンの手元にある。  杖と剣を取り上げて扉に鍵をかけてしまえば抵抗できないと思っているのだろう。勿論フロウウェンとルイズは杖が無くても攻撃の手段があるし、体術だけでもワルドはかなりの腕前だ。  ともかく、扉をぶち破って反攻に出るとしても、それはワルドが魔法を使えるだけの精神力が戻ってからのことだ。  トリステインとアルビオンの交易路を通る船を狙う空賊船ならば、スカボローの近くに拠点を持っているに違いない。だから、それほど焦る必要は無い。  フロウウェンが壁にもたれて今後の目算を立てていると、扉が開いて痩せぎすの男が入ってきて一行に告げる。 「お前ら。お頭がお呼びだ」 #navi(IDOLA have the immortal servant)
#navi(IDOLA have the immortal servant)  キュルケらが傭兵達を相手にしている頃、ルイズ達は桟橋へとひた走っていた。  マチルダは離脱の機会を窺っていたが、そのタイミングが掴めない。 申告通りに精神力が空になっているわけではないのだが、先ほどの『錬金』でそれなりに消耗したのも確かだからだ。  傭兵の別働隊にでも出くわせば骨を折りそうだ。魔法衛士隊とフロウウェンに護衛されている方がかなり安全である。 ワルドの人となりは知らないが、フロウウェンの方は少なくとも仲間を見捨てるような性格をしてはいない。  このまま桟橋まで付き合って、搭乗のどさくさに紛れて姿を消すのが良いかも知れない。  長い昇り階段へとワルドが駆け込む。この階段を昇り切れば巨大な樹が見えるだろう。それが桟橋である。 「これは……大したものだな……」  フロウウェンが桟橋を見て、感嘆の声を上げた。  山ほどもある巨大な樹木をそのまま利用しているのである。下からでは見上げても頂点がわからず、一際太い枝にぶら下がるように飛行船が待機している。 名こそ桟橋と言っているが、これは空港のターミナルのようなものなのだろう。 「桟橋を見るのは初めてなのかい?」 「少なくとも、こんな樹は見るのは初めてだな」  フロウウェンの答えに、少しだけマチルダが満足する。  いつも冷静な男だけに、もう少し慌てふためいたり、驚いたりするところが見たかったのである。 「何であなたが得意げな顔をするのよ」 「別に?」  ルイズが不審そうな顔でマチルダを見やるが、マチルダはとぼけて見せた。  木の根元をくり抜いて作られたホールは不気味なほど静まり返っていた。夜ということもあって、人がいないのだろう。 「諸君。こっちだ」  ワルドは幹に打ち付けられた鉄のプレートに書かれた文字を確認して、桟橋の階段を昇っていった。  フロウウェンは、プレートに『スカボロー行き』の文字が躍っているのを認めると、後へと続く。  木で作られた階段は体重をかけるとしなる。足場が心もとない。手すりの強度もそれほど強くない。ここで戦うなら、『フライ』や『レビテーション』が使えなければ分が悪いだろう。  踊り場に差し掛かったところで、後ろから追いすがる足音に気付いた。  フロウウェンが声を上げ、注意を促す。 「来るぞ!」  言うなり、フロウウェンは躊躇なく自分の後ろの足場をデルフリンガーで切り払った。  傭兵が相手ならこれで足止めできるし、メイジならば『フライ』や『レビテーション』を使う必要に駆られる。足止めにはならないが、宙にいる間は攻撃に移れない。ワルドと二人がかりであればそれを撃墜するのに苦は無いだろう。  後ろから来るのが追いついたタバサ達なら何の問題もない。こちらからは彼女達が『フライ』を使うのを邪魔したりしないのだから。  走ってきたのは、白い仮面を被った男だった。黒塗りの杖を手にしている。十中八九、敵方のメイジだ。  出方を伺うべくデルフリンガーを構えるが、男は既に呪文の詠唱を半ばまで終えていた。  白仮面はフロウウェンの対処の意図するところも、追いつけるタイミングも把握しているのだ。最良且つ最大の反撃を初手で繰り出すのは、造作もないことだった。 「なんだ……?」  落とされた足場の手前で足を止めると同時に呪文が完成する。白仮面の手にした杖が振るわれると、周囲の温度が急速に下がって冷気が肌を刺した。白い仮面の男の頭上へ向かって風が吹き、薄い靄が生まれる。 「『ライトニング・クラウド』だ! 構えろ!」  デルフリンガーが怒鳴るように声を上げる。その声の調子から、フロウウェンの背筋を冷たい予感が走った。 「低気圧か!」  呪文の名前と眼前で起こる現象から、術の正体を直感的に看破する。その瞬間、空気が震えた。  フロウウェンが両の手を男に向かって突き出すのと、白仮面の周囲の空間から電撃の閃光が走るのが殆ど同時―――! 「ぐあああっ!」 「ぐうっ!」  苦悶の声はフロウウェンと白仮面の、両者の口から漏れた。 「なんだ、今のは……!?」  デルフリンガーを支えにフロウウェンは膝を付く。電撃が来ると看破したときには、ギゾンデを撃つ体勢に入っていた。  両手を突き出したのは金属であるデルフリンガーを敵の使う術の避雷針代わりにする為のもの。ギゾンデは身体を走る電撃を制御、誘導して経路を作り、そっくりそのまま跳ね返してやる為のものだ。  最良のタイミングでこれを行えたなら先制のカウンターで敵の術の出足を止められるか、敵の術にギゾンデの威力を上乗せして一方的に勝つことができる。最悪でも相打ちが取れる……はずだった。  今のは、結論から言えばただの相打ちだ。初動が遅れたこともあって、痛み分けの結果に終わった。不可解なのはそこではない。  ギゾンデで放たれた雷撃は指向性を持って、術者が目標と認識した対象に次々と通電していく。対象以外は感電させるのを避けるのだ。自然現象で発する雷とは性質を異にする。  だというのに、左手から放たれた電撃は、まずデルフリンガーの刀身に吸い込まれ、それから白仮面に向かったのだ。しかも、大きく威力を減衰させていた。  案の定威力が不十分だったのか。白仮面は頭を振って立ち上がると、すぐに復帰してきた。術自体の威力も向こうの方が上であるのか、フロウウェンの方が被った被害が大きい。  無くなった足場とフロウウェンの頭上を一足飛びに越え、マチルダの眼前に迫る。 「く!」  マチルダが杖を構えるより早く、白仮面の手刀がマチルダの首筋に叩き込まれる。そのままマチルダは倒れ伏して、気を失った。  白仮面は気絶したマチルダに止めを刺そうと杖を振り上げるが、立ち上がったフロウウェンが斬り込んでくるのを視界の端に認めると、剣の間合いの外へ飛び退り、そのまま走ってルイズを抱え上げた。 「きゃあ!」  ルイズを抱えたまま跳躍する。階下まで一気に飛び降りて連れ去るつもりなのだろう。  一切逡巡もせず、フロウウェンも跳んだ。  次の刹那、ワルドの『エア・[[ハンマー]]』が宙にいた白仮面を捉えた。ルイズの手を離して、階段の手すりに捕まって落下を回避する。  フロウウェンが壁を蹴って下方向へ加速し、落下していくルイズに追いつく。彼女を腕に抱えると、言った。 「掴まっていろ」 「え?」  ルイズがフロウウェンの言葉を理解するより早く、彼女を包み込むように抱きかかえ、自分の背に向けて手をかざす。次の瞬間、フロウウェンの背中側の空間が爆ぜ、二人は吹き飛ばされた。 「きゃあああ!」  悲鳴を上げながら、ルイズは理解した。至近距離を指定して爆発のテクニック、ラフォイエを使ったのだ。  爆風に乗って、フロウウェンとルイズは階段へと復帰した。 「怪我は無いな?」 「え、ええ」  呆気に取られてルイズは首をかくかくと縦に振った。攻撃用の術を空中の制動に使うなんて無茶苦茶だ。 フロウウェンは自分のことを、テクニックユーザーとしては最下級で、攻撃用のテクニックも大した威力は無い、などと言っていた。だから割り切ってできることなのだろう。 「さて」  再び階段でフロウウェンは白仮面を見上げるように対峙した。その距離5メイルほど。一瞬で斬り込むことの可能な距離だ。しかも、上にはワルドが控えている。 「今度は挟み撃ちだな」  白仮面が自棄になって杖を掲げるが、遅きに失していた。  最初に動いたのはワルドだ。『エア・ハンマー』が白仮面の背を直撃し、一瞬遅れてフロウウェンの手にしたデルフリンガーが左の大腿部を薙ぐ。白仮面は鮮血を撒き散らしながら階下に落下していった。  ワルドの『レビテーション』で二人は階段の踊り場まで戻される。 「ヒース……大丈夫……!?」  ルイズが蒼白な顔で問う。デルフリンガーを握っていた右腕が、肘の辺りまで服ごと焼け焦げていた。自身のラフォイエによる爆風を受け止めた背中のダメージも気になる。 「……大した威力だな。あの魔法は」  戦いが終わったのでルーンも機能を停止している。従って、再生も止まってしまうということだ。 「さっきの呪文は『ライトニング・クラウド』。風系統の強力な呪文だぜ。あいつ、相当な使い手のようだな」 「まあ……あの傷なら暫くは追ってはこれまいが」  階下を見下ろしてフロウウェンは言う。白仮面の姿はもうそこにはないが、風の使い手なら『治癒』の呪文は不得手だろう。 「しかし、腕だけで済んでよかったな。本来なら、命を奪うほどの呪文だぞ。どうも、この剣が呪文を反射したように見えたが……」  なるほど。傍目から見たワルドにはそのように見えたらしい。推測できることはいくつかあるが、フロウウェンもデルフリンガーも、アカデミーに情報が渡りかねない相手に解説や種明かしをするつもりはなかった。 「おりゃあ、そんなことしてねえけどな」 「インテリジェンスソードか。珍しいな。よく分からんが、金属ではないのか?」 「知らん。忘れた」 「奴が感電したのは……大方、術の制御に失敗でもしたのだろうよ」  フロウウェンの言葉に、ワルドは眉を顰めた。 「失敗だって……?」  そんなはずはない。『遍在』にしろ『ライトニング・クラウド』にしろ、自分の術の制御は完璧だったはずだ。  疑問符がワルドの頭を埋めるが、食い下がって不審に思われても困る。それ以上は追究できずに、ワルドは考え込むしかできなかった。 「まあ、それは良いとして……さっきの爆発は?」  そうだった。もう一つ訊ねておくべきことがある。  あれで二人は落下の軌道を変えたのだった。 「あれは―――」 「あ、あれは、わたしの爆発よ」  ルイズが割って入って、自分の失敗魔法だと主張する。 「君のか? 暫く見ない内に随分と強烈になったな。しかも、思い切ったことをする」 「そ、そうなのよ。ごめんなさい。ヒース」 「気にするな」  ルイズは曖昧に笑って、それにフロウウェンが合わせる。  デルフリンガーを鞘に収め、気絶したまま倒れているマチルダを腕に抱えた。  名を呼んで軽く肩を揺さぶるが、マチルダは目覚めなかった。フロウウェンは小さく溜息を吐く。  マチルダはアルビオンに渡りたがらないだろうが、意識が戻らなければここに置いていくわけにもいかない。新手が来ないとも限らないからだ。  怪我をしているフロウウェンにさせるようなことではないと、ルイズが慌てて駆け寄る。ルイズの体格でマチルダを支えるのは骨が折れるので、結局怪我をしていないワルドが二人に代わってマチルダを抱えた。  船員達は渋ったのだが、ワルドの交渉であっさりと船は出港する運びとなった。明日の昼頃にはアルビオンの港町、スカボローに着くとのことだ。 「ヒース。傷は大丈夫?」  ルイズがフロウウェンに話しかけると、フロウウェンは小さく笑う。 「この通りだ。心配はいらん」  そう言ってかざした右腕は、服こそ焦げていたが傷一つない。 「あ……レスタね?」  テクニックの取り回しの良さにルイズは感心する。こうやってその場で秘薬も無しに傷を治せるから、ああいう無茶な作戦を躊躇いなく実行できるのだろうか。 「傷が治っているのを子爵に見咎められたら、ルーンのお陰、とでも答えておけば良かろう」 「……なんか、騙しているみたいで気が引けるわ」 「半分は事実だ」  そんな話をしていると、二人の所にワルドがやってくる。 「船長の話では、ニューカッスル付近に陣を配置した王軍は、攻囲されて苦戦中のようだ」  その言葉に、ルイズがはっとした顔になって訊ねる。 「ウェールズ皇太子は?」 「わからん。討ち取られたという報も、捕らえられたという報も入っていないから、生きてはいるようだが」 「どうせ、港町は全て反乱軍の統治下なんでしょう?」 「そうだね」 「どうやって、王党派と連絡を取ればいいのかしら?」 「陣中突破しかあるまいな。スカボローから、ニューカッスルまでは馬で一日だ」  フロウウェンは腕を組む。ギーシュと、その使い魔のヴェルダンデがいればそんな心配は無用だったのではないだろうか。地下を通ることで、安全に王党派に接触できたはずだ。とすると、組分けの人選を誤ったかもしれない。 「まあ、反乱軍も公然とトリステインの貴族に手出しはすまいよ。何かしてくるとしたら、夜陰に乗じてだろう。隙を見て包囲線を突破し、ニューカッスルの陣へ向かう」 「敵はこちらの特徴を知っている。トリステイン貴族であることを喧伝して歩くのは不味いな。港に着く前に偽装してやれば良い」  ルイズとワルドの話に耳を傾けていたフロウウェンが言った。 「どうやって?」 「ミス・ロングビルが目覚め次第『錬金』してもらう。兜を被り、鎧を纏って剣を吊るして歩けば傭兵にしか見られまいよ。 正規兵がいるのであれば、一目につかない所で似たような装備に『錬金』し直せば、騒ぎを起こすことなく安全に連中の装備を手に入れられる。 そうすれば陣中を横切るのも容易くなるだろう」 「なるほどね。それで行こうか」  ワルドが頷いた。 「そういえば、あなたのグリフォンはどうしたの?」  ルイズが訊ねると、ワルドは微笑んで口笛を吹く。下からグリフォンの羽音が聞こえてきた。そのまま甲板に着陸する。 船員達が驚嘆の声を上げていたが、ワルドが手を振ってグリフォンに害意がないことを知らせると、ちらちらとグリフォンを眺めながら仕事に戻っていく。 「あのグリフォンで直接向かうわけには行かないのか?」 「竜なら行けるでしょうけど、グリフォンはそんなに長い距離を飛べないわ」 「竜、か……」  タバサがいれば頃合を見て船から離脱し、直接ニューカッスル城へ向かえたわけだ。やはり……人選というか手勢を分散させたのが痛い。だが、この場にいない人間を当てにできるはずも無い。全ては現場の判断の結果だった。 「ん。いつの間に手当てをしたんだい?」  ワルドがフロウウェンの手を見て、言う。 「使い魔のルーンの効果でな。傷の治りが早い」 「ほう。便利なものだな」  ワルドは顎に手をやって感心したように小さく頷く。 「それより子爵。あのメイジ。何者だと思う?」 「さあ? 見当もつかないね」  突然、白仮面に話題が移った。ワルドはとぼけてみせる。 「オレは、あれがトリステインの貴族では無いかと思う」  それは核心に迫る言葉だった。内心の動揺を隠して、ワルドは問う。 「何故?」 「仮面で顔を隠していたからだ」  フロウウェンの返答に、ワルドは言葉を失った。 「こちらにいる誰かに、正体を知られては困る。正体を知られる可能性がある。だから顔を隠す必要があった……とオレは見ている」  その通りだ。素顔を見られれば、『遍在』であることが解ってしまう。 「そして、その裏切り者は、魔法衛士隊である可能性が高い」 「馬鹿な!」  今度こそ、ワルドは思わず立ち上がっていた。  どこまで把握しているのだ。この男は。ただ単にカマをかけているのか?  いや、自分は現時点では疑われるようなミスはしていないはずだ。  引っ掛けでは無いなら、推論だけでそこまで辿り着いたというのか? 「ワ、ワルド?」  ルイズが不安げな面持ちで見上げてきたので、ワルドは頭を振ると腰を落ち着け、言う。 「は、栄えある魔法衛士隊に、そんな不心得者がいるはずがない! 一体なんの根拠があってそんなことを」  動揺を誤魔化す為に、魔法衛士隊の矜持を傷つけられた、と言わんばかりのポーズを作ってみせる。 「いや、落ち着いてくれワルド子爵。気持ちは分かるが、あくまでオレの推論だ。可能性の話でしかない」 「よかろう。何故そう思ったのか聞かせてもらおうじゃないか」  どかっと腰を落ち着けて、ワルドはフロウウェンに向き合った。 「あの傭兵どもの待ち伏せにしろ、宿を包囲する手配にしろ、情報が漏れているのは確実だ。金でしか動かない末端の傭兵連中が、こちらの特徴を正確に掴んで攻めてきた。ここまではいいかな?」 「ああ」 「だが、アルビオンへの使いとして姫殿下の密命が下ったのは前日の夜のこと。内容を知っているのはオレと、ルイズとギーシュだけだ。子爵も何をしにアルビオンに行くのか聞かされているのかな?」 「姫殿下の命とあらば、理由など訊ねるのは不遜というものだ。僕の任務は君らと、君らの持つ密書を護ること。それさえ知っていれば充分だからね」  ワルドは首を横に振った。実際の所、任務の内容にも察しはついているのだが、それを口にするわけにもいかない。 「要するに、情報が漏れる経路は非常に限られている。だが、王女の動きを察知できる者の中に、その内容に察しがつく裏切り者がいればその限りではない」  ワルドは、フロウウェンの推論を苦虫を噛み潰したような顔で聞いていた。 「君の仲間達は? 彼女らは……外国人だろう?」 「ガリアもゲルマニアも、アルビオン貴族派は共通の敵だ。それに学院にスパイを紛れ込ませる意味はあまりなかろう。オレとしては、あの三人は信用できると思っている」 「ミス・ロングビルも?」  ルイズが問う。疑わしいというならロングビルこと、フーケが一番信用が置けない。 「ミス・ロングビルもだ。騙しているなら媚薬騒動の時にそう白状しているだろうよ」 「あ……それもそうね」  先日のしおらしくなった彼女を思い出して、ルイズは唸った。洗いざらい正直に口走りそうで苦労していたのだ。間者であれば、精霊が反乱軍の首魁の名前を出した時に勝手に自白していただろう。 「媚薬?」 「この件とは直接の関係はないが、学生の悪戯で一騒動あってな。それが彼女を信じる根拠に足る、ということだ」 「だから、魔法衛士隊、か」 「あの白仮面。使う呪文の強力さといい、身のこなしといい、相当訓練されているようだったからな」 「ライトニング・クラウドを使うっていうことは……風のメイジよね」  ルイズが言う。  あの場でフロウウェンを殺すつもりで放った術だ。結果論だが、あれを見せたのは仇になってしまった。 「魔法学院に姫殿下が逗留している間、その動きを察知できた人物。風メイジで、実戦経験が豊富である人物。 オレ達の中の誰かに、或いは雇った傭兵にも顔を見られては不味い人物。敵が複数いるという可能性もあるな。まあ、最悪の状況は想定しておくものだ」 「それで、魔法衛士隊……か」  なるほど。理詰めでそこまで行きついたわけだ。  確かに、そんな実力を持ち、都合良く情報を得られる人間が、そうそういるわけがない。「最悪を想定する」というなら、魔法衛士隊を疑う理由も充分に納得できる。  しかし……それをわざわざ自分に言うということは、『遍在』を知らないのだろうか? それとも知っていて、自分もその条件に当てはまると、カマをかけてきたのか?  どちらにせよ、後でアンリエッタかマザリーニ辺りに報告されれば、自分などは真っ先に疑われる立場となるわけだ。懐具合を調べられれば、貴族派と通じていたことも簡単に発覚してしまうだろう。トリステインに戻る必要はないから致命的ではないが。  だが、この男は危険だ。腕が立つばかりでなく、頭も切れる。確実に任務の障害になる。  これからの行動は細心の注意を払わねばなるまい。それから……隙を見て殺す。必ずだ。  殺意を胸に秘めて、ワルドは明るい笑みを浮かべた。 「分かった。姫殿下には任務が終わり次第、僕から報告しておこう。魔法衛士隊に裏切り者がいるとなると、士気にも関わってくるからね」 「そうだな」  ワルドの提案に、フロウウェンはあっさり引き下がった。  少なくとも自分を疑ってはいない、ということか。この男の場合、腹芸の可能性もあるから油断はならないが。  明るい光と船員達の足音で、マチルダは目を覚ました。  最初に目に飛び込んできたのは青い空だった。  状況が正確に把握できずに周囲を見渡すと、ルイズが横に眠っていた。 「うっわ……船に乗せられてるじゃないか」  閉じ込められているわけではないから、貴族派に捕まったというわけではないらしい。だが、アルビオン行きは確定している。  あの場に残していってくれた方が良かったとも言えずに、マチルダは溜息をついて、せめてもの意趣返しとばかりに件の人物を睨む。  フロウウェンはとっくに目を覚ましていて、舷側に立って空の向こうを見ていた。  デルフリンガーを携えて、朝日と風を受けるその姿は愚痴をこぼすことを忘れるほど絵になっている。 「アルビオンが見えたぞー!」  見張りの声が響くと、ルイズが寝惚け眼を擦りながら起き上がってきた。  表情に変化のなかったフロウウェンの目が少しだけ大きく開かれる。 「驚いた?」  それを目ざとく見つけたルイズが言う。 「……素晴らしい」  視線を外さず、フロウウェンは呟くように答えた。  遮るものもない空を行くアルビオンは美しかった。と同時に、圧倒されるほどの威容を誇る。  白の国の名の由来通り下半分を雲海が覆い、まるで雲が大陸を運んでいるようだ。白い靄が切り立った岸壁を覆っている。 山頂に雪を被る山々が大陸上部に広がり、アルビオンから空へと注ぐ川は朝日を受けて煌きながら巨大な虹をかける。  何せ、浮遊する大陸である。星間移民船パイオニア1よりも巨大な質量の物体だ。それが魔法によるものか、自然の手によるものかは判らないが、ともかく事実として空を浮遊しているのだ。 宇宙開拓時代に生まれついたフロウウェンですら見たことの無い光景であった。 「右舷上方の雲中より、船が接近してきます!」  その時、鐘楼の上から、見張りが声を上げた。  三人が、そちらを見やると、なるほど。船が接近してくるのが見える。  船体から大砲がずらりと突き出ているのを認め、ルイズが眉を顰める。 「いやだわ……貴族派の軍船かしら」 「……では、旗を掲げていないのはどういうわけだ?」 「それじゃ空賊じゃないの!」  マチルダが声を上げるとルイズの顔色が青くなった。 「く、空賊ですって!?」  向こうの船の方が足が速い。こちらにあっという間に追いつき、並んだかと思うと即座に大砲をぶっ放してきた。  最初に撃ってきた大砲は命中しなかった。向こうが敢えて命中させなかった、という方が正しい。  船が裏帆を打って停船すると、向こうの船に屈強な身体つきの男達が顔を覗かせた。ルイズは怯えたようにフロウウェンの後ろに隠れる。 「心配はいらん。もしもの時の手は残してある」  フロウウェンが言う。 「そ、そうだけど。あれは本当の本当に最後の手段じゃない」 「まあ、な」 「何の話?」  マチルダが尋ねると、フロウウェンが答えた。 「最悪の状況になった時に逃げ出す算段だ」 「逃げ出すって……」  どこに? ここは空の上ではないか。というか、これが最悪の状況でなくて、なんだというのだ。  空賊船の舷側に、ずらりと弓に、フリント・ロック銃といった飛び道具を手にした男達が並ぶ。  あの大砲も弾を込められて、いつでも撃てるように準備をしているのだろう。  鉤付きロープが投げられて、蛮刀や斧を手にした数十人の男がこちらに渡ってくる。 「どうにからならないの?」  せめてもの願いを込めてルイズが訊ねるが、フロウウェンは首を横に振った。  何せ敵の人数が多すぎる上に地の利がない。ルイズを護りながら戦わなければならないというのは無理だし、例えできたとしても向こうは旗色が悪くなれば躊躇なくこちらの船を沈めるだろう。 「今は、無理だ」 「そのようだ。参ったね」  何時の間にかワルドが戻ってきていた。ワルドは船長と話をしに行っていたはずだ。 「子爵。魔法は使えるのかな?」 「生憎風石に注ぎ込んで空っぽだよ。使えてもこの状況じゃ抵抗はできないし、すぐに杖も取り上げられてしまうだろうけどね」  甲板にいたグリフォンが驚いて喚くが、青白い雲が生まれてグリフォンの頭部を包み込む。どうっと甲板に倒れてグリフォンは寝入ってしまった。 「おまけにメイジもいるらしい」  ワルドは肩を竦めた。 「今の魔法は?」 「スリープ・クラウド。風のトライアングル・スペルだよ」 「風のトライアングル……厄介だな」  この空を行く船の上で、少なくともタバサと同等の魔法が使える相手とやり合うというのは、ゾッとしない話だ。 「船長はどこでえ」  黒髪に無精髭、眼帯という容貌の、賊の頭らしき男が辺りを見回しながら言う。 「わたしだ」  船長が手を上げた。精一杯の虚勢を張っているが、膝が震えている。 「船の名前と、積荷は?」  曲刀の腹でぴたぴたと顔を叩きながら空賊の頭が問う。 「トリステインの『マリー・ガラント』号。積荷は硫黄だ」  硫黄と聞いて、空賊の連中が一斉におおーという溜息を漏らす。 「船ごと全部買った。料金はてめえらの命だ」  船長の帽子を奪って被ると、にやっと笑う。それから、ルイズとワルドを目に留める。 「おやおや。貴族の客まで乗せてるのか」  そう言って目の前までやってきて、ルイズと、それからマチルダを見やり、目を大きく見開いた。 「お前―――」  マチルダは無言でそっぽを向いた。空賊なんぞに知り合いはいないが、アルビオンで自分の顔を知っている者がいたとしてもおかしくはないからだ。 「……こりゃ別嬪だな。なあ、お前。俺の船で皿洗いをやらねえか」  頭は手を差し伸ばしたが、マチルダはにべもない様子で一瞥すると、それを手で払った。 「触らないで下さい」 「はっ。お高くとまりやがる」  マチルダの返答に肩を震わせて笑う。 「てめえら。こいつらも運びな。身代金がたんまり貰えるだろうぜ!」  頭はそう言い残し、踵を返して戻っていった。  マリー・ガラント号の船員達は、自分達の船の曳航を手伝わされているらしい。ルイズ達は船倉に閉じ込められた。荷物も一見して武器と判るもの以外は手をつけられなかった。 アンリエッタの密書もマグも、そのまま手元に残されたし、予備として持ち歩いているセイバーの発振機もフロウウェンの手元にある。  杖と剣を取り上げて扉に鍵をかけてしまえば抵抗できないと思っているのだろう。勿論フロウウェンとルイズは杖が無くても攻撃の手段があるし、体術だけでもワルドはかなりの腕前だ。  ともかく、扉をぶち破って反攻に出るとしても、それはワルドが魔法を使えるだけの精神力が戻ってからのことだ。  トリステインとアルビオンの交易路を通る船を狙う空賊船ならば、スカボローの近くに拠点を持っているに違いない。だから、それほど焦る必要は無い。  フロウウェンが壁にもたれて今後の目算を立てていると、扉が開いて痩せぎすの男が入ってきて一行に告げる。 「お前ら。お頭がお呼びだ」 #navi(IDOLA have the immortal servant)

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