Jabbos ジャボス
バストゥーク共和国出身の坑夫。784年にグスゲン鉱山とムバルポロスが偶然繋がり、そこから現れた獣人モブリン族が略奪を始めたため、
ジャボスはムバルポロスに赴いて現在に至るまでの百年間、人間と獣人の融和を訴え続けている。
バストゥーク共和国に生まれる。長じてグスゲン鉱山の坑夫となった。
モブリン襲来
784年、拡張を続けていたグスゲン鉱山がモブリンの移動地下都市ムバルポロスと繋がるという事件が発生した。
ムバルポロスより出現したモブリンはバストゥーク市街に襲来し、書物を奪って市民を拉致するという奇怪な行動に出たが、
当時バストゥーク共和国はエルシモ海戦に掛かりきりであり、拉致された市民もしばらくするとなぜか家に帰されたため、すぐには対抗策が打たれずにいた。
そのためグスゲン鉱山の作業現場は紛糾し、一時は鉱山ごと爆破する案も出たほどであった。
この状況を憂えたジャボスは諸国を回ってモブリンについて徹底的に調べ上げ、独自の対抗策を練り上げた。それはモブリンにアルタナ教の聖典を読ませるというものであった。
モブリンとは「光り輝く鉄巨人」を崇拝するためにゴブリンと袂を分かったゴブリンの亜種であり、地底に眠るとされる鉄巨人を探して掘削生活を送る種族である。
その地底生活の果てにプロマシアの石像を発掘したモブリンは、それを鉄巨人と誤解して崇拝するも一切加護らしきものが得られなかったため、
その理由を求めて地上に現れ、書物の略奪と人間の拉致を始めたのが当時の事件の真相であった。
それを突き止めたジャボスは「その石像は鉄巨人ではなくプロマシアを象ったものであり、だから加護がもたらされないのだ」とモブリンに説明し略奪の中止を要請した。
しかし同時に「プロマシアは獣人の父であり、アルタナは人間の母である」との情報も伝えてしまった事から、
モブリンは「神敵である人間を滅ぼせば、このプロマシア像から加護が得られる」と曲解し、人間の殺戮を開始した。
事件の収束
唐突に始まった人間とモブリンの戦いは、エシャンタールがムバルポロスから石像を盗み出す事で一夜にして終了した。
当時タブナジア大聖堂でジラート遺物を集めていたエシャンタールは、諸国を回っていたジャボスと出会ってプロマシア像の存在を知ると、すぐさまその回収を指示したのである。
石像を失って混乱したモブリンは再び地中へと潜行し、ムバルポロスの出入り口は土砂で封鎖されたが、
ジャボスは略奪を殺戮へと激化させた事に自責の念を感じ、故郷バストゥークを捨ててムバルポロスへと移住。現地で人間と獣人の融和を訴え続ける生活に入った。
プロマシアミッション
884年、掘削生活を続けていたモブリンは今度はアル・タユのマザー・クリスタルを掘り当てた。
この話がアル・タユへの帰路を探していたセルテウスの耳に入り、セルテウスはムバルポロスを訪れて「虚ろなる闇」の力でモブリンを鎮め、道を確保した。
セルテウスの虚ろなる闇を味わったモブリンは、セルテウスをプロマシアの化身と誤解して沸き立ち、生贄に人間を捧げるべく再び地上を目指し、百年振りの殺戮を始めようとした。
長年のムバルポロス生活でモブリンと一定の信頼関係を築いていたジャボスは、
かつてエシャンタールに訂正された聖典の誤り、即ち「プロマシアは獣人が誕生する遥か以前に死亡しており、獣人の父ではありえない」という真実を訴え、
殺戮を止めるよう試みたが、熱狂にうなされたモブリンには聞き入れられなかった。
ジャボスは自らの無力さを嘆き途方に暮れたが、アル・タユを調査するためにムバルポロスを訪れたルーヴランスとPCに協力を請われ、モブリンと人間の融和に繋がるならばと同道を決意した。
そしてジャボスは旅路の果てに図らずもプロマシアと対峙し、天地創造にまつわる真実を知る機会に恵まれた。
ムバルポロスに凱旋したジャボスは、自らの情報が今度も誤解され、再び意図せぬ惨劇を招いてしまわぬよう、慎重に言葉を選びながら「実は人間こそがプロマシアの子である」とモブリンに伝えた。
しかしここでもモブリンは言葉を誤解し「ならば人間とモブリンはプロマシアの子同士であり兄弟である」と結論付けた。
ジャボスは「獣人はプロマシアの子ではない」と言いよどんだが、この誤解によってモブリンが人間と仲良くできるのならば本望とし、現在もムバルポロスでモブリンとの共同生活を送っている。
「このまま……俺は……モブリンたちと……歌って騒ぐよ……。
そして……人と獣人が……兄弟だってことを……ゆっくり……ゆっくり……伝えていく……。PC、タンキッヤァ……。」
【覚書】
- プロマシアミッションでPCに同行する味方NPCの一人。NPCは五種族からバランスよくメンバーが選ばれており、ジャボスはそのガルカ代表だと言える。
- しかし加入するのが第5章と遅く、更にBF等の戦闘シーンにも関わらない事から、相対的に非常に地味な存在となっている。
- 既にバストゥークを離れて百年と長く、ライバートからは「ガルカである事をやめたガルカだ」と酷評され、モブリン相手の調停者どころかトラブルメーカーとすら思われている。
- 長く人界から遠ざかっている事と生来の口下手が相まって、三点リーダだらけのたどたどしい話し方をする。
- タブナジア大聖堂に雇われてアル・タユを調査していたブッキー・チェブキーは楽園の扉が百年前に一度開かれた事を突き止めるが、それはモブリンがプロマシアの石像を掘り当てた事の暗喩に過ぎなかった。
- プロマシアの器に魅了された際は「強さ、強さ、強さ……。虐げられたもの……護る、強さ……あの声……、俺に……くれる言う……。」というナグモラーダに蹴散らされたモブリンを思いやるような言葉を呟いた。
最終更新:2015年04月02日 12:04