文観

【元ネタ】史実
【CLASS】キャスター
【マスター】
【真名】文観
【性別】男性
【身長・体重】172cm・67kg
【属性】混沌・悪
【ステータス】筋力C 耐久E 敏捷B 魔力A 幸運D 宝具B
【クラス別スキル】
陣地作成:A
 自らに有利な陣地を作り上げる。
 工房を上回る寺院の形成が可能。

道具作成:EX
 魔力を帯びた器具を作成できる。
 然るべき手順を踏めば(聖杯戦争中は現実的ではないが)『小規模な聖杯』にも匹敵する髑髏本尊の作成が可能。

【固有スキル】
呪術:A
 真言立川流の教義――すなわち密教と陰陽道を融合させた呪法に長ける。
 特に文観は『験力無双の仁』と評され、鎌倉幕府の調伏を祈祷したという。

千里眼:D
 千里眼としてのランクは低く、遠くを見通せるものではない。
 ただし、目の前の人間の欲望や真理を見抜き、暴きたてる。

自性清浄(偽):A
 悪性を捉えて効力を発揮するスキルや宝具の対象となった時、自身の悪性を“存在しないもの”として判定する。
 実例を挙げればスキル:処刑人は完全に無力化され、宝具:串刺城塞の威力も最低値となる。
 真言立川流は密教における自性清浄を曲解し
 仏や菩薩の境地に至ったならば、性行為も含めて人間の営みはすべて本来は清浄なものである、とした。

【宝具】
『如意宝珠・髑髏本尊(チンターマニ・サマーディ)』
ランク:B 種別:対人 対国宝具 レンジ:0~99 最大捕捉:1国
 鎌倉幕府調伏の祈祷を行い、後に結果として鎌倉幕府が滅亡した逸話が、髑髏本尊の形状を得て宝具化したもの。
 髑髏本尊の願望器としての機能ではなく、あくまで彼自身の逸話が昇華された宝具である。
 対象となる地域・国家に属する人々の意思を、僅かながら歪め、そのコミュニティが滅亡する方向へと誘導する。
 一人一人に対する効果は僅かなものだが、塵も積もれば山となる。
 結果として、対象となったコミュニティは“最悪の選択肢”を取り続け、やがては破滅に至る、というロジック。

【Weapon】
『人形杵』
 真言立川流で用いられた割五鈷杵(縦に二分割し、中に仏舎利を入れられる五鈷杵)。金剛杵の一種。
 呪術の触媒であると同時に、これを用いること自体が大日如来と一体化する行法でもある。

『髑髏本尊』
 真言立川流で作成される呪具。
 肉付けした高貴な人の頭蓋骨、呪符、男女の精液を混合した和合水、金銀箔などを用いて作成した後、
 返魂の儀式を行い、さらに八年間に渡って山海の珍味を捧げるなどの儀式を行って完成される。
 本来は願望器としての機能を備えるが、召喚時に所有する髑髏本尊の願いはすでに決められた状態であり
『国家や地域勢力の転覆』に用途が限定される。

【解説】
 鎌倉末期から南北朝時代にかけて、後醍醐天皇の腹心として暗躍した妖僧。
 淫祠邪教とされた真言立川流を大成した人物としても知られる。

 円観(恵鎮)とともに遁世僧で貧民救済などを行っていたが、
 やがて後醍醐天皇に重用されて醍醐寺座主・天王寺別当となった。
 一説には後醍醐天皇と文観は、他の倒幕派と共に夜な夜な薄着の美女をはべらせて討幕計画を練り上げたという。

 後に後醍醐天皇は文観に鎌倉幕府調伏の祈祷を行わせたが、これが鎌倉幕府に露見。
 拷問の末に文観は自白し、硫黄島へと流されることとなった。

 だが、鎌倉幕府が滅亡し後醍醐天皇に依る建武の新政が始まると、文観は復権。
 後醍醐天皇の寵愛によって顕密仏教界の頂点に立ち、奢侈を極めた生活をおくるようになる。

 しかし、その栄華は長く続かなかった。
 高野山の僧らは文観と立川流を危険視し、立川流の僧の多くを殺害、書物を灰燼に帰すという弾圧を加えた。
 かくて立川流は隆盛から一転、勢力を大幅に減ずることとなる。

 文観自身も甲斐の国に流されたが、南北朝の動乱が起こると後醍醐天皇の側につき再び暗躍。
 とはいえ、討幕当時の勢威は残されておらず、南朝もやがては衰退していくこととなる。

 文観が大成させた真言立川流は密教の中でも男女交合に依る即身成仏を説いた事が特徴とされ、
 それ故に淫祠邪教として糾弾されたとされるが、
 実際は真言宗の他の流派と変わることはなかったとする説もある。
 真言立川流は時代を下るに連れて勢力を失っていき、江戸時代には断絶したと伝わるが、
 その特異性故か、フィクションの題材として登場する事が多いとか。
最終更新:2017年08月13日 07:34