概要
鹿児島県は、九州の最南端に位置し、世界遺産の屋久島や奄美群島など、南北約600kmにわたる広大な海域に点在する多くの離島を擁する県である。 現在も活発な活動を続ける桜島は県のシンボルであり、錦江湾とともに織りなす雄大な景観は、人々に火山の恵みと畏怖を同時に感じさせている。 歴史面では、幕末から明治維新にかけて西郷隆盛や大久保利通など多くの偉人を輩出し、近代日本の礎を築いた薩摩藩の進取の気性が今なお県民性に息づいている。 豊かな大地と温暖な気候を活かした農業が盛んであり、黒豚、黒牛、サツマイモ、そして本格焼酎などの高品質な農畜産物は、日本を代表する食ブランドとなっている。 世界有数の源泉数を誇る温泉地としても知られ、指宿の砂むし温泉や霧島温泉郷など、火山県ならではの多彩な癒やしの文化が国内外の観光客を魅了している。 2026年現在は、宇宙開発の拠点である種子島からのロケット打ち上げや、奄美の豊かな自然を未来へつなぐサステナブルな観光の推進に、県を挙げて取り組んでいる。
基本情報
- 面積: 約9,186.04km2
- 人口: 約1,510,000人(2025年12月現在の推計)
- 人口密度: 約165人/km2(2025年12月現在の推計)
- 県庁所在地: 鹿児島市(かごしまし、Kagoshima City)
- 隣接都道府県: 熊本県、宮崎県、沖縄県(海をはさんで)
- 県の木・花・鳥: それぞれクスノキとカイコウズ、ミヤマキリシマ、ルリカケス
観光情報
地方
鹿児島県の市町村は43(19市20町4村)で構成される。このガイドでは、県を地域振興局および支庁の管轄に合わせて、以下の7つの地方に分けて説明する。
- 鹿児島地域(鹿児島市、日置市、いちき串木野市、鹿児島郡(三島村、十島村)):県都・鹿児島市を中心に、政治、経済、文化の中枢機能を担う地域である。活火山・桜島を擁する錦江湾沿いの景観が美しく、多くの観光客を惹きつけている。日置市やいちき串木野市はベッドタウンとしての側面を持ちつつ、伝統工芸や水産業も盛んである。三島村・十島村の離島群を含み、都市機能と大自然が共存しているのが特徴である。
- 南薩地域(指宿市、南九州市、枕崎市、南さつま市):薩摩半島の南部に位置し、温暖な気候を活かした農業や水産業が極めて盛んな地域である。指宿市の砂むし温泉や、知覧の武家屋敷群・特攻基地跡など、歴史と癒やしの観光資源に恵まれている。枕崎のカツオや南九州市のお茶は全国的なブランド力を誇り、食の宝庫としても知られる。開聞岳(薩摩富士)を望む美しい海岸線が地域のシンボルとなっている。
- 北薩地域(薩摩川内市、薩摩郡(さつま町)、出水市、阿久根市、出水郡(長島町)):県北西部に位置し、東シナ海に面した美しいリアス式海岸や川内川の豊かな水系を有する。九州新幹線の開通によりアクセスが向上し、製造業の工場立地が進むなど工業的な側面も併せ持つ。出水平野には冬に数万羽のツルが飛来し、世界的な越冬地として知られている。焼酎造りや農畜産業も盛んで、伝統行事や古くからの温泉地が各所に点在している。
- 姶良・伊佐地域(霧島市、姶良市、伊佐市、姶良郡(湧水町)):鹿児島市の北側に隣接し、霧島連山の壮大な自然と豊かな湧水に恵まれた地域である。空港がある霧島市や急速に人口が増加した姶良市は、交通の利便性を活かして発展を続けている。県北端の伊佐市は「鹿児島の北海道」と呼ばれるほど冬の寒さが厳しく、良質な米の産地として有名である。霧島神宮を中心とした神話の舞台としても知られ、歴史的な情緒が漂う。
- 大隅地域(鹿屋市、垂水市、肝属郡(東串良町、肝付町、錦江町、南大隅町)、曽於市、志布志市、曽於郡(大崎町)):大隅半島を占める広大な地域で、全国トップクラスの生産量を誇る畜産業や養鰻業が基幹産業である。志布志港を物流拠点として国内外との交流があり、JAXAの内之浦宇宙空間観測所があることでも知られる。雄大な高隈山地やエメラルドグリーンの雄川の滝など、手つかずの自然が多く残っている。鉄道がない自治体が多く、車社会を支える道路網の整備が地域の重要な課題となっている。
- 熊毛地域(西之表市・熊毛郡(中種子町、南種子町、屋久島町)):種子島と屋久島の二つの主要な島からなり、それぞれ独自の文化と自然景観を保持している。種子島は日本唯一の大型ロケット発射場がある「宇宙に一番近い島」として、最先端技術が息づく。一方、屋久島は世界自然遺産に登録された樹齢千年の屋久杉や豊かな生態系を擁し、世界中から登山客が訪れる。海洋資源も豊富であり、トビウオなどの漁業や、気候を活かしたサトウキビ栽培が行われている。
- 大島地域(奄美市、大島郡(龍郷町、大和村、宇検村、瀬戸内町、喜界町、徳之島町、天城町、伊仙町、和泊町、知名町、与論町)):奄美大島から与論島まで、広大な海域に点在する奄美群島の島々で構成されている。世界自然遺産に登録された亜熱帯の森や透明度の高い「アマミブルー」の海など、独自の生態系が魅力である。大島紬やシマ唄、独特の食文化といった琉球文化圏の影響を受けた独自の伝統が今も色濃く残る。農業ではサトウキビや亜熱帯果樹の栽培が中心であり、近年は観光客の増加に伴う環境保護との両立が図られている。
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最終更新:2026年01月29日 23:01