ヨハナン・バル・ナパハ

【元ネタ】史実
【CLASS】バーサーカー
【マスター】
【真名】ヨハナン・バル・ナパハ
【性別】男性
【身長・体重】143cm・35kg
【属性】中立・善(本来は秩序)
【ステータス】筋力E 耐久A 敏捷E 魔力C 幸運D 宝具B
【クラス別スキル】
狂化:EX
 通常は狂化の影響を受けず理性的に振る舞うが、
 マッチョ成分が不足すると情緒不安定な躁鬱状態に陥る。
 その状態では筋肉質な男性を全て生前の親友と同一視して過剰なスキンシップを求め、
 また、マッチョ成分が十分に補給されるまでそれをやめようとしない。

【固有スキル】
紅顔の美少年:A
 人を惹き付ける美少年としての性質。
 男女を問わずに魅了の魔術的効果として働くが、抵抗の意思があれば軽減出来る。
 対魔力スキルで回避が可能。

対魔眼:A
 邪視、魔眼といった視線を媒介とする能力を無効化する。
 浴場の前で自分から衆目に晒されに行き、
 邪視の危険を説かれた彼は、ヨセフの氏族が持つ魔眼避けの加護を説いて反論したとされる。

鑑識眼:B-
 人間観察を更に狭くした技術。
 “現在の”彼の場合、相手が備える筋肉量を識別するためにしか使用されない。

【宝具】
『美よ、花冠を戴け(シェキナーズ・ブレッシング)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:0 最大捕捉:一人
 ヨハナンがレーシュ・ラキシュをその下に招き入れたというシェキナーの翼。
 神秘学によれば「シェキナー」は神の女性的な相であり、
 マルクト(王国)のセフィラと位階の上昇に結び付けられる概念である。
 レーシュ・ラキシュとラビ・ヨハナンを神の男性的側面・女性的側面の現れとして考える時、
 ヨハナンはシェキナーであり、彼の姿の霊験や、ティベリアの学院の隆盛もその顕在性として理解可能となる。
 宝具としてはマスターの成長促進を司り、
 その才能の限界、さらには限界突破した『完成』の向こう側へと相手を導く。
 なお対象が男らしいほど成長スピードは早まり、熊系マッチョともなれば超速大成間違いなしという。

『追憶よ、業火を刻め(タルムード・イェルサルミ)』
ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:5~40 最大捕捉:250人
 ティベリアの学院で編纂され、
 しかしバビロニアの伝統の前に忘れ去られたもう一つの研究集、エルサレム・タルムード。
 色濃く記された第二神殿破壊のショックと、主著者のバーサーカー化による不安定さが合わさり、
 エルサレムを焼き尽くした魔王ティトゥスの劫火を再現する魔道書と化した。

【Weapon】
『学院よ、大鑑を記せ(タルムーダ・デ・エレツ・イスラエル)』
 エルサレム・タルムードの本来の形。キャスターの場合はこれが宝具となる。
 バビロニア・タルムードが取りこぼした伝承を回収した、
 「日陰に目をやった本」だと自己定義することで、“誰も知らない情報”を収集する宝具。
 この本自体もまた“日陰にある”属性を帯びるため、存在を知らされなければ認識することが難しい。

【解説】
 鍛冶屋の子のラビ・ヨハネ。
 生後すぐ両親を亡くし、祖父に育てられ、ユダ一世(ハン=ナーシー)にその才能を見出された3世紀のラビ。
 シモン・バル・ヨハイによって「清められた」街ティベリアに自身の学院を開き、
 同市に長らく続く学問の伝統を開いた。

 同時代最高のラビの一人でありながら、彼は美貌の逸話を誇る。
 水浴びする彼を女性と間違えた盗賊時代のシモン・ベン・ラキシュがヨルダン川を飛び越えるのを見て、
 「その強さは悪行より律法研究にふさわしい」「悔い改めるなら妹を嫁にやろう。妹は私より美しいぞ」と説き、
 義兄弟となったという逸話はよく知られたものである。(当時彼は十代前半なので姉かも知れない)
 シモンは彼に「その美しさは女のほうがふさわしいがな」と返したとされる。
 シモン(通称レーシュ・ラキシュ)は後にラビとして大成し、彼の親友となる。
 またヨハナンは「坩堝から取り出されたような(輝く)銀杯に赤い柘榴の種を満たし、赤薔薇の花冠で縁取ろう、
 それを日向と日陰の狭間に置いてご覧、その輝きはラビ・ヨナハンの美しさに似ているだろう」
 (浴場の門前に座って)「湯上がりのイスラエル娘たちが私を見る。
 彼女たちの子供は私のように美しく、また私のように勉学に励むようになるだろうよ」
 などと 自 称 するほどのナルシスト系美男子でもあった。やべえなこれ。

 その愉快な容姿自認にもかかわらず、彼の生涯は親しいものとの離別にあふれている。
 両親については前述したとおりだが、ユダ一世にも15歳の時に先立たれ、多くを学んだのはその弟子からだった。
 息子を10人も亡くし、特に湯釜が落ちて死んだ10人目の死に責任を感じた彼は
 その小指の骨を保存して会葬者に見せたという。また特に悲惨である晩年の伝承によれば、
 彼は儀式での小刀や武器の不浄性を巡るシモンとの議論で彼が元盗賊であることを揶揄し、
 それを詫びる前にシモンが病死した為、動揺した彼は罪悪感のあまり錯乱した。
 3年半の間「バル・ラキシュよ、どこにいる?」とうわ言を続ける鬱状態になった(後に回復した)という。
 だが説話の原型と思しき伝承が見いだされるため、どうも史実ではないらしい。
 彼は100歳まで生きたという。どこまで正確かはともかく、死に別れの多い人生を送ったのは確かだろう。

 バーサーカーとしての彼は、のじゃ口調マッチョフェチショタジジイという属性過多状態で現界している。
 ガチムチ野郎と見れば「レーシュ・ラキシュ!ここにいたんじゃな!」と歓喜しながら抱きつく以外は理性的で、
 素のナルシシズムも鳴りを潜めているが、鬱時代のメンタルが強く、少年の姿も打算の産物である。
 超絶ナルシストなキャスターとどっちがマシかは人による。
最終更新:2017年03月22日 21:48