Esha'ntarl エシャンタール

神都アル・タユ出身のアルマター機関員、ジュノ大公代理。元クリューであり「虚ろの器」の治療を受けた際、奇跡的に「虚ろなる闇」を全て取り除かれて不老不死の人外となった。
一万年前にセルテウスが霊獣と交わした契約の破棄を目指し、「世界の終わりに来る者」の打倒を終生の目標とした。
神都アル・タユにジラートとして生まれる。
ほどなくしてクリュー分裂症を患い、治療のため虚ろの器に入ったが、その際、奇跡的に虚ろなる闇を全て抜かれてしまったために人外と化し、不老不死の宿痾を負った。
一万年前に勃発したジラートとクリュー間の古代戦争ではクリュー側につき真世界化の阻止を目指した。
戦争末期、ジラートの「神の扉計画」によってアル・タユ一帯がルモリアに時空点転移した事を受けて、他の多くのジラートと同様「アル・タユは消滅した」と誤解。
セルテウスが霊獣と交わした契約(セルテウスが、人類合体の中核を担う『世界の終わりに来る者』を倒せなければ、霊獣は人間を滅ぼす事でその合体を阻止してよい)の破棄を引き継いだ。

古代戦争は「メルト・ブロー」によるジラート文明の崩壊という形で終着し、エシャンタールは生き残ったクリューを引き連れてサルタバルタへと南下、そこでフェンリルと邂逅した。
フェンリルは「セルテウス亡き今、次に生まれる『世界の終わりに来る者』を倒せる人間はいまい。人間は霊獣に滅ぼされるだろう」と告げるが、
エシャンタールはこれに反論し、不老不死を得た自分ならば倒す事ができると主張。そのために次なる「世界の終わりに来る者」がいつどこに生まれるか分かるように定めて欲しいと依頼した。
フェンリルはこれを了承し、月詠みを行って、新たなる「世界の終わりに来る者」が一万年後のタブナジアに生まれるよう運命を操作した。
その後しばらくエシャンタールらはサルタバルタでホルトトの塔の建設に従事したと思われるが、詳しい事は分かっていない。
しかしメルト・ブローの影響で徐々にトンベリと化していったクリュー達はサルタバルタには定住せず、更に南下を続けて最終的にエルシモ島へ入植した。

タブナジア大聖堂時代

それから一万年後、タブナジア侯国の成立を受けてエシャンタールは同国へ渡り、アルタナ信仰タブナジア派の聖職者ミルドリオンの肩書きで活動を開始した。
エシャンタールはそこで枢機卿の座に登り詰めてタブナジア大聖堂を支配すると、「世界の終わりに来る者」に対抗すべく、ジラート遺物やアル・タユ関連の情報収集に努めた。
この時「暁の瞳」「アル・タユの絵」「プロマシアの石像」といった物品が礼拝堂の聖遺物室に運び込まれている。
エシャンタールは頌歌『石の記憶』で「世界の終わりに来る者」を人から神に変化させて、マザー・クリスタルの循環から隔絶させた状態で撃破する、という作戦を立てて時機を待った。
840年頃、「世界の終わりに来る者」とされるプリッシュが誕生。エシャンタールはすぐには戦いを挑まず、しばらく様子を見る。
854年、神学生を志したプリッシュは大聖堂にて洗礼の儀を受けるが、この時「暁の瞳」がプリッシュの膨大な虚ろなる闇に反応して起動し光線を照射。
その結果、プリッシュの虚ろなる闇は全て体外に飛び出て結晶化し、プリッシュは「世界の終わりに来る者」ではなくなってしまう。
一万年越しの計画が必要とされる事もなく、あっさりと宿敵が消滅してしまった事にエシャンタールは拍子抜けしたが、同時に安堵して以後大事が起こらぬようプリッシュの経過を見守る事にした。

アルマター機関合流

862年、水晶大戦が勃発。翌年タブナジア侯国は陥落し、エシャンタールはプリッシュを含む市民をフォミュナ水道へと誘導し、大聖堂の地下壕へと避難させた。
エシャンタールは水道一帯に結界を施して地下壕の安全を図ると、プリッシュに「絆の証」という監視器具を付けて独りタブナジアを去った。
終戦から数日後、エシャンタールはサンドリア大聖堂を訪れて枢機卿の位を返上すると、ミルドリオンという偽名を捨ててジュノのアルマター機関へと合流した。

プロマシアミッション

884年、セルテウスとバハムートが復活し、アルマター機関内で大公代理を務めるようになっていたエシャンタールは両者の調査を開始した。
バハムートは「世界の終わりに来る者」の降臨が迫っているとして契約の履行を主張し、人類の殲滅を標榜した。
「プリッシュから虚ろなる闇が取り除かれた今、世界の終わりに来る者は消滅したはず」とエシャンタールは訝るが、一向に攻勢を止めようとしないバハムートを前に開戦の指揮を余儀なくされる。
しかし同時にセルテウスが出現し、アル・タユが今も健在であり、バハムートの言う「世界の終わりに来る者」とはプリッシュの事ではなく、
アル・タユで封印された「プロマシアの器」の事を指しているのだと明かしたため、
プリッシュ、セルテウス、そしてPCはプロマシアの器を撃滅すべくアル・タユに乗り込み、エシャンタールはその間、戦闘艇団を率いて彼らのサポートを行った。

世界に在りて君は何を想うのか

PC達はプロマシアの器を討ち果たす事に成功するが、その際プリッシュがとどめと称して「タブナジアの魔石」を器に投げ込んでしまう。
器は石を飲み込んだままマザー・クリスタルへ還ったため、このままでは石を核に「世界の終わりに来る者」が早晩再臨するとして、バハムートは改めて契約の履行を主張した。
石を回収するには時間が掛かると踏んだエシャンタールは、PCを派遣してバハムートを一時的に足止めさせる傍ら、マザー・クリスタル周辺の調査を開始。
その結果、プロミヴォンにて何者かの意思が感じ取れる黒水晶を発見した。
その何者かとは、クリスタルに還ってもなお人格を留めていた闇の王、カムラナート、エルドナーシュ、ナグモラーダであり、
彼らは石の力を取り込んで「世界の終わりに来る者」として蘇ろうとしていた。
しかしその目論見は、同じく人格を留めていたライオンが石を悪しき者に渡すまいと抱え込んでいたため、かろうじて防がれていた。
エシャンタールはPC達と共にアル・タユに乗り込み、『石の記憶』で石をライオンから解放させ、闇の王達を「世界の終わりに来る者」として降臨させた上で改めて撃破。
とどめに暁の瞳を照射して爆砕し、この世からもクリスタルの循環上からもタブナジアの魔石を完全に消滅させる事に成功した。

現在

彼女の一万年越しの宿命ともいえる「世界の終わりに来る者」との戦いは決着を見たが、
人間が生き続ける限り、人間に注がれた「母なる光」と「アルタナの涙」の経年劣化によって「世界の終わりに来る者」が再誕する可能性は否めず、
またアルマター機関のような真世界化に憧れるジラート達も未だ存在しているため、
現在エシャンタールは自らの不老不死を活かして人類を見守り続ける旨を宣言し、アルマター機関の内側から広く世界に向けて監視を続けている。

「PC。忘れないでください。あなたはどんな犠牲も出さずに、世界も人も救うことができたということを。
 あなたが、多くの人の力を借りたから、多くの人が信じたからそんな道を拓くことができたのだということを。」


【覚書】

  • プロマシアミッションにおける味方NPCの一人でプリッシュやウルミアと並ぶオリジナルフェイス。大公代理ならではのサポートとして飛空艇団を派遣したり、ミッションの報酬となる指輪を贈るなどした。
  • 一万年以上生きているため様々な分野に造詣がある。スカリーZがミスラの伝承を理由に「アル・タユの絵」の返却を要求した際は、その伝承にも詳しかった事から、上手く話を合わせて追い返した。
  • アルマター機関所属だが内心では真世界化に反対している唯一の人物。しかしカムラナートが計画を再始動させた際には、彼の権力に逆らえず大した妨害はできないでいた。
  • 志は違えど王族には一応の敬意を払っており様付けで呼ぶ。ナグモラーダからは「おまえの心配は、あの方(カムラナート)の機嫌を損ねる事だけだと思っていたが」と嫌味を言われた。
  • カムラナート亡き後は代理の座を得て機関のトップに立った。人類とヴァナ・ディールの存続に仇なす者には容赦せず、万一マザー・クリスタルを狙うのであればアルタナ3国であっても攻撃を辞さない旨を述べている。
  • タブナジア大聖堂時代は、アル・タユを調査すべく余りにも組織を秘密主義化したため、サンドリア大聖堂との不和を招いた。
  • サンドリア大聖堂が神の扉を物理的に捜している事を快く思わず、ムシャヴァット教皇に「人間はアルタナの子ではなくプロマシアの子である」という真実を告げて精神的に追い込んだ。
  • ムシャヴァットはアルタナ信仰の崩壊に繋がる真実を前に憔悴し、「神の扉は人心の内にある」という建前を作って捜索を止めさせた。そして「真実を手放さざるを得なかった……」と言い残して衰弱死した。
  • エシャンタールは更にサンドリア大聖堂が集めた真世界関連の資料を処分した。この件でミルドリオンは後にサンドリア大聖堂から容疑を掛けられた。


【アクション】

今も昔も基本的にジラート用の黒装束を着用しているが、ミルドリオンを名乗っていた頃はバーニー系の甲冑を着込んで活動していた。
最終更新:2015年04月02日 11:28