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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • ゼロの黒魔道士-46

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの黒魔道士-46

最終更新:2009年05月17日 20:12

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  • ゼロの黒魔道士


「このおちび!ちびルイズ!」
その人は、スラリと背が高くて、かっこいい感じの女の人だったんだ。

「やん! あう! ふにゃ! じゃ!」
……でも、ルイズおねえちゃんのほっぺたをぐにぐにと引っ張りあげるのはどうなんだろ?

「従者と一緒の馬で帰ってくるとは何事ですか!
 ラ・ヴァリエール家の娘ともあろうものが!恥を知りなさい、恥をっ!!」
とっても怖そうな人だなぁって思った。これが正直なボクの感想だ。
「で、でも――」
「でも?返事は“はい”でしょうがこのおちび!!」
ルイズおねえちゃんが、手も足も出ない。これって、よっぽどなんだなぁって思うだ。

「――うっへ。娘っ子のじゃじゃ馬っぷりの上を行くきっちぃのがいるもんだな」
「……なんていうか、すさまじいね……」
「流石、ご姉妹って気もいたしますわね――」
ルイズおねえちゃんが痛い目にあってるから、助けてあげたかったけど、
ボクも、デルフも、シエスタも、見てるしかできなかったんだ。

「ちびルイズ!何か弁明があるならおっしゃいなさい!」
「ふえ、うぇ、あだ、あねさま、ほっぺあいだだだ……。あぅ……」
なぜなら、その女の人はエレオノールおねえさんって言って……
ルイズおねえちゃんと、血の繋がったおねえさんだからだ。



ゼロの黒魔道士
~第四十六幕~ 血の繋がり


ボク達がトリスタニアから帰ってきた夕方ごろ、魔法学院に豪華な馬車が止まってたんだ。
馬車をひいてる馬もピッカピカの毛並みで、とっても元気そうだった。
ルイズおねえちゃんも、最初は誰のだろう?って首をかしげてたんだけど、
馬車の横の紋章を見たとたん、ボク達が乗っていた馬の向きを慌てて逆に向けようとしたんだ。
……あんまり急だったから、ボク、馬から落っこちちゃった……

で、その馬車に乗っていた人がエレオノールおねえさんで、丁度エレオノールおねえさんも、
ルイズおねえちゃんのお家がある、ラ・ヴァリエールに用事があって帰るところだったんだって。
その途中で、魔法学院によってルイズおねえちゃんに会うつもりが、ボクと一緒に馬に乗っているところを見られて……らしい。
ボクが1人で馬に乗れないから、なんだけど……なんでルイズおねえちゃんが怒られなきゃいけないんだろ……?
 ・
 ・
 ・
「アンリエッタ女王陛下からお父さまへ手紙?
 先日は秘密裏に反乱軍渦巻くアルビオンに出かけたと聞けば、
 その次はタルブ近くで保護されて?挙句の果てに女王陛下の直属の女官?」
「うべ、あ、あでざばぞべば~!」
「学生の本分を忘れて何をやっているのですか、貴女は!そもそも、ヴァリエール家は――」
前の方の馬車から、すっごい声が聞こえる。
結局皆で(侍女が必要ってエレオノールおねえさんが主張するから、シエスタにもついてきてもらった)、
ラ・ヴァリエールに向かうことになったんだけど……
ルイズおねえちゃんとエレオノールおねえさんが乗った馬車からは悲鳴と、怒る声がとめどなく流れてくる。
ちょっと、心配になってきてしまうんだ。

「……ルイズおねえちゃん、大変そうだね」
別の馬車に乗っているから、助けにもいけないし、
なんていうか……エレオノールおねえさんを相手にするのは、てつきょじんを相手にするよりも怖いんだ。
こう、目の前に行くと空気がビリビリッてするって言えばいいのかなぁ……
ルイズおねえちゃんが張りつめたときの空気を何万倍にも濃くしたような……
「――ケケケ!まぁ娘っ子を叱ってやれるヤツもそういねぇんだしよ、たまにゃいい薬なんじゃね?」
「でも、あそこまで叱ることはあるんでしょうか――?」
デルフの言葉に、シエスタが疑問を抱いた。
「まぁ、ちょいと薬が過ぎちまってるようじゃあるか?」
あとで、慰めてあげられるといいなぁ……
 ・
 ・
 ・
ルイズおねえちゃんのお家、その治めている領地って言うのかな?
それが、ラ・ヴァリエールって言うらしいんだけど、ものすごい広さみたいだ。
ラ・ヴァリエールに入ったのが、学院から出て2日目のお昼ぐらいだったんだけど、
お家そのものに入るのは夜になってしまうらしいんだ。
……なんか、ものすごい。
ボクが住んでたマグダレンの森なら10個以上すっぽりおさまっちゃうんじゃないかなぁ……

ラ・ヴァリエールに入った後がさらにものすごかったんだ。
休憩ってことで入った村でなんだけど、シエスタがルイズおねえちゃん達の乗ってる馬車のドアを開けた瞬間に……
「うわぁっ!?」
「エレオノールさま!ルイズさま!」
思いっきりボクを突き飛ばすように、村の人達がやってきて、ルイズおねえちゃん達に頭を下げたりしたんだ。
……改めて、ルイズおねえちゃん達って貴族なんだなぁって思う。
というより、こっちの貴族の人達って、ガイアの貴族の人達よりかなり大事に扱われてるって気がする。

ちょっと経って、ボクが突き飛ばされたことに気がついたのか、
何人もの村の人達が寄ってきて、「と、とんだ粗相を!」とか「お怪我はありませんか?」とか「お荷物を」とか
やたらめったらに丁寧な言い方で聞いてきたんだ。
「え、そ、そんな。ボク、貴族とかじゃないよ……?」
そんなに勘違いされるような格好もしてないんだけど……
「とはいっても、エレオノールさまかルイズさまの御家来にかわるめえ。どっちにしろ粗相があってはならね」
「背中の剣をお持ちいたしますだ」「長旅でお疲れでしょう」
「え、だ、大丈夫だって。そんな、うん、大丈夫だから……」
なんか、かえって居心地が悪い感じがするんだ。慣れてない、からなのかなぁ?
「ここで少し休むわ。父さまに私達が到着したと知らせてちょうだい」
流石にエレオノールおねえさんは手慣れているみたいで、村の人にテキパキと指示を出す。
それを聞いて、ボクよりもちょっと背の高いぐらいの男の子が、馬にまたがってものすごい速さで素っ飛んでったんだ。
いいなぁ……ボクもああいう風に馬に乗れたら、
ルイズおねえちゃんがエレオノールおねえさんに怒られずに済んだのかなぁ?

休憩することになった宿屋さんに入りながら、キョロキョロしていると(ここの宿屋さんの自慢は美味しい水らしい)、
村の人達がルイズおねえちゃん達を噂している声が聞こえた。
すっごく人気があるみたい。なんか、ちょっぴり嬉しいなぁ。
「ルイズさまも大きくなられたもんだ」
「お二人ともお綺麗になられて」
「そういやエレオノールさまはご婚約なされ――」

誰かが、“婚約”って発言した途端、部屋全体が『フリーズ』状態になってしまったみたいに、
冷たく凍ってしまったような沈黙がその場を支配したんだ……
「……え」
「――お、いいねぇ、修羅場の空気だ」
デルフが笑うってことは、ちょっとまずい状態なのかもしれない。

「ね、姉さま。エレオノール姉さま」
「なに?」
「ご婚約、おめでとうございます!」
……だから、ルイズおねえちゃんがにこやかに“婚約”って言葉を言ってしまったとき、
ボクも村の人達もデルフも、「あちゃぁ」って同時につぶやいてしまったんだ。
ルイズおねえちゃん、空気の流れとか感じとって欲しいなぁって、ときどき思うんだ。

その空気を切り裂くような、鋭い指の動き。
人差し指に全神経を集中させた、ごくごく短い時間の『ためる』から、
指の筋肉や骨を全てバネのように使って弾く……
それが、ルイズおねえちゃんのおでこにビシッて当たって、「あうっ」って言う痛そうな声がもれた。
「あなた、知らないの?っていうか知ってて言ってるわね?」
エレオノールおねえさんは、ものすっごく良い笑顔をしていたんだ。
なんて言うんだろう。笑ってるけど、笑ってない、そんな良い笑顔。
「わ、私、何にも知りません!?」
「婚約は解消よ、か・い・し・ょ・う」
「な、何故にっ!?」
「さぁ?バーガンディ伯爵さまに聞いて頂戴?なんでも『もう限界』だそうよ。どうしてなのかしら!」
また人差し指をググッとまるめるエレオノールおねえさん。
綺麗に整えた爪先に、力がこもって……
「ひ、ひう――」
「――ふんっ!ほら、何してるの?お茶でも出しなさいよ!」
でも、それは放たれることなく、そのまま終わったんだ。
「へ、へいただいま!!」

「……ルイズおねえちゃん、大丈夫?」
小走り気味にルイズおねえちゃんに歩み寄って、おでこをさすってあげようとしたけど、全然届かなかった。
「――おかしいわ」
ルイズおねえちゃんはエレオノールおねえさんをじっと見ている。
やっぱり、血の繋がったおねえさんにあそこまでつらくされるって、おかしいよね?
「そりゃ~婚約解消とかなっちまっちゃぁ不名誉なんじゃねぇの?」
「――エレオノール姉さまが……」
「――事情は存じ上げませんが、『もう限界』って生々しいですわよね。納得できそう――」
「エレオノール姉さまがデコピンだけで終わるなんて!?」
「……え?」
「お?」
「あら?」
その感想は、ボク達が予想してたものとは全然違うものだったんだ。

「い、いつもだったら――いえ、今このような話題だからこそ、
 もっとギューとギリギリっといえいえもしくはビロンビロンになるまでつねりあげられてもおかしくないのにっ!?」
「……そんなに、ひどいんだ」
やっぱり、てつきょじんより怖いかもしれない。
そんな怖いことを考えてしまった。
スラリとした格好のどこにそんな迫力がこもっているんだろう……
「なんでエレオノール姉さまがこんなに失言に対して優しいのっ!?」
「ルイズっ!まだ言い足りないことがあります!こっちに来なさい!」
「は、はいっ!エレオノール姉さま、ただ今!」
……別に、優しくなったってわけじゃなくて、疲れてるとか、そういうのじゃないのかなぁ?
その証拠に、ずーっとずっとガミガミと怒ってる気がするんだけど……

「まぁ、見慣れない馬車を見つけて立ち寄ってみれば嬉しいお客だわ!エレオノール姉さま!帰ってらしたの?」
鋼のような硬くて冷たい空気の中、やんわりとしたお花畑の風のような声が飛び込んだのは、それからちょっとしてだった。
ルイズおねえちゃんと同じように、花のような綺麗な桃色の髪に、
ルイズおねえちゃんが一番優しくなったときよりもずっとふんわりとした空気をまとった人。
なんとなく、ルイズおねえちゃんのお母さんか、もう1人のおねえさんって感じがした。
「カトレア」
「ちいねえさま!」
ルイズおねえちゃん達の反応を見る限り、やっぱりルイズおねえちゃんの親戚、かなぁ?
「ルイズ!いやだわ!わたしの小さいルイズじゃないの!あなたも帰ってきたのね!」
「お久しぶりですわ!ちいねえさま!」
抱き合う2人を見ると、なんとなくホッとする感じがする。
あぁ、ルイズおねえちゃんの“いつか帰るところ”ってここなんだな、って感じがして。
「まあ、まあ、まあまあ」
そのふんわりした空気のまま、ルイズおねえちゃんの『ちいねえさま』が視線をボクに向けたんだ。
ほんわりと優しいけど、水の底みたいに何でもお見通しっていう不思議な眼。
なんか、不思議な感じだった。
「え、あ、あのそのえっとな、なんですか……?」
前に、オスマン先生にかけられた『ディテクトマジック』や『ライブラ』や『みやぶる』とはまた違うような……
身体の奥底まで、心の隅っこの方まで見られているような……
「そっか、あなたがルイズの小さな騎士さんというわけね?」
「え?あ、えっとその……」
なんか、不思議な人だなぁって、そう思ったんだ。
 ・
 ・
 ・
ルイズおねえちゃんのお家ってすごいと思う。
お城と同じぐらい大きくて、使用人の人っていうのが何十人もいて、
カトレアおねえさん――ルイズおねえちゃんのちいねえさま――の“ペット”が全部快適に住めるようになっている。
……“ペット”っていうよりも、モンスターの見本市って気もする。
カトレアおねえさんの馬車に乗せてもらったら(「皆で乗った方が楽しいでしょ?」って言ってくれたから)、
クァールみたいなおっきな猫に、おっきな蛇、おっきいのから小さいのまで色々な種類の犬がいて……
あの色んな種類の動物が喧嘩せずに住めるってことは、このお城みたいな家は相当環境がいいんだろうなって思うんだ。
ちゃんと清潔な寝る場所があって、ちゃんと食事が食べれているんだと思う。

「――ふむ。陛下がこのわしの知恵を所望、か」
だから、ルイズおねえちゃんの家族のひとが食べている食事もかなり豪華そうだった。
一番見晴らしの良い席に座っているのが、ルイズおねえちゃんのお父さんらしい。
立派な口ひげに、ちょっと銀色っぽくなっている金髪。
アンリエッタ姫の手紙を読む左目のモノクルの奥の眼が、鋭く光っていて、
脇に立っているだけのボクもものすっごく緊張した。
……ちょっとだけ、居心地が悪いかもしれない。

「は、はい。父さま、あのそれでその――」
「ルイズ、言いたいことがあるならばハッキリおっしゃいなさい!」
「は、はいっ!」
ルイズおねえちゃん、エレオノールおねえさんがやっぱり怖いみたい。
ボクも、ちょっと怖いなって思う。
「あ、あの父さま!その、姫さまのお力になってさしあげてくださいませんか?」
ふん、と鼻を鳴らしてから、ルイズおねえちゃんのお父さんがニッと顔を緩めた。
「陛下自身の頼みとあらば、王宮に参じねばなるまいな」
「先日、枢機卿からの招聘はお断りになたのでは?」
ルイズおねえちゃんのお母さん、カリーヌさんって言うらしいんだけど、
カリーヌさんも厳しい顔をしている。
エレオノールおねえさんは、カリーヌさんに似た、のかなぁ?
血を分けた家族って、やっぱり似てくるものみたいだ。
「ふん! あの鳥の骨を“枢機卿”などと呼んではいかん。骨は骨で十分だ。
 お若い陛下をたらしこみ、今にも『先日のタルブの礼』とでも言うてアルビオンを攻めよと言いだすに決まっておるわ!」
「おお恐い。宮廷のすずめ達に聞かれたら、ただじゃすみませんわよ」
「ぜひとも聞かせてやりたいものだ――おおそうそう、ルイズや」
「はい、父さま?」
「まずは久しぶりに会った父親に接吻してはくれんかね?」
ルイズおねえちゃんは、席を立って小走りにお父さんの元へ行き、そのほっぺたに、優しくキスをした。
なんか、いいなって感じがする。
親がいるって、いいなぁって……
「いや、大きくなったな――しばらく手紙をくれぬから心配しておったのだぞ?」
「ご、ごめんなさい父さま……」
「そうですよ、ルイズ。あなた先日はあの戦闘のタルブに、まさにその時いたというではありませんか」
「ルイズ!散々親に心配をかけて何をしていたというの!?」

あぁ、そうか。
カリーヌさんや、エレオノールおねえさんがずっと厳しそうな表情をしている理由が、なんとなく分かった気がする。
きっと、ルイズおねえちゃんが心配、だったんだよね?
心配してくれる、家族、か。
……ボクの子供たちも、元気にしてると、いいなぁ……

「まぁ、よいよい、カリーヌ。それにエレオノールも。
 ――それより、召喚の儀はもうとっくに終わっておるのだろ?どうなったんだね、ルイズや?」
「あ――ビビ、こっちへいらっしゃい!」
「は、はいっ!?」
黒魔道士の村のことを思い出していて、ちょっとだけ反応が遅れてしまった。
広い食堂の端っこの方から、大急ぎでルイズおねえちゃんのお父さんの席まで走った。

「――なんと。この平民の少年が使い魔だと、そう言うのかね?」
「従者では無かったというの?」
「ルイズの小さな騎士さん、よね?」
「え、えっと……び、ビビって言います……その、ルイズおねえちゃんの使い魔をやってます……」
うぅ、なんかものすっごく緊張する。みんながボクを見ているのが分かる。
その視線がなんか怖くて、ちょっとだけ帽子を目深にかぶりなおした。
「ビビの左手に、確かに契約のルーンがあります。間違いなく、ビビは私の使い魔です」
「ふむ。流石に平民とはいえ、かような幼子をさらってきたとあっては貴族の良識を疑われかねんぞ?
 両親には話をつけたのだろうね?この子の両親はさぞ悲しんで――」
「……あ、い、いえ、だ、大丈夫ですっ!?」
なんか、またおおごとになっちゃいそうで、慌てて否定する。
「そ、その……ボクには、両親とか、そういうの、いないから……」
少なくとも、ボクを産んだ両親っていうのはいないと思う。
ボクを作った人って意味なら……クジャ、とか?
う~ん……なんかアイツを親って考えるのはちょっと無理があるなぁ……
お父さんと、お母さん、か……
「――そうか。立ち入ったことを聞いたようだ」
……なんか、勘違いされちゃったみたい。
どうしよう……

「――ところで、エレオノール。貴女も話があったのでは?」
カリーヌさんが、しんみりしてしまった空気を変えようと、話題を出してきた。
「あ!――そうなんです、母さま!実は今度アカデミーでの現地調査隊が――」
エレオノールおねえさんが、火龍山脈への調査旅行について語り始めると、
さっきまでの厳しい表情が変わった。
うん、きっと好きなことを話すときって、表情が柔らかくなるんだなぁって思う。
頬もちょっと熱っぽく赤くなってるし……

「――姉さま、もしかして新しい恋をしています?」
ボクを最初に見たときのように、不思議な視線でエレオノールおねえさんを見て、
カトレアおねえさんが首をかしげながらそう言った。
「カトレア!?あ、あなた何を急に!?」
「エレオノール、それは真ですか?」
「何? それはどこの貴族だね、エレオノールや」
「いないわ。いない。いないもの」
家族みんなの反応に、慌てふためくエレオノールおねえさん。
この慌て方……ルイズおねえちゃんを見ていた経験からすると、嘘を言ってる、のかなぁ?
家族だからか、慌て方まで似ている気がする。
「エレオノール姉さま――その――おめでとうございます?」
「う、うるさいっ!ちびルイズ!まだそんな状況では――」
「では、どのような状況と言うのですか?」
「そ、それは――」
そこからは、家族仲良さそうに色んな言葉が飛び交っていた。
ちょっとだけうらやましいなって思うんだ。

楽しそうな、ルイズおねえちゃんと家族の会話を聞きながら、ふっと視線を窓の外に移す。
ちょっぴり曇っていて、お月さまも見えにくくなっている。
ふっと雲の切れ間から、ほんわり輝く星が見えた。
……あの星は1人で輝いていて、寂しく無いのかなぁ?
……ジタン達と旅をして、色んなことを学んだけど……
孤独を感じた時はどうすればいいかなんてそれだけは教えてもらえなかった……
本当の答えを見つけることができるのはきっと自分だけなのかもしれない……でも……
ちょっぴり、本当に、ほんのちょっぴり、寂しくなっちゃったんだ。
なんだか、おかしいよね?ルイズおねえちゃんもいるのに……
雲に消え入りそうな星の光を見ながら、そんなことを考えたんだ……


ピコン

ATE ~混沌に狂う者達~

星の光届かぬ、鬱蒼と生い茂る森の奥。
森のすぐ目と鼻の先で南北に走るガリアとロマリアを結ぶ虎街道。
その名前の由来となった人食い虎共の子育ての地でもあったのだが、
何度となく組織された討伐隊により、子を育む親虎もいなくなってしまった。
今日ではトロール鬼だかオーク鬼だかといった無粋な連中が、
かつての気高い獣達の安らぎの地を荒らしている。
いや、『今日では』という表現は順当では無いのかもしれない。
より正確に言うならば、『ついさっきまで』である。
その場所は、もはや『森』ですら無くなっていた。

「ク、クハハハハハハハハハハ!!満たされていくっ!!」
「そりゃ良かったな」
いつものトロール鬼の唸り声も聞こえない。
いつものオーク鬼の腐った卵のような口臭もしない。
そこにあるのは、鉄の匂いと焦げる匂い。
とはいえ、血飛沫が飛び散る前に亜人共の胴体が切り離されたのか、
転がる頭の数にしては鉄分のこもった血の匂いはしない。
それとも、燃え盛る炎に全て焼き尽くされたということだろうか?
亜人共ごと切り倒された生木の水分が、もうもうと立ち込める煙を作り上げる。

「あぁ、これだよ、この力だよっ!素晴らしい、もっとだ!もっともっともっともーっと欲しいっ!!」
「良い狂いっぷりだな。え?ワルドさんよ」
惨状のド真ん中、倒れた木々の中心点、燃え盛る炎のほど近く、
狂気に顔を歪ませた二人の男が立っていた。
半径3000メイル程の、かつては森であった何も無い空間の中心にほど近い場所である。

1人の男はトリステインの魔法衛士隊の隊長の地位にまで登りつめた男だ。
だが、かつて子爵の地位を得ていた美丈夫の面影はそこになく、
頭蓋の形が分かるほど痩せこけた顔に、羽ペンで描いたような青白い血管が浮き出、髭も好き勝手に伸びている。
服装はと言えば、古衣や新しい布を使える分だけかき集めてかろうじて服に仕立て上げたといった風貌で、
それが左腕の義手の禍々しいまでに鋼色をした光で、かろうじて色彩がまとまっているという具合だ。
麻薬や酒をやりすぎて引退した道化、姿だけで言えばそう見えなくもない。
だがその眼だけは、鷲が獲物を狙うときのような、あるいは鷹が獲物を切り裂くときのような眼だけが、
落ちくぼんだ顔面に不自然に浮き上がっていて、不気味な印象を与え、エンターテイナーであることを否定している。
人を笑わせる者ではなく、人を狩るものの眼であった。

「狂う?あぁ、これが狂っているというのなら、そう、俺は狂っているんだろう!
 だが分かるか?本能が、心が、記憶が、身体が、この強大な風の力を欲しているんだよ!
 これに比べれば今までの己なんぞはそよ風もいいところだ!」

狂ったように笑いながら、狂っていることを自覚しながら、
ワルドは彼の“風”をまたも解き放った。
鞭のようにしなり、剣のように鋭い空気の塊が、
さざ波のように静かに、だが津波のように強大に広がり、
わずかに残った森の木々を、根こそぎ刈らんとばかりに砕き倒していく。

「おいおい、あんまり楽しすぎて全部壊すんじゃあないぞ?俺も燃やし足りないしな」

そう言ってニヤリと笑う男の風貌はそう変化は無い。
20年ほど前からこのままだ。
顔にできた火傷の痕は、彼に内在していた狂気を焼き尽くすことはなく、
むしろ焼印のように、彼の頭蓋の奥底の脳味噌にまで焦げ付かせたのかもしれない。
刻まれた火傷を凌駕する炎を巻き上げようと、彼の左手から火柱がまた1本上がる。
軽く100メイル四方の生物が一瞬で蒸発しそうな炎の渦。
上々の火力。彼自身もまた己のコンディションを最高の状態に保っていた。
その事実に、メンヌヴィルはまたも豪胆な笑みを浮かべた。

「これこそが力っ!世界が壊れそうな力っ!この世で一番の力を私は取り込んだ。
 それ以外の者などカスだ! カス以下だ! カス以下の以下だ! 全部破壊してやるっ!!」
「うははは!気に入ってくれたようで感謝するよ! まぁ全部破壊は待とうか。
 俺もうずうずしてるが、“スポンサー様”の御意向もあるしな」

腐ったミルク色の眼でワルドの“仕上がり”を見て、メンヌヴィルは口端をニヤリと釣り上げた。
燃やし甲斐のある輩が出てくるのは彼にとって純粋に嬉しいことなのだ。
もちろん、それが敵だろうと味方だろうと構わない。
彼にとって、いずれはどちらでも燃やす対象なのだ。
その事実に、メンヌヴィルは舌舐めずりをした。
丁度、ネズミを眼の前にした凶暴なドラ猫のように。喉さえ鳴らしながら。
だが今は待つべきとき。腐っても傭兵ではある。
雇い主の意思はある程度尊重するものだ。
特に、今回のように燃やし場所を与えてくれる雇い主には、敬意をもって接するのが彼の常だ。
今日のトロール退治と銘打たれた仕事も、結局は力を持て余した2人のガス抜きの意味合いが強い。
力があるヤツは暴れさせるに限る。
“スポンサー様”とやらは確かに心得ていた。
そしてメンヌヴィルは、そうした雇い主を大変好んでいた。

「つまらん! まだまだ壊し足りぬというのに!」

既に粉々に砕かれ、灰になるまで燻された亜人共の残骸を見てつまらなそうにワルドがつぶやく。
それは純粋に破壊を楽しんでいる者のセリフである。

「うはは! 心配するなよ、兄弟! 最高の舞台はもうすぐさ!」
「なるほど!確かに聞こえてきたよ、破滅の足音が。カオスを超えて、終末が近づく……」

そのカオスとやらに沈んだ輩にしか、破滅の足音とやらも聞こえないのかもしれないが、
なるほど、確かに近付いてきているものはあったらしい。

炎は食らう対象を失い勢いを止め、切り裂かれた大地に天の涙が浸みる。
季節外れの暗雲と大雨が、さえずる小鳥すらいなくなった荒野を飲み込んでいった。
二つの巨大な狂気が去って、一刻ほどしてからのことである。


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