「異世界BASARA-13」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
異世界BASARA-13 - (2008/02/28 (木) 23:26:44) のソース
#navi(異世界BASARA) 決闘の日から数日… 「…ぐぅ…おや…かた…さまあぁぁ…」 今日もまた、トリステイン魔法学院に朝が来る。 「おや、かた、さまあぁぁ…」 そして、朝日が昇ったその瞬間。 「うぅおやかたさまあああああぁぁぁぁぁー!!!」 男の大声が学院中に響き渡った。 「きゃあああ!」 「うおわっ!?畜生、またルイズの使い魔だな!」 「しえええええ!持病の水虫じゃあああああ!」 その声に大勢の生徒が目を覚ます、これが最近学院での悩みの種となっていた。 毎朝決まった時間、この大声が聞こえて無理やり起こされてしまうのだ。 最も、ほぼ確実に目が覚めてしまう為、寝坊する生徒がいなくなったという事実もあるが… 「…ユキムラ、もう少し静かに起きられないの?」 と、その内1つのドアが開いた。 ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール…朝の大声の元、真田幸村の主人である。 「しかし!夢にお館様が出てきてはこの幸村、熱い魂を抑える事が出来ませぬ!」 「出来なくても何とかして抑えなさい!」 言い訳する幸村を一喝して部屋の中に戻るルイズ。しばらくすると、今度は洗濯物を持って出てきた。 「それじゃいつものようにお願い。いい? 絶 対 に 自分で洗おうとしない!」 「承知いたした!」 ルイズから洗濯物を受け取り、幸村は洗い場へと走り出した。 ここ最近彼と生活し、分かった事がある。 幸村は、家事が絶望的に出来ないという事だ。 1. 洗濯 「このような雑用もせねばならんとは…いや!これも使い魔としての役目!うおおおおー!」 ビリッ!! 「……あ」 「…で、私のパンツ…破っちゃったの?」 「も、申し訳ございませぬ!!この幸村、一生の不覚!!」 2. 掃除 「床にテーブル、しっかり拭きなさい」 「任せられよ!ぬおおおおおー!!」 「…?何これ…焦げ臭い…」 「うおらおらおらおらおらああぁぁー!!」 「ちょ、ちょっとユキムラ!火が!床が燃えてる!!」 3. お茶汲み (流石にお茶ぐらいなら淹れられるわよね…) 「お茶が入りましたぞ!!」 ゴボボボボボボボ 「……………」 「ルイズ殿、いかがなされた?」 「ななな何でカップに入っているのに沸騰して…(ガチャン!!)きゃあ!」 「だ、大丈夫でござるか!?」 頭が痛くなってきたので、ルイズはそこで思い出すのを止めた。 ふと、隣のキュルケの部屋から声が聞こえてくる。 「トシイエ、ちゃんと出来たらご飯多めにしてあげるわよ~」 「本当か?よーし!それがし頑張るぞおー!!」 ドアが勢いよく開き、洗濯物を持った利家が出てきた。それに続いてキュルケも出てくる。 「あら、おはようルイズ」 「お…おはようキュルケ…」 「おうルイズ殿!今日も元気か?」 出てきた2人にとりあえず挨拶するルイズ。 「じゃああたしは朝食に行ってくるわ。洗濯よろしくね」 「おう!ルイズ殿もちゃんと飯を食えよ。でなきゃ…大きくなれないぞぉ~!」 「よ、余計なお世話よ!!」 怒るルイズを尻目に、利家は洗い場へ走って行った。 当たる相手がいなくなった為、ルイズはキュルケをキッと睨みつける。 「キュルケ!あんたの使い魔、ちょっと礼儀がなってないんじゃない!?」 しかし、キュルケは何ら詫びる様子もなく、腰に手をあてている。 「あら?でも事実でしょ?あなた本当に背が低いし、それに…」 ルイズの胸に視線を移し、哀れむような目をして言った。 「胸も成長してないみたいだし…プッ」 「こ、ここここれからよ!これから大きくなるんだから!!」 その頃、学院長室では朝早くから緊張した空気が流れていた。 「…これは伝説上にしか存在しない筈の使い魔のルーンじゃぞ…本当にこれがあの男に刻まれておったのか?」 「はい!確かにこのルーンが左手に!オールド・オスマン、これは大発見ですぞ!」 ガンダールヴ…オスマンはコルベールの持ってきた古文書を見て呟いた。 始祖ブリミルの使い魔で、あらゆる武器を使いこなした「神の左手」… (そんな伝説上の使い魔を何故ミス・ヴァリエールが…) 「ミスタ・コルベール、この事は他言無用じゃ」 「よ、よろしいのですか?このような重大な事実、王室に知らせた方が…」 「ガンダールヴ、その強さは千人の軍隊に勝り、並のメイジでは歯が立たなかったとされたほどじゃ。そんな強力な者が現れたなどと知れたら、連中は戦でも起こしかねん」 オスマンはそこまで話すと、改めてコルベールを見据えて言った。 「それと、残り2人についても同じじゃ」 「え?」 「思い出してみよ。決闘の際、彼は力を発動して戦っていた……その強力な攻撃を受け止めたんじゃぞ?」 コルベールはハッとなり、決闘の様子を思い出した。 あの時…幸村は我を忘れ、ギーシュに止めを刺そうとした。 その攻撃を防いだのが前田利家と北条氏政の2人だ。 「つまり、彼らはガンダールヴに相当する実力を持っていると?」 「うむ、…恐らくな…」 #navi(異世界BASARA)