ジャン=ポール・マラー

【元ネタ】史実
【CLASS】キャスター
【マスター】
【真名】ジャン=ポール・マラー
【性別】男性
【身長・体重】170cm・49kg
【属性】秩序・中庸
【ステータス】筋力E- 耐久- 敏捷- 魔力E+ 幸運E 宝具A+
【クラス別スキル】
陣地作成:E++
 マラーは魔術師ではないが、霊基維持に陣地が必要なためクラススキルを宛がわれている。
 薬湯で満たされた”浴槽”が、このサーヴァントの召喚の際に同時に形成される。
 そこに常に浸かっていなければ、このサーヴァントは現界を維持できない。

【固有スキル】
病弱:EX
 全身を皮膚病に冒されており、サーヴァントとして現界した現在でも浴槽から出ることはできない。
 もしも全身が薬湯の外に出てしまった場合は、狂ったように全身を掻き毟った末にキャスターは消滅する。

出演続行:B
 ジャコバン派による死後のプロパガンダ由来のスキル。
 霊核が破壊されても、薬湯に浸かっている限りは宝具の発行を最大2ターン行える。

市井のカリスマ:A
 革命の殉教者、人民の友、そしてサン・キュロットの代弁者としてのカリスマ。
 軛から逃れようともがきながら、指導者を必要とする、
 そんな矛盾に満ちた民草の幼年期を優しく見守り、寄り添う。

【宝具】
『祖国の敵に、ギロチン台への道筋を!(パブリック・ドメイン・ビトレイング)』
ランク:A+ 種別:対民、対衆宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:2000人
 マラーが工房で作成する単なる“名簿” だがその実態は、冊子状であれ一枚の紙切れであれ、すさまじい悪辣さと強き意志を宿す爆弾。
 人民の友としてのカリスマと、ジロンド派への迫害を象徴する宝具。
 “民衆の目に触れる”という条件が必要となるが、名前を記された対象がその“名簿”を目に入れた瞬間に判定が発生し、
 失敗した場合、対象の首にギロチンが投下され、ここに人民の意志による粛清が達せられる。
 “名簿”を見た人が多ければ多いほど判定難易度は上昇し、運命打破力などでも抵抗し得ない強力無比な呪いとなる。
 名簿の作成と名前記入をするためには、サーヴァントの場合は真名の看破が、マスターの場合はアライメントの看破が必要となる。

【Weapon】
『浴槽』
 マラーの現界に際して付属する、まるで靴のような形状の湯舟。
 薬湯で満たされており、マラーはこの中から出られない。
 なお、自走機構はない。

【解説】
 フランス革命の指導者の一人で、モンタニャール派――ジャコバン派の三巨頭の一人でもある。
 スイスはヌーシャテルの中流家庭に生まれ、革命以前は医師として欧州全土を遊学し、ロンドンで開業していた時期もあった。
 王弟ダルトワ伯の侍医としてフランスに招聘されるも、宮廷勤めが逆に貴族社会の腐敗を目の当たりにするきっかけとなり、
 急速に反体制主義に傾倒するようになった。
 フランス革命が勃発すると最初期から過激な政府批判の新聞『人民の友』を発行するが、内容の過激さゆえにたびたび発禁処分を受け、
 政府に追われ地下を拠点として言論活動を行う時期もあった(生涯苦しめられる皮膚病も、この時期に患ったものとされている)。
 一度パリを追われ、ロンドンに亡命。 3か月後に戻ってコルドリエ・クラブに入会し、指導者の一人としてテュイルリー襲撃を扇動。
 襲撃ののち、国民公会議員に選出され、『人民の友』から『フランス共和国新聞』に新聞の名前も改めた。
 テュイルリー襲撃から一月も経たぬ間に、彼の新聞の過激な論調に感化された民衆らが暴走し、九月虐殺と呼ばれる惨事を引き起こした際に、
 マラーは政敵のジロンド派から責任を問われ、一時逮捕・収監されたが、彼のサン・キュロットからの支持は絶大であったためにすぐに釈放。
 この後マラーとジャコバン派は一転攻勢に転じ、ジロンド支持者・立憲主義者のデュムーリエ将軍の陰謀が露見したことを逆手にとって、
 ジロンド派議員を公会から追放、ジャコバン独裁の基盤を固めることに成功したが、同時期に皮膚病の悪化によって療養生活に入る。
 薬湯によって痒みと暑気を遠ざけながら、ギリギリのところで命を繋ぐほど衰弱しながらも、彼は自宅で政務を続けたが、
 支持者を装って侵入したジロンド派の狂信的シンパのシャルロット・コルデーによって暗殺された。
 彼の死はジャコバン派によってすぐに神聖化され、パンテオンに埋葬されたが、テルミドール反動の時期にはパンテオンから取り除かれた。
最終更新:2020年03月23日 22:49