望まなければ 生まれないもの
【名前】 |
飛縁魔・於七 |
【読み方】 |
ひのえんま・おしち |
【種族】 |
大太・血ノ鬼 |
【本名】 |
佐用都比賣命 |
【字名】 |
火災招く血流 |
【登場巻】 |
第3巻~ |
【人物】
国土神・血の化身。
別の世界からやってきた
悪魔達に強い敵対心を抱く、大太達の急先鋒。
封印される際、火つけで有名な「八百屋於七」、また美女の姿で男を破滅させる妖怪の「飛縁魔」と同化した存在であり、血のように赤い長髪を持った美女の姿をとる。
血を自在に操る力を持ち、自分の血を浴びさせた相手の体を操り、他人の体内の入り込むことができる。血の一部さえ相手に浴びせたり取り込ませることができれば体を完全に則って(実質的に)分裂することができるので、劇中では複数の個体が登場した。
それぞれ個別に倒されたが、一部が
ラウラ・シルヴァー・グローリーにより封印されたのみで大部分はいまだに未封印。
本体がどれであるのかも不明なため今後再び現れる可能性があるが、左耳である白姫が活動休止を宣言したためしばらく登場はないと思われる。
佐用都比賣命とは播磨国風土記に登場する人物。
伊和大神の妹にあたり、兄と国の占有を巡り争いになった際、鹿の血を使って稲の苗を一夜で育てたことで勝利したとされ、その逸話から農業の女神とされている。
国津神は古来に実在したその地に住まう人間であったとされるみなぎ世界において、彼女は農業に関わる技能等を有した女性だったと考えられる。
彼女の関わった作物は、他の場所よりもより多くの実りをもたらしたのかもしれない。より早く成長したのかもしれない。
そこから神格化されるに当たって「鹿の血」を使ったという、神めいた逸話が追加されたのだろう。
足洗邸に登場する彼女が血を司るのは恐らく、その逸話が由来と思われる。
一方同化した妖怪としての名、飛縁魔とは江戸時代の奇談集である絵本百物語に登場する美女の姿をした妖怪。
外見こそ美女ながら、見惚れた男の身を滅ぼす妖怪と言われており、夜な夜な現れて男の精気や生血を啜ると言われる。
足洗邸の結界を超えるため福太郎の血を啜る彼女の姿は、まさに飛縁魔。
於七とは江戸時代に実在したとされる女性。
八百屋お七とも呼ばれ、八百屋の娘であったが、恋人に会いたいあまり放火をして死罪になったとされている。
彼女は丙午の年生まれだったと言われ、その年に生まれた女は気性が激しく、異男の命を縮めてしまうという言い伝えがあり、飛縁魔という妖怪はそういった迷信が生み出した、とも言われている。
飛縁魔は八百屋お七が丙午生まれということから結び付けられることも多く、飛び火して大火事となる「飛炎魔」を意味するとも。
もともと飛縁魔という名称は、縁に魔障をもたらす天魔やマーラの暗示とも言われており、「飛縁魔」、「八百屋お七」の名と力を得た「佐用都比賣命」は、正しく男を惑わせる美貌と、血を使い、人々の縁の障害となるキャラクターであった。
最終更新:2019年12月06日 00:55