atwiki-logo
  • 新規作成
    • 新規ページ作成
    • 新規ページ作成(その他)
      • このページをコピーして新規ページ作成
      • このウィキ内の別ページをコピーして新規ページ作成
      • このページの子ページを作成
    • 新規ウィキ作成
  • 編集
    • ページ編集
    • ページ編集(簡易版)
    • ページ名変更
    • メニュー非表示でページ編集
    • ページの閲覧/編集権限変更
    • ページの編集モード変更
    • このページにファイルをアップロード
    • メニューを編集
    • 右メニューを編集
  • バージョン管理
    • 最新版変更点(差分)
    • 編集履歴(バックアップ)
    • アップロードファイル履歴
    • このページの操作履歴
    • このウィキのページ操作履歴
  • ページ一覧
    • ページ一覧
    • このウィキのタグ一覧
    • このウィキのタグ(更新順)
    • おまかせページ移動
  • RSS
    • このウィキの更新情報RSS
    • このウィキ新着ページRSS
  • ヘルプ
    • ご利用ガイド
    • Wiki初心者向けガイド(基本操作)
    • このウィキの管理者に連絡
    • 運営会社に連絡(不具合、障害など)
ページ検索 メニュー
あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • 広告なしオファー
  • ウィキ募集バナー
  • 目安箱バナー
  • 操作ガイド
  • 新規作成
  • 編集する
  • 全ページ一覧
  • 登録/ログイン
広告非表示(β版)
ページ一覧
あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • 広告なしオファー
  • ウィキ募集バナー
  • 目安箱バナー
  • 操作ガイド
  • 新規作成
  • 編集する
  • 全ページ一覧
  • 登録/ログイン
ページ一覧
あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
広告非表示 広告非表示(β)版 ページ検索 ページ検索 メニュー メニュー
  • 新規作成
  • 編集する
  • 登録/ログイン
  • 管理メニュー
管理メニュー
  • 新規作成
    • 新規ページ作成
    • 新規ページ作成(その他)
      • このページをコピーして新規ページ作成
      • このウィキ内の別ページをコピーして新規ページ作成
      • このページの子ページを作成
    • 新規ウィキ作成
  • 編集
    • ページ編集
    • ページ編集(簡易版)
    • ページ名変更
    • メニュー非表示でページ編集
    • ページの閲覧/編集権限変更
    • ページの編集モード変更
    • このページにファイルをアップロード
    • メニューを編集
    • 右メニューを編集
  • バージョン管理
    • 最新版変更点(差分)
    • 編集履歴(バックアップ)
    • アップロードファイル履歴
    • このページの操作履歴
    • このウィキのページ操作履歴
  • ページ一覧
    • このウィキの全ページ一覧
    • このウィキのタグ一覧
    • このウィキのタグ一覧(更新順)
    • このページの全コメント一覧
    • このウィキの全コメント一覧
    • おまかせページ移動
  • RSS
    • このwikiの更新情報RSS
    • このwikiの新着ページRSS
  • ヘルプ
    • ご利用ガイド
    • Wiki初心者向けガイド(基本操作)
    • このウィキの管理者に連絡
    • 運営会社に連絡する(不具合、障害など)
  • atwiki
  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • 虚無の王-07

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

虚無の王-07

最終更新:2010年11月26日 19:55

Bot(ページ名リンク)

- view
だれでも歓迎! 編集
  • 前ページ
  • 次ページ
  • 虚無の王


 “風”と“火”の塔の間に、ヴェストリの広場が在る。西向きの中庭で、日中も殆ど日が差さない。悪巫山戯には最適の場所だ。

「決闘だ!」

「決闘だ!」

「ギーシュ・ド・グラモンとゼロのルイズの使い魔が決闘だ!」

 その噂は瞬く間に広まった。
 学院の生徒は皆、貴族の子弟達だ。どだい、若い彼等が、節度と信仰と学問だけで満足出来る筈も無い。退屈な寮生活の、一服の清涼剤。珍しい見せ物を見逃してはならじ、と、挙ってヴェストリの広場を目指す。
 生徒達は口々に囁き合う。成り立ちそうも無い賭けに、残酷なショーを期待する声、ヘタレのギーシュが、負けないまでも、無様な勝負を見せるのでは、と言う意地の悪い憶測。皆、一様に酷薄な笑みを浮かべている。美しい庭園が、廊下が、道徳の下水道に変わる。
 そんな生徒達の列に、キュルケとタバサが居る。

「珍しいわね。あんたがこう言う事に興味を持つの」

 傍目には表情の見えないタバサだが、眉の動き、目の光、吐息、キュルケは極々僅かな仕草から、その意志を読みとって見せる。どうやら、空が目当てらしい。
 “雪風”の二つ名を持つメイジは、彼の持つ技術に興味を持っている。魔法を用いずに風を操る術。それが戦闘に転用可能か判断するのに、これ程打ってつけの状況は他にない。
 キュルケもまた、空と言う人間を見極めたい、と考えている。
 ルイズが小石を爆発させた直後だ。桃色の悪魔を口々に罵る生徒達は、一人の平民の、たった一睨みで口を閉ざした。その上で、空は一人一人の肩を叩き、“比較的平和な”言葉を駆使して“説得”する。
 所詮、学院の生徒達は貴族の子弟だ。法撃の爆音、銃鎗の煌めきに慣れ親しんだ、本物の貴族では無い。危険や暴力の臭いには脆弱その物。三人が空の言葉に曖昧な頷きを返した頃には、全員が顔を伏せ、恐るべき使い魔から目を背けていた。
 あの時、空が見せた目を思い起こすと、キュルケは今でも背筋がゾクゾクする。それは到底、善良と友愛と幸福との中で生きて来た人間の物では無かった。
 この男は危険だ。キュルケは直感する。腹の底に濃密な闇をたらふく溜め込んでいる。その背徳の香りが、彼女の“微熱”を煽り立て、理性と自制とをトロトロに溶かして行く。
 そして、この乱痴気騒ぎに注目しているのは、生徒ばかりでは無い。


 学院長室――――
 オスマンとコルベールは“遠見の鏡”を介して、広場の光景を見つめている。
 コルベールは言う。空は伝説の使い魔“ガンダールヴ”かも知れない、と。昨日はスケッチを取る事が出来なかったので、照合しない事には判然としないが、自分の記憶に残るそれは、『始祖ブリミルの使い魔たち』に描かれたそれと、瓜二つの物だった。
 だが、それだけで空を“ガンダールヴ”と決めつけるのは早計だ。丁度、その時、一人の教員が飛び込んで来る。ヴェストリの広場における決闘騒ぎ。
 オスマンは捨て置く様に命じた。一方で、“眠りの鐘”を手にした教師を待機もさせる。危険が無いとは言えないが、確認の為にも、やらせた方が都合が良い。
 それは、“伝説の使い魔”だけの問題では無かった。

「……彼は誤解している。“トロパイオンの塔”は……天国への階段でも、空へ至る“道”でも無い」

 オスマンは恩人の言葉を思い出す。

「天は怒りに震えている――――」

 最後尾を進むのは、当事者である空。そして主人たるルイズだ。

「ギーシュだって、謝れば……ああ、無理――――」
 口に出して考え事をするタチらしい。先刻から決闘を回避する方法を考え、度々、頭を振っている。

「あー、もう!なんで、あんな事したのよ!」
「ワイの国では、あれが作法やねん。薔薇なんて持ってへんし」
「そーじゃなくて……!あんたは、私の使い魔なのよ!何、勝手な事してるのよ!」
「せやな。ルイズの面子も考えんと、勝手に謝って悪かったわ」
「そっちじゃなくて……!それもあるけど……決闘よ!平民が貴族に決闘を挑むなんて前代未聞よ!考えられないわ」
「そーせんと、ルイズが喧嘩始めそうやったし。ケチな喧嘩に頭出張らす訳、いかへんやろ」
「始めないわよ!貴族同士の決闘は禁止されてるんだから!」

 もう一つ、気にいらない事が有る。

「“ついでに”て何よ。“ついでに”て。私がギーシュに二股かけられた二人や、平民のおまけだって言うの?」
「ルイズは散々、あの兄ちゃんやっつけてたやん。可哀相に、涙目やったわ。せやから、ついで。ワイに仇とって貰おう、て腹でも無いやろ」
「あのね、言っておくけど、平民は絶対に、貴族には勝てないのよ」
「言うたやろ。ワイは王様やて」

 怒り狂うルイズを笑顔であしらいながら、空は考える。目的達成の手段を平和的な物に限らないなら、交戦確率の高い相手――――メイジの能力を知っておくに越した事は無い。
ギーシュは最下級のドットクラスだと言う。メイジ全体を計るには物足りないかも知れないが、逆に危険も少ないだろう。初戦には手頃な相手だ。多分。
 マイペースな空の態度に、ルイズは呆れて唇を結ぶ。同時に、仄かな期待も胸に浮かぶ。
 空は元“王”だと言う。それが本当なら――――“道”が系統に匹敵する物であり、彼の力がスクウェア・クラスに相当するのなら――――脚のハンディを差し引いても、ギーシュなど相手にならない筈だ。
 この男は、本当に“空”を見せてくれるのだろうか。


 ギーシュ・ド・グラモンがヴェストリの広場に着いた時、そこには既に二桁の野次馬が集まっていた。口々に囃し立てる声に、片手で答えながら、ぐるりを見回す。
 相手はどこから来るだろう。ルイズが側に居るし、野次馬の目だって有る。道に迷ったり、余計な回り道は考え難い。そう計算すると、広場の奥まで足を進める。決闘に退路は必要無い。何より、今回は距離を保つ事が肝要だった。
 ギーシュは跪くと、両手を組んで祈る。

 偉大なる始祖ブリミルよ、あなたに成り代わり、不逞の徒に罰を下す事をお許し下さい。
 グラモン家の名誉を回復する為、我が杖に祝福をお与え下さい――――

 ギーシュは空を見くびっていない。自分とルイズの間に割り入った際に見せた、驚くべき速さ。呪文の詠唱に時間を要するメイジにとっては脅威だ。勝負は最初の数秒で決まるだろう。魔法の完成が遅れれば、刀鎗白打による不名誉な敗北を喫する恐れ無しとは言えない。
 本来、決闘は対等かそれに近い者同士でなければ成り立たない物だ。平民――――それもカタワ者を相手にするなど馬鹿げている。
 貴族は力によって君臨する。平民に敗北すれば、一切の名誉を失う羽目になる。
 それでも、この決闘は避けて通れない。肩章の家紋に上張りされた、見た事も無い紋様――――なんとしてでも、この恥を雪がなければならない。
 広場が騒がしくなって来た。野次馬がみるみる増えている。そして、歓声――――空が来た。ギーシュは立ち上がると、勢いよく振り向く。

「諸君!決闘だっ――――!!」

 回廊から降り立つ車椅子を注視しながら、ギーシュは高らかに宣言する。
 歓声がわっと大きくなり、耳を聾した。諸君、静かにしてくれ――――空との距離を測りつつ、ギーシュは内心で懇願した。彼に声をかけなければならない。それが、勝負の肝なのだ。邪魔をしないでくれ。
 幸い、手を振って応えている内に、声は静まった。空はゆっくりと近付いて来る。距離はまだ許容範囲。

「取り敢えず、逃げずに来た事は誉めてやろうじゃないか。ルイズの平民」
「申し込んだの、ワイやで?」

 車椅子を止めて、空は言った。良し――――ギーシュはほっとする。声をかける距離が遠すぎれば、相手は止まらずに近寄って来ただろう。かと言って、近すぎれば危険が増す。これは悪く無い間合いだ。
 さて、ここからだ。演出も兼ねて、もう一押し。少々、アンフェアなきらいもあるが、貴族にとって最大の恥辱は敗北だ。躊躇う必要も無いだろう。


「さて、まずは礼式に則って、名乗りを上げるとしようか。僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュ――――」

 ギーシュは造花の薔薇を一振り。花びらを一枚、宙に散らす。地に落ちたそれは、瞬く間に、甲冑の女戦士を象った。

「この青銅のゴーレム、『ワルキューレ』を以てお相手しよう」

 ワルキューレが数歩進んで、優雅に一礼すると、また歓声が上がる――――合図を待たずに魔法を使った事に対して、非難の声は聞こえない。巧く行った。こう言う場面では、ルールよりも空気を味方に付けた方が、事を有利に運べる。
 空は目の前で起きた出来事に、唖然としている。

(こら驚いた……HONDAの技術者が居ったら、顔ひきつりまくりやな――――)

 一方、ルイズは目に見えて不満な顔だ。マズイ――――ギーシュは機先を制する事にした。

「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。よもや、文句はあるまいね?」
「好きにしたらええ。ワイも好きにやる」

 そのやり取りで、ルイズは抗議のタイミングを逸してしまった。

(勝った……)

 キザたらしく薔薇を持て弄びながら、ギーシュは確信した。

 計画通り――――っっ

(奴がどんなに速くとも、ワルキューレで進路を抑えれば、詠唱の時間は十分稼げる。後は残る6体を随時投入すれば、僕の勝ちは動かない――――っ)

「あんた、元“王”でしょう?ギーシュのワルキューレくらいに驚いてて大丈夫なの?」
「いやいや、あら本当に凄いわ。ワイの国は未だ、あそこまで動ける二足歩行ロボットは作れへん」
「ロボット?ゴーレムの事?遅れた国なのね」
「その分、別の分野は進んどる――――さ、離れとき」

 ルイズは不満と不安を綯い交ぜにした視線を残して、観客の中に消えた。元“王”と言う空の言葉が嘘なのではないか、と言う疑念と不満。決闘と名の付いた公開私刑になりはしないか、と言う不安だ。

「さてと、では始めようか」

 その声を合図に、双方は動き出した。


 芝生を踏みしめ、青銅の人形が迫る。思いの外、速い。人間並だ。これで土系統の最下級。最上級のスクウェア・クラスなら、どんな化け物を作って見せるのだろう。
 一歩、また一歩、疾走に併せて芝が沈む。その具合を見るに、中は空だろう。それでも重量はかなりの物だ。100㎏を超える体に、中軽量級のスピード。常人では先ず、勝ち目が無い。
 青銅の拳が唸る。強烈なフックが、風を巻き込んで迫り来る。
 空は後退してかわす。モーターは回していない。とりあえず、メイジの力を見てみたい。
 返しの左。間髪入れずに再び右。髪を、頬を掠める風圧が、その威力を物語る。空は車体を右、左、に捻る。
 ワルキューレが突進。回転が上がる。右から左から凶悪な鈍器が飛んで来る。まるで嵐だ。樹木を砕き、根ごと引っこ抜く鉄の颶風。
 空はそれ以上に速い。柔軟な指が駆動輪を前後に滑る。素早い後退。鋭いターン。時には片輪、時には殆ど横倒し。鼠花火もかくやの勢いで、車椅子が独楽と回る。
 観衆が沸き立つ。車椅子が見せる異常な速さに目を瞠る。
 逆の声も有る。かたわ一人に手こずるギーシュの不甲斐なさを詰る。

「どうした!逃げの一手か!」

 業を煮やしたギーシュは、次なる一手を打つ。薔薇を振るって、花びらをもう一枚。新たなワルキューレを作り出す。

(今だ――――!)

 二体目の投入が、一瞬空の注意を引いた事を、ギーシュは見逃さなかった。更に薔薇を振る。相手の移動を封じる魔法だ。土塊が駆動輪に絡み付き、車椅子をその場に縛り付ける。ワルキューレが無慈悲に拳を振るう。
 勝負有った――――ギーシュならずとも、そう考えただろう。だが、重く固い拳の棍棒は虚しく空を切った。誰もが唖然とした。
 頭上だ。空は逆立ちの要領で、ワルキューレの肩に乗っていた。尋常ならざる身軽さだった。そもそも、この男は脚を病んでいたのではないのか。どうやって、跳躍した?

「ん?……と、邪魔や」

 空は力任せにワルキューレを投げる。その勢いで一転、再び車椅子に納まった。
 青銅の塊が縦に転がる。首が折れ、腰が歪む。そこへ飛び込む二体目のワルキューレ――――こちらも思わぬ敏捷さを見せる。障害物を飛び越え、一躍空に襲いかかる。
 その時、ギーシュは今度こそ、信じられない物を見た。
 ワルキューレが弾き飛ばされた。まるで、鉄の壁に激突したかの様相だ。後に吹っ飛び、バラバラになる。そこでは、空が掌を突き出している。
 ワルキューレを突き飛ばした?素手で破壊した?そんな人間が存在し得るのか。パニックに陥りかけた時、空が動いた。魔法の足枷が振り切られる。

 マズイ――――!

 自分と空の間には何も無い。突進を阻む物が無い。

 マズイ――――!

 ギーシュは慌てて杖を振るう。一体目は未だ倒れたままだ。これで足りるか――――花弁を三枚落とす。
 空が加速――――騎士だってここまでは速く走れない。だが、食堂で見た程では無い。ワルキューレが生まれる。刀槍で武装した三体が突進。一体目もよろよろと立ち上がる。四体のワルキューレが、敵の行く手に立ちはだかる。

(え――――?)

 ギーシュの思考に空白が生まれた。何かが視界を過ぎり、一瞬、ワルキューレの背中を見失う。
 慌ててコントロールに集中――――だが、その手段は手元から失われていた。


 何が起きた――――?

 ギーシュは混乱した。空は半回転、勢いを殺しつつ、停止する。それは、左手、すぐ数メイル先での出来事だった。

 何が起きた――――?

 空の手には、自分の薔薇が有る。何時、奪い取られた?
 レビテーションで頭上から見物していた生徒達だけが、事態を正しく理解していた。広場の芝に、大きなS字が刻まれている。
 複数のワルキューレを同時に投入した事が、ギーシュの失策だ。自分を守る筈の防壁が、逆にブラインドとなり、空の姿を見失わせた。そして、視界の外から飛び込んで来る、超高速の対象に反応出来る訳が無い。

「ん……あの人形こさえるのに、これが無いとアカンやろ思ってたけど、コントロールも駄目なんか?」

 当たり前だ。杖無しに魔法を使えるメイジは居ない。
 歓声が上がった。笑い混じりの歓声だった。或る者は言った。平民がギーシュに勝った!――――或る者は言った。ギーシュが平民に負けた!
 ギーシュは唇を震わせていた。何が起きたかは判らなくとも、一つの事だけは理解出来た。自分は負けた。平民に負けた。魔法の力を以て君臨する貴族が、無力な筈の平民に負けた。これ程の恥辱は無い。
 だが、これは神聖な決闘の結果だった。潔く受け容れなければならない。内心の葛藤を押さえ込み、ギーシュはからからの喉から、声を絞り出した。

「ま……参っ……――――」
「ほな。これ記念にもろとくわ」

 最後まで言い切る前に、空が言った。自分の薔薇の事だと理解するのに、五秒かかった。

「な……――――」
「えーと、グラモン家やったっけ?……のまあ、何番目か知らんけど……その子息は、かたわの平民と決闘をして、負けてしまいました――――兄ちゃんが出世した時、園遊会で格好の話題になるやろな」

 ギーシュは真っ青になる。それは彼にとって、死の宣告に等しい物だった。思わぬ言葉に、観衆にもざわめきが走る。笑っている者も居るが、それは一握りだ。

「ぼ、僕を脅迫する気か!」

 恥辱と怒りと恐怖に震える少年に、空は冷たい目を返した。

「なんや……やっぱり、何の覚悟も出来てなかったんかい……これやから、半人前相手はいやや言うたんや」
「何……?」

 目と同じ、冷たい声。ギーシュは息を飲む。

「決闘言うたら、勇気を見せるもんやろ。根性見せて、名誉を回復するもんやろ。お前が何時、勇気を見せた。人形の後に隠れとって、使えなくなったら、はい、参りました?冗談やないで、ホンマ」

 空は手にした薔薇を、無造作に放り投げた。

「いらんわ。持って帰れ」


 足下に落ちた薔薇を、ギーシュは表情の抜け落ちた顔で見つめていた。嘲笑が観衆のあちらこちらから巻き起こったが、それも耳に入らなかった。
 確かに、空の言う通りだ。自分は一つも勇気を示していない。
 思えば最終的には受ける形になったものの、この決闘は元々、自分が挑んだ物だった。あの時、自分はどんなつもりで決闘を挑んだ?名誉の為?
 違う。頭に血が上り、血気の勇に走っただけだ。ただ、空の侮辱的な態度が許せず、叩き潰し、身の程を判らせてやりたかっただけだ。いや、空が居なければ、その対象はルイズだった。
 自分はただ、魔法を使えない相手に、その力を示したかっただけだったのだ。そこには、一門の名誉を賭して戦う、どんな覚悟も有りはしなかった。そして、いざ決闘となれば、勇気では無く、小策に走った。
 大体、事の切っ掛けはなんだった。自分は一度でも、グラモン家の男に相応しい態度を取っただろうか。
 ギーシュは自分の振る舞いを恥じた。だが、決闘は終わったのだ。名誉を回復する機会を、自ら放棄したのだ。
 潔く負けを認めなければならない。そして――――どうする?足下の薔薇を拾い、背を丸めて立ち去る?
 ギーシュは内心で頭を振った。それだけは絶対に嫌だ。断じて嫌だ。
 なら、恥の上塗りになろうとも、すべき事は決まっていた。
 この時、ヴェストリの広場に集まった少年少女は、一様に声を失った。今まで見た事も無い物を、信じられない物を見た。

「申し訳ない、ミスタ」

 空に向かい、ギーシュは深々と頭を下げた。

「貴方の言われる通りだ。僕の振る舞いは名誉有る物では無かった」

 刹那、広場は爆笑に包まれた。貴族が平民に頭を下げた。なんと恥知らずな事だろう。
 無慈悲な笑い声は、当然、ギーシュの耳にも届いた。それでも彼は動じず、淡々と続けた。

「貴方を紳士と見込んで、お願いする。この未熟な男に、今一度、名誉回復の機会を与えてはくれないだろうか。綸言汗の如し。貴族の言葉は神の言葉に等しい。
一度、降参を口にした身でこの様な懇願をするのは、一門の名を辱める物かも知れない。だが、僕は貴族である前に一人の男だ。恥は知らずとも、意地が有る」
「――――機会も何も、おまえ、未だマイッタ、て言うてへんやろ。そっちがその気なら、幾らでも相手になるわ」
「有り難うございます。貴方の慈悲深い態度に感謝する。では――――」

 ギーシュは身を屈めて、薔薇の杖を拾い上げる。爆笑が絶頂に達した。また、馬鹿の一つ覚えのワルキューレか――――だが、この時、グラモン家の四男が見せた行動は、彼等の想像を絶した物だった。
 ギーシュは薔薇を、空に投げ渡した。
 下卑た笑いが渦巻く広場は、一転、沈黙に包まれる。

「まずは、奪り戻す。誇り〈エムブレム〉を」

 そう宣言すると、メイジの少年は、生身で駆け出した。


 ――――To be continued

  • 前ページ
  • 次ページ
  • 虚無の王

「虚無の王-07」をウィキ内検索
LINE
シェア
Tweet
あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
記事メニュー
メニュー
  • トップページ
  • 携帯用トップ
  • メニュー

  • 更新履歴
  • 新着情報



- 長編(五十音順)
長編(五十音順)
  • あ行
  • か行
  • さ行
  • た行
  • な行
  • は行
  • ま行
  • や行
  • ら行
  • わ行
  • その他

- 長編(話数順)
長編(話数順)
  • 01~04
  • 05~14
  • 15~

- 小ネタ
小ネタ
  • あ行
  • か行
  • さ行
  • た行
  • な行
  • は行
  • ま行
  • や行
  • ら行
  • わ行
  • その他
  • ???


  • 長編(完結)
  • お預かり作品

  • 登録タグ

  • お絵描き掲示板

  • テンプレ
  • 歴代スレ

  • SSのwikiへのまとめ方

  • 避難所
  • 作家専用チャット
  • テスト空間

  • リンク



更新履歴

取得中です。
記事メニュー2

新着情報

取得中です。
人気記事ランキング
  1. 小ネタ
  2. 長編(五十音順)
  3. ゼロのロリカード
  4. モンハンで書いてみよう
  5. ゼロな提督
  6. SeeD戦記・ハルケギニア lion heart with revenger
  7. モンハンで書いてみよう 轟竜編
  8. 使い魔のカービィ
  9. 暴君の零
  10. 使い魔を使う使い魔
もっと見る
最近更新されたページ
  • 59日前

    失われた世界から新世界へ-01
  • 98日前

    毒の爪の使い魔
  • 168日前

    ゼロと損種実験体-04
  • 205日前

    ゼロの登竜門-03
  • 235日前

    ゼロの登竜門
  • 298日前

    お絵描き掲示板/お絵かき掲示板ログ/278
  • 394日前

    ゼロと魔砲使い-14
  • 394日前

    ゼロと魔砲使い-13
  • 394日前

    ゼロと魔砲使い-12
  • 394日前

    ゼロと魔砲使い-34
もっと見る
人気タグ「サー・クロコダイル」関連ページ
  • Mr.0の使い魔
もっと見る
人気記事ランキング
  1. 小ネタ
  2. 長編(五十音順)
  3. ゼロのロリカード
  4. モンハンで書いてみよう
  5. ゼロな提督
  6. SeeD戦記・ハルケギニア lion heart with revenger
  7. モンハンで書いてみよう 轟竜編
  8. 使い魔のカービィ
  9. 暴君の零
  10. 使い魔を使う使い魔
もっと見る
最近更新されたページ
  • 59日前

    失われた世界から新世界へ-01
  • 98日前

    毒の爪の使い魔
  • 168日前

    ゼロと損種実験体-04
  • 205日前

    ゼロの登竜門-03
  • 235日前

    ゼロの登竜門
  • 298日前

    お絵描き掲示板/お絵かき掲示板ログ/278
  • 394日前

    ゼロと魔砲使い-14
  • 394日前

    ゼロと魔砲使い-13
  • 394日前

    ゼロと魔砲使い-12
  • 394日前

    ゼロと魔砲使い-34
もっと見る
ウィキ募集バナー
急上昇Wikiランキング

急上昇中のWikiランキングです。今注目を集めている話題をチェックしてみよう!

  1. 遊戯王未OCGwiki
  2. 遊戯王@2ch辞典
  3. Last Z: Survival Shooter @ ウィキ
  4. 首都圏駅メロwiki
  5. 作画@wiki
  6. イナズマイレブン 染岡さんと愉快な仲間たち wiki
  7. デジタルモンスター まとめ@ ウィキ
  8. アニヲタWiki(仮)
  9. 正田崇作品 @ ウィキ
  10. 機動戦士ガンダム EXTREME VS.2 INFINITEBOOST wiki
もっと見る
人気Wikiランキング

atwikiでよく見られているWikiのランキングです。新しい情報を発見してみよう!

  1. アニヲタWiki(仮)
  2. ゲームカタログ@Wiki ~名作からクソゲーまで~
  3. 初音ミク Wiki
  4. ストグラ まとめ @ウィキ
  5. 検索してはいけない言葉 @ ウィキ
  6. 機動戦士ガンダム バトルオペレーション2攻略Wiki 3rd Season
  7. 機動戦士ガンダム EXTREME VS.2 INFINITEBOOST wiki
  8. Grand Theft Auto V(グランドセフトオート5)GTA5 & GTAオンライン 情報・攻略wiki
  9. NIKKEぺでぃあ
  10. MADTOWNGTAまとめwiki
もっと見る
新規Wikiランキング

最近作成されたWikiのアクセスランキングです。見るだけでなく加筆してみよう!

  1. フォートナイト攻略Wiki
  2. MADTOWNGTAまとめwiki
  3. 首都圏駅メロwiki
  4. MadTown GTA (Beta) まとめウィキ
  5. Last Z: Survival Shooter @ ウィキ
  6. まどドラ攻略wiki
  7. 駅のスピーカーwiki
  8. 魔法少女ノ魔女裁判 攻略・考察Wiki
  9. 漢字でGO 問題集 @wiki
  10. ちいぽけ攻略
もっと見る
全体ページランキング

最近アクセスの多かったページランキングです。話題のページを見に行こう!

  1. ブラック・マジシャン・ガール - アニヲタWiki(仮)
  2. ブラック・マジシャン・ガール - 遊戯王DSNTナイトメアトラバドール攻略Wiki@わかな
  3. 埼玉県女子児童強姦事件について - キモウト@ ウィキ
  4. エロ戦車 - 遊戯王@2ch辞典
  5. 真崎杏子 - 遊戯王DSNTナイトメアトラバドール攻略Wiki@わかな
  6. キュベレイパピヨン - 機動戦士ガンダム EXTREME VS.2 INFINITEBOOST wiki
  7. 魔獣トゲイラ - バトルロイヤルR+α ファンフィクション(二次創作など)総合wiki
  8. 【移転】Miss AV 見れない Missav.wsが見れない?!MissAV新URLはどこ?閉鎖・終了してない?missav.ai元気玉って何? - ホワイトハッカー研究所
  9. リック(星のカービィ) - アニヲタWiki(仮)
  10. くろうみそ - アニヲタWiki(仮)
もっと見る

  • このWikiのTOPへ
  • 全ページ一覧
  • アットウィキTOP
  • 利用規約
  • プライバシーポリシー

2019 AtWiki, Inc.