【元ネタ】古代エジプト文学、史実その他
【CLASS】セイバー
【マスター】
【真名】アメニ
【性別】男性
【身長・体重】167cm・59kg
【属性】中立・善(秩序・悪)
【ステータス】筋力B 耐久B 敏捷A 魔力A 幸運A+ 宝具A++
【クラス別スキル】
対魔力:A
A以下の魔術は全てキャンセル。
事実上、現代の魔術師ではセイバーに傷をつけられない。
騎乗:B
騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、
魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。
【固有スキル】
無為の英雄(偽):C
イメージ戦略によって築き上げた、救世救国の英雄という虚像。
容姿や能力を底上げする効果に加え、属性(性格)を「中立にして善」に偽装する効果を持つ。
本質を見透かされても偽装が剥がれるだけだが、外聞にうるさいのか、セイバーはそれを広められるのを嫌がる。
真名を「アメニ」にしているのもこのスキルの効果とか。
戦略:A+
人事やイメージ戦略など大局的に物事をとらえ、戦う前に勝利を決する力。
第十二王朝が多くの名君を輩出し、
王朝の権威を古王国時代に並ばし得たのは、間違いなく彼の政治的天才性に負うところが大きい。
カリスマ:B
軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。
カリスマは稀有な才能で、一国の王としてはBランクで十分と言える。
神性:B
アメン・ラーの子にして化身であり、死後太陽と一体化したファラオの神性。
地元で崇拝されていた幽神アメンを太陽神ラーと習合し、その息子、その化身としての神性を得ている。
【宝具】
『日輪再掲(ソーテール・アメネメス)』
ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~40 最大捕捉:200人
あらゆるものの内在エネルギーを活性化させる剣。太陽剣。
活力の暗喩としての“太陽”を賦活し、味方全体に行き渡る規模の強力な支援効果として機能する。
……暴走させることで、対象を内側から発火させる凶悪な魔剣としても成立する。
ネフェルティの予言では、王国の荒廃は太陽の輝きが失せるさまに準えられ、これを回復するのがアメニとされた。
アメニは剣と火によって敵を虐殺するという。
本来の真名は別にあるらしい。
『黄金回帰・神王再臨(ホルソムトゥス・ルネサンス)』
ランク:A++ 種別:対軍宝具 レンジ:30~99 最大捕捉:1000人
アメンエムハト1世による黄金時代への回帰を具現化した、新たな神王(ファラオ)の世界秩序を象る固有結界。
高い神性をもたない者の身動きや能力を封じ、神霊や星に由来しない宝具をほぼ完全に封印する。
敵に対し絶対的な優位性を獲得するが、自分より新しい英霊にのみ有効な宝具。
より古い存在には効果がないため、中王国時代そのものを司りながら、彼が両王国統一の功績を簒奪した第11王朝のファラオたち、
第1中間期の諸侯たちに対して効果がないのは皮肉といえる。
本来の真名はセマ・タウィ・ウヘムメスート。真エーテルの巡る神話牢獄。
皇帝特権(ファラオ)の具現であり、大抵の神話より古い『復古』の逸話が為せる、歴史の重みによる暴虐である。
【Weapon】
『太陽剣』
救世主を自称する輝きのつるぎ。偏在と陽光の神性の加護を帯びる。
バフ効果も炎上効果も非常に強力な宝具だが、なにより“勇者っぽい”ところがセイバーのお気に入り。
翻訳によっては「虐殺」とも。
『支配者の壁』
理想塁壁イネブ・ヘカ。
予言に言及される異民族の侵入を防ぐ防壁であり、アメニがもたらす世界秩序の象徴。
セイバーでは固有結界の背景の一部に過ぎないものの、然るべきクラス・知名度補正下では単独での宝具化もあり得た。
【解説】
アメン神の勇者アメニ、神官ネフェルティが予言した古代エジプトのヒーロー、正義の味方、
などと自称する褐色の青年サーヴァント。
古い少年漫画並のコテコテな容姿と言動の裏に権謀術数を巡らせる腹黒勇者。
根本的に人を信用しておらず、裏切りに躊躇がない。
エジプト第12王朝の祖、自称"済世王"アメンエムハト1世。
王朝区分論の幾つかによれば、中王国時代は彼の代からはじまるという。
第11王朝最後の王メンチュヘテプ4世の宰相アメンエムハトと同一人物とされ、だとすればクーデターで政権を獲得した。
行政長官の再編、共同統治の制度化、徴兵制の施行などの諸政策で強大な中央集権国家を作り上げ、
盤石な王権を復活させた有能な王だが、晩年に暗殺された。
『シヌへ物語』は王の急逝の描写から始まり、また『アメンエムハト1世の教訓』では彼自身が暗殺された時の様子を語っている。
自らの権威を古王国に求め、自身の国作りを古王国時代の理想秩序の復興に重ねさせた復古の王。
政治文学『ネフェルティの予言』を成立させ、長らく中断されていたピラミッド建造の習慣を復活させた。
神官ネフェルティが慈王
スネフェル王に語ったという体裁を取る『予言』に言及されるアメニとは、
アメンエムハトの略称、あるいは愛称であり、黄金時代の偉大な王が彼を通称で知っていたという「記録」は
権威的に大きな意味を持ったらしい。……そうなの?
また彼のホルス名は「再生」を意味した。体制ルネサンスを成し遂げ、時代を黄金期に回帰させた自負と、喧伝の意図が見える。
故アメンエムハト1世が息子センウセレト1世に語るという体裁を取る『教訓』において、
彼は「家臣を無と思え」「友などいらぬ」「人間を信用するな」と『君主論』にも比される政治哲学を披露する。
これが実際のアメンエムハトの性格をどの程度反映しているかはともかく、
「予言」で第11王朝の功績を無に帰した所業、権力の武力簒奪が推測される点とあわせて、
彼をマキャベリストじみたキャラクターに想像するのは自然であろう。つまり腹黒勇者である。
本性はやや悪辣だが、信仰は本物。
アメン崇拝の絶頂である新王国時代のファラオにはとても寛容(アテンは死ね)な上、宝具は2つともアメンの加護により成立する。
紀元前20世紀のエジプトにおいて既に崩れかけていた神代は、彼の手により再び“揺り戻(延命)”されたとかなんとか。
最終更新:2017年03月26日 17:11