Promathia プロマシア

真世界出身の神。別名、黄昏の男神。
自ら永遠の死を望み「虚ろなる闇」を飲み干したが、アルタナによって遺体を無数の小片に分かたれ、
クリスタルの光を注がれた事で大勢の「人間」として生まれ変わった。
人間はプロマシアであった頃の記憶を失っているが、心の何処かでは今でもプロマシアへの回帰と永遠の死を願っている。
シード・クリスタルの被造物として真世界に生まれる。真世界とはあらゆるものが調和した完全無欠の世界だったが、
それゆえに完全なる死「虚ろなる闇」という物もまた存在していた。
プロマシアはその完全なる死を望み、虚ろなる闇を全て飲み干すと再生なき永遠の眠りに就いた。
一体なぜプロマシアが死を望んだのかは不明であり、単純に他の神々が虚ろなる闇に飲まれるのを防ぎたかったという侠気ゆえか、
あるいは、初めからシード・クリスタルが虚ろなる闇の器となるようにプロマシアを創造したからか、
といったように推測されるに留まる。

真世界の零落

しかし「完全なる愛」に目覚めていた女神アルタナは、プロマシアの死を良しとせず、彼の意に反して蘇生を試みた。
アルタナはプロマシアの遺体を無数に寸断し、完全なる死の力を不完全になるまで四散させると、
肉片1つ1つにシード・クリスタルの「母なる光」を注いだ。
母なる光によって虚ろなる闇を抑え込まれたプロマシアは、無数の新種生命体「人間」となって息を吹き返した。
しかしこの行程に必要とされた母なる光の量はひとかたならぬもので、
エネルギーが枯渇したシード・クリスタルは砕け散り、大きく5片に分かたれた。
そしてシード・クリスタルに支えられていた真世界もまた不完全な世界「ヴァナ・ディール」へと零落した。
イフリートを始めとする真世界に暮らしていた神々は世界の劣化を嘆き悲しみ、
いつの日か真世界が復活する事を願いながら深い眠りに就いた。

ジラート文明の勃興

以上の経緯から人間は「プロマシアの肉片」「虚ろなる闇」「母なる光」の3つから成る存在としてこの世に生を受けた。
人間はプロマシアであった頃の記憶を失っており、やがて自らを「ジラート」と呼ぶようになると、
ヴァナ・ディール中に散って空前の大繁栄を遂げた。
ジラートは母なる光の加護によってテレパシー能力「心の言葉」を使う事ができ、
言語を介さず概念や映像を直接お互いの脳内でやり取りする事で、誤解なき円滑なコミュニケーションを実現できたため、
このテレパシー能力が文明の発達に大きく寄与した。

斜陽

しかし母なる光が経年劣化を迎えると、それまで人体内で抑え込まれていた虚ろなる闇が活性化を始めた。
そしてジラート文明斜陽の端緒となったのは、王子エルドナーシュがマザー・クリスタルに触れた折、
真世界時代の映像が彼に流れ込み、それが心の言葉で瞬く間に全国民に伝わった事であった。
人々は真世界の言語に絶する美しさに酔いしれ、ヴァナ・ディールを真世界化させる「神の扉計画」を立案した。
真世界を復活させる事はシード・クリスタルを復活させる事であり、
それは人間に注がれた母なる光を5片のクリスタルに返却し再結合させる事で達成される。
これは即ち、全人類がプロマシアへと融合して再び自殺する未来に繋がるのだが、
往時の記憶を失っているジラートは、それが破滅の道だとも知らずに真世界を求め熱狂した。
そうした中、活性化した虚ろなる闇の影響で、心の言葉を失うジラートが出現し始めた。
この病症は「クリュー分裂症」と呼ばれ、罹患者は増加の一途を辿った。

古代戦争

罹患者はジラートを名乗る事を許されず、クリューという別称を与えられ、専用の都市ソ・ジヤに隔離された。
分裂症の根治を目指して「暁の瞳」や「虚ろの器」といった医療機器が開発されたが解決には至らず、
やがてクリューは心の言葉が使えないがために、ジラートに不信感を抱き始めた。
そして真世界の美しさを共有できなくなったがゆえに、ヴァナ・ディールの変化を拒み、
神の扉計画に反対するようになった。
両者の溝は埋まる事なく対立は激化し、やがて戦争へと発展した。
双方一進一退の中、最終的にはジラートが計画の完成に漕ぎ着け、ヴァナ・ディールは真世界化を始めたが、
クリューに与していた霊獣バハムートが決死の妨害を行ったため、
真世界化は中断され、ジラート王国の首都アル・タユ一帯だけが次元上昇するに留まった。
そのアル・タユも真世界まで上昇する事はできず、「ルモリア」と呼ばれる異次元空間に留まる事になった。
ルモリアとはヴァナ・ディールよりは高次だが、真世界よりは低次な時空の事である。

終戦

真世界化は果たされなかったが、それでもルモリアが一種の高次元世界である事に変わりはなく、
それゆえアル・タユ臣民は次々と融合を果たしてプロマシアになり往時の記憶を取り戻した。
プロマシアは未だヴァナ・ディールに残る人間も全て取り込むべく活動を開始したが、
プロマシアへの融合を拒んだ巫女、イブノイルによって封印され、早々に休眠状態へ陥った。
そして戦争末期に引き起こされた超巨大爆発「メルト・ブロー」によってジラート文明は崩壊し、
生き残ったエルドナーシュら一握りのジラートは、荒廃した大地の回復を期してデルクフの塔でコールドスリープに入った。

プロマシアミッション

一万年後の天晶暦854年、ヴァズのクリスタルの力を借りてラオグリムが闇の王となった。
その時巻き起こったエネルギー流がクリスタルラインを通じてデルクフの塔に干渉し、
施設内のシステムを再起動させた事でエルドナーシュらが覚醒した。
エルドナーシュは神の扉計画を再開し、5片のクリスタルからエネルギーを吸い上げ始めた。
彼は母なる光を天空要塞トゥー・リアに集め、新たなシード・クリスタルを作る算段であったが、
その結果、クリスタルからのエネルギー供給でルモリアに留まれていたアル・タユは、
動力不足に陥りヴァナ・ディールへの零落を始めてしまった。
このままではプロマシアがヴァナ・ディールに降り立ち、イブノイルの封印を破って活動を再開しかねないと危惧したPCは、
先んじてルモリアに乗り込みプロマシアを暗殺しようとした。
同行したナグモラーダの暴走によりプロマシアの封印が解けるも、PCは戦闘を続行し、
最終的にプロマシアは「アルタナの涙」を顔面に落とされて爆発四散、死亡した。
分裂してアル・タユ臣民の魂魄へと戻ったプロマシアは、神ではなく人としてクリスタルに還ったため、
融合を果たしていた虚ろなる闇の大塊もまた霧散し、
人類がプロマシアへ回帰する可能性は当面の間なくなった。


【覚書】

  • プロマシアミッションのラストボス。
  • 全人類を吸収していないため完全体ではなく、セルテウスは残りの人類を吸収するための「プロマシアの器」と呼んだ。
  • 動詞の活用形を並べた奇妙な喋り方をする。太古の神を表す古風な口調を模索した結果だと思われる。
  • (例)「逆る 逆らえ 逆しまな お前自身 に」「望め 望もう 望むらくは 現身の終わり を」
  • 自身の分霊である人類を「子」と呼ぶ。
  • 人型をしているが顔がなく、イブノイルはそれを虚ろなる闇を取り込んだがゆえだと推測した。
  • アルタナ教では獣人の父とされ畏れられているが、実際には人間の父、それどころか人間そのものであった。


【アクション】

【無知の呪縛】絆そう 無知なる 子 を

人間が抱える虚ろなる闇の一側面「無知」に働きかける精神攻撃。
残りの四側面である「驕慢」「怯懦」「嫉妬」「憎悪」の呪縛も存在する。
標的をテラー状態に陥れるが、PCは母なる光を集めているので撥ね退ける事ができる。

【まぼろしのわ&たそがれのまほら】留め 留めよ 留まらん 我が身躯 よ

背中の光輪を平時とは異なる形に再配置して結界を敷く。
いわゆる物理バリア及び魔法バリア。プリッシュの崑崙八象脚でのみ破壊する事ができる。

【いざない】

プロマシア最大の技。光輪を両手に束ねて足元に叩きつける。
ダメージに加えてノックバックとスタンの追加効果がある。
「いざない」とは文字通りプロマシアへの回帰をいざなっていると思われる。

【メテオ】

流星群を落とす究極魔法。
カットシーンではプロマシアに加勢したチェブキー三兄妹もPCに向けて詠唱したが、
力みすぎてプロマシアに誤爆してしまい、これが勝負の流れを変えた。

セルテウスの「ルミナスランス」を受けると30秒間萎れたようになり行動不能に陥る。
セルテウス曰く「時間稼ぎに過ぎない」が、
PCはこの間一方的に攻め込めるため、大きなチャンスとなる。
最終更新:2019年10月09日 09:39