トンマーゾ・カンパネッラ

【元ネタ】史実
【CLASS】キャスター
【マスター】
【真名】トンマーゾ・カンパネッラ
【性別】男性
【身長・体重】173cm・67kg
【属性】混沌・善/秩序・善
【ステータス】筋力E 耐久D 敏捷D 魔力A 幸運B 宝具C++
【クラス別スキル】
陣地作成:B
 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
 “工房”の形成が可能。

道具作成:B
 魔力を帯びた器具を作成できる。
 彼の著作は魔道書としても機能する。

【固有スキル】
蔵知の司書:C
 多重人格による記憶の分散処理。
 LUC判定に成功すると、過去に知覚した知識、情報を、
 たとえ認識していなかった場合でも明確に記憶に再現できる。

多重人格:D
 複数の人格を所持し、切り替えられることを表わすスキル。
 キャスターの場合、魔術の自己暗示によって作られた別人格が定着してしまったもの。
 本来の人格が革新を志向するのに対し、別人格は厳しい拷問にも耐えるほどの熱烈なカトリック信徒となる。

魔術:B
 オーソドックスな魔術に加え、錬金術と占星術を習得。
 別人格の側の場合、このスキルは洗礼詠唱:Bに切り替わる。

【宝具】
『夢想の太陽都市(キウィタス・ソリス)』
ランク:C++ 種別:結界宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
 キャスターが獄中で夢想したユートピア的都市『太陽の都』を魔力によって現界させる。
 主人格にのみ発動できる宝具。固有結界に近い大魔術。

『太陽の都』は分厚い城壁と防備を備えた城塞都市だが、特筆すべきは内部の環境にある。
 城壁の内部には秩序を維持するための強力な洗脳魔術が展開されており、
 都市内の全ての者は自由意志を排除され、都市の都合のいいように動かされてしまう。
 精神干渉への耐性を持たない場合、侵入直後から令呪一画相当の洗脳が行われ、以後、時間経過で洗脳効果が上昇していく。

【解説】
 ルネサンス期の哲学者。兼、魔術師・占星術師。
 その思想に正統と革新の相反する2要素が混在していることから、二重人格と解釈されることも。

 貧農出身であったがドミニコ会修道院に入って托鉢修道士となり、勉学に励む生活を送る。
 やがて魔術・錬金術・占星術・天文学・哲学などについて知識を深め、時には本も出版した。
 しかし、これは当時のカトリックの常識に唾吐く行いであり、教皇庁の手で投獄されることもしばしばであったという、

 こうした仕打ちを受けてもカンパネッラは懲りず、むしろますます反教皇庁的な思想を先鋭化させていった。
 加えて、故郷カラブリアが教皇庁寄りのスペインの植民地として収奪・迫害を受けていたことが、彼の後の行動を決定づけた。
 すなわち、カラブリアの革命運動に合流し、共和国を樹立することで、スペインの打倒と、教皇庁・修道会の改革を図ったのである。
 カンパネッラの傾倒ぶりは尋常ではなく、占星術を駆使して革命に最適の日時を割り出すほどであったという。

 しかし、カンパネッラの革命は裏切り者の密告であっさりと潰える。
 2年間に渡る審問と拷問に耐えた後、狂人を装うことで処刑を免れたが、
 狂人と見做されたがゆえに25年にも渡り獄中生活を送ることとなった。

 獄中生活の中でカンパネッラは数多くの著作と詩を書いたが、最も有名なのは主著『太陽の都』である。
「労働、教育、宗教、性生活に至るまでが形而上学的存在によって定められ、全ての物が共有され、全ての者が適正に応じた職務に就かされる」
 現代的価値観からはディストピアとも見做せるが、当時の価値観ではユートピアと言える思想である。
 当時の人間に法律を与えることは魔術に等しい偉業であり、カンパネッラはそれを夢想し続けた。

 また、投獄中にガリレオ・ガリレイの地動説を知って感銘を受け、ガリレオに手紙を送ったこともある。
 数学的な思考を持たず魔術思想で考えるカンパネッラにガリレオは辟易としていたが、
 それでもカンパネッラはガリレオの熱烈な支持者であり続け、地動説が異端認定を受けると『ガリレオの弁明』なる書物を書き上げている。

 やがてカンパネッラは教皇ウルバヌス8世の厚意を得て、教皇の御前で魔術儀式(本来カトリックの教義では異端である)を行うまでとなる。
 しかし、カンパネッラの熱烈な哲学・政治思想はカトリック教徒の怒りを買い続け、
 危険を感じた彼はフランス王国へ亡命したという。
最終更新:2016年09月27日 18:53