夕煌(フィアンマ)通り
アルコ・イリスに7つある大通りのひとつである。
工房家屋の連なる職人街であり、他の通りに比べかなり古めかしい趣きをしている。
歴史のある石壁や使い込まれた木材、テラコッタ(素焼き)の瓦等で作られた街並みは素朴で落ち着いたセピアの色合いを帯び、また、通りじゅうにある工房の釜が作り出す白熱と火粉の煌きによって、常に燃えるように揺らめく夕の陽光に照らされているが如き様相から、その名が付いた。
表通りには職人達によって直接卸された様々な武具防具や、専門的な仕事道具、長く扱う生活用品、陶工芸品や細工物の中卸し店等々が並ぶ。
また、堅実で古き良き生活を尊ぶ気風の為か、そのノスタルジィに惹かれた骨董屋や書籍店、やや時代遅れの体のままごく当然のように営業を続ける小さな飲食店なども見受けられる。
裏通りは主に工房と職人家屋だらけの工場街であり、油や金属・皮の加工される匂いが立ちこめる。たまに物珍しい素材の切れ端やガラクタが捨てられており、それを拾いに来る者もいるとかいないとか。
施設
Kokua(花屋)
夕煌通りの一画。
中央区側から入って5つ目、右手に見える細道に入りあとは真っ直ぐ進んだ先に在るこじんまりした花屋。
奥まった所にあるものの花々の品揃えはよく、口コミで評判が広がっている。
また一世一代の大勝負やお見舞い用等のっぴきならない事情がある際、店主が居れば花の力を引き出してくれるサービスもある。
正しそれを維持出来るか否かは当人の努力次第とは店主の弁。
その店主は医師を営んでもいるため、ちょくちょく留守にする。
不在の間の店番はラシャンとアムリアという男女の子供達が営んでおり、それはそれで可愛がられているようだ。
グリューエン(武器防具工房)
夕煌通りの工場街にある老舗鍛冶屋。名は「白熱」を意味している。
二棟ある家屋の屋根が濃淡二色に分かれているのが特徴で、片方が炉や加工場のある作業場、片方が卸の注文を受ける店舗になっている。
専門の武器防具だけでなく、扱う鋼は生活一般から特注品まで多岐に渡り、複雑ながらも丈夫な金属全般の加工、および切れ味の良い刃の精製を得意とする。
大柄なドワーフの親方を中心とした幾人かの職人と、雑用・配達を請け負う下働きとが働いている。
開かれた工場を守る黒い番犬は、優秀だがしょっちゅう脱走する事で有名。
最終更新:2011年06月29日 01:19