【元ネタ】史実
【CLASS】バーサーカー
【真名】キャリー・A・ネイション
【性別】女
【身長・体重】180cm・80kg
【属性】混沌・悪
【ステータス】筋力B+ 耐久D+ 敏捷C+ 魔力D+ 幸運E 宝具B
【クラス別スキル】
狂化:C
幸運と宝具以外の全パラメーターを1ランクアップさせるが、
言語能力を喪失し、複雑な思考が出来なくなる。…最も、意思疎通に関しては
このスキルがなかったとしても極めて困難であっただろう。
【固有スキル】
信仰の加護:A++
一つの宗教観に殉じた者のみが持つスキル。
加護とはいうが、最高存在からの恩恵はない。
あるのは信心から生まれる、自己の精神・肉体の絶対性のみである。
自らを「キリストの足元で彼の望まないものに吠え掛かるブルドッグ」と称したバーサーカーの
「聖戦」に対する極めて強い意欲。完全に狂信の域に達しており、
同ランクの「
精神汚染」スキルの効果を内包する。…あるいは、信仰さえ彼女の狂気の一部だったのかもしれない。
啓示(偽):C
"直感"と同等のスキル。
直感は戦闘における第六感だが、"啓示"は目標の達成に関する事象全て
(例えば旅の途中で最適の道を選ぶ)に適応する。
本来他者に説明できるほどに具体化することがない事象であるが、生前のバーサーカーは
自らの受けた啓示の内容を単純明快に「カイオワの酒場に岩を投げつけろ、神がついている」と説明して見せた。
…つまるところバーサーカー本人の思考が当人にすら無意識に発露しているものであり、啓示とは別の物。
このスキルの存在により狂化中でもバーサーカーは最適行動をとる事が出来るが、
その選択は破壊的行動かつ「聖戦」の実行に著しく偏っている。
戦闘続行:D
往生際が悪い。
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、死の間際まで戦うことを止めない。
バーサーカーにとって敗北し30回以上投獄されることさえもその信念を人々に届ける「殉教」に他ならなかった。
彼女を止めるには完全に息の根を止めるか…生前のごとく、彼女が信仰すら維持できないほどに発狂する時を
待つほかはないだろう。
【宝具】
『罪なき者の石打ち(サムシング・トゥ・スマッシュ)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:3
自らが受けたと信ずる天啓に従ってバーサーカーが石塊数個を集めて酒場を破壊した際の逸話の再現。
バーサーカーが何かを拾って投擲するたび、Eランク相当の宝具による「壊れた幻想」の発動に相当する魔術的爆発を発生させる。
また、発動地点に酒が存在した場合、この魔術的爆発の威力は2ランク程度上昇する。
酒に起因する効果が3回発動するたびに、近辺の無作為の地点に竜巻が発生する。バーサーカーはこれを神による聖戦の是認と認識しており、
なんらかの原因でこの竜巻が予定通り発動しなかった場合、バーサーカーは動揺し以後この宝具を使用できない。
『罪ある瓶の首斬り(ハチェッテイション)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1(1000) 最大捕捉:30以上(不明)
彼女の破壊活動の代名詞にして、後の禁酒法をもたらす大規模禁酒運動のシンボルともなったまさかり。
彼女の振るう暴力の象徴であるとともに、土産として販売されることでバーサーカーの生前の罰金を賄ったりなど
バーサーカーを後援する人々の広がり、禁酒運動の広がりの象徴でもある。
バーサーカーがこれで攻撃する際、筋力と耐久を1ランクアップ。対象が飲酒者である場合はさらに1ランクアップさせる。
また、この宝具のレンジ内で非飲酒者がなんらかのまさかりを獲得するたびに、対象との間に強制的にパスを形成し、
マスターと該当者全員に魔力消費を分配する。この結果バーサーカーとしてはマスター視点では燃費が良くなるが、
非飲酒者は理不尽に消耗する羽目になる。…あるいはそれも含めて禁酒運動の宝具、ということなのかもしれない。
【Weapon】
バーサーカーは常に宝具で戦う。
【解説】
前禁酒法時代アメリカで猛威を振るった暴力的禁酒主義活動家。
ルックスとしては「お前のようなババァがいるか」なデカいおばちゃん。…いや、だって本当にそういう人なんです。
自らをヴィクトリア女王だとする妄想を繰り返す母を初めとする多くの精神疾患者に囲まれたムーア家に生まれ、
経済的危機・自身の病に幾度も苦しめられながら21歳で結婚するも、相手のチャールズ・グロイドは南北戦争のトラウマから
重度のアルコール依存に陥っており結婚生活は破綻。1歳に満たない娘を抱えての一向に改善しない生活環境の中
デイヴィッド・A・ネイションと結婚、南部で綿のプランテーション農家を目指すもこれに失敗、北部に戻る。
こうした苦難の生活の中で酒に対する憎悪を高めた彼女はキリスト教禁酒婦人同盟の活動にのめりこみ、
その活動も単純な抗議から酒場主人への罵倒、常連客に対する讃美歌攻勢などと徐々に過激化し続ける。
一向に成果が出ない、と判断したキャシーは神への嘆願を繰り返して1900年6月5日に啓示を得る。その内容は
「『カイオワに行け』との言葉の後両手が勝手に上下し、そして『我は汝のそばにいる』とおっしゃられた。
つまり何かを手にもってカイオワの酒場に叩きつけて粉砕することが神の意志なのだ」とのこと。理解がプリミティブに過ぎないか。
何はともあれ啓示のままに拾った石塊(粉砕用具と名付けられた)で酒場を3か所破壊した彼女はその後カンザス州を襲った竜巻を
神の是認のしるしと理解、暴走を深めていく。夫のちょっとした冗談からまさかりを使用することを決めた彼女は、
歌と祈りを捧げながら酒場を粉砕し、逮捕され、巡業講演料と土産用まさかりの売り上げで罰金を払い、また破壊。
これを30回以上繰り返してその名をアメリカ中に轟かせる。
広報のため発刊した新聞の名まで「ザ・ハチェット(=まさかり)」となるほどに広がった彼女の活動だったが、
1911年の講演中に発狂の発作を起こし、同6月に隔離病棟にてその生を終える。望み続けた禁酒が何をもたらしたのか、
彼女は生涯知ることはなかったことになる。(禁酒法こと憲法修正第18条は1920年施行)
鯖としては宝具のまさかりを力任せに振り回して戦う(たまに投石する)シンプルな構造。さりげなく人から魔力をもらってくる宝具に
狂化してても思考を最低限維持するスキルとバーサーカーの弱みを補う構図になっているが、
それ以上に人の話を聞かない。全然聞かない。つまり典型的バーサーカー。
でも、下準備すればマスターを干物にする気配はなく、酒さえ飲まなければ反旗は翻さないとわかりやすいんで、
まだ当たりの方なのでは。
最終更新:2016年10月08日 22:52