【元ネタ】史実
【CLASS】キャスター
【マスター】
【真名】リスト・フェレンツ
【性別】男性
【身長・体重】182cm・72kg
【属性】中庸・善
【ステータス】筋力E+ 耐久E 敏捷C 魔力A 幸運B 宝具C+
【クラス別スキル】
陣地作成:B-
宝具の行使に有利となる「会場」を作成可能。
ピアノの魔術師と称されるキャスターだが、彼は純粋な魔術師ではない。
「会場」は秘匿されることなく、寧ろ他者を誘引する効果を持つ。
道具作成:-
キャスターの演奏は繊細ながらも非常に力強いものであった。
しばしばピアノを壊していた彼に道具を作る能力はない。
【固有スキル】
自己改造:E
自身の肉体に別の肉体を付属・融合させる。
このスキルのランクが高くなればなるほど、正純の英雄からは遠ざかる。
キャスターの場合、この効果は手首より先にのみ適用される。
超絶技巧:A++
ある技術的な分野における非凡な才能。キャスターの場合は演奏に限られるが、
視界に入ったものを瞬時に認識し、自身の身体を寸分の狂いもなく動作させる。
言うなれば「どんな難解な譜面でも初見で正確に弾いてしまう」スキル。
ピアノの演奏に限れば、彼は人類最高峰の技量を持っていると言っても過言ではない。
エンチャント(音):B-
名文付与とも言い換えられる。他者や他者の持つ大切な物品に、強力な機能を付与する。
キャスターは音楽家であるため、「名文付与」というよりは「編曲」が正しい。
言葉に依らない、音による印象・性質の変化はかなりの技術を要するが、
常軌を逸した技術力と飽き性を兼ね備えた彼はむしろ喜んで取り組んでくれる。
ただし即興なのでマスターのオーダーを聞いてくれるかどうかは彼の気分次第。
【宝具】
『真正魔王・鍵盤雷霆(クワジプレスト・トランセンダンテ)』
ランク:C+ 種別:対心・対演宝具 レンジ:1~60 最大捕捉:500人
聴衆を魅了し驚嘆させる、キャスターの技巧をもって放たれる「ハンマー」。
演奏を聞いた者は判定を行い、失敗すると魅了ないし行動不能の効果を受ける。
また、「
芸術審美」を持つサーヴァントはそのランクに比例した判定値で
再度判定を行い、これに失敗すると暴走状態に陥る。
如何に難曲揃いの作品を作れども、其の技術の域を超えた物は生まれず。
彼は今日も舞台の上で鍵盤を叩き、演奏を聴く者の脳髄に稲妻を落とす。
たまに自分もその演奏に聞き惚れて気絶する。
【Weapon】
「『ハンマー』」
ピアノの弦を叩く方のハンマー。弦共々、しょっちゅうぶっ壊す。
相当儲かってるはずなのに
黄金律スキルがないのは、その物遣いの荒さにある。
【解説】
19世紀のヨーロッパ各地で活躍した、「自称」ハンガリー人のピアニスト。
幼少期から父に音楽の才能を見出され、10歳にしてかのツェルニーやサリエリに師事。
15歳でその父を亡くすもリスト自身がピアノ教師として家計を支える程の出世を果たす。
1831年、病魔に蝕まれ始めた頃のパガニーニの演奏に感銘を受け、自身も超絶技巧を志す。
最終的にリストは彼の名を表題に刻んだ作品を世に生み出したのであった。
演奏技術も高く風貌も整っている彼は当時アイドル的な存在であったらしく、
彼の演奏を聞いては失神する女性ファンが後を絶たなかったという。ついでに自分も気絶する。
それゆえか色恋沙汰は絶えず、身分違いの恋もしばしばあった。
しかしそれも長続きはせず、マリー・ダグー伯爵夫人との間には三児を設けるも、
その同棲生活は10年で破局を迎えてしまった。
しかしその3年後、今度はカロリーネ・ツー・ザイン=ヴィトゲンシュタイン侯爵夫人との恋に落ちる。
結婚こそしなかったものの交友関係は続き、彼女の助言を受けてピアニストから身を引く。
その代わり、ヴァイマルにて作曲に専念することで彼はまた別の才能が開花した。
ピアニストの頃の楽曲は技術偏重気味であったリストだが、作曲に専念してからは
その楽曲の難度は徐々に低下していった。それでも難解ではあったが……。
過去に制作した超絶技巧楽曲を改訂する傍ら、彼は「交響詩」を創始し、
義理の息子であるリヒャルト・ワーグナーと共に新ドイツ派と呼ばれることとなる。
ヴァイマルでの作曲活動を終え、ローマに移住し僧籍に入ると以降は
「2つの伝説」に代表される、キリスト教に題材を求めた作品が中心であった。
晩年が近づくにつれ、うつ病を含めた多くの健康疾患を抱えるようになると、
その作品は更に簡潔かつ短い、しかし深みのある作品が中心となった。
そして1886年、亡き娘婿ワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」を見届けると、
リストは74歳の生涯に幕を閉じたのであった。
血族や母語、メインの作曲活動地域の観点から見ると「ドイツ人」であり、
マルチリンガルながら特殊な言語であるハンガリー語は習得できず、
ロマの音楽を取り入れては「ハンガリー音楽」として発表するなど、
実際のところは「ハンガリーかぶれ」止まりに過ぎない部分は否定できない。
今でこそ「ハンガリーの音楽家」として当国内外から再評価はされてはいるが、
「ハンガリー語をマスターしたい」という願いを以って彼は召喚される。
「聖杯のお蔭で何語でも話せられるだろう」と言うのは、無粋というもの。
【コメント】
体育会系ピアニストとの声もある、純粋な「演奏」で敵を翻弄するキャスター。
宝具名はモロに某ウニバーサルで度胸的なアレをモチーフにしているが、一応
「某魔王とは違い、作曲者が弾ける技巧曲」、「文字通りシビれる打鍵」といった
意味を込めて、そこにイタリア語とフランス語を盛り込んだ。言葉のサラダを混ぜている。
最終更新:2016年12月25日 21:20