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  • 疾走する魔術師のパラベラム-13

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

疾走する魔術師のパラベラム-13

最終更新:2010年07月23日 23:16

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第十二章 誇りにかけて

   0

スティーラー/[stealer]――泥棒。盗賊。

   1

 一人のメイジがトリステイン魔法学院の壁を調べていた。そのメイジの二つ名は『土くれ』、クラスは土のトライアングル。人呼んでフーケ、 盗賊『土くれのフーケ』。
 フーケはその手口と狙う獲物から、貴族から恐れられていた。
 曰く『貴族からしか盗まない』。
 曰く『平民を傷つけない』。
 曰く『その手口とは錬金で鍵や壁を土くれに変える』。
 曰く『強固な警備は巨大なゴーレムで正面突破する』。
 噂が噂を呼び、いつの間にやらトリステインでは神出鬼没の大盗賊、土くれのフーケが人々の口の間を様々な憶測と共に闊歩する。
それは例えば。
『フーケは若い貴族の息子で高慢な父に反感を覚え、貴族相手に盗みを行っている』。
『フーケは田舎のまだ十二歳の娘で自分の実力で貴族に一泡吹かせようとしている』。
『没落貴族の少年が平民を助けるために貴族から金を奪い、孤児に配っている』。
『フーケは一人ではない。トライアングル以上のメイジで構成された盗賊ギルドだ』。
『フーケは盗賊などではなく、今、アルビオンで革命を起しているレコンキスタが資金を集めているのだ』。
『今、苦戦を強いられているアルビオンの王党派が秘密裏にトリステインの貴族達に助力を求めていて、フーケはその誤魔化しに過ぎない』。
 などなど。比較的多く言われている噂だけでも、これだけ多種多様なものが集まる。噂とは面白い。様々な推測や希望が入り混じり、時としてひどく面白い物語を作り出す。
 中でも『没落貴族の少年が平民を助けるために貴族から金を奪い、孤児に配っている』。そんな噂が『本人』はお気に入りだった。

――おっと、そんなことより仕事、仕事。

 フーケの次の獲物。それはここ、トリステイン魔法学院に保管されている『破壊の杖』。なんでもかの有名な『オールド・オスマン』の私物で、その破壊の名に相応しい魔力を備えているという。
 巨大な双月は雲で陰り、悪行をするにはいい日だ。夜風にその長い髪を靡かせ、フーケは静かに笑う。
 今、フーケが立っているのは魔法学院の壁。足の裏からは硬い壁の感触が伝わってくる。ただ硬いだけならばいい。その程度の防御ならば自慢のゴーレムで打ち砕いてみせる。
 だが流石は魔法学院。物理衝撃が弱点とは聞いていたが、厚く強固な壁には『固定化』の魔法がかかっている。
 フーケは『土』のトライアングル。土メイジならばある程度備えている石や大地を感じる感覚も優れていた。そして今までの自分の経験と伝わる感覚が、このままでは突破するのは無理だと告げている。
 幸い『固定化』以外の魔法はかけられていないようだが、ここまで強力な魔法だと二つ名の由来である『錬金』も意味を成さない。おそらくこの魔法をかけたのはスクエアクラス。トライアングルのフーケでは『錬金』を使い、土くれに変えることはできない。今までフーケの『錬金』に耐えることができるほど強力な守りはなかった。
 それだけに腹が立つ。
 フーケが貴族ばかりを狙う理由の一つに貴族嫌いが挙げられる。フーケ自身はメイジでありながら貴族ではない。多くの平民のメイジがそうであるように、貴族の地位を失った。
 フーケが貴族を狙うのは自慢の宝を奪われ、悔しさと屈辱に塗れる貴族たちの顔を見ることができるからだ。そして、この職業は稼ぎが実に良かった。
 しかし、このままでは成功する確率は低い。気付かぬうちにフーケは唇を噛んでいた。

――やっと、ここまで来たってのに・・・・・・。

 諦めるには惜しい。
 瞳に理知的な光を宿らせ、腕組みをしながら考える。
 何か、何かそう楔のようなものがあれば突破できるだろう。しかし、その楔をどうするか。
 その時、周囲に気配を感じた。
 誰か、近づいてくる。それも一人ではない複数だ。
 職業柄、こういう雰囲気には聡くないとやっていけない。壁を蹴り、地面へと飛び降りる。地面にぶつかる寸前に『レビテーション』を唱え、速度を殺し羽毛のように着地する。素早く、静かに呪文を詠唱できるのも盗賊の必須技能。そのまま音を立てずに中庭の植え込みの一つに身を隠した。

 やってきたのは生徒らしき子供たちだった。女子が四人に、男子が一人。おそらく、休日を利用して遠出してきた帰り道だろう。
ずいぶんと間が悪い。今日はやめておいて、後日、日を改めてまた調べようか。
 フーケが立ち去ろうとした時、聞きなれたルーンが聞こえた。それは土系統の基本となる『錬金』、興味を惹かれそちらを窺ってみると、男子生徒と少女が戦闘をしていた。
 どうやら模擬戦のようで、ほかの生徒は近くで観戦をしている。少女はその手に巨大な赤い大剣のようなものを持っていて、それを使いゴーレムと戦っていた。
 大剣を使っているとは思えないほど少女の動きは俊敏で、ゴーレムを翻弄する。力量は少女の方が上、模擬戦も少女の勝ちで終わった。
 だが、あの魔法はなんなのだろうか。
『錬金』を使っていたようだが、それにしたって規格外である。自分ならばアレと似たようなものは作れるだろうが、それを扱うとなれば話は別だ。
 そういえば。
 変わった魔法に一つ、心当たりがある。つい先日、生徒同士が起した決闘騒ぎ。確か勝ったのは女生徒の方だったか。学院でも有名な『ゼロ』が勝ったという事でずいぶんと大騒ぎになったものだ。
 魔法の使えない『ゼロ』についての噂はフーケも少し聞いている。なんでもどんな魔法でも爆発するというのだ。デタラメなメイジもいたものだと内心では笑っていたが、実際に現場を見た時は嫌な汗が流れた。
 そこにあったのは大量の青銅。決闘の相手が作り出したゴーレムの成れの果てだ。ドットメイジが作ったゴーレムだ。破壊するのは容易い。だが破壊するのは簡単でも『こんな風にはできない』。青銅の破片は大砲でも食らったかのように見事にバラバラで、原型を留めている物など一体すらもなかったのだ。
 それに。決闘の行われた広場の壁の一部。そこには亀裂があった。大きなものではない。ほんの少し皹が入っただけの小さな亀裂だ。それでも亀裂を入れた事実には変わりがない。
 その生徒の名前は確かヴァリエール。その少女は今、少年たちと共にフーケの目の前にいる。
 ヴァリエールは正義感が強く、貴族としての誇りを何より重んずる。そう確か聞いている。ならば。

――策はある。

 フーケは朗々と詠唱を始めた。それは土の魔法。土系統のスペルとしては最下級のドットでも扱える初歩の初歩。だがフーケは違う。
 これこそがフーケの二つ名の由来であり、盗賊フーケの自信と矜持。
 長い詠唱がようやく終わり、フーケはその端正な顔に薄い微笑みを貼り付け、杖を振るう。すると音を立てて、地面が盛り上がり始めた。

 フーケ、盗賊フーケ。
 その手口は、大胆不敵。
 その手口は、単純明快。
 民衆は『それ』をこう呼んだ。
『土くれ』のフーケ。
 今、フーケは土くれでできた巨大なゴーレムの上に立っている。これからは仕事の時間だ。

   2

 学院の図書館で資料を漁るコルベールの姿があった。
 ガンダールヴの盾。
 今まで優秀な成績を修めながらも、魔法が使えなかったルイズ。そのルイズが使い魔の力を行使し、展開した《P.V.F》と呼ばれる東方の魔法。知識の深いコルベールも知らぬ、異国の魔法はそんな名前をしていた。
 コルベールの専門は火系統の魔法の新たな可能性の研究。それは例えば水を沸騰させた時に発生する蒸気だったり、金属に熱を加え加工するといった研究だ。今のハルケギニアでは火系統の魔法が生活で役立つ場面といえばせいぜいが灯りを点ける程度。それ以外での活躍となるとやはり戦場になってしまう。
 だが、火が生み出すものがそれだけではあまりにも寂しい。コルベールは教師でもあったが、研究者でもあった。
 そんなコルベールの専門ではないが、ルイズのP.V.Fの名前には覚えがあった。
 そして手に持つ一冊の本の記述。表紙に書かれたタイトルは『始祖ブリミルの使い魔たち』、この本には始祖ブリミルが使役したと謳われる使い魔たちについて書かれた古書だった。
 その中の一節、そこには探していたガンダールヴについての記述があった。
『偉大なる始祖ブリミルが使役した使い魔が一人、ガンダールヴ。始祖ブリミルの操りし、虚無。その強力な魔法はほかの四の系統魔法の比ではなく、その強大さ故に詠唱は長い。いかに始祖ブリミルといえど、詠唱を行う間は無防備。始祖はその時間を守らせるためにガンダールヴを用いた』。
『ガンダールヴは神の盾。右手に持ちし、長槍で向かい来る軍勢を突き崩す。左手に持つは意思を持つ大剣。両の手に持つ武器に加え、ありとあらゆる武器を使いこなし、主を守り戦う』。
『その力は戦士にして戦士にあらず。千人の軍勢を相手にしてもなお劣らず、メイジを相手にしてもなお劣らず』。
 概要としてはこのような感じである。

――やはり、というべきでしょうか。

 予想をしていなかったわけではない。
 ガンダールヴ。その名前は始祖ブリミルほど轟いているわけではないが、その名前を聞いたことがあるという人間は少なくないだろう。
 内容もあのシールド・オブ・ガンダールヴを見れば納得が行く。確かにあの『魔法』を相手にしては並みのメイジでは相手にならないだろう。戦い方次第では千の兵も相手取れるかもしれない。弾丸がどれほど用意できるかにもよるが。
 実際にドットメイジを圧倒した実績がある。トライアングルメイジのコルベールでさえ、正面から戦えば負けるかもしれない。射程距離がどれほどかはわからないが、弓よりは長いだろう。
 ルイズの体を庇うような巨大なラウンド・シールドも『神の盾』に相応しい。
 そんなことを考えながら読み耽っていると、あるページで手が止まる。
 そこはガンダールヴのルーンのページ。そこに書かれたルーンは、ルイズの左手のルーンと全く同じものだった。

   3

『破壊の杖、確かに領収しました。土くれのフーケ』。
 宝物庫の壁に残されたフーケの犯行声明。それはあの『土くれ』が侵入したという証拠。そしてそれは学院の名誉に穴を空けられた証拠でもある。
 事件の翌朝、その影響は大きかった。事情を聞くために宝物庫に呼ばれたルイズたちの瞳には、右往左往する教師たちが写っている。
「土くれのフーケ! あの貴族たちの財宝を荒らしまくっているという盗賊か! 魔法学院にまで手を出しおって! 随分とナメれたもんじゃないか!」
「衛兵はいったい何をしていたんだ!」
「衛兵などあてになるものか! 所詮は平民ではないか! それより当直の貴族は誰だったんだね!?」
「ミセス・シュヴールズ! 当直はあなただったのではありませんか!」
 魔法学院の教師の実力は確かだ。数の少ないスクエアクラスのメイジだっているのだ。それなのにこの有様だ。
 追求を受けてシュヴールズは震え上がっていた。
 呆れるような無様さだった。結局、あの後教師がルイズのもとに駆けつけたのはゴーレムが崩れ、周囲をあらかた調べた後だった。つまり安全を確認した後で、ようやく生徒の無事を確認をしに来たわけだ。
 臆病者だと罵る気にはならない。誰だって怖いに決まっている。ルイズだって怖かった。だがそれにしたってこの状況は無責任だと思う。
 こんな風に誰かに責任を押し付けている暇があれば、少しでもフーケについて調べるべきだ。
 流れはどんどんシュヴールズの方へ向かっている。嫌な雰囲気が纏わりつくようだ。
 ルイズが口を開こうとしたその時。
「これこれ。女性を苛めるものではない」
 静かな声が宝物庫に響き、誰もが口を閉じた。トリステイン魔法学院の賢者、オールド・オスマンその人が現れたのだ。その物腰は静かで迫力があるわけではないが、不思議な雰囲気を身に纏っている。
「し、しかしですな! ミセス・シュヴールズは当直なのにも関わらず、自室で眠っていたのですぞ! 責任は彼女にあります!」
「ふむ、ならば問うが、君たちの中でまともに当直をしたことがある、とわしに胸を張って言える者は何人おるかね? いるならば前に出たまえ。その者以外にはわしの名の下に厳正な罰を与えよう」
 オスマンの紫の瞳は静かに教師たちを見据える。その眼光を向けられ、なお口を開くことのできる教師は一人もいなかった。
 情けない、そう呟きながらオスマンは口を開いた。
「さて、これが現実じゃ。責任があるとするなら、それは我々全員じゃろうて。この中の誰もが、もちろんわしも含め全員が、まさかこの魔法学院が襲われるなどと夢にも思っておらんかった。ここにおるのはほとんどが優秀なメイジ、まさか虎穴に入ってまで虎子を得ようとする者がおるとは思わん。しかし、それが間違えじゃった」
 オスマンはゆっくりと穴の開いた壁に目を向ける。
「そして、この魔法学院の宝物庫を突破するとは。・・・・・・賊は大胆にも壁を打ち壊し『破壊の杖』を奪っていきおった。我々は油断しておった。まさか、という言葉に甘えておったわけじゃ。罪は皆で背負わなければならん。一人に押し付けるなどもってのほかじゃよ」
 宝物庫を沈痛な沈黙が支配する。それぞれが自分の落ち度を認めた様子を確認し、本来の目的を告げる。
「終わったことは仕方があるまい。大切なのはどう対処するかじゃ。犯行の現場を見ていたのは誰だね?」
 オスマンの問い掛けにコルベールが進み出て答える。もちろん、ルイズたちのことだ。
「この五人の生徒です。話によると、城下町からの帰りに件のゴーレムを発見したと」
 ルイズ、シエスタ、キュルケ、タバサ、ギーシュの五人はコルベールに促されてオスマンの前に出る。今までは教師たちの後ろに控えていた。
「ふむ・・・・・・君たちか。詳しく説明したまえ」
 ルイズが一人、進み出て答える。五人の中でゴーレムを一番近くで見たのは応戦したルイズだからだ。
「はい。私たちが城下町で出会ったミスタ・グラモンと共に雑談をしていると突然、あの巨大なゴーレムが現れたのです。ミス・タバサの使い魔の風竜で安全を確保したのち、私が足止めをしようと応戦しました」
「ミス・ヴァリエール! 君は先日も決闘騒ぎを起したばかりだろう? なぜそんな危険なことをしたんだね!」
 風系統の教鞭をとるギトーがルイズを叱る。ギトーはあの決闘騒ぎで最初に広場に駆けつけた教師でもあったから、ルイズの行動をよく覚えているのだろう。
「お言葉ですが、ミスタ・ギトー。現場には私たちしかおりませんでした。ルイズ様は危険を承知で、少しでも被害を食い止めようとようとしたのです。賞賛されこそすれ、非難された行為ではないかと」
 そう助け舟を出したのはシエスタだった。
「平民のメイドは黙っていたまえ! これは教師と生徒の会話だ。君には関係無い!」
 シエスタは意外にも素直に頭を下げた。が。
「それは失礼を致しました。私、先ほどのやり取りを見ていまして、ミスタが教師だということをうっかり失念していたのです。どうかお許しを」
 どうやらずいぶんと怒っているようだ。それだけルイズを慕ってくれているということなのだろうが、さすがにこの場ではまずい。
「シエスタ、やめなさい」
「やめるのじゃ、ミスタ・ギトー」
 ルイズとオスマンの静止の声はほぼ同時だった。シエスタは素直に頭を下げ、一歩後ろに下がった。
「しかし、オールド・オスマン!」
「今はそんなことより、フーケの件の方が先じゃ。・・・・・・続きを」
 オスマンの言葉に小さく頷き、続きを話す。
「応戦しましたが、相手の力量が高く、私では足止めすることはできませんでした。フーケはそのままゴーレムを使い、宝物庫の外壁を破壊。宝物庫に侵入し、出てきた時には破壊の杖と思われる箱のようなものを抱えていました。そのまま、ゴーレムを使い学院を脱出。最後には崩れ、土くれとなりました」
「それで?」
「何も。周囲を調べましたが、怪しい人物は影も形もありませんでした」
 おそらくフーケはゴーレムを隠れ蓑にし、草原に行く道中で姿を隠したのだろう。ゴーレムは陽動だったのだ。
「ふむ・・・・・・後を追おうにも、手がかりは無しというわけか・・・・・・」
 オスマンはその長い髭を撫でながら、しばし黙考する。
「ふむ、ところで集まっている教師はこれで全員かね? ミス・ロングビルの姿が見えぬようじゃが」
 そういえば学院長の秘書であるロングビルの姿が見えない。
「それが、朝から姿が見えないのです」
 そんな噂をしていると、ちょうどロングビルが現れた。
「ミス・ロングビル! どこに行っていたのですか? 大変です、学院の宝物庫にあの『土くれ』が!」
「申し訳ありません。その件について朝から急いで調査しておりましたの」
 ロングビルの眼鏡がキラリと光を反射する。
「調査、ですか?」
「ええ。今朝、起きてみれば学院中、蜂の巣をつついたような大騒ぎではありませんか。何事かと思い、話を聞いてみればあのフーケが現れたとか。これは一大事と思いまして、急いで調査を開始した次第です」
「ふむ、結果は?」
「フーケの隠れ家と思わしき場所がわかりました」
 宝物庫にいる教師たちにざわめきが広がる。随分と仕事が速い。
「情報元は?」
「近在の農民に聞き込んだところ、近くの森の廃屋に出入りする黒いローブの男を見たそうです。おそらく彼がフーケで、廃屋を隠れ家にしているのではないでしょうか」
 オスマンが視線でルイズに真偽を問う。
「おそらくはそうでしょう」
 フーケの姿は闇に紛れ、ほとんど見えなかった。それも黒いローブを着ていたのならば説明がつく。
「そこは近いのかね?」
「はい、徒歩で半日、馬ならば四時間といったところでしょうか」
「すぐに王室に報告しましょう! 王室衛士隊に要請し、兵隊を差し向けてもらわねば!」
 コルベールの主張をオスマンは首を横に振り、却下する。
「ならん! 兵が到着するまでいくら時間がかかると思っとる! フーケとて馬鹿ではない。自分のような名の通った盗賊が、一箇所に留まる愚は自分が一番よく知っておるじゃろうて」
 年寄りとは思えぬ迫力で、オスマンは言葉を続ける。
「さらに言えば、我らはメイジじゃ。貴族じゃ。自らに降りかかる火の粉すら満足に払えぬようで、なぜ生徒たちに誇りを教えられる! これは我ら魔法学院の問題、我らが解決せずに誰がするというのじゃ」
 拍手の一つもしたくもなるような長台詞だ。流石は偉大なるメイジ、オールド・オスマンといったところか。シエスタも感心したように目を丸くしているし、オスマンの隣に控えるロングビルの顔にも微笑みが浮かんでいる。
「では、捜索隊を編成する。我と思う者は杖を掲げよ」
 しかし誰も杖を掲げない。教師たちは、お互いの顔を困ったように見合わせるだけだ。
「おらんのか? フーケを見事捕らえ、名を上げようという貴族はおらんのか!」
 教師たちは魔法の腕前こそ、一級品だが実戦に慣れているわけではない。むしろそういった戦闘には不向きだが優秀なメイジが教師を務めるのだ。フーケのような強力なメイジと戦うとなれば、怖気づくのも無理は無い。
 実戦慣れしていないのは、ルイズも同じだが《パラベラム》である自分ならば遅れを取ることは無いだろう。互角以上の戦いができるはずだ。
 それに。

――馬鹿にされて黙っているほど、私は大人じゃない。

 ルイズは自分の杖を抜き、顔の前に掲げた。これは雪辱戦だ。
 だが掲げられた杖は一本ではなかった。
「ミス・ヴァリエール! ミスタ・グラモン!」
 隣を見れば、ギーシュが杖を掲げていた。唇をキュッと結ぶ姿は凛々しい。ギーシュもこうしていれば美少年なのだが。
「何をしているのです! あなたたちは生徒ではありませんか! ここは教師に任せて・・・・・・」
「誰も掲げないじゃないですか」
「フーケを止められなかったのは私です。今度はしくじりません」
 意外にも堂々とした態度でギーシュは告げる。どうやらこの前の決闘で、ギーシュの心に変化があったようだ。
 ルイズがこちらを見ているのに気付いたギーシュが気取った仕草でウインクをする。

――まったく・・・・・・気障な男ね。

 ルイズが杖を掲げたのを見て、シエスタがデルフリンガーを抜き、掲げる。
「主が往くと決断したのならば、そこに付き従うのは従者の務めです」
 それを見て、今度はキュルケがやれやれとため息をつきながら杖を掲げる。
「ミス・ツェルプストー! 君も行くというのか!」
「ヴァリエールにばかりいい格好をさせては、ツェルプストーの名折れですわ」キュルケはつまらなそうに答える。
 キュルケに続き、今度はタバサまでもが杖を掲げるのを見て、キュルケが止める。
「タバサ。あなたはいいのよ。関係無いんだから」
 キュルケの言葉にタバサはふるふると首を振り、一言。
「心配」
 キュルケは感動した面持ちでタバサを見つめた。
 そんな五人の姿を優しげな眼差しで見つめ、オスマンは笑った。
「そうか。それでは五人に頼むとしよう」
「オールド・オスマン! 私は反対です! 生徒たちをそんな危険な任務に晒すわけには!」
「では、君が行けばよかろう。ミセス・シュヴールズ」
「い、いえ・・・・・・私はその、体調が優れないので・・・・・・」
 やはり怖いのだろう。オスマンにそう言われると途端に弱腰になり、後ろに下がってしまった。

「彼女たちは、敵を見ている。そのうえ、ミス・タバサは若くしてシュヴァリエの称号を持つ騎士だと聞いているが?」
 タバサからの返事は無い。教師たちはオスマンの言葉に驚き、タバサを見つめるがタバサは無表情のままだ。
「本当なの? タバサ」
 キュルケの問いにタバサはこくりと小さく頷いた。
 ルイズも驚いていた。『シュヴァリエ』は王室から与えられる爵位としては最下級の物だが、タバサの年で与えられるというのは驚きだ。男爵や子爵などは領地を買うことで手に入れることができるが、シュヴァリエは別だ。これは純粋な業績に対してのみ与えられる爵位。いわば実力の証なのだ。
「ミス・ツェルプストーは、ゲルマニアの優秀な軍人を数多く輩出した家系の出で、彼女自身の炎の魔法もかなり協力だと聞いておる」
 キュルケも得意げに、髪をかきあげた。キュルケの炎のように赤い髪が流れる。
「ミス・ヴァリエールも勤勉な生徒じゃ。長らく魔法がうまく扱えないことに悩まされておったが、この度の使い魔召喚の儀でマジック・アイテムを召喚し、今では東方の変わった魔法を扱っておる。フーケと戦ったのも彼女であるし、この任務には欠かせんじゃろうて」
 ルイズはなんだかこそばゆい。今までこう褒められたことが無かったからだ。表情が緩むのがわかるが止められない。
「ミス・ヴァリエールの使用人のミス・シエスタも祖父が凄腕のメイジだったそうじゃ。今では彼女もミス・ヴァリエーールの使い魔によりメイジとしての資質を開花させたと聞いておる」
 シエスタのことはオスマンに報告してある。学院長が事情を知っていれば、何かと便利なのだ。ちなみにモットの事は適当に誤魔化しておいた。
「ミスタ・グラモンはあのグラモン元帥の息子である。ドットでありながらその技術は高く、土メイジということでフーケの戦いではなんらかの有利に働くかもしれん」
 ギーシュは褒められたというのに、表情が緩んでいない。いつものギーシュとは違うようだ。いつも、というよりは今までは、と言った方が正しいか。
 これで戦力はトライアングルが二人に、フーケと同じ土メイジが一人。そして《パラベラム》が二人。戦力としては十分だ。
 オスマンの言葉を受け、教師たちは口を閉じた。オスマンは五人の顔をそれぞれ見つめ、威厳ある声で告げる。
「魔法学院は、諸君らの努力と貴族の義務に期待する」
 それぞれが表情を引き締め、姿勢を正す。
「誇りにかけて」
 声は重なり、一つの響きとなった。

――次は、勝つ。


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