アヘル

【元ネタ】史実など
【CLASS】アヴェンジャー
【マスター】
【真名】アヘル
【性別】男性
【身長・体重】188cm・74kg
【属性】混沌・中庸
【ステータス】筋力B 耐久E 敏捷A+ 魔力A 幸運E 宝具B
【クラス別スキル】
復讐者:D
 周囲から恨まれ、それを糧として己の恨みを果たす復讐者のスキル。
 だが、彼はそもそも誰も恨んではいない。

忘却補正:B
 不断の記憶。
 憎悪を忘れざる復讐者として、(忘れきった相手への奇襲に当たる)クリティカルダメージに補正をかける。
 玉座に座るその姿を、誰が忘れられるものか。

自己回復(魔力):A+
 二人の神と決着をつけるまで、その幻像は延々と魔力を湧き立たせる。
 魔力を微量ながら毎ターン回復する。

【固有スキル】
善悪の彼岸:A
 宗教的善悪観を超越した、一種の規格外の精神性。
 属性(性格)を基準とした判定が絡む効果を無条件で失敗させる。

神罰耐性:A
 何らかの神霊に由来するスキルや宝具の効力を削減する。
 信仰・神霊・人理といった“システム”の限界を知る彼にとって、天罰の存在はさしたる脅しとならない。

千里眼:B
 視力の良さを表すスキル。
 高ランクにおいては、通常認識から逸脱した“違う視点”の所持を示す。
 Bランクでは、透視(遠隔地の知覚)を可能にする。Aからは未来視や読心を含むという。

【宝具】
『天上に神は二人いた(ハマルティア・トロノス)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
 もう一つの玉座、もう一人の神。
 『楽園入り』の伝説を典拠とする聖性侵犯能力。
 接触した『神』由来の事象を侵食する。
 洗礼詠唱やカバラ魔術は無効化し、天使が与えた聖剣・聖盾なども長時間触れれば略奪可能。
 また、聖別された境界(結界)や異界との位相差を自由に踏み越えられる。
 篤信にして涜神の罪が為せる業。
 理神のことわり、とも。

『偽神の落陽(デウテロン・ヘーリオス)』
ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:20~60 最大捕捉:500人
 アナフィエルの炎の鞭。
 天から巨大な火球が召喚されるや、
 火の球が破裂して無数の火の触腕に解かれ、それぞれが神罰に匹敵する一撃として世界を叩き伏せる。

【Weapon】
『火の鞭』
 デウテロン・ヘーリオスの一部である、幾本にも別れた長い鞭(バラ鞭)。
 地獄の炎で出来ており、打たれた敵のみならず持ち手からアヴェンジャーの身をも焼く。

【解説】
 タルムードのラビの中で最も不可解な人物、“背教者”エリシャ・ベン・アブヤ。
 バビロニア版の伝承では「異人(他人)」を意味するアヘルの名で呼ばれる。
 ある時期までは名高いラビだったにも関わらず、突如として“信仰を捨てた”ことで知られる。

 第二神殿崩壊に前後して生まれ、一世紀の終わりごろから二世紀のはじめにかけて活動した。
 学院の教職にありながら禁書を所持していたとされ、
 ローマの弾圧に手を貸し、実業へ帰するようラビを『誘惑』したとされる。
 しかしエリシャの弟子ラビ・メイアは「彼は柘榴の実を食べ、皮を捨てたのだ」という言葉で師を擁護した。

 律法を順守しながらわが子を失った二親、そして律法を破りながら怪我もせぬ男の2例を扱って――
 あるいは犬の口の中に殉教したラビの舌を見て絶望し、棄教に至ったとされる。

 イスラエル・タルムードには死の床にあるエリシャにメイアが悔い改めを促す場面がある。
 突如泣き出し、そして死んだ師を前に、ついに彼も懺悔を果たしたのだと、メイアはこの時確信している。
 その後、メイアは天の火により燃え上がるエリシャの墓に駆けつけ、これを外套で覆い、神の慈悲を請うて火を消した。
 エリシャ・ベン・アブヤは敬虔な弟子の祈りにより許された、とこの逸話は言いたいのだろう。

 だがバビロニア・タルムードでは、ラビ・メイアが「罪人であるエリシャは来世に復活出来ないだろう」と語ったという。
 名前の記載や逸話の採択など、バビロニア・タルムードの方がエリシャに厳しいようだ。

 『果樹園(パルデース)の四人』というタルムードの謎めいた一節はいう、
 「四人の男が果樹園に入った。ベン・アザイは見て死んだ。ベン・ゾマは見て気が狂った。アヘルは若木を伐った。
 ラビ・アキバは平穏のうちに入り平穏のうちに出た」

 天界参入の秘儀についての伝統解釈によれば、エリシャは天上で二人の神を見て堕落した。
 彼は玉座に座るメタトロンを第二の神と取り違えたとされ、それ故に神は大天使を鞭打ちの刑に処したとされる。

 タルムードはギリシャ哲学への傾倒による棄教を示唆し、ユダヤ百科事典は彼がサドカイ派であったとする説を支持する。
 またグノーシス主義者、キリスト教徒、あるいは「ラビ・アキバの魔女狩りの被害者」などとも推測され、
 もはや残された史料から彼の実像を描き出すことは不可能に近い。
 現代小説ではアザトース信者にもされた。
最終更新:2020年03月22日 20:47