概要
西表島東部は、島民の生活拠点である大原港を中心に、穏やかで素朴な島情緒が色濃く残るエリアである。日本最大級のマングローブ林を誇る「仲間川」が最大の観光スポットであり、遊覧船クルーズやカヌーを通じて、サキシマスオウノキなどの貴重な動植物を間近に観察できる。また、水牛車で海を渡る「由布島」への入り口もあり、三線の音色を聞きながら遠浅の海を渡る体験は、八重山観光のハイライトとして絶大な人気を誇る。玄関口の大原港は石垣島からのアクセスが非常に良く、上原航路に比べて冬場の欠航が少ないため、旅程の立てやすさも魅力である。宿泊施設はアットホームな民宿が多く、静かな夜のジャングル散策や星空観察など、しっとりとした島時間を過ごしたい旅行者に適している。近年は世界自然遺産の登録を受け、仲間川周辺の環境保護と観光の両立を目指す持続可能な取り組みも一層強化されている。
観光情報
現地へのアクセス
船で
石垣島のユーグレナ石垣港離島ターミナルから
安栄観光
と
八重山観光フェリー
の2社が西表島東部の大原港へ高速船を運航している。石垣港から約40~45分、運賃は大人片道2,060円、往復3,960円。2社合わせて1日10往復。火曜・木曜・土曜は石垣港からの安栄観光によるカーフェリーも1往復運行される。所要時間は1時間20分、運賃は大人片道1580円。
地区内のアクセス
バスで
島内では、
西表島交通
による路線バスが運行されている。白浜~浦内川~上原~由布島水牛車乗場~大原港~豊原と島を半周しており、多くの観光地点に立ち寄ることができる。本数は1日4往復なので、時刻はあらかじめ調べて利用すること。バスの1日乗車券が大人1500円で販売されており、のんびりと景色を楽しみたい旅人に適している。
車で
広い島であるため、レンタカーが最も一般的で便利な移動手段となる。大原港の周辺に複数の営業所があるが、車両台数に限りがあるため、旅行が決まり次第、数ヶ月前からの事前予約が必須である。野生動物(イリオモテヤマネコ等)の保護のため、島内は時速40キロ制限(集落内は30キロ)が厳守されており、安全運転が強く求められる。主なレンタカー会社は以下の通りで、Web予約できるものもある。
また、島内のタクシーは基本的に現在は営業していない模様である。場合によっては予約制で送迎などを行ってくれる場合もあるかもしれない。なお、カヌーやトレッキングなど各種アクティビティのツアーに申し込んだ場合は、宿泊場所や港まで送迎を行ってくれる場合が多い。
自転車で
各港の周辺でレンタサイクルがある。平坦な道が多い集落周辺の散策には適しているが、島全体の移動や長距離走行(港間は約35km)はよほどの体力が必要となるので注意すること。主なレンタサイクル業者は以下の通り。
歩いて
西表島は非常に広大なため、徒歩での観光スポット巡りはほぼ不可能である。
観光名所
亜熱帯植物楽園 由布島
西表島から水牛車に揺られて海を渡る、島全体が植物園となっている観光名所である。園内にはブーゲンビリアガーデンや蝶々園があり、色鮮やかな南国の草花や日本最大級の蝶・オオゴマダラを間近に観察できる。レストランやカフェ、お土産品店も充実しており、水牛との記念撮影を含め、家族連れでもゆったりと島時間を楽しめる。入園料(水牛車往復)大人 2,000円、小人 1,000円。
西表野生生物保護センター
特別天然記念物イリオモテヤマネコの保護増殖活動の拠点であり、その生態や島の自然環境について深く学べる環境省の施設である。館内では剥製や骨格標本の展示、交通事故防止への取り組みなどが紹介されており、西表島の生物多様性の重要性を理解することができる。2022年のリニューアルにより展示内容がさらに充実し、子供から大人まで高い関心を集める学びのスポットとなっている。
たかなビーチ
大原港から北へ数キロの場所に位置する、静かで美しい自然美が残る海岸である。観光客が少なくプライベート感があり、リーフに囲まれた穏やかな海を眺めながら、のんびりと貝殻拾いや散歩を楽しむのに適している。付近には宿泊施設もあり、夜には街灯の少ない環境を活かして、波音を聞きながら満天の星空を独り占めできる隠れた名所である。
古見のサキシマスオウノキ群落
(紹介P)
国の天然記念物に指定されており、板のように平たく発達した「板根(ばんこん)」を持つ巨大なサキシマスオウノキが自生する国内最大規模の群落である。古見地区の川沿いに広がる湿地帯に位置し、整備された木道からその神秘的な造形を間近に観察することができる。川の汽水域に広がるマングローブ林とともに、西表島ならではの原始的な自然の生命力を感じられる場所である。
後良川(しいらがわ)
(紹介P)
大原港から車で北へ向かう途中に位置し、橋の上からでも見事なマングローブ林を一望できる西表島東部を代表する河川である。カヌーやSUP(サップ)の初心者向けツアーが数多く催行されており、静かな水面を進みながらオヒルギやメヒルギが群生するジャングルを探検できる。川沿いの景観は潮の満ち引きによって刻々と表情を変え、手軽に大自然の息吹に触れられるスポットとして人気が高い。
忘勿石(わすれないし)
(紹介P)
南風見田(はえみた)の浜の近くに位置し、第二次世界大戦末期に波照間島から強制疎開させられた人々が、マラリアで命を落とした悲劇を伝える歴史遺構である。岩肌には「忘勿石 ハテルマ シキナ」という文字が刻まれており、平和への願いと当時の苦難を今に語り継いでいる。美しい海岸線の傍らにひっそりと佇むこの場所は、島の歴史の光と影を深く考えさせる重要な祈りの場である。
体験スポット
自然地形など
仲間川マングローブクルーズ
日本最大級のマングローブ林を誇る仲間川を遊覧船で巡り、国の天然記念物「ウブシュルの森」などを間近に観察できる人気ツアーである。潮位によって運航時間が変動するため、事前に潮汐表を確認し、大原港のチケットカウンターで予約を行うのがスムーズである。マングローブの生態について専門ガイドの解説を聞きながら、西表島の圧倒的な大自然を体感することができる。(大人:3000円、小人:1500円)
大見謝(おおみじゃ)ロードパーク
(紹介P)
東部と西部を結ぶ道路沿いに位置し、マングローブの入り江を一望できる展望台や、マングローブの中を歩ける木道が整備された休憩スポットである。木道を下りると川辺まで行くことができ、干潮時にはミナミコメツキガニなどの生き物観察を手軽に楽しめる。トイレや駐車場も完備されており、ドライブの合間に西表島らしい景観を気軽に堪能するのに最適である。
後良橋(しいらばし)ロードパーク
(紹介P)
後良川の河口付近に位置し、橋の上からマングローブが群生する雄大な河川の景色を安全に鑑賞できるスポットである。カヌーの出発地点としても利用されており、静かな水面に映るマングローブの緑が美しく、絶好のフォトスポットとなっている。車を停めて一息つきながら、西表島東部ならではの豊かな水辺の生態系を観察するのに便利である。
南風見田(はえみだ)の浜
(紹介P)
西表島の東部道路の終点に広がる、約2キロに及ぶ広大で開放的なロングビーチである。手付かずの自然が色濃く残り、波打ち際を散歩するだけで日常を忘れさせてくれるような静寂と美しさが漂っている。付近には歴史的な「忘勿石」もあり、島の歴史と雄大な自然の両方に触れることができる、東部観光では外せない静かな聖地である。
ツアーショップ
西表島トレッキングツアーのぶず
西表島の自然を熟知したガイドが、滝を目指すトレッキングやマングローブカヌーなど、参加者の体力に合わせたツアーを提供している。少人数制でアットホームな雰囲気を大切にしており、生き物や植物の詳しい解説を聞きながら、深いジャングルの魅力を安全に体験できる。大原港周辺の送迎にも対応しており、初心者からリピーターまで満足度の高い島歩きをサポートしている。
西表島 KEN GUIDE
カヌーやトレッキング、シュノーケリングなど、西表島の海・川・山をマルチに案内してくれるベテランガイドのショップである。参加者の要望に柔軟に応える貸切プランも提供しており、自分たちのペースでじっくりと島の秘境を探検したい方に支持されている。長年の経験に基づいた安全管理と、島への深い愛着を感じるガイディングが、旅の思い出をより深いものにしてくれる。
南風見ぱぴよん
(紹介P)
西表島の豊かなフィールドを活用し、カヌー体験や洞窟探検(ケイビング)など、冒険心をくすぐる多彩なアクティビティを展開している。経験豊富なスタッフが丁寧に指導するため、子供連れや体力に自信のない方でも、ジャングルの深部まで安全にアクセスできる。東部エリアを拠点に、西表島ならではのワイルドな遊びを網羅的に体験したい人に適したツアーショップである。
アンビエント星空ナイトツアー
(紹介P)
夜の西表島に繰り出し、人工の光が極めて少ない環境で世界最高水準の星空を鑑賞するロマンチックなツアーである。季節によっては南十字星や天の川を鮮明に見ることができ、ガイドによる星座の解説とともに、夜にしか活動しない生き物の気配を感じる貴重な体験ができる。石垣島からの日帰り客でも参加できるよう、送迎や船の便を考慮したプランニングが行われている。
買い物スポット
ヤマネコ商店
大原港のすぐ隣に位置するお土産ショップで、共同作業所「スオウの木」が制作する島素材の雑貨を販売している。西表島の植物で染め上げた色彩豊かな「草木染め手ぬぐい」や、愛らしいヤマネコの刺繍が施されたポーチ、島の土から生まれた陶器など、手仕事の温もりを感じるアイテムが揃う。店内は広く、黒糖などの特産品から一点物の民芸品まで、東部観光の最後にじっくりとお土産を選べる定番スポットである。
クラフト&アートの店 マツリカ
(紹介P)
西表島の自然からインスピレーションを得たアーティストたちの作品や、島産の染料で染めた布製品、陶器などが並ぶセレクトショップである。洗練された空間には、一つひとつストーリーを感じさせる手仕事の品々が展示されており、島の豊かな文化や芸術性を感じることができる。量産品ではない、世界に一つだけの特別な西表島土産を見つけたい本物志向の旅人に愛される店である。
体験工房 yukui(ゆくい)
西表島産の素材を用いた伝統工芸や雑貨作りを体験できる、アットホームなものづくり工房である。島の植物で染めた糸を使った機織りや、貝殻やサンゴを使ったクラフト制作など、旅の形見となるオリジナルの作品を作ることができる。少人数制で丁寧に教えてもらえるため、雨天時のアクティビティや、アクティブな観光の合間のリラックスタイムに最適である。
レストラン
泡波と島の味 はてるま
(紹介P)
大原港から徒歩圏内に位置し、波照間島の希少な泡盛「泡波」を楽しみながら、地元の新鮮な魚介や島料理を堪能できる居酒屋である。ランチタイムには八重山そばや定食を提供しており、夜は島民と観光客が入り混じって賑わうアットホームな雰囲気が魅力となっている。人気店のため、特に夕食時は事前に電話で営業状況の確認や予約をしてから訪れるのが確実である。(予算:ランチ 1,000円〜2,000円 / ディナー 3,000円〜5,000円)
食堂 満八(みつはち)
(紹介P)
大原港のすぐ近くにあり、島を訪れる人々や地元の人々に長年愛されている、ボリューム満点で素朴な味わいが自慢の老舗食堂である。定番の八重山そばのほか、地魚の刺身定食やチャンプルー、とんかつ定食など、どこか懐かしい家庭的なメニューが豊富に揃っている。船の待ち時間にも利用しやすい好立地だが、不定休や売り切れ御免の場合があるため、早めの時間帯の訪問が推奨される。(予算:1,000円〜2,000円)
Restaurant & Bar 字南風見(あざはえみ)
(SNS)
大原地区に位置し、洗練された落ち着いた空間の中で、西表島の食材を活かした創作料理やこだわりのカクテルを楽しめるレストランバーである。Facebook等で最新のメニューや営業時間が発信されており、島の夜を静かに贅沢に過ごしたい大人たちの社交場として人気を集めている。島産のハーブや果物を使ったドリンクも充実しており、ディナーから深夜の一杯まで幅広いシーンで活用できる名店である。(予算:3,000円〜6,000円)
宿泊施設
西表島ジャングルホテル パイヌマヤ
「西表島のジャングルの中に泊まる」をコンセプトにした、自然との共生を大切にする本格的なエコリゾートホテルである。日本最南端の温泉「西表島温泉」を併設しており、トレッキングやカヌーで疲れた体を癒やせるほか、夜には敷地内で夜行性の生き物や満天の星空を観察できる。ホテル発のアクティビティも非常に充実しており、深い森の息吹を感じながら快適に滞在したい方に最適である。 (予算:1泊2食付 18,000円〜)
竹盛旅館
仲間川のほとりに佇む、昭和50年創業の歴史ある老舗旅館であり、名物女将による温かなおもてなしと滋味溢れる島料理が評判である。客室からは穏やかな川の流れを望むことができ、まるで実家に帰ってきたかのような安らぎと、島の伝統的な暮らしの息吹を感じることができる。仲間川クルーズの乗り場にも近く、東部観光の拠点として長年多くのリピーターに愛され続けている一軒である。(予算:1泊2食付 12,000円〜)
エコヴィレッジ西表
東部の静かな海岸線沿いに位置し、全室オーシャンビューのプライベート感を重視したコテージタイプのリゾート宿泊施設である。木材をふんだんに使用した開放的な建物が特徴で、波音を聞きながらゆったりと流れる島時間に身を任せる、何もしない贅沢を味わうことができる。地産地消にこだわった本格的なコース料理も提供されており、カップルや夫婦での記念日旅行など、特別な滞在にもふさわしい。(予算:1泊2食付 20,000円〜)
イベント
最終更新:2026年01月15日 00:31