+ プロローグ
プロローグ「正義」
ノーマンズウォー。この戦争に親子二代で参戦していた。俺は、父を団長とする旅団『キルギシート』に所属していた。この旅団は、エルフが発生したと同時に発足したらしい。俺たちは企業の足りない戦力の補完として動いていた。ある日、俺たちはいつも通り、任務を遂行していた。
だが、この時点で気づくべきだった。いつもはいる企業の連中がいなかったのだ。理由は「敵の数も少ないので君達だけで殲滅できるから」らしい。「30機で倒せる量なのか?」と感じたが、俺たちは降下した。
しかし、敵はどこにもいない。が、その時上から5機のCFが降下してきた。大量の鉄の雨と共に。そう、俺たちは裏切られたのだ。やつらは無線で「終戦後にエルフの情報を洩らされては困るからな。死んでもらう」と告げた。俺たちは必死にもがいた。その時父は俺に、「逃げろ!そして...」と言った。雑音が入り最後まで聞こえなかった。結局、逃げ延びたのは、たったの三機だけだった。
俺は必ず奴等を潰すと誓った。父も、そして仲間達もそう思ったことだろう。すべてを焼き尽くす。企業を。そして世界を。

+ 第1話
第1話「始動」

———《我々が求めるものは!この世界の破滅だ!そして、我々のディストピアを創り上げることだ!》

うるさい騒音が俺を起こした。ここに着いてから、まともに寝ることができていない。
「おはようございます、団長」
「ああ、おはよう」
「今日の予定をお伝えします。今日は我々キルギシートをバックアップしたいという企業の社長との会合があります」
「そうか」
「では、失礼します」
秘書が出ていった。こんな無力な集まりに加担する物好きな企業がいるとはな。一体、どこから嗅ぎ付けたのやら。
十年前、父や仲間が殺されたあの日からここまで築き上げてきた。クソみたいな企業からの依頼にも応え、ただ、奴らに復讐することだけを考えてきた。
「おい、ジル。いるか?」
そう俺を呼んだのはカルロスだ。俺と共にあの戦場を逃げて来た3人の内の1人だ。彼は俺と共にキルギシートの稼ぎ頭となってもらっている。つまり、防術機乗りだ。
「ああ、なんだカール」
「お前の新機体、完成したらしい。なかなかに乗りやすそうだったぞ〜」
「分かった。会合の後に向かう」
「オーケー、ケイトにそう言っとくよ」
「ああ、頼む」
俺は自室を出た。

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最終更新:2017年08月11日 15:10