リシュリュー

【元ネタ】フランス 史実
【CLASS】キャスター
【マスター】
【真名】リシュリュー(アルマン・ジャン・デュ・プレシー)
【性別】男性
【身長・体重】173cm・61kg
【属性】秩序・悪
【ステータス】筋力E 耐久E 敏捷E 魔力B+ 幸運B+ 宝具C
【クラス別スキル】
陣地作成:B
 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
 城館パレ・カルディナルの造立が可能。

道具作成:-
 宝具と引き換えに道具作成スキルは失われている。

【固有スキル】
洗礼詠唱:B
 教会流に形式を変化させた魔術。
 霊体に対して絶大な効果を及ぼす。

芸術審美:B
 芸術品・美術品に対する理解。
 芸能面の逸話を持つ宝具を目にした場合、高確率で真名を看破することができる。

病弱:B
 天性の打たれ弱さ、虚弱体質。 晩年の様々な疾患もあり、リシュリューは高ランクでこのスキルを有する。
 あらゆる行動時に、低確率ながら急激なステータス低下のリスクを伴う。

軍略:C
 一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。
 包囲戦のような攻勢に出ている場合、特にボーナス追加。

狼顧の相:B
 常に他者の謀略を警戒し、また周囲の隙を窺う気性。
 どれほどに人脈を広げても真の友を得られない孤独の星である。
 策謀の成功率・回避率を向上させる。
 その特性上、軍事から政争に至るまで幅広く効果を発揮する。

【宝具】
『ペンは剣よりも強し(マイティアー・ザン・ザ・ソード)』
ランク:C 種別:対人 対国宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
 リシュリューの「必罰だけが重要だ」という言葉が概念化した洗脳令状。対国家機関宝具。
 自身の名を署名することで、現地の政府機関に対して、宝具に記述された通りの内容を発効する。
 ただし、対象に現地国の法で罰せられうる理由がない限り、この宝具は発動できない。
 また、公式の令状が無視されるほど腐敗した政府機関にも効果を発揮しない。

【解説】
 フランスの大政治家。
 ルイ十三世に仕え、後進国であったフランスが中央集権化への道筋を作り、近代国となる端緒を開いた。

 フランスの小貴族に生まれる。
 はじめ軍人を志望していたが聖職者の道を歩むこととなる。
 フランス全国三部会で教会の代弁者として政治的才覚を見せたことから、
 ルイ13世の母后マリー・ド・メディシスの目に留まり、立身出世の糸口を掴んだ。

 やがてルイ13世が母后を追い出すと、リシュリューも一時失脚する。
 しかし、母后が上級貴族と結託して王家に反乱を起こすと、リシュリューは王と母后の間を取り持って和議を結ばせた。
 この功績でリシュリューは政界のメインストリームに返り咲き、枢機卿となる。

 ルイ13世は母后の配下であったリシュリューを憎んでいたが、
 その意思が「フランスの中央集権化」と「国家の盛大」にあることを徐々に理解し、彼を宰相として重用するようになっていく。
 対して旧来の貴族の特権を擁護せんとする母后側との対立は日に日に高まっていき、ついには政敵として相争うまでになった。

 彼の思考はマキャベリズム的であり、また当時の宗教的偏見にも囚われなかった。
 国内で特権を享受する上級貴族や恭順しないプロテスタント勢力は弾圧する一方で、
 三十年戦争では(カトリックの聖職者でありながら!)プロテスタント勢力を支援したのは
 彼がカトリック・プロテスタントの対立軸に囚われず、フランスの国益を第一に考えていた証拠だと言える。
 結果として、この判断は功を奏し、フランスは三十年戦争で大きな成果を得ている。

 かくて旧来の特権を破壊していくリシュリューは、当然、多くの貴族に憎まれる存在だった。
 失脚・暗殺を図る陰謀も数知れないほど発生したが、国王の信任と秘密警察を駆使することで、これを尽く躱し、政敵の処刑・追放へと繋げている。

 晩年になり死期が近づくと、後継者にマザラン枢機卿を任命してこの世を去った。
 臨終に際して聴罪司祭が「汝は汝の敵を愛しますか」と問うと、彼は「私には国家の敵より他に敵はなかった」と答えたという。

 その性格は陰気で、すぐに癇癪を起こす、時には極度にふさぎ込む、周囲を驚かすほど大泣きする、など感情の起伏が激しいもの、
 のように見せかけて、その全ては(本人が手紙に残した通り)政治的演技に過ぎない。
 彼はいつでも涙を流すことができる――それが有用である限り。
最終更新:2016年11月17日 17:33