ドラゴンライフ~事故で死んだ私がドラゴンとして転生したお話~





ストーリー

不慮の事故で死んだ主人公は、プリティードラゴンとして異世界に転生した。
プリティードラゴンは一心同体で、別々の個体として世の中に存在しているが、その実お互いに別個体として認識していない。
端的に言うと、だれとでもすぐ仲良くなれる特性を持っている。
元人間で、プリティードラゴンとして転生した主人公は、プリティードラゴンの性質に翻弄されながらも、せっかく拾った命だからと
少しずつこの世界に順応していこうと決意する。

テーマ

同じ存在だからこそ争いは起きない
違う存在でも仲よくなれる

登場人物紹介


★★★
不慮の事故で死んでしまった一般人男性、河合良雄(かわいよしお)は、気づいたらもみくちゃにされていた。
現在の状況を認識すると、自身の周りにふにふに、ころころとした生き物がたくさん居ることに気づいた。
その可愛らしさに、思わず良雄はムッハーと鼻息を荒げた。
すると、その可愛い生き物は一斉に良雄を見た。
突然の注目に良雄はどきりとしたが、生き物たちにとっては良雄のような反応をするものが珍しいようだった。
『なんだなんだ』
『なんだじぶん、なんだ』
『なんだなんだなんだ』
わらわらと近づいてくる可愛い生き物に襲われながら多幸感に包まれる。
そこではっと気づいた、目の前の可愛い生き物たちは人の言葉を話していることに。
そう思っただけだが、すぐ違うことを思い知らされた。
『ことばなんてつかってないぞ』
『じぶんはつかうのか』
『ことばをつかうなんてへんなじぶんだ』
すりすり、ふにふに、わちゃわちゃ、もみもみ。
多勢に無勢、良雄が何かしらを考える度に、言葉が頭の中に飛び込んでくる。
ここでようやく、良雄は音声ではなく脳内に直接言葉が飛び込んできていることに気づいた。

「ちょ、ちょっとタンマ、タンマ。君らって一体なんなんだ」
良雄の疑問は当然だ、目の前に居る可愛い生き物、それは言うなれば子猫のような、それでいて子犬のような、はたまたうりぼうのような、まるまる、ころころとした愛らしい姿をしているからだ。
『ぷりてぃーー!どらごん!』『うるさい』
良雄の言葉に、可愛い生き物たちは声を揃えてそう言い放った。脳裏に響くその声なき声は、その生き物が【プリティードラゴン】であることを教えてくれた。
『そんなことより、なあ、なんなん、へんなやつ、いましゃべったよね、じぶんなんなん?』
好奇心旺盛な純真無垢な瞳で迫られて、良雄は仕方なく名乗った。
「俺は河合良雄、日本人で……」
『かわいよしお、何それ』『名前だよ、個体識別するための』『ゴロゴロみたいな?』『そうだよ』
『おーーーーー』
ドラゴンたちは瞳を輝かせた。
『かわいよしお、かわいよしお、だっこして、なでて、ぎゅってして、ぺろぺろして』
きゃあきゃあと要望を投げかけるドラゴンたちに、良雄の内心はもうめちゃくちゃだった。
いまこうしている間にも、ドラゴンたちはテレパシーで良雄に話しかけてくる。
それがただの鳴き声なら聞き流せるが、その内容は意味のある言葉で良雄に要望を投げかけてきてるからだ。
やれ頭を撫でろ、やれ抱っこしろ、背中を撫でろ、お腹もみもみして、ぺろぺろさせて。
「ああもう、わかったから、ちょっと静かにして」
ピタッ、とテレパシーがとまった。
その落差にはむしろ言った良雄本人が戸惑うほどだった。
ドラゴンたちは今もきらきらとした目で良雄を見つめているが、テレパシーは飛んでこない、静かなものだ。
良雄はようやく自分の今の姿を顧みることができた。

★★★
良雄が人の姿をしている描写。描写する度にドラゴンたちの感嘆の声を入れる。
良雄が「何?」って言うけど、ドラゴンたちは『なんでもない、静かにしてる』と言う。
持ち物は一切ない、だが生前と変わらない姿、中肉中背の一般的なごくありふれた日本人男性の姿。

これは良雄が自らを観測したことで、自分の姿がこうであるということを認識することで手に入れた姿。
プリティードラゴンとして転生した良雄は、ドラゴンとしての能力を持ちつつ、無意識で変身能力を使用した。
最終更新:2018年12月19日 18:14