【元ネタ】フィニアンサイクル・アイルランド
【CLASS】キャスター
【真名】グラニア
【性別】女性
【身長・体重】156cm・45kg
【属性】混沌・中庸
【ステータス】筋力E 耐久C 敏捷B 魔力B 幸運A+ 宝具C
【クラス別スキル】
陣地作成:B
魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
“工房”として機能する支石墓(ドルメン)の構築が可能。
道具作成:A
魔力を帯びた器具を作成できる。
妖精王アンガスに由来する魔術道具や薬品を精製可能。
【固有スキル】
麗しの姫君(凶):A
統率力としてではなく、周囲の人を惹き付けるカリスマ性。
Aランクの彼女は、ただ存在するだけで自分を守る騎士たる人物を引き寄せる。
…なのだが、彼女の場合惹き付けた相手には同時に不幸ももたらす。
狩猟の助言:A-
狩猟に向かう相手に有益な助言を授けることができる。
シャーヴァンの実:Ex
気まぐれでディルムッドを唆して番人の巨人を倒し奪った神々の果実。
一度口にすればいかなる傷も癒し例えサーヴァントでも肉体・精神年齢共に若返らせる。
【宝具】
『薔薇の恋に生きたは我が宿痾』
ランク:B 種別:対心宝具 レンジ:1~5 最大捕捉:1人
ラヴィアンローズ・ゲッシュ。
英雄の運命さえ翻弄する絶対の誓い、ゲッシュの逸話が宝具として昇華されたもの。
彼女に言葉を告げられた相手は、内容が何であれ令呪に匹敵する強制力を以てそれを実行させられる。
対心宝具の性質上、相手の意志力には一切左右されないが、
魔術的な誓約であるため
対魔力によっては抵抗される可能性がある。
【解説】
どこか物憂げな雰囲気の漂う白薔薇の如き少女。
彼女が一際熱を帯びた視線を向ける先には、黒子を持つ二槍流の槍兵がいるとかいないとか…。
グラニアはエリン(現在のアイルランド)の上王コーマックの娘である。
父の配下の騎士で二番目の妻を亡くしたばかりのフィン・マックールの求めに応じて婚約するが、
既に高齢であったフィンとの結婚に気が進まなかった彼女は婚約発表の宴の場で目を付けた騎士と駆け落ちすることを思いつく。
――それが、一つの物語の終わりの始まりとも知らずに。
彼女の謀りによって寝静まった宴の夜、誘いをかけた騎士は二人いたという。
一人はフィンの息子オイシンであるが、彼の"父の女を奪わない"というゲッシュ(誓約)によって拒否される。
そしてもう一人こそが
フィオナ騎士団の一番槍、輝く貌のディルムッド・オディナ。
フィンへの忠義厚い彼も花嫁の務めを放棄してはならないと諫めるが、
今さら後に引けなかった彼女は逆にディルムッドにゲッシュをかける。
「私を連れてこの城からお逃げください。さもなければあなたには破滅が訪れるでしょう」
グラニアはディルムッドの黒子によって魅了されていたからゲッシュをかけたのか。
違う!違う!違う!と本人は強く否定する。
現代の魔術師でも抵抗が難しい彼の魅了を受けていたなら、別の騎士には声をかけないはずだ、と。
それに例え一時の間魅了されていたとしても、その後はお互い深く愛し合ったのだから問題ない。
……と少なくとも彼女自身はそう思っている。
もっともこの結末には愛された騎士の方が英霊となってからも苦悩していることを、彼女はまだ知らない。
見かけによらず行動派であり、時には大人の女性のような大胆さも見せる。
生真面目すぎるディルムッドを見かねて自身の太腿に撥ねた泥を引き合いに彼を誘惑した逸話にはさしものコノートの女王も苦笑い。
フィンによってディルムッドが謀殺された後、グラニアがどのような行動を取ったかは諸説ある。
"再びフィンと結婚し子供を儲けた"と言った逸話からいわゆる悪女とみなされることも多い彼女であるが、事実は異なる。
"ディルムッド以外の男性を愛さない"というゲッシュを自らに課し、その後も彼の後を追うように自殺したからだ。
余談ではあるが、『ディルムッドとグラニア』における彼女らの悲恋は後のアーサー王物語の成立に影響を与えたとも言う。
古今東西の英霊が集うカルデアにおいて、最愛の人との再会という奇跡すら既に叶っている彼女には聖杯に願うことなどない。
いつだって愛しの薔薇の騎士と新たな従者(マスター)が守ってくれると信じているからこそ、
彼女は人理保障のためにも助力を惜しまないだろう。
……まあ、連れ沿うことで多少の不運は招いてしまうとしても。
いつの時代も英雄譚には波乱がつきものなのだから。
最終更新:2020年03月22日 21:21