ヒルデガルト・フォン・ビンゲン

【元ネタ】史実
【CLASS】キャスター
【マスター】
【真名】ヒルデガルト・フォン・ビンゲン
【性別】女性
【身長・体重】150cm・41kg
【属性】秩序・善
【ステータス】筋力E 耐久E 敏捷E 魔力C 幸運B 宝具B
【クラス別スキル】
陣地作成:E(B)
 啓示を受けてのルーベルツベルク女子修道院創設者。
 独力では手狭で不便な“クラウゼ”擬きが限度だが、
 啓示のもとでは本格的な“工房”相当の陣地を形成できる。

道具作成:E(C)
 ラテン語の基礎知識はあれど堪能ではなく、
 三学四科の正式教育を受けていない彼女は単独での著作に不適である。
 ……と本人は思っているが、俗語で自由にやらせれば案外上手く行く。

【保有スキル】
啓示:A
 “聖なる幻視”を受け、最適な行動をとる。
 幻視の卓越した解説者として知られる彼女は
 啓示の内容を他者に信じさせる事ができる。

医術:A
 ギリシャ医学、民間医療、キリスト教学を融合させた医学。
 キャスターはドイツ薬草学の祖とされる。

病弱:A
 並外れて虚弱で病気がち、完全な健康だった事は皆無に近く、度々瀕死に陥った。
 肉体的な行為判定に常時ペナルティを負う。著作を命じる啓示に関する逸話から、
 啓示に従う行動をとる際はペナルティが軽減、もし逆らったなら大幅に増大する。

聖人:D
 サンクタ・ヒルデガルディス、聖なるヒルデガルト。秘蹟の効果が上昇している。
 正式列聖の記録は残らないが、一般には広く聖人として崇敬された。

【宝具】
『顕れ示す生ける光影(リベル・ディーウィーノールム・オペルム)』
ランク:B 種別:特殊宝具 レンジ:- 最大捕捉:3人
 ヒルデガルト三大幻視書最後の著作『神の御業の書』、
 神による宇宙創造とそれに応答する被造物の調和をテーマに書かれた作品。
 女性の姿に擬人化された三つのヴィルトゥテスを具現化させ助力を得る事ができる。
 愛を高く評価し、謙譲を身に着け、平和をしっかりと把握するならば
 人間は決してサタンと共に没落する事は無いという。

【Weapon】
 なし

【解説】
 主にライン地方で活躍した12世紀の修道女、ビンゲンのヒルデガルト。
 中世欧州に現れた初の幻視者、教会博士、作曲家、社会運動家、自然科学者、医師、
 膨大な幻視と懇切丁寧な解説を三冊の大著に記した『ラインの見者(シビュラ)』。

 1098年夏に生まれ、三か五歳頃に天与の幻視(ヴィジョン)の力を自覚したとされる。
 八歳から修道女・シュポンハイムのユッタに教育を受け、彼女の死後その後を継いだ。
 1141年には「汝の見、聞いた事を、書き記せ」との啓示を受け、思い悩んだ末に
 一冊目の著作『智恵の書(スキウィアス, 神の道を知れ)』に取り掛かる事となる。
 幻視については更に『生の功徳の書(リベル・ウィータエ・メリトールム)』と
 中心的作品『神の御業の書(リベル・ディーウィーノールム・オペルム)』があり、
 作曲家としては主流のグレゴリオ聖歌系と一線を画する七十余りの曲を作り
 一時間半ほどの演奏時間を要する大作『オルド・ヴィルトゥトゥム』で知られる。

 ローマの教皇、神聖ローマの皇帝、クレルヴォのベルナールら著名人とも
 並大抵の聖職者や世間一般の人々とも分け隔てなく文通し、交流を持った。
 啓示により新たな女子修道院建設を命じられ、これは非常な困難を伴ったが
 彼女は果たし、また赤髭フリードリヒの庇護を引き出し外部干渉から守った。
 聖職者の説教はラテン語とされていたが、説教旅行において公然とドイツ語で語った。
 亡くなる前の二年間、破門者の埋葬を許可した事を咎められ聖務禁止処分を受けるが
 これが解除された半年後の1179年9月17日、ヒルデガルトは81歳で死去した。

 1227年に列聖手続きが公的に始まり、
 1233年には聖性を認める証拠書類が提出されるも受理されず、修正を求められた。
 1243年、教皇インノケンティウス四世がマインツの聖職者に再提出を求めたが
 これに応じなかったのか、その後の手続き進展や正式列聖の記録は残っていない。
 だが彼女は所縁の地にて盛んに崇敬され、一般には聖人として受け入れられた。
 彼女の伝ではマリアを意味する言葉『祝福された処女』が好んで用いられている。
最終更新:2020年03月28日 20:43