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  • 虚無の王-21-2の編集履歴ソース
「虚無の王-21-2」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

虚無の王-21-2 - (2010/11/26 (金) 19:05:17) のソース

#navi(虚無の王)

   * * * 


 ロングビルによると、目的地までは馬で四時間と言う事だった。 
 仲間同士集まって向かうにしても、退屈を持て余すであろう事は否めない時間だ。 
 タバサは例によって例の如く、本を開いている。 
 例に漏れるのは、ルイズもまた、本を手にしている事だ。 

「珍しいわね。何の本?」 
「お芝居の脚本を集めた本よ」 

 昨日、空が買い与えた物だ。 
 タニアリージュ・ロワイヤル座で過去に講演した芝居の筋書きが数十本、おおまかに纏められている。 

「……最近、“ツンデレ”と言う物が流行ってるらしいわね」 

 本を読み読み呟くルイズに、空とキュルケは顔を見合わせた。 
 一体、何を言い出すのだろう? 

「ねえ、これってどう言う意味?」 
「せやなあ……」 

 空は腕を組んだ。 
 自身もそうだが、旧“眠りの森〈スリーピング・フォレスト〉”のメンバーは揃って漫画好きだった。 
 特に、その手のジャンルにはキリクが詳しかったのだが……さて、自分が同じ質問をした時、あのムッツリは何と言っていただろう。 

「……惚れた男を前に、素直になれへん娘さんがやな。最初は照れ隠しもあってツンケンした態度とりよるんやけど、親密になるにつれて、今度は人目も憚らずデレデレしよる様になりよる、ちゅうか……まあ、そんな所かいな」 
「ああ、なるほどね」 

 ルイズは鼻で笑った。 

「そう言う女の子って、要は自分に自信が無いのよね。だから、相手の好意を素直に受け取れないんだわ。それで、今度は反動でタガが外れちゃうの?やだやだ。 
それに、相手の男の子も駄目ね。卑屈な本性を隠した澄まし屋を捕まえて、高嶺の花を手にいれたつもりにでも浸るんでしょう。そんなのが流行りだなんて、本当にやあねえ。病んでるわ。もう、信じられない」 

 空とキュルケはもう一度、顔を見合わせた。正直、コメントに苦しんだ。 
 この娘は、本当に何を言っているのだろう。 

「きゃっ!……」 

 と、ルイズが悲鳴を上げた。 

「何するのよ!眩しいじゃない!」 

 タバサだ。小さな手鏡をルイズに向けている。 
 二人は内心で喝采を上げた。 

「もう……で、具体的に言うと、どんな感じなのよ。空、やってみなさい」 
「ワイが?」 
「そーよ。おやりなさいったら、おやりなさい」 

 空は唸った。キリクに薦められた漫画を必死で思い起こす。 
 確か、一言で済む様なテンプレートが有った筈。 

「か、勘違いするなやっ。べ、別にルイズの為違うで!?」 
「何それ。馬鹿みたい」 
「ホンマ、ルイズは厳しいわ……」 

 だが、誰に? 
 と、今まで馬車の片隅で蝋人形の様に凍り付いていたギーシュが振り向いた。 
 歯車が軋む様な音がしたのは、多分、気のせいだろう。 
 それほど、不自然でぎこちない動きだ。 


「君達、楽しそうだねえ……」 

 それだけ言うと、深く肩を落として、深く深く溜息を漏らす。 

「なんや、ボーズ。えろう、不景気な面しとるやないか」 
「……死んでしまいたい」 

 ギーシュは酷く落ち込んでいた。惚れ薬に狂わされていたとは言え、男に迫ってしまった。 
 それがショックで仕方が無いらしい。 

「何も有らへんかったんやから、ええやないか。気分悪い事、思い出させるなや」 
「気にする事は無い」 

 珍しくタバサが慰めた。慰めたかに見えた。 

「貴方は薔薇だから」 
「ぐはっっ!」 

 痛烈な一言に、ギーシュは凍り付いた。吐血せんばかりの勢いだ。 
 手すりを掴んで、頭を打ち付けると、不出来な蝋人形は外見通りに動く事を止めた。 

「おいおい、雪ん子」 

 さすがに、空はギーシュが気の毒になった。 
 攻守の別こそあれ、同じ苦痛を味わった間柄だ。その心中は痛い程判る。 

「お前のツッコミは、愛が無うてアカンわ」 
「愛?」 
「ええか、よーく憶えとき。ツッコミのコツはな、タイミングとハートやで」 
「ハート……」 

 タバサはしばし考え込み、 

「薔薇」 
「ぬおっっ!」 

 ギーシュは跳ねる様に体を震わせた。 

「……そか。雪ん子はドSやったんか」 

 大好きだから、近付きたい。 
 大切だから、守りたい。 
 愛しているから、汚したい――――。 
 全く、愛の形も十人十色。千差万別だ。 

「そう言えば、さっきミスタ・コルベールと何、話してたの?」 
「ああ。大した事やあらへん。エアトレックのバッテリーの話とか、次、何売り出すか、とか。そないな所や」 

 暴動の話は伏せる。 
 コルベールが耳元で囁いたのは、生徒に聞かせる話では無い、と考えた為だろう。 
 自分にしても、この四人に知らせる理由は無い。 

「そういや、昨日、二人ともエアトレック履いとったけど、練金でやったんか?それとも……」 
「ミスタ・コルベールから変圧器、て言うの?それを借りたわ。私もタバサも、練金はそれほど得意では無いし」 

 タバサは無言で頷く。 
 今日もそれを使って充電、エアトレックを履いて来た、と言う。 


「タバサだけだけどね。私はまだ、この娘ほど使いこなせないし」 
「ほう。どんだけ腕上げよったかな……」 

 空は携帯を取り出し、タバサのエアトレックに向ける。 
 『Read』のアプリを使う事で、決めたトリックや、対地速度、滞空時間、回転半径、総合評価等の能力を確認する事が出来る。 
 さて、この娘の数値はどうだろう。 

「バトルレベル……八じゅ……っ!?」 

 空は思わず声を上げた。 

「何、それ?凄いの?」 
「凄いも何も、80台言うたら、充分、“王”を名乗れる数値や」 
「“王”て……!」 

 タバサはエアトレックを始めて二ヶ月足らず。おまけに、充電にも苦慮して、練習は決して充分では無かった。 
 何故、こんな数値が出る。 
 と、空はここで首を傾げた。 
 稼働時間が無闇に長い。辻褄の合わない数字だ。 
 よく見ると、他の数値もどこかで見た事がある。使用者名は、更に見覚えがあった。 

「て……なんや。ファルコの奴のデータやんか。驚かすなや」 
「誰それ?」 
「昔の仲間でな。元“牙の王”や」 

 と、言う事は――――空は両膝を抱えて座る、タバサのマントをまくり上げた。 

「エッチ」 

 相も変わらずの無表情から、抑揚の無い声が返って来た。 

「アホゥ。つーか、雪ん子、お前、二重にアホやわ。“牙の玉璽〈レガリア〉”なんぞ履いて来よったんか」 

 全く、コルベールは何をしているのだろう。それとも、勝手に持ち出したのか。 
 どちらにしろ、タバサの実力で使いこなせる代物では無い。 

「それ、て“牙”の系統……じゃなくて、道の玉璽?」 
「正確には、“血痕の道〈ブラッディ・ロード〉”の、やな」 
「“血痕の道”?」 

 ルイズに続いて、タバサが聞いた。本気で玉璽を使うつもりなのだろうか。 
 空は仕方なく、説明する。 
 ウィールやプレートで道路、壁、パイプと言った走行対象に刻みつけられた痕跡が重なり、いつしか“道”となる。 
 道は走りの記憶その物であり、それを敵手の肉体に求めるのが“血痕の道”だ。 
 技術面で言えば“血痕の道”には“キレ”が最も求められる。 
 キレとは、加減速の急激迅速。瞬間的に静止状態から最高速度に到達し、最高速度から瞬時にして停止する。 
 血痕の道のライダーは、その急激なる縦の動きで、空間を操り、間合いを掌握、敵手を殲滅する。 
 “牙の玉璽”はその能力を最大限に活かすエアトレックだ。 
 小さなスペースに組み込まれた複雑極まる機構は、制動エネルギーを回収、再放出する。 
 その膨大なエネルギーと、血痕の道のキレとが合わさる時、大気を引き裂く衝撃波、巨大な“牙”が生まれる。 

「ま、加減速の能力を徹底しとるさかい、エラいピーキーな上、そないな機構を仕込んだ代償として“飛ぶ”為の機能は全部サヨナラや。素人が一番、手出しゃアカン、エアトレックやな」 
「でも、その“牙”てのは凄そう。この娘は風メイジだし、ぴったりなんじゃない?」 
「確かに、“王”が玉璽の力を得て行使する奥義“無限の空〈インフィニティ・アトモスフィア〉”は例外無く“空”を使う。そう言う意味では、雪ん子は他の奴よか、向いとるんやろうけどな」 

 あくまで向いているだけだ。 
 短期間で驚く程上達したタバサだが、それでも玉璽起動に必要な外圧を得られるだけの力が有るとは思えない。 



「雪ん子の力じゃ、単に不便なエアトレックちゅうだけやわ」 

 馬車が森に入った。 
 夏とは言え、陽の差さない森はどこか嘘寒い。 
 だが、ルイズが身震いしたのは、それが原因では無かった。 
 先日の出来事が、その脳裏を過ぎった。 

「フーケは森の中の廃屋に居るんですよね。どんな所なんですか?」 
「廃屋は元々、木こり小屋だったらしいです。その為でしょうか。周りも大分開けているそうですよ」 

 御者台から声が返って来る。 
 屋根が無い分、事情に通じたロングビルとやり取りがし易いのは有り難い。 

「いざと言う時、ゴーレムを作り易い様に、かしら……」 
「どうやろなあ。フーケ当人が居るとは限らへんし、単に外見が怪しいだけのおっさんかも知れへんしなあ」 
「黒ずくめのローブよ。そうそう居る物じゃないわ」 
「せやけど、廃屋に居るんは男やろ。フーケは女やったし」 
「そうなの!?」 

 ルイズは仰天した。 
 フーケと言うからには、てっきり男だとばかり思っていた。 

「ケツ見れば判るわ。年増のケツや」 

 その言葉に、ロングビルは人知れず、歯軋りした。 

「ここからは徒歩で行きましょう」 

 一同は馬車を降りた。 
 空は足下を確認した。 
 行く先が廃屋だけあって、随分と使われていない道だ。両側から下生えの浸食も著しく、いずれ森に飲まれる運命だろう。 

「この先にフーケが居るのか……」 

 ギーシュは固唾を飲んだ。 
 相手は全長30メイルもの巨大ゴーレムを生み出す土メイジ。 
 ギーシュは同じ“土”系統だ。その恐ろしさはよく判る。 
 正面からぶつかり合えば、勝負にもならない。 

「正面から当たる必要無いやろ。術者を倒せばええこっちゃ」 
「いいのだよ、ミスタ。最早、僕には栄えある杖働きの果て、名誉ある死を遂げるより他、道は無いのだから……」 

 そこまで思いつめていたか。空は呆れた。 

「もうええ加減、忘れい。野良犬にレイプされたとでも思えばええやんか」 
「……やはり、死のう」 
「あんなあ。グラモン元帥の息子ちゅうのは、コソ泥相手に死んでええ人間違うやろ。場所と相手、選ばんかい」 
「“土塊”のフーケはコソ泥ではありません。“大怪盗”です」 
「第一やなあ……」 

 横合いから差し挟まれたロングビルの訂正を無視して、空は続けた。 

「お前がそないに落ち込んどったら、マルガリかて気に病むやろ。まあ、そらあいつも反省が必要やろけどな。お前を手元に縛り付けとこ思ってやった事や。許したれや」 
「うむ……確かに、その通りだな」 

 ギーシュは心持ち、胸を張った。 


「帰ったら、泣きながら風呂に入って忘れるとしよう。漸く、ラインも目に見えて来た所だ。何時までも落ち込んでいる訳にもいかないしな」 
「おっ。やったやん」 

 さらりと重大な事を口にしたギーシュに、空は素直な賛辞を送った。 
 ロングビルを先頭に、一同は森を進む。 
 デルフリンガーを鉈代わりに振り回す必要もあるかと考えたが、今の所、その必要は無さそうだ。 
 道はどんどん細くなりながら、それでも途絶える事無く、続いている。 
 元々、荒事には慣れてもいれば、好きこのんでもいるのだろう。キュルケはどこか余裕の笑みを浮かべている。 
 タバサは何時もながらに無表情。但し、杖には今まで目にした事の無い物を付けている。 
 先端に鋭いフックを備えた、革製のベルトが四本。 

「まるで、咢の奴やな」 

 ルイズは心なしか表情が硬い。 
 先日の一件がトラウマになっているのだろうか。 

「……きゃんっ!」 

 と、ルイズは悲鳴を上げた。空がその小さなお尻を叩いたのだ。 

「なーに、堅くなっとんのや。皆も居るし、ワイが着いとるんやで。心配すな」 
「あ……」 

 有り難う。ルイズは礼を言おうとした。言おうとして、言わなかったのは、別に素直になれなかったからでは無い。 

「……それはいいんだけどね」 
「なんや?」 
「いい加減、手を離しなさい!」 

 十字の杖が、空の米神を捉えた。 



 一方、その頃―――― 
 学院長室は相も変わらず荒れ果てていた。 
 荒れ果てていたが、何とか座る場所は確保して、目当ての物も発見出来た。 
 昨夜、卒業生の貴族から届いた書簡。叛乱について詳しく記した内容に、オスマンは唸る。 
 これは、後でコルベールにも確認を取らなければいけない。 
 ドアが鳴った。 
 入室を促すと、一人の学生が姿を現した。 
 ヴィリエ・ド・ロレーヌ。嘗て空に決闘を挑み、敗れた風メイジの二年生だ。 

「ミスタ・ロレーヌ。どうやら、考え違いをしていたのは、ワシの方らしい。まず、その点を詫びておきたい」 

 ロレーヌはその人と為りに問題無しとは言えない少年だ。 
 この時も、一瞬、不遜な表情を見せたが、今はそれを追求している時では無かった。 
 オスマンは敢えて見過ごし、 

「で、君の提案だが、賛同者は何人集まっているのかね?」 
「三年生が26人。二年生が18人です」 
「合わせて44人か……もう少し、集められないかね?」 
「オールド・オスマンが賛同して下されば、更に集まるとは思います。教師の方々にも賛同者は居られるでしょう。ですが、44人で充分では無いのですか?」 
「念には念を、じゃよ。要らぬ犧牲は出したくない」 
「犧牲、ですか?……44人のメイジが集まって」 
「手練れのエルフが相手なら、考えられぬ事でもあるまい?」 
「エルフ?」 
「物の譬えじゃよ。事によったら、それ以上に恐ろしい相手じゃ」 


 ヴィリエは固唾を飲んだ。ハルケギニア貴族にとって、エルフとは恐怖その物と言っても過言では無い。 
 先住と呼ばれる魔法を操り、その力はメイジ10人に匹敵する。 

「……それは、敵手をあまりに過大評価されてはいませんか?幾らなんでも……」 
「過小評価するよりはマシじゃろう」 
「しかし……」 
「明後日、アンリエッタ姫殿下が我が学院に行啓される」 

 ヴィリエは無意識に姿勢を糺した。 
 王族の行啓ともあれば、警備の関係もあり、直前まで学生に伝えられる事は無いのが常だ。 
 その前に問題を解決しておきたい。痕跡も出来る限り残したくは無い。 
 そう言う事か。 

「判りました。一人でも多くの学生を集めます。明日まで、と言う事で宜しいですか?」 
「一刻も早くじゃ。舞踏会の前に計画と配置を決定する」 

 つまり、決行は今夜。 
 確かに、事後処理の事も有るし、虚無の曜日になってしまえば、相手を捕捉出来なくなる危険も有る。 
 確実を期すなら、早めに事を起こすに越した事は無い。 

「判りました。教師の方々への対応は宜しくお願い致します」 

 ヴィリエは一礼して退出した。 
 オスマンは嘆息した。 
 昨夜の内に書簡を目にしていれば、他にやり方もあっただろう。 
 だが、物は考えようだ。相手が今、学院に居ないのは好都合とも言える。 

「案の定じゃ。嵐が来おった」 

 オスマンは一人、呟いた。 


   * * * 


 森を抜けた。一瞬、そう錯覚した。 
 なるほど、ロングビルの言う通り、随分と開けた場所だった。学院の中庭にも匹敵する程だ。 
 中央にはポツンと、小さな小屋が建っている。その傍らには、朽ち果てた炭焼き用の釜と、外板の剥がれた物置とが寄り添っている。 
 小屋までは掩体が無い。 
 速度が有り、防御手段も豊富な空とタバサが斥候を買って出る。 
 やや距離を置いて、ギーシュがワルキューレを展開している。フーケが複数犯の可能性も考慮して、逃走者の捕縛に備えると同時に、盾とする為だ。 
 その後には、火力自慢のルイズとキュルケが控えている。 
 ロングビルは馬車の番だ。 
 小屋に人の気配は無かった。二人は慎重を期して、突入する。 
 やはり、誰も居ない。 
 外の仲間達に、周囲を警戒するよう伝えて、中を調べる事にする。 

「なあ、雪ん子。今回の件、どう思う?」 
「事件は昨夜。気付いたのは、朝起きた時。そこから、調査。未だ朝の内に、馬車で四時間かかる、この場所が浮かび上がる」 

 不自然極まりない。 

「それに、年増」 

 空は吹き出した。 
 ともあれ、タバサがロングビルを疑っているのは判った。疑いながらも、乗ってやったのは何故だ? 


「こちらにも好都合」 

 理由は判らないが、フーケは学院のメイジを誘き出そうとしている。 
 黙って逃げていれば、手掛かりが途絶えていた所だ。 

「相手の尻尾掴む為、敢えて罠にかい。雪ん子、見た目よりも熱血やなあ」 
「違う」 

 別に、貴族の名誉や学院の為にやっている訳では無い。タバサはそう言った。 
 では、何の為?空は首を捻る。 

「外壁を破壊したのは、あの娘」 

 ルイズはその事に責任を感じている。 
 空は何とか手助けしたい、と思っている。 

「なら、私は手を貸す」 
「惚れたか?」 
「違う。恩を返したいだけ」 
「薬の事か?義理固いやっちゃな」 

 何か、手掛かりは無いか。二人は罠の危険にも配慮しながら、室内を丹念に調べて行く。 
 タバサはチェストを開き、 

「圓月杯?」 

 それは、とても杯には見えなかった。 

「何か有ったか?」 

 空も覗き込む。 


「あっ!」 

 と、タバサは小さく悲鳴を上げた。いきなり、突き飛ばされた。 
 手近な椅子を掴んで、転倒を避ける。 
 突然の無体に、抗議する気にはなれなかった。 
 血相を変えた空は、続いて、一度たりとも、見せた事の無い笑みを浮かべていた。 
 純粋であり、幼稚でもあり、それだけに、酷薄でもある薄い笑み。 
 歴戦の勇士。そして宮廷の醜い側面ばかりを目にして来たタバサでさえ、血が凍るのを覚える笑み。 

 知っているかね。ギリシア神話では、“空”は月のしずくで生まれたそうだよ―――― 

 少女の視線にも気付かず、空は圓月杯と呼ばれる秘宝を凝視する。 
 脳裏を、男の言葉が過ぎった。 

 君にその雫をすくいとる術を教えてあげよう―――― 

 震える手で、空は一対の円盤を掴み上げる。 
 そこには、確かにこう記されていたのだ。 


 ――――Welcome to nightmare 

#navi(虚無の王)
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