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ときめきメモリアル0-エピローグ - (2007/07/30 (月) 19:28:11) のソース
ハルケギニア。 トリステイン魔法学院。 大学の講堂の様な教室。 アルヴィースの食堂。 キュルケ。 タバサ。 ギーシュ。 そして、ルイズ。 どれを思い出しても、ぼくの心は切なさで満たされる。 あの日、伝説の木の下でルイズからの告白を受けたぼくは、それでも帰郷を望んだ。 望郷の念は、ぼくが思ってた以上に、心の奥深くまで根差していたのだ。 鳶色の瞳を潤ませながら送還魔法を唱えるルイズの姿が今でも目に焼き付いている。 ぼくは机の引き出しを開くと、餞別代わりにとルイズから受け取ったルビーの指輪を取り出した。 「……ルイズ」 二年もの長きにわたり、ぼくの主人を務めた少女の名前を呟く。 どこにいても、何をしてても、彼女はいつもぼくの隣にいた。 笑ったり泣いたり、時には怒ったり、実に感情の起伏が激しいコだった。 なんとなく、ぼくはルビーを指先でそっとなでてみる。 「……ルイズ、君の声が聞きたいよ…」 その時になって、ルイズの事をどうしようもないくらい好きになっていた自分に気付き、ぼくは延々と涙を流し続けた。 始まりがあれば、終わりがあるように、出会いがあれば、また別れもあるのです。 永遠に続く二人の関係。 それはどんなに幸せなことでしょう。 女の子なら誰もが信じる伝説。 それはここトリステイン学院にもあります。 「卒業の日に、校庭のはずれにある古い大きな樹の下で女の子からの告白で生まれたカップルは永遠に幸せになれる」 ぼくにもそんな絆を紡げるのだろうか。 一生で一度限りの高校生活のはずなのに最初の一年間は、ただ退屈な時だけが刻まれ続けた。 しかし、淡々と何となく過ごしていたぼくの学生生活は、突如、現れた光りのゲートによって、刺激的で充実な日々に塗りかえられる。 ぼくはファンタジー世界に迷い込んでしまったのだ。 しかし、そこでもきらめき高校と何ら変わりのない青春の舞台が用意されていた…。