Bahamut バハムート

ヴァナ・ディール出身の霊獣。別名、空の覇者、真龍の王、帝龍、楽園の扉の門番。
一万年前に真世界化を企てたジラートと戦争を繰り広げ、真世界へと変貌してゆくヴァナ・ディールを止めるために捨て身の妨害を断行した。
妨害は成ったものの著しく衰弱したバハムートは休眠状態を余儀なくされたが、884年、セルテウスのヴァナ・ディール帰還に呼応して覚醒し、
真世界化の芽を今一度摘み取るため、人類の殲滅を開始した。
真龍族の一体として生まれる。真世界がヴァナ・ディールへと零落したのちに高い霊格を積み上げ、神に比肩する獣「霊獣」となった。
しかしこの霊格とはヴァナ・ディールにおいてのみ有効なものであり、真世界では消失してしまう性質があるため、
一万年前にヴァナ・ディールの真世界化を企てたジラートとバハムートら霊獣は激しい戦争を繰り広げた。
その際に霊獣はクリューと同盟を結び、バハムートは力を貸し与える代わりにクリューの代表者セルテウスと次のような契約を交わした。
その内容とは「セルテウスが人類合体の中核を担う『世界の終わりに来る者』を倒せなければ、霊獣は全人類を滅ぼす事でその合体を阻止して良い」というものであった。
もし人類が合体して男神プロマシアと化せば、霊獣は歯が立たなくなり、真世界化が確実なものとなるため、バハムートはその合体を何よりも恐れていた。

古代戦争終結

戦争末期、ジラートは霊獣とクリューの攻撃を掻い潜ってクリスタルラインの接続を終え、神の扉計画の最終段階を発動させた。
ヴァナ・ディールは急速に真世界化を始め、進退窮まったバハムートはクリスタルラインに飛び込み、自らの肉体を栓としてエネルギー流の遮断を図った。
その結果、ヴァナ・ディール全体の真世界化は中断され、神都アル・タユ一帯のみが時空点転移し、
ヴァナ・ディールよりは高次だが真世界よりは低次である異次元世界「ルモリア」に放逐されるという中途半端な結末に終わった。
バハムートはそこで力尽き、落命こそ免れたものの長い休眠を強いられた。
その直後、ヴァナ・ディールではクリューがヴァズのアークを爆破したために巨大なエネルギー爆発「メルト・ブロー」が起こり、ジラート文明は崩壊。戦争は終結した。
生き残ったエルドナーシュら僅かばかりのジラートは、荒廃した世界の自然回復を期待してデルクフの塔で長い休眠に入った。

現代

854年、ヴァズのマザー・クリスタルの力を浴びて闇の王が誕生した。
この時巻き起こったエネルギー流がクリスタルラインを通じてデルクフの塔に流れ込み、塔のシステムが再起動した事で、エルドナーシュらが一万年振りに覚醒した。
エルドナーシュは神の扉計画を再開し、各マザー・クリスタルから再びエネルギーを吸い上げ始めたが、
その結果、アル・タユがエネルギー不足に陥り、ルモリア内に留まる事ができずにヴァナ・ディールへ向けて落下を始めた。
アル・タユ内には一万年前にセルテウスが仕留め損ねた「世界の終わりに来る者」が未だ眠っており、このままでは落下の衝撃で覚醒しかねないため、
セルテウスは落下を阻止すべくフェニックスの霊力でエネルギー流と化し、クリスタルラインを経由してアル・タユからヴァナ・ディールへと帰還を果たした。
クリスタルライン内で休眠状態にあったバハムートは、このエネルギー流によって覚醒を促され、
「世界の終わりに来る者」が未だ討ち取られておらず、それどころかヴァナ・ディールに向けて接近しつつある事を感知すると、契約通り人類の殲滅に向けて行動を開始した。

プロマシアミッション

セルテウスは各マザー・クリスタルのエネルギーを集めてアル・タユに注ぐべく、PCを運搬役に選定して五箇所のアークを巡った。
一方バハムートは配下の真龍族を招集して人類への宣戦布告を行い、ジュノ飛空艇団との全面対決に備えた。
その間にエネルギーの回収を終えたPCは、仲間であるプリッシュの提案で飛空艇に乗り込み、バハムートへの奇襲に参加したが、
ナグモラーダの裏切りにより奇襲は失敗し、PCがマザー・クリスタルのエネルギーを運搬している事がバハムートに露見した。
バハムートはその窃盗行為に激昂してメガフレアを発射。飛空艇団ごと焼き払おうとした。
しかしフェニックスが自らの命と引き換えにメガフレアを相殺し、かつ運搬計画の全容を明かしたため、
バハムートは同胞である霊獣を殺めてしまった事への自責の念も手伝い、それで「世界の終わりに来る者」の落下が防げるのならばと一旦退いた。

ところが計画の全容に衝撃を受けたのはバハムートだけではなかった。
なぜならば計画の総仕上げはPCの殺害であり、アル・タユのマザークリスタルに還すという形でエネルギーの補充を行う算段だったからである。
フェニックスはそのあとでPCをしっかり蘇生するつもりだったが、フェニックスが落命した事で蘇生が不可能となり、PCらは大きく動揺した。
セルテウスはそれでもなお「人類のために」とPCを殺害しようとしたが、プリッシュが激昂して止めたために計画は変更され、
「世界の終わりに来る者」即ち「プロマシアの器」の直接撃破という、バハムートですら諦めていた目標に改められた。
そしてPCらはアル・タユへ乗り込み、激闘の果てにプロマシアの器を討ち取った。

日輪を担いて

予想だにしなかった人間の偉業にバハムートは驚いたが、「世界の終わりに来る者」の危機は未だ消えてはいなかった。
プリッシュがプロマシアの器に止めを刺す際に投擲した「タブナジアの魔石」が、死亡した器ごとクリスタルに還ってしまい、
近い将来、魔石を取り込んで輪廻転生した者が、次なる「世界の終わりに来る者」として誕生する事が明らかになったからである。
バハムートは「世界の終わりに来る者」の討伐は失敗したとみなし、契約通りに人類殲滅の再開を宣言したが、
PCらはこれに猛然と抗議し、バハムートに直接戦いを挑んで「人間はプロマシアへの回帰を捨て、人間として生き続ける意志を持っている事」、
及び「魔石の不始末は自分達でつける意志がある事」を示した。
PCの猛々しい戦い振りに感じ入ったバハムートは、PCの主張を認めて再び攻勢を取り下げた。
PCは改めてアル・タユに乗り込み、宣言通りに魔石を粉砕。「世界の終わりに来る者」の脅威を断ち切ったため、
バハムートは遂に契約の破棄を認め、以降末永く人類を見守ってゆく事にした。

「翼なくとも空を飛ぶが、おまえたち人の子か……。我はこの地に留まり続け、ヴァナ・ディールを守る神として、若き子らに高みをもたらそう。
 再び、集い来るがよい、人の子よ。その力、日の輪にまで高めること望む者たちと。死とともに、地より深きに堕つこと恐れぬ者たちと。」


【覚書】

  • FF1から登場しているシリーズの常連キャラクター。召喚魔法が実装されたFF3以降は召喚獣の顔役となっている。
  • 十八番のメガフレアは無属性の大ダメージ技であるのが常だったが、本作では火属性の魔法ダメージ技となっている。
  • 霊獣としての能力は空間操作。一般的にテレポなどの移送魔法は大質量や多人数の輸送には不向きとされるが、バハムートは楽々と配下の真龍達ごと移動できる。
  • またリヴェーヌ岬を砕いて岩塊群として浮遊させ、自らの縄張りとした。
  • 世界設定上は真龍族とされるが、バトルシステム上では無分類扱いであり、竜騎士のアビリティ「ドラゴンブレイカー」が通用しない。
  • 本作はMMORPGであり、大勢のプレイヤーが集まって一斉に召喚獣を呼び出すという事もできるため、余りにも巨大なバハムートは描画の過負荷という観点から召喚不可能となっている。


【アクション】

【テラフレア】そなたらの選択、我が光にて裁いてやろう!

開口部にエネルギーを充填してから青白い火球を吐く。吐き出された火球は標的の頭上にまで達すると一旦収縮し、大爆発を引き起こす。
本作におけるバハムート最大の技であり、HPが10%にまで追い詰められた時にのみ使用する。
シリーズ恒例のメガフレアはHP90~70%時に使用し、残る60~20%時にはそれよりも上位のギガフレアを使用する。
メガフレアとギガフレアの色はそれぞれ赤と紫であり、テラフレアと違ってエネルギー充填モーションもなく、爆発の規模も抑えられている。

ソ・ジヤの最下層にあるバハムートの扉。奥にはバハムートの力を蓄えた魔導器が設置されている。
一万年前の戦争時にクリューはソ・ジヤを要塞化し、霊獣から授かった魔力をそこに蓄えて必要に応じて使用した。
ソ・ジヤは全部で六つの区画に分かれており、そのうち五つに魔導器が設置されている。
ボスディン氷河(I-7)の入口はバハムート、(G-9)の入口はフェニックス、(H-8)の入口はディアボロス、(H-10)の入口はフェンリル、(J-8)の入口はカーバンクルの魔導器にそれぞれ通じている。
北西にある(F-7)の入口は魔導器ではなく今は亡きヴァズのアークに通じていたが、現在ではその通路は虚ろなる闇に飲まれてプロミヴォン-ヴァズとなっている。

クリューによって描かれたと思われる「アル・タユの絵」。元々はウガレピ寺院に展示されていたが、エシャンタールの差し金で盗み出され現在ではミザレオ海岸の礼拝堂に安置されている。
アル・タユの次元上昇を阻止しようとするバハムートがジラートの鎖によって捕縛されている姿が描かれているが、
この鎖はプロマシアミッション「誓いの雄叫び」のカットシーンにも登場し、マメット達が鎖を放って見事にバハムートを捕らえている。
しかしその場に乱入したプリッシュがマメット達を蹴散らしてしまったために鎖は千切れ、バハムートは移送魔法でその場を脱出した。
最終更新:2015年02月09日 20:05