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使い魔の達人-11 - (2009/08/28 (金) 23:17:17) の1つ前との変更点

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#navi(使い魔の達人)  気絶したロングビル…『土くれ』のフーケから杖とナイフを奪い、逃げられぬよう小屋にあったロープでぐるぐる巻きにし終えれば、馬車まで運んで。  一行は森を後にし、一路、魔法学院を目指した。 「にしても、『破壊の聖石』を『破壊』するだなんて、ルイズの魔法には、ある意味で恐れ入ったわ。で、これ、どうすんの?」  馬車の荷台に座ったキュルケがぽつりと呟いた。その手の上で『破壊の聖石』こと、『核鉄』を弄んでいる。 そしてその『核鉄』は、表面がひび割れ、ところどころ欠けている、ボロボロの状態になっていた。 理由は言うまでもない、先刻のルイズの失敗魔法によるものである。  そしてその魔法を放った当人は、あ、と声にならない声を上げた。そういえば、これは魔法学院の宝物庫に眠る秘宝であり、 フーケに盗まれたものであり、今しがた奪還したものであり、これから学院に帰って、学院長に渡さなければいけないものなのだ。  ルイズの顔色が一気に真っ青になった。怒りに任せて杖を振り、結果それでフーケを捕まえるチャンスを生んだわけだが、 取り返すべき秘宝を破損してしまっては、意味がない。 「どどどど、どーしよう!ここっ、ここここ、壊れちゃったかしら!?」  ルイズは見るも無残に動揺した様子で、キュルケから『核鉄』をもぎ取った。そして、改めてまじまじと『核鉄』の状態を確かめる。 「さー。どうなのかしら。見た目は壊れてるけど……ねぇ、カズキ?」  自分が直接壊したわけではないからか、軽い調子でキュルケはカズキに尋ねた。カズキはこの中で唯一、『核鉄』の使い方を知っていたからだ。  ルイズもキュルケの言葉に、御車台に座ったカズキに思わずハイこれ、と『核鉄』を手渡した。カズキは困ったような顔をした。 「んー…実はオレも、よくわかんないんだよね」  カズキの記憶の限りでは、以前ブラボーがホムンクルス・金城の『武装錬金』を破壊した際にも、『核鉄』はこんな状態になってしまった。 そして、しばらくは『武装錬金』が使用不可能の状態だったと聞いている。 というか、そのときもこのLII(52番)の『核鉄』だった気がする。よくよく運のない『核鉄』である。 「でも聞いた話じゃ、自動で修復していくはずだから。一ヶ月もすれば、また使えるようにはなるんじゃないかな?」 「そ、そう。なら良…かないわっ!一ヶ月も、どこに置いておくのよ!いっ、今すぐなんとかしないと…!」  カズキの返答にも、ルイズは首を縦に振らなかった。ううむ、どうしたものか。カズキは頭を抱えてしまった。  キュルケがめんどくさそうに言った。 「表面だけでも、『錬金』の魔法で綺麗にすれば?」 「それよ!!」  ツェルプストーの提案、というのが癪に障るとか、そんなことを考える余裕は今のルイズには皆無であった。  ルイズが『錬金』してはヒビが広がるだけなので、発案者のキュルケが行うことになった。 「『錬金』はあんまり得意じゃないんだけどね………」  そして、杖を『核鉄』に向け、瞳を閉じた。しばしの静寂……が、キュルケは瞳をぱちくりと開け、カズキに再度尋ねた。 「ねぇ、コレ、何でできてるの?」  そして今度は、カズキが、あ、と声にならない声を上げた。さすがにそこまでは、カズキも知らない。  キュルケは嘆息した。どんな金属かもわからない以上、『錬金』のしようがない。 イメージだけでも、限界はあるのだ。加えて、得意な系統でもない。いざ魔法をかけて、もっとひどい事になっては目も当てられない。 「最後の手段」  それまで本を読んでいたタバサが、声を上げた。皆の視線が集まる。タバサは杖の先を、カズキに向けた。 「彼のと、交換」  使い魔の達人 第十一話  三本腕の悪魔  学院長室で、オスマンは戻った四人の報告を聞いていた。 「ふむ……。ミス・ロングビルが『土くれ』のフーケじゃったとはな……。美人だったもので、なんの疑いもせず秘書に採用してしまった」 「いったい、どこで採用されたんですか?」  隣に控えたコルベールが尋ねた。 「街の居酒屋じゃ。私が客で、彼女は給仕をしておったのだが、ついついこの手がお尻を撫でてしまってな」 「で?」  コルベールが促した。オスマンは照れたように告白した。 「おほん。それでも怒らないので、秘書にならないか、と言ってしまった」 「なんで?」  ほんとに理解できないといった口調でコルベールが尋ねた。 「カァーッ!」  オスマンは目をむいて怒鳴った。年寄りとは思えない迫力だった。それからこほんと咳をして、真顔になった。 「おまけに魔法も使えるというもんでな」 「死んだほうがいいのでは?」  コルベールがぼそっと言った。オスマンは軽く咳払いすると、コルベールに向き直り重々しい口調で言った。 「今思えば、あれも魔法学院に潜り込むためのフーケの手じゃったに違いない。居酒屋でくつろぐ私の前に何度もやってきて、愛想良く酒を勧める。 魔法学院学院長は男前で痺れます、などと何度も媚を売り売り言いおって……。終いにゃ尻を撫でても怒らない。惚れてる?とか思うじゃろ?なあ?ねえ?」  そんな風に詰め寄られたコルベールもまた、先日ついうっかりフーケにその手をやられ、宝物庫の壁の弱点について語ってしまっていた。 そのことを思い出した彼だが、あの一件は自分の胸に秘めておこうと思いつつ、オスマンに合わせた。 「そ、そうですな!美人はそれだけで、いけない魔法使いですな!」 「そのとおりじゃ!君はうまいことを言うな!コルベール君!」  そんなダメな二人のやり取りを、ルイズら四人は呆れた様子で見つめていた。  生徒たちの冷たい視線に気づき、オールド・オスマンは照れたように咳払いをすると、厳しい顔つきをしてみせた。 「さてと、君たちはよくぞフーケを捕まえ……あー。まぁ、『破壊の聖石』に関しては、残念なことではあるが、きちんと取り返しはしてくれた」  そんなオスマンが懐から出したるは、ボロボロになったLII(52番)の『核鉄』。  そう。結局、ルイズたちはこの『核鉄』をオスマンに渡すことにしたのだ。 「や、それはちょっと……」  帰路の中、カズキはタバサの提案した、自分の持つ『核鉄』と、破損したそれとの交換を拒否した。 「あら。ちょっとの間くらい、良いじゃない。直ったら、こっそり宝物庫の『聖石』と交換し直せば、わかりゃしないわよ」  キュルケがそんなことを言ってきたが、カズキはやはり、首を横に振った。  カズキの持つ『黒い核鉄』は、既にカズキの肉体とリンクして、交換はもちろん、簡単に取り出すことのできる状態ではない。 また、百歩譲って交換ということになっても、機能のほとんどが使用不可状態の『核鉄』を埋め込んでは、結局お陀仏である。  キュルケは呆れたように言った。 「強情ねぇ。あたしは良いのよ?このままで学院長に渡しても。でも、壊した当のヴァリエールは、あなたのご主人様じゃなくて? 良いの?あなたのご主人様、大切な秘宝を壊したちゃったのよ?伊達に宝物庫に入ってるわけじゃないのよ?どんな罰を科せられるか……」  それを言われると、答えに詰まる。カズキは気まずい面持ちで、ルイズを見た。  ルイズも交換と聞いて最初は、その手があったと諸手を打った。が、カズキの事情も知ってはいたし、 それが事実であると、先ほど理解した以上……それは無理だと即座に断じていた。 「別にいいわよ。あんたも、気にしなくて良いわ」  ルイズは覚悟を決めたらしく、力強く呟いた。カズキにも気負わせまいと、一声かける。 「あら、わりと潔いわね。流石、トリステイン貴族はラ・ヴァリエールの息女、ってところかしら?」 「何とでもおっしゃい。そこまで使い魔にやらせるわけには、いかないってだけよ。 こうなったら、罰だろうがなんだろうが、受けて立つわ。自分でしたことのけじめは、自分でつけなきゃ」 「ふうん」  キュルケは、にやにやとそんなルイズを見据えた。不安の色が濃いが、凛々しい顔つきじゃないか。 「それも、さっきあんたたちが言ってた、‘まだ人間が’どうのこうの、ってのと関係があるのかしら?」  キュルケの発言に、ルイズは渋い顔をしたし、カズキもまた苦笑を浮かべた。 ルイズにはやむを得ず説明したことだが、本来秘匿すべき内容である。この異世界でもそれをすべきかどうかは、わからないけれど。  そんな二人の様子を見てか、キュルケはそれ以上追求してこなかった。 「まぁ、良いわ。‘聞かれたくないことを、無理やり聞き出そうとするのはトリステインじゃ恥ずべきこと’……だったわね?ヴァリエール」  そういうキュルケに、ルイズは目を丸くして頷いた。 「え、ええ。そうよ」 「いつか、あなたが話したくなったときが来たら、教えてちょうだいな。カズキ」  キュルケは気持ちのいい笑みを浮かべた。カズキは、頬を赤くしながら頷いた。  タバサはそんな二人に一瞬ちらと視線をやったが、直ぐに本へと戻した。 「ま、なんにせよ。ルイズ、あんたがそんなに覚悟決めてるんじゃ、あたしも引くに引けないわね」  やれやれ、とキュルケは肩を竦めた。ルイズは更に目を丸くした。 「へ?ど、どういうことよ」 「あたしも一緒に、罰を受けてあげるってこと。そりゃ、壊したのはあんただけど。事情が事情だもの。 あんた一人に、責任全部丸投げするわけにもいかないでしょ」  嘆息交じりにそう言うキュルケ。するとタバサも本を閉じ、ルイズに頷いてきた。  ルイズはつい、目頭が熱くなった。なによそれ。ばっかじゃないの。わざわざ一緒に、罰を受けるなんて。  カズキはそんな三人を見て、申し訳なく思った。そして、いざとなったら…などと考えていた。  ボロボロになった『核鉄』を目の前に出されて、ルイズは震え上がった。  果たしてどんな叱責が飛んでくるやら…一応フーケは捕まえたのだから、少しくらい、恩情は出てくれないのだろうか。  自分はともかく、ほかの二人にまで厳しい罰が科せられることがないことを祈って、オスマンの言葉を待った。 「『破壊の聖石』は……こりゃまた、豪快にいったもんじゃのぅ」  オスマンが笑いながら切り出す。四人はごくり、と息を呑んだ。コルベールは、ハラハラしながら見守っていた。  三人の顔をじろりと見回した後、オスマンは言った。 「確か報告では、この『破壊の聖石』でフーケのゴーレムを打ち倒したそうじゃが…」 「は、はい…わたしの使い魔が、その『破壊の聖石』を用いて、ゴーレムを言葉通り破壊しました」  さすがにカズキがもう一つ、『破壊の聖石』を持っていることは言わないでおくルイズ。一応他の二人にも、話は合わせてある。  そしてオスマンは、カズキの顔を見た。コルベールも追従するように見やる。今度はカズキも息を呑んだ。 「で、その後、フーケに使われそうになり、ミス・ヴァリエールの魔法でこうなった…と」 「申し訳ありません。本来無傷で取り返すべき秘宝を、このようなことをしてしまって……」  オスマンは『核鉄』に視線を戻した。やがて、一つ息をつく。 「………ま、ええじゃろ。今度のことは、我々の管理能力の甘さが招いたことじゃしの。 『聖石』一つに、塔の壁の修理代。高い授業料じゃが、学院の教師連中には、良い教訓にはなったんではないかの」 「よろしいのですか?」  コルベールが驚いて尋ねた。トリステイン中の、ないし隣国からも、貴族の子弟が集うこの魔法学院の宝物庫。  眠っている秘宝は、そんじょそこらの代物とは格が違う。どれもこれも、一級品揃いなのだ。 「かまわんよ。フーケに悪用され、彼女たちの命に危害が及ぶくらいなら……こうなった方がマシかもわからんしの。 それに、世間を騒がせていた盗賊フーケを捕らえたのなら、チャラじゃ、チャラ」  四人とコルベールは、安堵の息を吐いた。 「フーケは城の衛士に引き渡した。そしてこの『破壊の聖石』もまた、一応は宝物庫に収まることになる。一件落着じゃ」  オスマンは、一人ずつ頭を撫でていった。三人とも、照れくさそうに笑った。 「君たちの、『シュヴァリエ』の爵位申請を、宮廷に出しておいた。追って沙汰があるじゃろう。 と言っても、ミス・タバサはすでに『シュヴァリエ』の爵位を持っているから、精霊勲章の授与を申請しておいた」  三人の顔が、ぱあっと輝いた。 「ほんとうですか?」  キュルケが、驚いた顔で言った。 「ほんとじゃ。いいのじゃ、君たちは、そのぐらいのことをしたんじゃから」  ルイズは、すっかり安堵の表情をしたカズキを見つめた。 「……オールド・オスマン。わたしの使い魔には、何もないんですか?」 「む……確かに、彼はゴーレムを直接打ち倒したわけじゃが…残念ながら、彼は貴族ではないからのぅ」  そんな二人に、カズキは言った。 「別にいいっすよ」 「でも……」  今度の件は、カズキがいなければ解決できなかったことだ。ならばカズキもまた、何かしら褒美をもらってしかるべきではないか。 「ミス・ヴァリエール。使い魔の手柄は、主人の手柄。君が『シュヴァリエ』の爵位を受けることが、彼への褒美にもなる。 それにこう言ってはなんだが、君たちは『破壊の聖石』を破損してしまっていることを、忘れてはいけないよ」  コルベールがそう言うと、ルイズは引き下がった。  オスマンは一つ頷くと、ぽんぽんと手を打った。 「さてと、今日の夜は『フリッグの舞踏会』じゃ。このとおり『破壊の聖石』も戻ってきたし、予定通り執り行う」  キュルケの顔が、ぱっと輝いた。 「そうでしたわ!フーケの騒ぎで忘れておりました!」 「今日の舞踏会の主役は君たちじゃ。用意をしていきたまえ。せいぜい、着飾るのじゃぞ」  三人は、礼をするとドアに向かった。  ルイズはカズキをちらと見つめた。そして、立ち止まる。 「ゴメン。悪いけど、先に行っててくんないかな」  カズキがそう言うと、ルイズはしばし心配そうに見つめていたが、頷いて部屋を出て行った。  オスマンは、カズキに向き直った。 「なにか、私に聞きたいことがおありのようじゃな」  カズキは頷いた。 「言ってごらんなさい。できるだけ力になろう。君に爵位を授けることはできんが、せめてものお礼じゃ」  それからオスマンは、コルベールに退室を促した。わくわくしながらカズキの話を待っていたコルベールは、しぶしぶ部屋を出て行った。  コルベールが出て行ったあと、カズキは口を開いた。 「その……今回、フーケが盗んだ『破壊の聖石』なんすけど……」  オスマンの眉根が、ピクリと動いた。そして、手に持ったそれを、カズキに示す。 「これが、どうかしたのかね?」 「それ、実はオレが元居た世界の、代物なんです。名前は、『核鉄』――」  すると、オスマンの眼光が鋭くなった。 「ふむ。元居た世界…とは?」 「オレ、こっちの世界の人間じゃないんです。それに……」 「それに…?」  続きを促すオスマンに、カズキは首を振った。 「いえ、なんでもないです。…オレは、ルイズの『召喚』でこっちの世界に呼ばれたんです」 「ほぅ…そうじゃったか」 「『核鉄』は、オレの世界でかつて研究されていた、‘錬金術’という技術で精製されたものです。これが何故、この世界にあるのか……」  オスマンは、しばしの沈黙の後、深くため息をついた。そしてカズキを見据え、口を開く。 「一つ訊くが」 「…はい」 「それは本当かね?」 「本当です」  カズキが大真面目に頷くので、オスマンは瞼を閉じ、苦い表情を浮かべた。 「あ、あの…?」 「そうか……。ま、いつかはこういう日もくるわな」  何かを悟ったようにオスマンは呟いた。そして、素面になればカズキに向き直る。 「あれを私に託してくれたのは……ある意味では、私の命の恩人じゃ」 「ある意味……?その人は、どうしたんすか?その人は、オレと同じ世界の人間…いや、オレと同じ、‘錬金の戦士’です。間違いない」  LII(52番)の『核鉄』を持つ、‘錬金の戦士’……カズキに思い当たるのは、たった一人しかいない。  カズキの師である、戦士長、キャプテン・ブラボーただ一人。  まさか、ブラボーがこの世界に……? 「…そうか。君や彼は、‘錬金の戦士’というのか。まぁ、良い。彼は……死んでしまった。今から、三十年も昔の話じゃ」 「な…なんだって!?」  カズキは思わず前に出そうになるのを堪えた。  死んだ?三十年前?ワケがわからない……  そんなカズキに、オスマンは追い討ちをかける。 「私が、殺した……そう。殺したんじゃ」  カズキは頭が真っ白になった。だが、オスマンは苦い表情を浮かべて構わず続けた。 「三十年前、森を散策していた私は、ワイバーンに襲われた。そこを救ってくれたのが……」  深い森の中を、三十年後と変わらぬ容貌のオスマンは歩いていた。  彼は、ある目的を持ってこの森にきていた。  立ち寄った先の近郊で、数日前に出現した、人を襲う亜人を討伐するためだ。事のついでと、買って出たのだ。  報告では、人を襲う亜人は、腕が三本ある、とのことだった。  すると、木々が揺らめき…遥か上空から、一頭の飛竜ワイバーンが襲ってきた!  予想外の方向からの、予想外の敵に戸惑ったオスマンは、しかし即座に杖を構え、魔法を唱えた。  放たれる火球は見事に着弾するが、ワイバーンの勢いは止まらない。  このままではやられる…そう思った瞬間である。 「覇ァァァァーーーッ!!」  茂みから、一人の男が風のように飛び出してきた。体格の良い、両手持ちの大剣を構えた剣士…しかしその姿は、実に異様である。  オスマンは目を見開いた。男の肩甲骨からは、もう一本の腕が生えていた。両腕を肩まで覆う鎧と、同じ様をした第三の腕が、力強く剣を掴む。 そして、三本の腕で大剣を支え、その人間離れした膂力を持って、ワイバーンを一刀を浴びせた。  ワイバーンはその剣圧に、今度は血飛沫と叫び声をあげ、退いた。 「…ッ!大丈夫か、爺さん!」  その剣士は息を荒げつつオスマンに声をかければ、ワイバーンに向き直り、その大剣を突きつける。 「やい、ドラゴン野郎!お前は‘ホムンクルス’じゃねえようだが、人間を襲って、空を飛ぶ化物である以上…… このオレ様と、オレ様の『アンシャッター・ブラザーフッド』が黙っちゃいねえ!!」  そして、一足飛びに間合いを詰め、中空のワイバーンに再び剣を振るう。 「もらったぁっ!!」  一閃!大剣は見事、ワイバーンの首を断ち切った!  メイジでも苦戦する飛竜を、いとも簡単に仕留めるほどの剣士……オスマンは息を呑んだ。何かの魔法でも、使っているのだろうか? 「……っしゃあ!」  勝利の雄叫びをあげ、男はこちらに向き直った。改めてみれば、随分と薄汚れた格好ではあるが、その肉体は実に鍛え上げられていた。  なるほど、これほどの肉体ならば、あれだけの戦闘力を発揮するのも、少しは頷ける。  加えて、肩から覗く三本目の腕の存在――オスマンは、油断なく男を見据えた。  男は、人懐っこい笑みを浮かべながら、こちらに歩み寄ってきた。 「よう、爺さん!危ないところだったな!オレ様が来なけりゃ、あのドラゴン野郎に美味しくいただかれてたとこだったぜ!」 「う、うむ……まずは礼を言わねばな。ありがとう」 「ったく、ダメだぜ?こんなとこでウロウロしてたら…」 「すまんの。ちと、所用でな」 「ってまぁ、オレ様も迷ってんだけどな!数日前に目が覚めたら、森の中にいてよぉ… なんとかその辺の村にたどり着いたんだけど、気がついたら、なんか別の場所にいたりするし!」  男は豪快に笑いながら、さほど気にした風でもないように言った。 「なんじゃそりゃ。迷子と言うか変人じゃの」 「ちげえねえ!」  オスマンは、今しがた自分を救った男を、睨めつけながら言った。 「ときにおぬし……人間かの?」 「あん?………あぁ、そっか。普通の人間は腕が三本もねぇしな!けど、オレ様のこれは、まぁなんだ、本当は秘密なんだが、まぁいいや。 ……こいつは、オレ様が闘う時に現れる、オレ様の三本目の……いや、今はいねえ、オレ様の兄貴の腕なんだ」  男は、自分の三本目の腕を、どこか切なげに見上げた。そしてすぐ、犬歯を見せて、オスマンに笑いかけた。 「ま!そーゆーワケで、オレ様は人間…人間だ!安心しな!」  オスマンとて、伊達に齢を重ねているわけではない。人を見る目は、それなりにある。  自分の窮地を救ったこの青年が、果たして人を襲う亜人なのか…オスマンには思えなかった。  そして男は、森の外まで送る、と言い出した。しかしオスマンは、それを断ろうとした。  その時である。男は急に苦しみ呻きだした。 「ぐっ…!また、きやがった……!!」  頭を抱え、激しく体を揺する。オスマンもまた、男の突然の苦しみように動揺したが、その間に杖を振り、『探知』の魔法を使うことを忘れない。  それにより、男が特に魔法の類を使用しているのではない、亜人が化けているわけでもないことはわかった。 「嫌だ……!なんだよこれ…!くそっ…爺さん、あんたが変なコト言うから……違う、そうじゃない!」  突如、意味不明なことを口に出す。何故だろう。言葉の途中で、その容貌が一瞬、同じ人間とは思えないほど、野生を帯びたものに変わった気がした。  そして、事態は更に転じる。先刻より大物のワイバーンが、二人の前に姿を現したのだ。  仲間を殺され激昂しているのだろうか。大口を開け、鋭い牙を剝かせている。その咆哮が、大気を震撼させた。 「……!」  オスマンは持ち前の胆力で、なんとかそれを乗り切った。  杖を構えようとしたところで、男が大ワイバーンに、吠え掛かる。そしてそれは、オスマンの表情を驚愕のものに変えた。 「邪魔ヲスルナ!コイツハ、オレノ獲物ダ!!」  はたしてそれは、如何なる意味を内包する言葉だろうか。すると大ワイバーンもまた、男に吠える。  一触即発の空気になる暇すら、この場にはなかった。男は周辺の樹木を足場に獣のように跳ね、三本の腕で構えた大剣を持って切りかかる。  大ワイバーンもさるもの、大きな翼を翻し、剣戟を巧みに避けては爪や牙を振るった。  一進一退の攻防の中、オスマンはあることに気づいた。男の様子が、その表情が、更に鋭く、攻撃的なものへと変貌していく。 それだけではない。その鎧の腕が、立派な意匠だったそれが、三本とも禍々しい形へと…特に三本目の腕は、より巨大な、まるで悪魔のような形状へと変化していった。 「ガァァアアア!!」  男の大剣と、大ワイバーンの爪が幾度もぶつかり合う。打ち合う衝撃に、変化の追いつかなかった大剣が半ばから圧し折れ、刀身はオスマンの足元まで飛んできた。  得物が折れたと言うのに、男は一向に退く様子はない。相手の爪や牙もまた、その鋭さを欠いてきたからだ。  男が凶剣を振るえば、飛竜もまた、爪を振るった。凄惨な戦いが、繰り広げられる。  やがてその軍配は、もはや化物と言っても差し支えのなくなった男へ挙がった。  あたり一帯は、まるで竜巻にでも遭ったのかと見紛うほどの荒れようである。木々は片っ端から折れ、暗い森の中のはずが、その一帯だけ陽光が差している。  そして陽が照りつける中、二頭のワイバーンが折り重なるように地に伏していた。  その傍らで、傷だらけになった男が息を荒げ、突っ立っている。悪魔のような腕も、あちこちが欠け、その爪にはワイバーンの血肉が付着していた。 「そんな……オレ様は、人間だ!違う!そんなハズがない!!」  男の顔は、獣のそれではなく、人間のものに戻っていた。激しく狼狽し、頭を振っている。 しかしそのうちに、男は自身の肉体に何を見たのか。激しく喚き始めた。 「嫌だ…嫌だ!オレ様は……オレ様は、楽園を作るんだ!‘ホムンクルス’の居ない、楽園を!それなのに…それなのに……!」  そして、男はオスマンを見つけると、泣きそうな顔を作りながら、言った。 「なあ、爺さん。オレ様は…なんだ?人間、だよな…?」  オスマンは、どう答えてよいかわからなかった。男を見れば、容貌こそ出現時と同じ人間のものであるが、先刻までの戦いぶりは…その腕は、化物と言うに等しい。 また、破けた服の胸元に、何かルーンのようなものが見えた気がした。あれは、最初の頃はなかったものだ。  オスマンが黙っていると、男は全てを悟ったような、悲しい表情を浮かべた。 「…違う、か。じゃあ、しかたねえ」  男は、凶悪になった三本の腕を使って、半ばから折れたその大剣で、自身を刺し貫こうとした…が、それは適わない。 「ぐぅぅ…ガァアーーーーー!!」  咆哮。男の中の化物が、再度表面化したのだ。もはや、留まることを知らない獣は、傷ついた肉体を癒すため、手近な栄養を摂取しようとした。  手近にある栄養源…何故か地に伏したワイバーンの屍には目もくれず、オスマンに凄まじい勢いで襲い掛かる!  オスマンは、二転三転する状況に混乱したのか、どの呪文を唱えるか迷ってしまった。 視界には、こちらに向かってくる獣。そして、地面に転がっている、大剣の欠けた方の刀身。  命の危機を感じたオスマンは、めいっぱいの精神力を込め、短い呪文を唱えた。  すると、刀身が魔力で浮き上がり……男の胸元に、そのルーンのようなものに、吸い込まれるように突き刺さった。  悪魔の爪は、オスマンの鼻先にかかる直前で、止まった。  そして……、やがて男は、足元から、塵になって崩れていく。 「爺さん…」  男は、人間の意思を瞳に宿していた。 「あんた、すげえな……ありがとう、殺ってくれて」  オスマンは、予想外の言葉に打ち震えた。そして、力なく頷く。 「思い出したよ……オレ様、人を襲ってたんだな。それも、何人も。なりたくもねえ化物に、いつの間にかなっちまってた。 襲っちまった人達には、ほんとに詫びきれねえ。そして、あんたにも」  すると男の両腕の鎧と、三本目の腕。そして、手に持った大剣と、胸に刺さった刀身が虚空へと消え…男の手に、六角形の金属塊が現れた。  男は、申し訳なさそうな顔で、それを差し出した。 「ついででわりいが、こいつを……」  しかし、言葉を続けることも、それを渡すことも適わない。いよいよ上半身も、塵となって崩れだしたからだ。  金属塊は、男の手から零れ落ち、地面に転がった。 「あぁ、くそ…せめて一目……楽園を……」  それが、男の最後の言葉となった。  完全に塵となり、一陣の風が吹けば、そこに人がいた気配は、なくなっていた。  そして、六角形の金属塊だけが、その場に残された。 「なにがどういう因果から、彼が人を襲うようになったのかはわからん。 少なからず、この石が関係したものと、当時の私は考えたんじゃろうな。 ワイバーン二頭を倒し、森の一帯を破壊した……あの惨状を作った彼が、塵と消えた後、 残ったこの石を、『破壊の聖石』と名付け、宝物庫にしまいこんだのじゃ。 そして、門外不出の品とするつもりだったんじゃが…今回のこの騒動、と言うわけじゃ」  カズキは呆然とした表情で、話を聞いていた。そして、時間を置いて、口を開いた。 「‘ホムンクルス’が…この、世界に……!?」  何よりも先に、いの一番に浮かんだのは、それであった。『核鉄』を持っていたのがブラボーじゃないことにも、疑問はある。 しかし…話を聞く限り、その大剣と三本目の腕は、おそらく『武装錬金』。その『武装錬金』で貫いて、塵となって消えたという話が事実ならば……。 「‘ホムンクルス’……彼も、言っておったの」  オスマンの言葉に、カズキは頷いた。 「その『核鉄』と同じように、‘錬金術’で造られた、人を襲う化物です」  カズキは‘ホムンクルス’について説明した。もともとは人間の脳に寄生する、小さな人造生命体であること。  寄生された人間は自我を失い、肉体を‘ホムンクルス’に乗っ取られること。そして、食料として人間を求めることなど。 「こんなマークを見ませんでした?」  カズキは紙とペンを借りて、‘ホムンクルス’の弱点である章印を描いて見せた。  すると、オスマンの表情がみるみる変わった。 「これは、『人食いガーゴイル』のルーン!何故君がこれを…!?」 「人食い…『ガーゴイル』?」  今度はオスマンが頷いた。 「うむ、ガーゴイル……『土』系統で作られた、魔法人形での。ゴーレムが、ある程度自分の意思を持って動くもの、と考えてよいじゃろ。出来が良いものには、喋るものも あってな」  カズキはやはり、とある自動人形を思い出していた。オスマンは、それはともかく、と言うと続けた。 「そのガーゴイルの中に、最初は精巧な人の姿をしておるんじゃが……人を襲うときに動植物の形に変わるものが、時たまおる。その際、このルーンが浮かぶのじゃ。 ガーゴイルは通常、製作者の魔力が宿る間だけ動けるんじゃが、そいつらは人間の肉体を喰らい、動き続ける。まるで、生きているかのようにの。 しかも、『探知』の魔法でも、引っかからん。人を襲うときに身体が変わるまで、『それ』とわからん、厄介な存在じゃ。 そんな、誰が作ったのかわからん『それ』を我らは、人食いガーゴイルと呼んでおったのじゃが……」  そしてオスマンは、カズキを見た。カズキも頷く。 「そうか……。君の世界で造られたものが、こっちの世界に流れておったんじゃな」  カズキは申し訳なく感じた。が、そうも言ってられない。  今しがたオスマンは、‘そいつら’と言った。つまり、記録に残るほど出現していることになる。 「それで……‘ホムンクルス’は、どうしてるんですか?あいつ等は、普通の方法じゃ倒せない」 「普通の方法、というのは?」 「殴ったり、銃で撃ったりするだけじゃ、倒せないってことです。 あいつらは、‘錬金術’で造られているから、‘錬金術'の力以外は、受け付けない。 この『核鉄』を発動させて、出てきた『武装錬金』を使わないと、倒せないはず……」  おそらく、尋常ではない数の犠牲者が出ているはずだ。カズキは息を呑んだ。 「『武装錬金』…それが、あの剣と腕のことなのかの?」  神妙に頷くカズキにしかし、オスマンは困ったように額を掻いた。 「なんとも……うぅむ。それがのう」 「はい」 「倒せておるんじゃ」  カズキは、オスマンが何を言っているのかわからなかった。 「……………ハイ?」 「なんというか、まぁ、その‘ホムンクルス’は、確かに人を襲いはするがその……こっちのメイジの魔法でなら、きちんと倒せておるんじゃよ」  開いた口が塞がらなかった。  なんだそれ?  魔法って………そんなのまでアリなのか? 「でなけりゃ君、記録に残っておらんじゃろ?」  そりゃそうだ。倒す方法のない、人を食う化物。そんなのが何匹もいたら、記録を残すどころじゃない。 しかし、まさか魔法で倒せるなんて…‘錬金術’だって、どこか魔法染みてはいたけれど。さすが本場は違うのだろうか。  じゃあ、こっちの世界じゃ、‘ホムンクルス’は……。 「まあ、なんじゃ。君にはすまんが、杞憂だったわけじゃな。しかし、あの人食いガーゴイルがのう…… そういえば、あれらも倒すと塵のように消えるっちゅー話じゃったな」  オスマンは、その長い髭をこすりながら言ってのけた。カズキは、なんだか偏頭痛もした。 「それにしても、君がこのルーンを見せてきたときは驚いたわい。そもそも人食いガーゴイルなんぞ、知っているメイジも少ないからの。 このルーンを知る者に至っても、ほとんどおらんし、倒したメイジにしても、変わった亜人だったっちゅー認識じゃろうな」  なんとも呑気な話である。カズキは大きく項垂れた。  なら何故オスマンが知っているのかと考えるが、そこは彼の肩書きからすれば納得、といったところか。 「しかし、そうか。今、この場に出た話が本当なら、私が倒そうと出向いて、私の危機を救ってくれ…… 結局、殺してしまった彼は、元人間、ということになるのかの」  その愁いを帯びた呟きに、カズキはハッとした。  結局‘錬金の戦士’なのかわからないけれど、‘ホムンクルス’になることを拒んでいたらしい彼の男。 さっぱりワケがわからないが、そんな彼に、オスマンは手をかけたことになる。 「オスマンさん…」  オスマンは、目を瞑ると、頭を振った。そして、カズキに向き直る。 「すまんの。君の仲間かも知れん者を、私は殺してしまったんじゃ」 「そんな……」  確かに、その男は‘ホムンクルス’だった。だったら、これ以上人を襲う前に、なんとかしなくてはならない。 なら、仕方のないことだ……そう、割り切るしかない。 「そう、君は彼の仲間かも知れん……じゃから、コレを聞くのは、実にしのびない…が」  オスマンは一呼吸置けば、眼光鋭く、カズキに尋ねた。 「お主は、人間かの?」 #navi(使い魔の達人)
#navi(使い魔の達人)  気絶したロングビル…『土くれ』のフーケから杖とナイフを奪い、逃げられぬよう小屋にあったロープでぐるぐる巻きにし終えれば、馬車まで運んで。  一行は森を後にし、一路、魔法学院を目指した。 「にしても、『破壊の聖石』を『破壊』するだなんて、ルイズの魔法には、ある意味で恐れ入ったわ。で、これ、どうすんの?」  馬車の荷台に座ったキュルケがぽつりと呟いた。その手の上で『破壊の聖石』こと、『核鉄』を弄んでいる。 そしてその『核鉄』は、表面がひび割れ、ところどころ欠けている、ボロボロの状態になっていた。 理由は言うまでもない、先刻のルイズの失敗魔法によるものである。  そしてその魔法を放った当人は、あ、と声にならない声を上げた。そういえば、これは魔法学院の宝物庫に眠る秘宝であり、 フーケに盗まれたものであり、今しがた奪還したものであり、これから学院に帰って、学院長に渡さなければいけないものなのだ。  ルイズの顔色が一気に真っ青になった。怒りに任せて杖を振り、結果それでフーケを捕まえるチャンスを生んだわけだが、 取り返すべき秘宝を破損してしまっては、意味がない。 「どどどど、どーしよう!ここっ、ここここ、壊れちゃったかしら!?」  ルイズは見るも無残に動揺した様子で、キュルケから『核鉄』をもぎ取った。そして、改めてまじまじと『核鉄』の状態を確かめる。 「さー。どうなのかしら。見た目は壊れてるけど……ねぇ、カズキ?」  自分が直接壊したわけではないからか、軽い調子でキュルケはカズキに尋ねた。カズキはこの中で唯一、『核鉄』の使い方を知っていたからだ。  ルイズもキュルケの言葉に、御車台に座ったカズキに思わずハイこれ、と『核鉄』を手渡した。カズキは困ったような顔をした。 「んー…実はオレも、よくわかんないんだよね」  カズキの記憶の限りでは、以前ブラボーがホムンクルス・金城の『武装錬金』を破壊した際にも、『核鉄』はこんな状態になってしまった。 そして、しばらくは『武装錬金』が使用不可能の状態だったと聞いている。 というか、そのときもこのLII(52番)の『核鉄』だった気がする。よくよく運のない『核鉄』である。 「でも聞いた話じゃ、自動で修復していくはずだから。一ヶ月もすれば、また使えるようにはなるんじゃないかな?」 「そ、そう。なら良…かないわっ!一ヶ月も、どこに置いておくのよ!いっ、今すぐなんとかしないと…!」  カズキの返答にも、ルイズは首を縦に振らなかった。ううむ、どうしたものか。カズキは頭を抱えてしまった。  キュルケがめんどくさそうに言った。 「表面だけでも、『錬金』の魔法で綺麗にすれば?」 「それよ!!」  ツェルプストーの提案、というのが癪に障るとか、そんなことを考える余裕は今のルイズには皆無であった。  ルイズが『錬金』してはヒビが広がるだけなので、発案者のキュルケが行うことになった。 「『錬金』はあんまり得意じゃないんだけどね………」  そして、杖を『核鉄』に向け、瞳を閉じた。しばしの静寂……が、キュルケは瞳をぱちくりと開け、カズキに再度尋ねた。 「ねぇ、コレ、何でできてるの?」  そして今度は、カズキが、あ、と声にならない声を上げた。さすがにそこまでは、カズキも知らない。  キュルケは嘆息した。どんな金属かもわからない以上、『錬金』のしようがない。 イメージだけでも、限界はあるのだ。加えて、得意な系統でもない。いざ魔法をかけて、もっとひどい事になっては目も当てられない。 「最後の手段」  それまで本を読んでいたタバサが、声を上げた。皆の視線が集まる。タバサは杖の先を、カズキに向けた。 「彼のと、交換」  [[使い魔の達人]] 第十一話  三本腕の悪魔  学院長室で、オスマンは戻った四人の報告を聞いていた。 「ふむ……。ミス・ロングビルが『土くれ』のフーケじゃったとはな……。美人だったもので、なんの疑いもせず秘書に採用してしまった」 「いったい、どこで採用されたんですか?」  隣に控えたコルベールが尋ねた。 「街の居酒屋じゃ。私が客で、彼女は給仕をしておったのだが、ついついこの手がお尻を撫でてしまってな」 「で?」  コルベールが促した。オスマンは照れたように告白した。 「おほん。それでも怒らないので、秘書にならないか、と言ってしまった」 「なんで?」  ほんとに理解できないといった口調でコルベールが尋ねた。 「カァーッ!」  オスマンは目をむいて怒鳴った。年寄りとは思えない迫力だった。それからこほんと咳をして、真顔になった。 「おまけに魔法も使えるというもんでな」 「死んだほうがいいのでは?」  コルベールがぼそっと言った。オスマンは軽く咳払いすると、コルベールに向き直り重々しい口調で言った。 「今思えば、あれも魔法学院に潜り込むためのフーケの手じゃったに違いない。居酒屋でくつろぐ私の前に何度もやってきて、愛想良く酒を勧める。 魔法学院学院長は男前で痺れます、などと何度も媚を売り売り言いおって……。終いにゃ尻を撫でても怒らない。惚れてる?とか思うじゃろ?なあ?ねえ?」  そんな風に詰め寄られたコルベールもまた、先日ついうっかりフーケにその手をやられ、宝物庫の壁の弱点について語ってしまっていた。 そのことを思い出した彼だが、あの一件は自分の胸に秘めておこうと思いつつ、オスマンに合わせた。 「そ、そうですな!美人はそれだけで、いけない魔法使いですな!」 「そのとおりじゃ!君はうまいことを言うな!コルベール君!」  そんなダメな二人のやり取りを、ルイズら四人は呆れた様子で見つめていた。  生徒たちの冷たい視線に気づき、オールド・オスマンは照れたように咳払いをすると、厳しい顔つきをしてみせた。 「さてと、君たちはよくぞフーケを捕まえ……あー。まぁ、『破壊の聖石』に関しては、残念なことではあるが、きちんと取り返しはしてくれた」  そんなオスマンが懐から出したるは、ボロボロになったLII(52番)の『核鉄』。  そう。結局、ルイズたちはこの『核鉄』をオスマンに渡すことにしたのだ。 「や、それはちょっと……」  帰路の中、カズキはタバサの提案した、自分の持つ『核鉄』と、破損したそれとの交換を拒否した。 「あら。ちょっとの間くらい、良いじゃない。直ったら、こっそり宝物庫の『聖石』と交換し直せば、わかりゃしないわよ」  キュルケがそんなことを言ってきたが、カズキはやはり、首を横に振った。  カズキの持つ『黒い核鉄』は、既にカズキの肉体と[[リンク]]して、交換はもちろん、簡単に取り出すことのできる状態ではない。 また、百歩譲って交換ということになっても、機能のほとんどが使用不可状態の『核鉄』を埋め込んでは、結局お陀仏である。  キュルケは呆れたように言った。 「強情ねぇ。あたしは良いのよ?このままで学院長に渡しても。でも、壊した当のヴァリエールは、あなたのご主人様じゃなくて? 良いの?あなたのご主人様、大切な秘宝を壊したちゃったのよ?伊達に宝物庫に入ってるわけじゃないのよ?どんな罰を科せられるか……」  それを言われると、答えに詰まる。カズキは気まずい面持ちで、ルイズを見た。  ルイズも交換と聞いて最初は、その手があったと諸手を打った。が、カズキの事情も知ってはいたし、 それが事実であると、先ほど理解した以上……それは無理だと即座に断じていた。 「別にいいわよ。あんたも、気にしなくて良いわ」  ルイズは覚悟を決めたらしく、力強く呟いた。カズキにも気負わせまいと、一声かける。 「あら、わりと潔いわね。流石、トリステイン貴族はラ・ヴァリエールの息女、ってところかしら?」 「何とでもおっしゃい。そこまで使い魔にやらせるわけには、いかないってだけよ。 こうなったら、罰だろうがなんだろうが、受けて立つわ。自分でしたことのけじめは、自分でつけなきゃ」 「ふうん」  キュルケは、にやにやとそんなルイズを見据えた。不安の色が濃いが、凛々しい顔つきじゃないか。 「それも、さっきあんたたちが言ってた、‘まだ人間が’どうのこうの、ってのと関係があるのかしら?」  キュルケの発言に、ルイズは渋い顔をしたし、カズキもまた苦笑を浮かべた。 ルイズにはやむを得ず説明したことだが、本来秘匿すべき内容である。この異世界でもそれをすべきかどうかは、わからないけれど。  そんな二人の様子を見てか、キュルケはそれ以上追求してこなかった。 「まぁ、良いわ。‘聞かれたくないことを、無理やり聞き出そうとするのはトリステインじゃ恥ずべきこと’……だったわね?ヴァリエール」  そういうキュルケに、ルイズは目を丸くして頷いた。 「え、ええ。そうよ」 「いつか、あなたが話したくなったときが来たら、教えてちょうだいな。カズキ」  キュルケは気持ちのいい笑みを浮かべた。カズキは、頬を赤くしながら頷いた。  タバサはそんな二人に一瞬ちらと視線をやったが、直ぐに本へと戻した。 「ま、なんにせよ。ルイズ、あんたがそんなに覚悟決めてるんじゃ、あたしも引くに引けないわね」  やれやれ、とキュルケは肩を竦めた。ルイズは更に目を丸くした。 「へ?ど、どういうことよ」 「あたしも一緒に、罰を受けてあげるってこと。そりゃ、壊したのはあんただけど。事情が事情だもの。 あんた一人に、責任全部丸投げするわけにもいかないでしょ」  嘆息交じりにそう言うキュルケ。するとタバサも本を閉じ、ルイズに頷いてきた。  ルイズはつい、目頭が熱くなった。なによそれ。ばっかじゃないの。わざわざ一緒に、罰を受けるなんて。  カズキはそんな三人を見て、申し訳なく思った。そして、いざとなったら…などと考えていた。  ボロボロになった『核鉄』を目の前に出されて、ルイズは震え上がった。  果たしてどんな叱責が飛んでくるやら…一応フーケは捕まえたのだから、少しくらい、恩情は出てくれないのだろうか。  自分はともかく、ほかの二人にまで厳しい罰が科せられることがないことを祈って、オスマンの言葉を待った。 「『破壊の聖石』は……こりゃまた、豪快にいったもんじゃのぅ」  オスマンが笑いながら切り出す。四人はごくり、と息を呑んだ。コルベールは、ハラハラしながら見守っていた。  三人の顔をじろりと見回した後、オスマンは言った。 「確か報告では、この『破壊の聖石』でフーケのゴーレムを打ち倒したそうじゃが…」 「は、はい…わたしの使い魔が、その『破壊の聖石』を用いて、ゴーレムを言葉通り破壊しました」  さすがにカズキがもう一つ、『破壊の聖石』を持っていることは言わないでおくルイズ。一応他の二人にも、話は合わせてある。  そしてオスマンは、カズキの顔を見た。コルベールも追従するように見やる。今度はカズキも息を呑んだ。 「で、その後、フーケに使われそうになり、ミス・ヴァリエールの魔法でこうなった…と」 「申し訳ありません。本来無傷で取り返すべき秘宝を、このようなことをしてしまって……」  オスマンは『核鉄』に視線を戻した。やがて、一つ息をつく。 「………ま、ええじゃろ。今度のことは、我々の管理能力の甘さが招いたことじゃしの。 『聖石』一つに、塔の壁の修理代。高い授業料じゃが、学院の教師連中には、良い教訓にはなったんではないかの」 「よろしいのですか?」  コルベールが驚いて尋ねた。トリステイン中の、ないし隣国からも、貴族の子弟が集うこの魔法学院の宝物庫。  眠っている秘宝は、そんじょそこらの代物とは格が違う。どれもこれも、一級品揃いなのだ。 「かまわんよ。フーケに悪用され、彼女たちの命に危害が及ぶくらいなら……こうなった方がマシかもわからんしの。 それに、世間を騒がせていた盗賊フーケを捕らえたのなら、チャラじゃ、チャラ」  四人とコルベールは、安堵の息を吐いた。 「フーケは城の衛士に引き渡した。そしてこの『破壊の聖石』もまた、一応は宝物庫に収まることになる。一件落着じゃ」  オスマンは、一人ずつ頭を撫でていった。三人とも、照れくさそうに笑った。 「君たちの、『シュヴァリエ』の爵位申請を、宮廷に出しておいた。追って沙汰があるじゃろう。 と言っても、ミス・タバサはすでに『シュヴァリエ』の爵位を持っているから、精霊勲章の授与を申請しておいた」  三人の顔が、ぱあっと輝いた。 「ほんとうですか?」  キュルケが、驚いた顔で言った。 「ほんとじゃ。いいのじゃ、君たちは、そのぐらいのことをしたんじゃから」  ルイズは、すっかり安堵の表情をしたカズキを見つめた。 「……オールド・オスマン。わたしの使い魔には、何もないんですか?」 「む……確かに、彼はゴーレムを直接打ち倒したわけじゃが…残念ながら、彼は貴族ではないからのぅ」  そんな二人に、カズキは言った。 「別にいいっすよ」 「でも……」  今度の件は、カズキがいなければ解決できなかったことだ。ならばカズキもまた、何かしら褒美をもらってしかるべきではないか。 「ミス・ヴァリエール。使い魔の手柄は、主人の手柄。君が『シュヴァリエ』の爵位を受けることが、彼への褒美にもなる。 それにこう言ってはなんだが、君たちは『破壊の聖石』を破損してしまっていることを、忘れてはいけないよ」  コルベールがそう言うと、ルイズは引き下がった。  オスマンは一つ頷くと、ぽんぽんと手を打った。 「さてと、今日の夜は『フリッグの舞踏会』じゃ。このとおり『破壊の聖石』も戻ってきたし、予定通り執り行う」  キュルケの顔が、ぱっと輝いた。 「そうでしたわ!フーケの騒ぎで忘れておりました!」 「今日の舞踏会の主役は君たちじゃ。用意をしていきたまえ。せいぜい、着飾るのじゃぞ」  三人は、礼をするとドアに向かった。  ルイズはカズキをちらと見つめた。そして、立ち止まる。 「ゴメン。悪いけど、先に行っててくんないかな」  カズキがそう言うと、ルイズはしばし心配そうに見つめていたが、頷いて部屋を出て行った。  オスマンは、カズキに向き直った。 「なにか、私に聞きたいことがおありのようじゃな」  カズキは頷いた。 「言ってごらんなさい。できるだけ力になろう。君に爵位を授けることはできんが、せめてものお礼じゃ」  それからオスマンは、コルベールに退室を促した。わくわくしながらカズキの話を待っていたコルベールは、しぶしぶ部屋を出て行った。  コルベールが出て行ったあと、カズキは口を開いた。 「その……今回、フーケが盗んだ『破壊の聖石』なんすけど……」  オスマンの眉根が、ピクリと動いた。そして、手に持ったそれを、カズキに示す。 「これが、どうかしたのかね?」 「それ、実はオレが元居た世界の、代物なんです。名前は、『核鉄』――」  すると、オスマンの眼光が鋭くなった。 「ふむ。元居た世界…とは?」 「オレ、こっちの世界の人間じゃないんです。それに……」 「それに…?」  続きを促すオスマンに、カズキは首を振った。 「いえ、なんでもないです。…オレは、ルイズの『召喚』でこっちの世界に呼ばれたんです」 「ほぅ…そうじゃったか」 「『核鉄』は、オレの世界でかつて研究されていた、‘錬金術’という技術で精製されたものです。これが何故、この世界にあるのか……」  オスマンは、しばしの沈黙の後、深くため息をついた。そしてカズキを見据え、口を開く。 「一つ訊くが」 「…はい」 「それは本当かね?」 「本当です」  カズキが大真面目に頷くので、オスマンは瞼を閉じ、苦い表情を浮かべた。 「あ、あの…?」 「そうか……。ま、いつかはこういう日もくるわな」  何かを悟ったようにオスマンは呟いた。そして、素面になればカズキに向き直る。 「あれを私に託してくれたのは……ある意味では、私の命の恩人じゃ」 「ある意味……?その人は、どうしたんすか?その人は、オレと同じ世界の人間…いや、オレと同じ、‘錬金の戦士’です。間違いない」  LII(52番)の『核鉄』を持つ、‘錬金の戦士’……カズキに思い当たるのは、たった一人しかいない。  カズキの師である、戦士長、キャプテン・ブラボーただ一人。  まさか、ブラボーがこの世界に……? 「…そうか。君や彼は、‘錬金の戦士’というのか。まぁ、良い。彼は……死んでしまった。今から、三十年も昔の話じゃ」 「な…なんだって!?」  カズキは思わず前に出そうになるのを堪えた。  死んだ?三十年前?ワケがわからない……  そんなカズキに、オスマンは追い討ちをかける。 「私が、殺した……そう。殺したんじゃ」  カズキは頭が真っ白になった。だが、オスマンは苦い表情を浮かべて構わず続けた。 「三十年前、森を散策していた私は、ワイバーンに襲われた。そこを救ってくれたのが……」  深い森の中を、三十年後と変わらぬ容貌のオスマンは歩いていた。  彼は、ある目的を持ってこの森にきていた。  立ち寄った先の近郊で、数日前に出現した、人を襲う亜人を討伐するためだ。事のついでと、買って出たのだ。  報告では、人を襲う亜人は、腕が三本ある、とのことだった。  すると、木々が揺らめき…遥か上空から、一頭の飛竜ワイバーンが襲ってきた!  予想外の方向からの、予想外の敵に戸惑ったオスマンは、しかし即座に杖を構え、魔法を唱えた。  放たれる火球は見事に着弾するが、ワイバーンの勢いは止まらない。  このままではやられる…そう思った瞬間である。 「覇ァァァァーーーッ!!」  茂みから、一人の男が風のように飛び出してきた。体格の良い、両手持ちの大剣を構えた剣士…しかしその姿は、実に異様である。  オスマンは目を見開いた。男の肩甲骨からは、もう一本の腕が生えていた。両腕を肩まで覆う鎧と、同じ様をした第三の腕が、力強く剣を掴む。 そして、三本の腕で大剣を支え、その人間離れした膂力を持って、ワイバーンを一刀を浴びせた。  ワイバーンはその剣圧に、今度は血飛沫と叫び声をあげ、退いた。 「…ッ!大丈夫か、爺さん!」  その剣士は息を荒げつつオスマンに声をかければ、ワイバーンに向き直り、その大剣を突きつける。 「やい、ドラゴン野郎!お前は‘ホムンクルス’じゃねえようだが、人間を襲って、空を飛ぶ化物である以上…… このオレ様と、オレ様の『アンシャッター・ブラザーフッド』が黙っちゃいねえ!!」  そして、一足飛びに間合いを詰め、中空のワイバーンに再び剣を振るう。 「もらったぁっ!!」  一閃!大剣は見事、ワイバーンの首を断ち切った!  メイジでも苦戦する飛竜を、いとも簡単に仕留めるほどの剣士……オスマンは息を呑んだ。何かの魔法でも、使っているのだろうか? 「……っしゃあ!」  勝利の雄叫びをあげ、男はこちらに向き直った。改めてみれば、随分と薄汚れた格好ではあるが、その肉体は実に鍛え上げられていた。  なるほど、これほどの肉体ならば、あれだけの戦闘力を発揮するのも、少しは頷ける。  加えて、肩から覗く三本目の腕の存在――オスマンは、油断なく男を見据えた。  男は、人懐っこい笑みを浮かべながら、こちらに歩み寄ってきた。 「よう、爺さん!危ないところだったな!オレ様が来なけりゃ、あのドラゴン野郎に美味しくいただかれてたとこだったぜ!」 「う、うむ……まずは礼を言わねばな。ありがとう」 「ったく、ダメだぜ?こんなとこでウロウロしてたら…」 「すまんの。ちと、所用でな」 「ってまぁ、オレ様も迷ってんだけどな!数日前に目が覚めたら、森の中にいてよぉ… なんとかその辺の村にたどり着いたんだけど、気がついたら、なんか別の場所にいたりするし!」  男は豪快に笑いながら、さほど気にした風でもないように言った。 「なんじゃそりゃ。迷子と言うか変人じゃの」 「ちげえねえ!」  オスマンは、今しがた自分を救った男を、睨めつけながら言った。 「ときにおぬし……人間かの?」 「あん?………あぁ、そっか。普通の人間は腕が三本もねぇしな!けど、オレ様のこれは、まぁなんだ、本当は秘密なんだが、まぁいいや。 ……こいつは、オレ様が闘う時に現れる、オレ様の三本目の……いや、今はいねえ、オレ様の兄貴の腕なんだ」  男は、自分の三本目の腕を、どこか切なげに見上げた。そしてすぐ、犬歯を見せて、オスマンに笑いかけた。 「ま!そーゆーワケで、オレ様は人間…人間だ!安心しな!」  オスマンとて、伊達に齢を重ねているわけではない。人を見る目は、それなりにある。  自分の窮地を救ったこの青年が、果たして人を襲う亜人なのか…オスマンには思えなかった。  そして男は、森の外まで送る、と言い出した。しかしオスマンは、それを断ろうとした。  その時である。男は急に苦しみ呻きだした。 「ぐっ…!また、きやがった……!!」  頭を抱え、激しく体を揺する。オスマンもまた、男の突然の苦しみように動揺したが、その間に杖を振り、『探知』の魔法を使うことを忘れない。  それにより、男が特に魔法の類を使用しているのではない、亜人が化けているわけでもないことはわかった。 「嫌だ……!なんだよこれ…!くそっ…爺さん、あんたが変なコト言うから……違う、そうじゃない!」  突如、意味不明なことを口に出す。何故だろう。言葉の途中で、その容貌が一瞬、同じ人間とは思えないほど、野生を帯びたものに変わった気がした。  そして、事態は更に転じる。先刻より大物のワイバーンが、二人の前に姿を現したのだ。  仲間を殺され激昂しているのだろうか。大口を開け、鋭い牙を剝かせている。その咆哮が、大気を震撼させた。 「……!」  オスマンは持ち前の胆力で、なんとかそれを乗り切った。  杖を構えようとしたところで、男が大ワイバーンに、吠え掛かる。そしてそれは、オスマンの表情を驚愕のものに変えた。 「邪魔ヲスルナ!コイツハ、オレノ獲物ダ!!」  はたしてそれは、如何なる意味を内包する言葉だろうか。すると大ワイバーンもまた、男に吠える。  一触即発の空気になる暇すら、この場にはなかった。男は周辺の樹木を足場に獣のように跳ね、三本の腕で構えた大剣を持って切りかかる。  大ワイバーンもさるもの、大きな翼を翻し、剣戟を巧みに避けては爪や牙を振るった。  一進一退の攻防の中、オスマンはあることに気づいた。男の様子が、その表情が、更に鋭く、攻撃的なものへと変貌していく。 それだけではない。その鎧の腕が、立派な意匠だったそれが、三本とも禍々しい形へと…特に三本目の腕は、より巨大な、まるで悪魔のような形状へと変化していった。 「ガァァアアア!!」  男の大剣と、大ワイバーンの爪が幾度もぶつかり合う。打ち合う衝撃に、変化の追いつかなかった大剣が半ばから圧し折れ、刀身はオスマンの足元まで飛んできた。  得物が折れたと言うのに、男は一向に退く様子はない。相手の爪や牙もまた、その鋭さを欠いてきたからだ。  男が凶剣を振るえば、飛竜もまた、爪を振るった。凄惨な戦いが、繰り広げられる。  やがてその軍配は、もはや化物と言っても差し支えのなくなった男へ挙がった。  あたり一帯は、まるで竜巻にでも遭ったのかと見紛うほどの荒れようである。木々は片っ端から折れ、暗い森の中のはずが、その一帯だけ陽光が差している。  そして陽が照りつける中、二頭のワイバーンが折り重なるように地に伏していた。  その傍らで、傷だらけになった男が息を荒げ、突っ立っている。悪魔のような腕も、あちこちが欠け、その爪にはワイバーンの血肉が付着していた。 「そんな……オレ様は、人間だ!違う!そんなハズがない!!」  男の顔は、獣のそれではなく、人間のものに戻っていた。激しく狼狽し、頭を振っている。 しかしそのうちに、男は自身の肉体に何を見たのか。激しく喚き始めた。 「嫌だ…嫌だ!オレ様は……オレ様は、楽園を作るんだ!‘ホムンクルス’の居ない、楽園を!それなのに…それなのに……!」  そして、男はオスマンを見つけると、泣きそうな顔を作りながら、言った。 「なあ、爺さん。オレ様は…なんだ?人間、だよな…?」  オスマンは、どう答えてよいかわからなかった。男を見れば、容貌こそ出現時と同じ人間のものであるが、先刻までの戦いぶりは…その腕は、化物と言うに等しい。 また、破けた服の胸元に、何かルーンのようなものが見えた気がした。あれは、最初の頃はなかったものだ。  オスマンが黙っていると、男は全てを悟ったような、悲しい表情を浮かべた。 「…違う、か。じゃあ、しかたねえ」  男は、凶悪になった三本の腕を使って、半ばから折れたその大剣で、自身を刺し貫こうとした…が、それは適わない。 「ぐぅぅ…ガァアーーーーー!!」  咆哮。男の中の化物が、再度表面化したのだ。もはや、留まることを知らない獣は、傷ついた肉体を癒すため、手近な栄養を摂取しようとした。  手近にある栄養源…何故か地に伏したワイバーンの屍には目もくれず、オスマンに凄まじい勢いで襲い掛かる!  オスマンは、二転三転する状況に混乱したのか、どの呪文を唱えるか迷ってしまった。 視界には、こちらに向かってくる獣。そして、地面に転がっている、大剣の欠けた方の刀身。  命の危機を感じたオスマンは、めいっぱいの精神力を込め、短い呪文を唱えた。  すると、刀身が魔力で浮き上がり……男の胸元に、そのルーンのようなものに、吸い込まれるように突き刺さった。  悪魔の爪は、オスマンの鼻先にかかる直前で、止まった。  そして……、やがて男は、足元から、塵になって崩れていく。 「爺さん…」  男は、人間の意思を瞳に宿していた。 「あんた、すげえな……ありがとう、殺ってくれて」  オスマンは、予想外の言葉に打ち震えた。そして、力なく頷く。 「思い出したよ……オレ様、人を襲ってたんだな。それも、何人も。なりたくもねえ化物に、いつの間にかなっちまってた。 襲っちまった人達には、ほんとに詫びきれねえ。そして、あんたにも」  すると男の両腕の鎧と、三本目の腕。そして、手に持った大剣と、胸に刺さった刀身が虚空へと消え…男の手に、六角形の金属塊が現れた。  男は、申し訳なさそうな顔で、それを差し出した。 「ついででわりいが、こいつを……」  しかし、言葉を続けることも、それを渡すことも適わない。いよいよ上半身も、塵となって崩れだしたからだ。  金属塊は、男の手から零れ落ち、地面に転がった。 「あぁ、くそ…せめて一目……楽園を……」  それが、男の最後の言葉となった。  完全に塵となり、一陣の風が吹けば、そこに人がいた気配は、なくなっていた。  そして、六角形の金属塊だけが、その場に残された。 「なにがどういう因果から、彼が人を襲うようになったのかはわからん。 少なからず、この石が関係したものと、当時の私は考えたんじゃろうな。 ワイバーン二頭を倒し、森の一帯を破壊した……あの惨状を作った彼が、塵と消えた後、 残ったこの石を、『破壊の聖石』と名付け、宝物庫にしまいこんだのじゃ。 そして、門外不出の品とするつもりだったんじゃが…今回のこの騒動、と言うわけじゃ」  カズキは呆然とした表情で、話を聞いていた。そして、時間を置いて、口を開いた。 「‘ホムンクルス’が…この、世界に……!?」  何よりも先に、いの一番に浮かんだのは、それであった。『核鉄』を持っていたのがブラボーじゃないことにも、疑問はある。 しかし…話を聞く限り、その大剣と三本目の腕は、おそらく『武装錬金』。その『武装錬金』で貫いて、塵となって消えたという話が事実ならば……。 「‘ホムンクルス’……彼も、言っておったの」  オスマンの言葉に、カズキは頷いた。 「その『核鉄』と同じように、‘錬金術’で造られた、人を襲う化物です」  カズキは‘ホムンクルス’について説明した。もともとは人間の脳に寄生する、小さな人造生命体であること。  寄生された人間は自我を失い、肉体を‘ホムンクルス’に乗っ取られること。そして、食料として人間を求めることなど。 「こんなマークを見ませんでした?」  カズキは紙とペンを借りて、‘ホムンクルス’の弱点である章印を描いて見せた。  すると、オスマンの表情がみるみる変わった。 「これは、『人食いガーゴイル』のルーン!何故君がこれを…!?」 「人食い…『ガーゴイル』?」  今度はオスマンが頷いた。 「うむ、ガーゴイル……『土』系統で作られた、魔法人形での。ゴーレムが、ある程度自分の意思を持って動くもの、と考えてよいじゃろ。出来が良いものには、喋るものも あってな」  カズキはやはり、とある自動人形を思い出していた。オスマンは、それはともかく、と言うと続けた。 「そのガーゴイルの中に、最初は精巧な人の姿をしておるんじゃが……人を襲うときに動植物の形に変わるものが、時たまおる。その際、このルーンが浮かぶのじゃ。 ガーゴイルは通常、製作者の魔力が宿る間だけ動けるんじゃが、そいつらは人間の肉体を喰らい、動き続ける。まるで、生きているかのようにの。 しかも、『探知』の魔法でも、引っかからん。人を襲うときに身体が変わるまで、『それ』とわからん、厄介な存在じゃ。 そんな、誰が作ったのかわからん『それ』を我らは、人食いガーゴイルと呼んでおったのじゃが……」  そしてオスマンは、カズキを見た。カズキも頷く。 「そうか……。君の世界で造られたものが、こっちの世界に流れておったんじゃな」  カズキは申し訳なく感じた。が、そうも言ってられない。  今しがたオスマンは、‘そいつら’と言った。つまり、記録に残るほど出現していることになる。 「それで……‘ホムンクルス’は、どうしてるんですか?あいつ等は、普通の方法じゃ倒せない」 「普通の方法、というのは?」 「殴ったり、銃で撃ったりするだけじゃ、倒せないってことです。 あいつらは、‘錬金術’で造られているから、‘錬金術'の力以外は、受け付けない。 この『核鉄』を発動させて、出てきた『武装錬金』を使わないと、倒せないはず……」  おそらく、尋常ではない数の犠牲者が出ているはずだ。カズキは息を呑んだ。 「『武装錬金』…それが、あの剣と腕のことなのかの?」  神妙に頷くカズキにしかし、オスマンは困ったように額を掻いた。 「なんとも……うぅむ。それがのう」 「はい」 「倒せておるんじゃ」  カズキは、オスマンが何を言っているのかわからなかった。 「……………ハイ?」 「なんというか、まぁ、その‘ホムンクルス’は、確かに人を襲いはするがその……こっちのメイジの魔法でなら、きちんと倒せておるんじゃよ」  開いた口が塞がらなかった。  なんだそれ?  魔法って………そんなのまでアリなのか? 「でなけりゃ君、記録に残っておらんじゃろ?」  そりゃそうだ。倒す方法のない、人を食う化物。そんなのが何匹もいたら、記録を残すどころじゃない。 しかし、まさか魔法で倒せるなんて…‘錬金術’だって、どこか魔法染みてはいたけれど。さすが本場は違うのだろうか。  じゃあ、こっちの世界じゃ、‘ホムンクルス’は……。 「まあ、なんじゃ。君にはすまんが、杞憂だったわけじゃな。しかし、あの人食いガーゴイルがのう…… そういえば、あれらも倒すと塵のように消えるっちゅー話じゃったな」  オスマンは、その長い髭をこすりながら言ってのけた。カズキは、なんだか偏頭痛もした。 「それにしても、君がこのルーンを見せてきたときは驚いたわい。そもそも人食いガーゴイルなんぞ、知っているメイジも少ないからの。 このルーンを知る者に至っても、ほとんどおらんし、倒したメイジにしても、変わった亜人だったっちゅー認識じゃろうな」  なんとも呑気な話である。カズキは大きく項垂れた。  なら何故オスマンが知っているのかと考えるが、そこは彼の肩書きからすれば納得、といったところか。 「しかし、そうか。今、この場に出た話が本当なら、私が倒そうと出向いて、私の危機を救ってくれ…… 結局、殺してしまった彼は、元人間、ということになるのかの」  その愁いを帯びた呟きに、カズキはハッとした。  結局‘錬金の戦士’なのかわからないけれど、‘ホムンクルス’になることを拒んでいたらしい彼の男。 さっぱりワケがわからないが、そんな彼に、オスマンは手をかけたことになる。 「オスマンさん…」  オスマンは、目を瞑ると、頭を振った。そして、カズキに向き直る。 「すまんの。君の仲間かも知れん者を、私は殺してしまったんじゃ」 「そんな……」  確かに、その男は‘ホムンクルス’だった。だったら、これ以上人を襲う前に、なんとかしなくてはならない。 なら、仕方のないことだ……そう、割り切るしかない。 「そう、君は彼の仲間かも知れん……じゃから、コレを聞くのは、実にしのびない…が」  オスマンは一呼吸置けば、眼光鋭く、カズキに尋ねた。 「お主は、人間かの?」 #navi(使い魔の達人)

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