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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • ゼロのロリカード-18

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロのロリカード-18

最終更新:2008年07月26日 23:10

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  • ゼロのロリカード



 アーカードとワルドが互いに睨み合っている中、突如周囲から魔法がとんだ。
SR-71の直撃を免れたメイジ達が次々と魔法を放ったのである。敵と思しき少女に一人が攻撃しだすと、それは連鎖的に広がった。
恐らく本人たちもあまりわけがわかっていない。状況を理解し切れていないが、それでも魔法は浴びせられ続けた。
少女の小さな体躯は引き裂かれ、焼かれ、粉々になりながら吹き飛ぶ。

 しかし四散した肉片はたちまち霧のように変化し、生き物のように動き始める。
黒い霧は影となり、影は腕となり、腕は枝のように分かれて全方位に広がる。
それは人間や竜を問わず生物を一瞬にして貫き、砕き、潰した。

 レキシントン号に起きた異変を確かめるべく、哨戒を中断して戻ってきた竜騎兵達も、空中で兵士と竜共々刺し貫かれる。
瞬く間にレキシントン号の甲板上は死体に溢れ、もはやその中で生きている者はワルドだけとなった。
「前菜を食い散らかすのは、もうこの辺でいいだろう」


「お・・・おォぉぉオォオオオオオオッッ!!」
ワルドは雄叫びをあげた、己を奮い立たせる為の叫び。目前の化物への畏怖が、分泌されたアドレナリンで麻痺する。
続いてワルドは詠唱、『偏在』を使って数の優位に立つ。
それは最低条件、化物相手にするのだ。真正面から相対するのだけは避けうるべきことである。
間髪入れず、偏在達は魔法を四方からアーカードに叩き込む。本体のワルドも『ライトニング・クラウド』を放った。

 炎上で発生し続ける煙が漂う中、アーカードの姿はいつの間にか消えていた。
魔法が命中したところまでは確実に視認していた、魔法を吸収する面倒な剣も構えていない。
(一体どこに消えた!?)


 必死に姿を確認しようと目を凝らしていると、突然背後に気配を感じた。
すぐにワルドは振り向きざまに右手に持ったレイピアを気配のする方向へと突き出す。
しかし気付けばレイピアは虚空を貫き、アーカードの左手がレイピアを持ったワルドの右腕を掴んでいた。


「悲鳴をあげろ、豚の様な」

 アーカードは掴んだワルドの右腕をグイと引っ張った。と、同時に聞こえたのは音である。
何かがちぎれるような音。そして体の芯、脳髄の奥まで響くような鈍くも・・・軽い音。
その方向に自然と視線が向かう。見ると右足の膝が逆の方向に曲がり、筋繊維がブチブチと悲鳴をあげていた。
ピンク色の肉がこびりついた白い骨が露出し、赤い鮮やかな血が飛び散っていた。


「ひぎぃぃィィいイいイイイイイィャァアアあアあアアッッ!!??」
あまりの光景にワルドは絶叫した。反射的に『ウインド・ブレイク』を放ち、アーカードとの距離が開く。
それは鍛えられた戦士としての反応か、兎にも角にもアーカードとワルドの間合いは開いた。

 体制を立て直そうにも、バランスの取れなくなったワルドはその場に崩れ落ちる。
同時にレイピアも右手から離れ、地に転がった。腕に・・・力が入らない、掴まれた時に粉砕されていたのだ。
まともに立つことすらできなくなったワルドは、もはや坐して死を待つだけとなった。


「しょせんこんな物か、小僧」
大きく嘆息する。目の前には戦意の喪失した・・・ただの、ただの人間がいるだけ。
人間は脆い。腕が砕け、足が折れただけで、もうまともに動くことなどできやしない。
それでも魔法で応戦するのを期待していたが、もう目の前の人間にそれを期待するのは無理なようだった。
                      エサ
「さようならだ、ワルド。お前は犬の肉だ」
アーカードは微塵の感慨なく言った。その言葉に応じるかのように黒犬獣バスカヴィルは咆哮をあげ、ワルドをその顎門で噛み砕く。
ワルドは咀嚼され、飲み込まれ、呆気なく、ボロ雑巾のように死に逝った。

「さて・・・と」
アーカードは艦内に残った人間を鏖しにすべく、歩き出した。



◇


 燃えるタルブの上空、トリステイン軍とアルビオン軍が鎬を削っていた。
目的は敵を倒す為ではなく、時間を稼ぐこと。しかし食い下がるだけの戦にも拘わらず、トリステイン軍の損耗は激しかった。
この調子でいけばゲルマニアからの援軍が到着するまでに、嬲り尽くされ負けるのは想像に難くない。
それだけアルビオン軍には勢いがあり、それほど戦力差は明らかであった。

「殿下、大丈夫ですか?」
アニエスに呼ばれ、アンリエッタはいつの間にか震えている自分に気が付く。
目の前で起きている戦争。自分の命令で、兵は戦い死んでゆく。さらに相手を殺している。
英断・・・なのかもしれない。このままいけば犠牲は増えるばかり、そして負けるのも・・・・・・目に見えている。
ならば、そうなる前に降伏するのも―――。


「霧が・・・」
最初に気付いたのはアンリエッタの隣にいたルイズだった。
雲一つない空で幻獣や魔法、砲弾が飛び交い舞う中。そして日光が照らす中、不自然に発生した霧。
次第に濃くなりつつある霧にアンリエッタは考える、霧中の中で戦えば混戦は必至。
命令系統も崩れ、士気は大いに乱れる可能性が高い。ただでさえ劣勢なのだ、それは致命打になりかねない。
多くの人が死ぬ、一時撤退もやむをえない。そして・・・戦うか降伏するかの選択も―――。

 その時、霧がいきなり濃くなった。その所為で陽の光が遮られ、辺りが薄暗くなる。
否、そうではない。濃霧も原因であるが、太陽を遮ったのは霧の所為ではない。
真上に巨大な影が出現したのである。よく見るとそれは船、それも旗艦級の大きさである。

「アルビオン軍の・・・レキシントン号!?」
その姿を見知っていた一人の兵が叫んだ。
「殿下をお守りしろ!」
マザリーニが叫ぶ。本陣の真上に敵艦が突如現れたとあっては、とてつもない異常事態である。
アンリエッタはすぐさまユニコーンから下ろされ近衛が取り囲んだ。



 レキシントン号はなんらアクションを起こすことはなく、ただ進んでいた。
しかしこれを捨て置き、放置すれば、トリステイン軍は挟撃の形になってしまうだろう。それだけは防がなければならない。
幸い真下なら砲撃はこない、これはチャンスでもあった。アンリエッタは攻撃の指示を出そうとする。

「待って!姫さま!!」
アンリエッタが指示を出す直前、それを制したのはルイズであった。
「ルイズ!?」
アンリエッタは理由を問い質そうとする、しかしルイズはその前に話し出した。
「わかる・・・なんとなくわかるんです。あれは・・・敵じゃない・・・・・・あれは・・あれは・・・・」

「一体何を言っている!?」
アニエスが叫んだ、敵艦なのに敵じゃないとは一体どういうことか。
「アーカードッ!!」
ルイズは己の使い魔の名前を叫ぶと、同時に馬を走らせた。アンリエッタは咄嗟に言う。

「アニエス!ルイズをお願い!!」
アニエスはハッとするもすぐに行動に移った。近衛騎士の本分ではない、だが命令に体が反応する。
馬に乗ってすぐに走らせる、船は尚もその真上で異様な存在感を放っていた。



◇

 かつて、ある吸血鬼が英国にやって来た。自らが渇望する、一人の女を手に入れるために。
その吸血鬼が乗り込んだ帆船は、霧の中を波から波へととび移り、ありえない速度で疾走した。
――――――乗組員を皆殺しにしながら。

 そして遂に死人と棺を満載した幽霊船はタルブの草原へと着港した。
船の名は『デメテル』号。ロシア語でデミトリ号である。

「なつかしい、においがする」
船の突端に立ったアーカードは呟く。
「突き刺される男のにおい、斬り倒される女のにおい、焼き殺される赤児のにおい、薙ぎ倒される老人のにおい」
アーカードは薄く笑みを浮かべた。
「死のにおい、戦のにおい」

◇

 アルビオン軍の指揮官らは怪訝に思った。いきなり示威行為をしていたはずの『レキシントン』号が出現したのだから。
旧『レキシントン』号はトリステイン軍には目も向けず、迂回しながらアルビオン艦隊へと迫った。
アルビオン軍総司令サー・ジョンストンはすぐに連絡の為の騎兵をやった。

 艦に近付いた竜騎兵は何事かと目を疑った。それはもはや『レキシントン』号ではなかったのだ。
巨大な十字架が突き立てられた黒い船。黒いマストから伸びる黒い枝。さながら大木のような、その鋭利な枝の先に・・・刺さっている"モノ"。
あまりにも凄惨な光景に騎兵は嘔吐を催した。それは見る影も無いが・・・間違いなくアルビオン軍の兵士、何十人もの"人間だったもの"が、無惨に串刺しにされていたのである。
思わず目を覆いたくなるほどの惨状、誰がこのような非人道的所業を行ったのか。
そして生存者のいない船が動く理由、一体『レキシントン』号に何が起こったというのか。

 そこで竜騎兵は何かを確認した、凝視すると少女が船の中央で佇んでいた。この死船の中で恐らく―――まだ生きている?
次の瞬間その竜騎兵は浮遊感に襲われた、竜が地に向かって落ちていたのだ。何事かと思うと乗っていた竜に穴が開いていた。
よくよく見ると血が大量に流れ出ている。なんだ・・・自分の胸にも、大きな、穴が、開いているではないか。
そこまで思ったところで竜騎兵は地へと堕ちた。




 それを契機に次々と他の竜騎兵も落ち始める。
響き渡る破裂音。アーカードはその眼で遠くの竜騎兵を確実に捕捉し、カスール改造銃はその弾丸で飛行している竜騎兵らを正確に撃ち抜いていった。
中には火竜の油袋に引火し、爆散し跡形もなく残らない場合もあった。

「これで最後か」
そう言って最後のマガジンを装填する。最後に放たれた六発の弾丸は残った竜騎兵全てをピッタリ撃ち落とした。

 銃をしまったアーカードは次の標的を見定める。
当然敵の旗艦、司令塔を失った軍は烏合の衆。手っ取り早く崩すには頭を潰す。
本来それは容易なことではない、しかし敵艦を装ってる今ならばそれも難しいことではなかった。

 アーカードは搭載されている大砲を一発、敵旗艦に撃ち込んだ。
次に串刺しにしていた者達を己の内に取り込んだ後、マストをへし折る。
そして突然の砲撃に混乱している敵旗艦に向かって無造作に投げ放った。


 マストは敵旗艦のど真ん中に深々と突き刺さり、その機能と機動力とを奪う。
アーカードはただ一度だけ大きく跳躍し、敵旗艦へと降り立った。
飛び移る最中に取り出したトミーガンを、視界内に見える兵士達に向かって撃ち放った。
何発も体に弾丸を撃ち込まれたアルビオン兵士達は、体が少し跳ねたかと思うと次々にその場に崩れ落ち絶命する。

 アーカードを敵と認識したメイジ達が魔法を放つ。
何度も何度も、放たれた魔法がアーカードを蹂躙する。どう見ても、とっくに死んでるだろうにも拘わらず・・・それは尚も続いた。
人の形すらなくなり、魔法を当てるべき目標がわからなくなったところでようやくそれは止まる。


「はぁ・・・はァ・・・やったか!?」
メイジの一人が言った、上半身がバラバラになった少女を見てもう一人が口を開く。
「殺しすぎでしょう、こりゃ」
「っち、一体なんだったんだ、クソッ!」
さらに一人が死んだ仲間を見て毒づいた。その瞬間、甲板に声が響いた。


「走狗め」
心に直接響いてくるようなその声に、兵士達全員が驚愕する。

「狗では、私は、殺せない」
原型を留めていない上半身がゆっくりと浮き、起き上がる。
兵士たちは呆けた顔で目を見開き、その非現実的な光景を見守るしかなかった。
「化物を打ち倒すのは、いつだって"人間"だ」

 その言葉を皮切りに、いつの間にか元の形に戻っていた少女は一人の兵士の首に、その牙を突き立てた。
そのまま大きく振り回し、吸血鬼の咬合力で頭と体が泣き別れになる。
周囲に飛び散る鮮血と、動かなくなった首のない体、そして転がる頭はその場にいた者の思考を麻痺させるには充分であった。


 後はただただ一方的な暴虐。
家畜を屠殺するかの如く、踏み潰した虫けらの数を数えるように、アーカードは笑いながら暴力を振るう。
眼前の恐怖に、兵士達は蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。アーカードはトミーガンを拾い上げ、緩慢に歩いて追跡する。
必死に扉を閉めようとするところに、トミーガンを挟み込む。
「 O p e n S e s a m e 」

 できた隙間からさらに左手を捻じ込み、扉は開け放たれた。
「兵士諸君、任務御苦労。さようなら」

 身震いするほど禍々しくて悍ましい。死と生の上でダンスを刻む者。狂気と正気を橋渡しする存在。
その少女の姿に、地獄を見る。アルビオン軍兵士達は、わけのわからないまま、ただ生きていることを恐怖し、そして後悔した。


◇

 ルイズはひたすら馬で戦場を駆けていた。
生々しい戦の惨状を目の当たりにしながらも、心を強く保つ。

 次の瞬間、走っている目の前に何かが落ちてきた。
馬は驚きルイズは振り落とされる、咄嗟の事ながらもルイズはかろうじて受身を取った。馬はそのまま走り去っていく。
それは焼け焦げた鞍のようだった。空中から落ちてきたこと、さらには大きさから鑑みるにおそらくは竜の・・・。

「ふぅ~・・・」
ルイズは大きく息を吐いた。
アーカードから体捌き等を教えてもらう以前の自分だったら、きっと無様に地面に叩き付けられ怪我を負っていたことだろう。
「あっ・・・」
次にルイズは目の前に落ちた物に気付いた。それは姫さまから預かった『始祖の祈祷書』であった。
受身を取れたはいいものの、弾みで落ちてしまったしまったようだ。
ルイズは手早く拾うと同時に、何か違和感を感じた。


(光ってる・・・??)
『始祖の祈祷書』は僅かに発光していた。同時に姫さまから頂いた水のルビーも、ルイズの指で同じように仄かな光を発している。
恐る恐る開くと、白紙だったはずのページにずらっと古代ルーン文字が羅列されていた。
ルイズの鼓動が大きく脈打つ。それを読み進めていく内に、思わず胸の辺りを手でギュッと握った。

 読める。内容がわかる。これは――――――。
空に目を向ける、敵旗艦とレキシントン号は遠めでも肉薄するくらいの距離まで近付いていた。
(・・・・・・マスト?)
敵旗艦に突き刺さったナニカ、そしてレキシントン号からなくなっているモノから推察する。
(アーカードは相変わらず随分な無茶を・・・)
あんな破天荒なことを出来るのは、自分の使い魔しかいないだろう。
彼女は彼女の策で示威行動をしていた敵艦を潰し、しかもそれを奪って援軍として駆けつけてくれたのだ。



「すゥ~~~・・・はァ~~~・・・」
ルイズは何度か深呼吸をする。心が妙に落ち着き、少しずつ高揚してくるのがわかる。
『始祖の祈祷書』に書かれていたこと、それが意味すること。

 そうだ、一体何故自分が『ガンダールヴ』を召喚したのか。
幼き頃から誰一人として説明できなかった、発動しないのではなく『爆発』という失敗。
そして『始祖の祈祷書』に書かれたその内容。
たった今自分から湧き上がってくる不思議な感覚。全てを照らし合わせて見えてくる結果。

  ゼロ
 『虚無』のルイズ。

 ルイズはギュッと拳を握り締めた。そうだったんだ、落ちこぼれだった理由も・・・その所為だったんだ。
杖を取り出し、始祖の祈祷書を読み進める。知らず知らず唇の端をあげルイズは笑っていた。

 ルイズは周囲の様子を一度だけ確認する。
敵軍は混乱していた、それもその筈。敵艦を乗っ取り暴れ回っている自分の使い魔がいるのだから。
だから戦場のど真ん中に立つ一人の少女なんて気にも留まらない。
そもそも制空圏を奪っていた機動力に優れる竜騎兵達は、あらかたアーカードが撃墜したのだから当然だった。

 敵艦隊は思うように動けず、地上軍は遠目で見る限りはまだまだ離れている。
ルイズは一呼吸を置き、詠唱を始める。自分の中でナニカが渦巻き、それが高められていくのが分かる。
期待が確信に、推測に過ぎなかったものが事実へと変わった。
嬉しさの余り叫びたくなるものの、詠唱を始めた以上中断するわけにはいかない。
しかしそんな雑念もすぐに振り払われていった。

◇


 アニエスは必死に馬を走らせ、ようやくルイズの姿を確認した。
桃色の髪を伸ばした小柄な少女。乗っていた馬はどこに消えたのか、たった一人戦場の中で立っていた。
「ヴァリエール殿!!」
アニエスは叫んだ、周囲に敵影がないとはいえ戦場に突っ立ってるなど危険すぎる。
いつ砲弾が飛んでくるかもわからないのだ、しかし声を掛けるものの応答がない。

 馬でルイズの前方へと回り込む、そこでようやくルイズが詠唱しているということに気付いた。
馬から降りて近付く、しかしルイズは自分に気付く様子はなかった。
「ラ・ヴァリエール殿?」
再度声を掛けるもののそれを意に介さず、それぞれ書と杖を片手に詠唱を続けていた。恐ろしいまでの集中力である。


 アニエスは空を見上げる。
レキシントン号はトリステイン軍に見向きもせず、アルビオン艦隊旗艦まで接近していた。
信じ難いがルイズの言った通り、あそこにはアーカードが乗っているというのか。
俄かには信じ難い。しかしあの少なくとも敵ではない艦が現れてから、流れが大きく変わったのは事実であった。

 そしてアルビオン軍は乱れていた。指揮系統のトップに位置した旗艦は炎上し、艦隊はまともに動けなくなっている。
たった一隻の船が戦局を変えてしまった。劣勢であったが今攻めれば恐らく同等の戦いは出来るだろう。
もしそれがたった一人の使い魔がもたらした結果であるなら、その者は英雄というより他ない。




 普通の魔法では考えられない長い長い詠唱を終えた。
ルイズはその威力を理解する、アーカードを巻き込んでしまうのが問題だったがそれも杞憂に終わった。
対象を選べる。全てを消し飛ばすか、一部を破壊するか。
尤も全てを吹き飛ばしたところで、己の使い魔だけはきっと何食わぬ顔をしてるんだろうな、などと思っていたが。

 艦隊とは距離がある、しかし問題はない。
標的は敵旗艦、そして周囲の艦隊、その全て。
いつの間にか目の前にアニエスがいるが、気にしない。

 ルイズは万感の想いを胸に、杖を振り下ろした。


 風を切る音に、アニエスは振り向く。見ればルイズがその鳶色の瞳を見開き、掲げていた杖を振り下ろしていた。
その視線は自分よりも遥か後方、アルビオン艦隊を真っ直ぐ見つめていた。
アニエスはまたアルビオン艦隊の方向へと視線をやる、形容するならそれは太陽。
燦々と照りつける、遥か空の上の太陽とは別に、中空に光球が出現した。

 光は見る見るうちに艦隊を包み込み、音もなく爆発する。
全てが終わった後に見た光景は、艦隊の全てが炎上する姿。
そしてそれら全部が、ゆっくりと一斉に地上へと墜落していく。普通見ることなどありえない、とてつもない光景であった。

(一体何が・・・・・・!?)
そこではっとしてアニエスはルイズへと再度振り向いた。
ルイズは崩れ落ち、トスっと地べたに座り込んだ。そして大きく息を吐く。
これはまさか――――――ヴァリエール殿が・・・?


 タイミングまさにそれだった。ルイズが杖を振り下ろし、そして光が膨れ上がった。
これまでの状況を鑑みるに・・・、一連の不可解な行動、その全てにある種の一貫性があるように感じた。
「ぁぁ・・・そういえばアニエス、こんなところで何やってるの・・?」
思惟に耽るアニエスを、ルイズは呆けた目で見つめる。
「あ・・あぁ、姫さまに頼まれて・・・ラ・ヴァリエール殿を守るようにと」



 「そう」とルイズはそっけなく言い、次に破顔一笑する。
「はぁ~~~・・・・・・、アーカード大丈夫かなあ?」
そう言って大の字に寝転がる。アニエスはそんな少女を暫し呆然と見つめていたが、跳ねるようにルイズの上半身が起き上がった。

「そうよ!早く姫さまのトコに行かないと!!」
次にルイズは弾かれたように立ち上がる。
「アニエス、馬どこかに行っちゃったから後ろに乗せて。あなたも近衛なんだから、すぐ姫さまのところに行かないと――――」


 しかしアニエスは首を振った。
「アルビオン軍は空の主力を失い、謎の攻撃で士気は大いに下がっている。即ち敵はまともな支援も受けられない上に混乱している状況。
 即ち今は絶好の機と言えます、これをみすみす逃すとは到底思えません。つまり・・・――――――」

 そこまで言ったところで、遠くから怒号のようなものが聞こえる。
方角はルイズやアニエスがきた方向、トリステイン軍がいる陣であった。
「なるほど」
ルイズは納得した。自分達から行かなくても向こうからきてくれる、チャンスは今この時を以って他にないのだ。

「しかしここは通り道になるでしょう、早く離れる必要はあります」
アニエスはそう言うと馬に乗る、ルイズも頷いて後ろに乗った。諸々ルイズに聞きたいことがあったが、アニエスは黙っていた。
表情には出してないがかなり疲労してるようだし、自分の背に体を預けてくるのがわかったからである。

 トリステイン軍は勝てる。流れは完全にこちら、勢いもある。
それもこれも恐らくは、自分の後ろにいる小さな英雄のおかげだろう。
そして小さな英雄が放った魔法を、最大限効率的に作用させる為に、艦隊を足止めしたその使い魔。
確たる根拠はない。が、アニエスは何故か確信に近い思いを抱いていた。



◇


 草原は墜落した艦隊の墓場のようになっていた。残骸の一部から手が伸び、一人の少女が這い上がって姿を現した。
「ケホッ・・・ケホッ」
艦内にいた筈なのに・・・いきなり視界に光が満ちた、と思えば船が落ちた。
周囲を見る、上空を見る。艦隊全てが落ちていたようだった。

 追い詰め殺し損ねた連中が、自分の姿を見つけ逃げているようだったがそれすらも気にならない。
「わけが・・・わからん」
アーカードは空を仰いだまま一人ごちた。


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