義湘

【元ネタ】三国遺事、宋高僧伝、華厳宗祖師絵伝
【CLASS】ライダー
【マスター】
【真名】義湘
【性別】男性
【身長・体重】163m・54kg
【属性】秩序・善
【ステータス】筋力E 耐久C 敏捷E 魔力B 幸運B 宝具A+
【クラス別スキル】
対魔力:A
 A以下の魔術は全てキャンセル。
 事実上、現代の魔術師ではライダーに傷をつけられない。

騎乗:B
 騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、
 魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。

【固有スキル】
仏の加護:A+
 仏の加護による守り。
 金山宝蓋如来の第七の化身として諸仏に通じ、国難を退けたという。

ストーキング:EX
 善妙由来のスキル。愛した標的を追い求め続ける。
 このランクになると死別しても魂レベルで追跡し、生まれ変わっても付きまとう。
 当の義湘もそれを受け入れており、それ故に善妙は義湘と共に現界するのだ。
 男女の愛で結ばれているわけではないが、ある意味これも割れ鍋に綴じ蓋である。

【宝具】
『愛実らぬ永遠の伴侶』
ランク:EX 種別:対軍宝具 レンジ:2~50 最大捕捉:500人
 常にライダーに寄り添う自律系人型宝具『善妙』の龍神転身。
 真名解放によって仏法の守護神である巨大な龍に変貌し、ライダーを背に乗せる。
 この龍女と、彼女が護るライダーを傷つけることはほぼ不可能だが、
 存在するだけで世界に歪みを生むため、ごく僅かな時間しか変身出来ない。
 ライダーは竜種を乗りこなす騎乗ランクを有していないが、
 龍女が自ら進んで彼を背に乗せているため成立している。
 なお、彼女は竜種としての血を継承していた訳ではない。
 あるのは1人の男へのひたすらの献身と愛。そこに色欲は一切ない。
 ないったらないのです。でも。義湘様さえ良ければ私はいつだって……。

【Weapon】
『善妙』
 義湘伝に語られる大龍と化した女性。
 義湘と善妙は男女としては絶対に、永遠に結ばれることがない。
 しかしそれが故に善妙は義湘の傍に在ることが可能となっている。
 ひたすら義湘の歩みを助けることだけが、善妙が彼の傍に在り続ける唯一の方法であり、
 善妙は彼の宝具として、あるいは霊基を共にする者としての誇りと至福に満たされている。

 義湘も善妙も自分から進んで攻撃することは好まないが、死者を成仏させるという名目で
 サーヴァントは攻撃しても良い対象のようだ。

【解説】
新羅における華厳宗の祖。浄土教の元暁と並び、韓国仏教史の二大巨頭。625年生誕。702年没。
19歳の時に出家し、優れた才能で名を馳せ、元暁と共に王に呼ばれて説法をしたという。
また唐への留学も元暁と共に出発したが、高句麗の守備兵に阻まれて挫折した。
10年後また唐へ留学に赴き、華厳宗の大宗師である智儼に8年間学び、「仏性偈」を師に捧げた。
唐が新羅を攻めようとしているという話を聞いて新羅に帰国し、文武王の命で浮石寺を建立した。
義湘は宇宙万物は調和しているという華厳学に尽力し、観音信仰と浄土信仰を受容した。
元暁のように民衆に入ってはいかなかったが、多くの弟子を育て、寺刹を建立し、
代表的な弟子は「義湘十哲」、寺刹は「義湘十刹」と呼ばれた。
十刹の1つ梵魚寺の創建説話では義湘は如来の化身であり、兵器を携えた諸仏を率いていると語られる。
義湘は衣服と瓶と飯鉢以外は身に着けず、弟子に講義しない時は自身の修練を怠らず、
王から土地と奴婢を与えられても固辞したというまさしく聖僧というべき人物だったと伝えられる。
また、王の築城計画を良くないと思うと上疏して中止させるなど多大な影響力を持っていた。
その生き様から対称的であった元暁とは反目し合うことなく学問交流を続けたという。


中国の『宋高僧伝』及びそれに影響を受けた日本の『華厳宗祖師絵伝』では、
唐に住む善妙という美女が、美男であった義湘に恋情を抱く説話が伝わっている。
義湘は仏法に沿って善妙の想いを断り、仏法を諭した。
それを受けた善妙は『華厳宗祖師絵伝』内では以下の様に語った。

「私は邪心を捨てました。これ以後はいくたび生まれ変わっても、あなたとともに生まれ、離れることなく、
あなたの行くところに影のように付き添い、求める物を与え、日々の暮らしをお助けしましょう」

義湘もこれを拒絶はしなかった。
後に義湘が新羅に帰国する際、善妙は海に身を投じて龍神へと変じ、
義湘の舟を背に乗せて、新羅まで送り届けた。
また浮石寺建立の際も、善妙自身が巨石に変じることで義湘を助けたという。
僧侶への想いが成就しなかった女が竜種に変じるという粗筋は「安珍と清姫」の説話と類似するが、
その結末は全くの真逆である。
日本に於ける華厳宗の復興者である明恵は、義湘と共に善妙も尊崇し、護仏の女神として語っている。


【コメント】
決して結ばれないが、生まれ変わっても永遠に一緒の男女ってツイ民に「尊い…」って受けそう。
善妙は令嬢と遊女の二説があるが、どっちにしろ良いキャラになると思う。
原典である『宋高僧伝』では善妙は義湘を恨み呪って入水自殺しているのだが、
それでも死してなお彼を守り続けるというのがすげぇ。
同書では仏の加護で善妙が龍になったと語られているが、ここではひたすらの愛ゆえに龍になった設定。
省略したけど、善妙は神性か女神の神核スキルを有し、航海者への嵐を鎮める加護を与える。
民間に伝わる航海の女神や、観音信仰と融合して善妙の伝説が形作られたと考えられているからです。
義湘の適正クラスはライダーのみだが、僧侶ってキャスターにもなれそう。
最終更新:2020年03月23日 23:00