Provenance Watcher 水晶の龍
シード・クリスタルの守護者にして真界の番人。かつて真世界から分裂したヴァナ・ディールを始めとする全ての下位次元世界を統合し、シード・クリスタルを復活させようとしている。
シード・クリスタルの被造物として真界に生まれる。
真界とは「虚ろなる闇」とその中に浮かぶシード・クリスタルだけが存在した原初の世界だが、
のちにシード・クリスタルが闇を払って次々に生命を生み出した事で、真界は真世界と呼ばれる新たな次元へと進化した。
しかしその際真界は完全には消滅せず、残滓として固有の異次元世界に残り続ける事になった。
下位次元世界への零落
程なくしてアルタナの手によってシード・クリスタルは砕かれ、真世界はヴァナ・ディールやアビセアといった無数の下位次元世界に分裂した。
これらは互いに干渉する事のない並行世界として、それぞれが独自の歴史を歩み始めたが、
シード・クリスタルの崩壊を良しとしなかった水晶の龍は、全ての並行世界の統合、並びにシード・クリスタルの復活を望んだ。
ヴォイドウォッチクエスト
水晶の龍がそのために取った手段は、全ての時空に繋がる異次元世界「ウォークオブエコーズ」に干渉し、
あらゆる並行世界に「位相の境界」なる亀裂を入れて行き来を可能にした上で、
配下のヴォイドウォーカー達を送り込み全生命体を抹殺、シード・クリスタルの「母なる光」を全て回収して統合に至らしめるというものであった。
しかし手始めにウォークオブエコーズに入れた亀裂が、ケット・シーとクポフリートに早期発見されるという憂き目に遭い、
彼らに異変の解決を託されたPCによってヴォイドウォーカー達もことごとく撃破され、最終的には水晶の竜自身も討ち取られた。
致命傷を負い力尽きた水晶の龍は、自身の肉体を維持できなくなり一旦四散したが、
結局の所、あらゆる物質、そしてエネルギーというものは、そもそも厳密には消滅する事ができず、ただ形を変えて流転・輪廻するのが摂理であるため、
最果ての異次元世界である真界に暮らし、それ以上の流転先を持たない水晶の龍は、程なくしてその場で再構成され、再びシード・クリスタルの復活に向けて活動を再開するのであった。
分裂した並行世界の独立と存続に価値を置き、それらの統合を拒むケット・シーは、水晶の龍の不死性を「いい迷惑」と嫌悪し、
いっそ水晶の龍ごと真界を滅ぼして世界を根幹から作り変えようかなどとPCに冗談めかしたが、
それが具体的にどのような影響を生むのか皆目見当がつかず、更なる危機を生む可能性もあるため、当面の間は定期的に水晶の龍を四散させて並行世界の統合を妨害するしかないと結論付けている。
【覚書】
- エンドコンテンツ「ヴォイドウォッチ」の黒幕にしてラストボス。
- 人語を発するシーンが一切なく、書籍などにおけるキャラクター紹介もないため正式な名称は不明。ヴォイドウォッチクエストのタイトル欄にただ「水晶の龍」と記されているのみである。
- ケット・シーは「始まりの石の守護者」「世界そのもの」などと呼んだ。また「真界」という名称もケット・シーの発案である。
- 『水晶の龍』とは1986年にスクウェアが発売したファミリーコンピュータ・ディスクシステム用ゲームソフトのタイトルでもある。
- FF5のラストダンジョン「次元の狭間」に登場した「すいしょうりゅう」にデザイン上の共通性を見て取る事ができる
【アクション】
【プリズマチックブレス】
鮮やかな分光スペクトルを生むブレス。
標的が前方にいる時のみ使用し、PC側は龍の足元に逃げ込む事で直撃を避ける事ができる。
しかしこのブレスにはTPの上限を500にまで下げるという、凶悪な追加効果があり、かするだけでPCはWSを撃てなくなるため、最初から龍の脇腹付近に立ち、そもそもブレスを撃たせない事が推奨される。
Prismatic Breath とは「プリズムのブレス」の意。
【アシキュラーブランド】
左前肢を地面に突き入れ、掘り返しながら攻撃する。
プリズマチックブレスと同様、標的が前方にいる時のみ使用し、こちらにはHPmaxダウンの効果がある。
Acicular Brand とは「針晶の剣」の意。
【ユヘドラルスワット】
発光させた尾部を軽快に操り、地面を五度叩く。その際、水晶の破片が飛び散る。
標的が後方にいる時のみ使用する。状態異常こそ付与されていないが、その分威力は高く、不意打ちによるトレジャーハンター効果アップを狙ったシーフが餌食になりやすい。
Euhedral Swat は「結晶の殴打」の意。
【オロジェニシス】
後肢で立ち上がった後、発光した前肢で踏みつける。その際、ユヘドラルスワットと同様に水晶の破片が飛び散る。
のしかかられて窒息するイメージからか、ヘヴィ・チョーク・回避率ダウンの効果がある。
PCは基本的に水晶の龍の脇腹に立って攻撃するため、必然的に序盤はこの技の使用頻度が高くなる。
Orogenesis とは「造山作用」の意。踏みつけの衝撃で地殻をずらしているイメージだと思われる。
【フェーゾンビーム】
展開した光輪を高速で回転させて発電する。
この技は初期状態では使用せず、水晶の龍のHPバーが隠されているためはっきりとした事は言えないが、およそHP80%から使用選択肢に入ると思われる。
Phason Beam とは「位相量子線」の意。
【ディフラクトブレイク】
周囲の空間が次々とプリズム化して光を回折させてゆく。
アイテム使用不可・アムネジア・静寂の効果があり、PCにとってはテンポラリアイテムが使えなくなるため非常に痛い。この技も初期状態では使用せず、HP約80%から使用選択肢に入る。
Diffractive Break とは「分光の破壊」の意。周囲の光もろともPCの精神までも分解して、上記の状態異常を引き起こすというイメージだと思われる。
戦闘中盤、「モンスターの雰囲気が変わった!」のログが流れると共に、水晶の龍は畳んでいた両翼を展開する。
これによって弱点がリセットされると共に、プリズマチックブレス、アシキュラーブランド、オロジェニシスが特殊技の選択肢から外れ、新たに以下の技が追加される。
また水晶の龍が魔法の詠唱を完了した際 Crystal Fetter が100%の確率で設置されるようになる(初期状態では時々設置される)。
【グラビトンクラックス】
胸部の赤石を露にし、周囲の空間を歪めながらエネルギーを収集する。
これによってPCのHPは吸収され、同時に肉体も水晶の龍の傍へと引き摺られる。戦闘が長引く要因になるため、翼展開後の特殊技は全てスタンで妨害する戦術が一般的である。
Graviton Crux とは「重力子の中核」の意。
【クリスタルボライド】
咆哮一閃、天空より巨大な水晶塊を多数召喚して攻撃する。
エフェクトはエラスモスの特殊技「エクリプスメテオ」の流用。戦闘の後半も後半、HP約25%から使用すると思われ、テラーとサポートジョブ無効の効果がある。
Crystal Bolide とは「水晶の流星」の意。
【フラゴルマクシマス】
四つの魔方陣を展開して大爆発を引き起こす、水晶の龍最大の技。
こちらもHP約25%から使用選択肢に入ると思われる。
PCには衰弱を、自身にはキラー効果を付与するという強烈な効果があり、ひとたび発動すればスタンで特殊技を妨害する事も困難になるため、PC側にとっては最も警戒すべき技だと言える。
Fragor Maximus とはラテン語で「ビッグバン」の意。
最終更新:2015年04月02日 11:35