ヴァルドー

【元ネタ】グルジア(現ジョージア)の民話
【CLASS】キャスター
【マスター】ロシェ・フレイン・ユグドミレニア
【真名】ヴァルドー
【性別】女性
【身長・体重】172cm・58kg
【属性】中立・悪
【ステータス】筋力E 耐久E 敏捷E 魔力B 幸運E 宝具A+
【クラス別スキル】
陣地作成:A++
 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
 具体的な材料と“人柱”を集めることで、“神殿”を上回る“城砦”を形成することが可能。

道具作成:D
 魔術的な道具を作成する。
 占術に用いる道具を作成できる程度の技能。

【固有スキル】
忘却補正:A
 クリティカル攻撃のダメージ値が他サーヴァントより高い。
 (相手が忘れきった時に襲いかかるものとして)
 本来、アヴェンジャーのクラススキルだが、彼女は例外的に通常クラスの現界でも保有できる。

国防の祈り:C
 祖国を侵す外敵の敗北を祈る小さき願い。
 戦略・戦術が伴わないため、一つだけでは完全に無力だが、
 想いを同じくするものが現れ、集まることで祈りが力を持つことがある。

占術:E-(A)
 未来を窺い知るための魔術を習得しているかどうか。
 Aランクならば、僅かな兆候からでも詳細な未来を描き出すことができる。
 ――だが、彼女の場合そこに私怨が混じることがあるため、スキルとしては本来のランク通りの腕は振るえない。

【宝具】
『一度だけの怨嗟(イス・グラディ・ドゥルミシハン)』
ランク:B 種別:対人宝具、対界宝具 最大捕捉:1回
 一度だけ、占術の結果を「自分の私情に則らせる」対運命宝具。
 例えばもし、このサーヴァントがマスターのことを憎悪し、城砦建設のための人柱が必要となった場合、
 私情に則った占術によって、本当にマスターを正しい人柱とすることができる。
 原理上、自分の「正の感情」に基づく私情で占術を動かすこともできるが、
 この宝具がそのように機能する可能性は限りなくゼロに近い。

『実れ国防の祈り、壁を塞ぎ守りたまえ(レジェンダ・スラミ・スァク)』
ランク:A+ 種別:対城宝具(他者) レンジ:1 最大捕捉:1000人
 オスマン帝国の侵攻に対抗すべく建設され、人柱を用いるまで壁が必ず崩れた逸話を持つ曰くつきの砦の具現。
 ジョージアの都市スラミ近辺から、土と石を一定量運び、
 それを組み上げて城壁に“人柱”を埋めることでようやく完成する、現地構築型の絶対防御宝具。
 要塞内部では味方の防御能力が向上する他、非グルジア正教由来の秘蹟の効果が激減する。
 無類の防御能力を誇る宝具だが、“人柱”を用意できなかったり、間違った“人柱”を埋めた場合は城砦本来の頑強さは失われる。

【解説】
 グルジア(現ジョージア)出身の小説家ダニエル・チョンカズが、19世紀の中ごろに地元の民話を編纂した。
 その民話の中の一つ、中世グルジアを舞台とした作品である「スラム砦の伝説」の登場人物。
 彼女は解放奴隷のドゥルミシハンと恋仲であったが、彼は主君に騙されていたことを悟って逃走。別の場所で別の女を娶る。
 捨てられたヴァルドーは、絶望して占い師となり、それなりに名の知れた存在となるが、
 ある時、ひょんなことからドゥルミシハンの妻となっていた女性が姓名判断を受けに来たことで、ヴァルドーはドゥルミシハンがすでに結婚していることに気づく。
 そこからさらに時が経ち、辺境防備のために築かれるはずのスラム砦が相次ぐ城壁の瓦解に見舞われていた。
 高名な占い師として名声を得ていたヴァルドーは、国王からどうすれば城砦が出来上がるかと訊ね、
 彼女は「青い目の、背の高い、聡明な若い男」を人柱とすることで城砦の壁は崩れない、と進言した。
 その人柱には、ドゥルミシハンの息子であるズラプが選ばれた。

 もちろん、この話はヴァルドーの心までは深掘りしてはおらず、占いの結果が私怨か、感情が介在しない正しい予言かは明かされない。
 なお、現在この民話は邦訳などはされておらず、S・パラジャーノフが映画化した作品を視聴することでしか内容を知ることができない
最終更新:2020年03月22日 21:55