+ プロローグ
~プロローグ~
社員1「これがAS-OSか。」
社員2「おっそうだな」
社員1「これをあの最新型の搭載するんだな」
社員2「そうだよ」
社員3「俺の機体にも欲しいなあ」
社員2「そうだよ(便乗)」
社員1「無駄話はこれぐらいにしてさっさと作業を終わらせるぞ~」
社員2「ん、おかのした」
社員3「慎重にな」
整備員1「これが最新型か」
パイロット「いいよなぁ、AS-OS付きは」
整備員2「よし、ヘリの整備完了!いってこい!」
パイロット「じゃあいってくるよ」
整備員1「気をつけてや~」
整備員1「いったか...」
整備員2「ん?」
整備員1「どうしたんだ?」
整備員2「ポケットの中になんかあるっぽいんだ」
整備員1「何があったんだ?」
整備員2「接続用ボルト一本」
整備員1「は?」

+ 第一話
第一話 「やっぱりお金は大事」
六月十五日。今日のこの日をどれだけ待ち望んでいたことか。今日はSEITA社から防術機操縦免許を受け取る日なのだ。これで万年餓死寸前生活から抜け出すことができる。さほど儲からないメカニックの仕事も今日でおさらばだ。さっそくSEITA社からの電話がきた。
SEITA受付「あなたがカイル・ルーカスさんですね」
カイル「はい」
SEITA受付「今日は免許証と防術機に関するいくつかの書類をお渡しするのでかならずお越しください」
カイル「あいよー」
SEITA受付「ではこれで」
カイル「では」 ガチャ
カイル「......」
気づいたら俺はガッツポースをしたまま車の中にいた。おそらく近所の人から変な目で見られていただろう。しかし今はそんなことどうでもいいんだ、重要なことではない。俺は急いでSEITA社に向かった。

SEITA受付嬢「早いですね」
カイル「はやく免許証をだすんだ...」
SEITA受付嬢「おちつけ」
カイル「はい」
SEITA受付嬢「まず年齢と職業を教えてください」
カイル「28歳、メカニック関係の仕事をしてました」
SEITA受付嬢「やめたのですか?」
カイル「はい」
SEITA受付嬢「では顔認証を開始します」
ピピピピピピピピピピピピピコーン
SEITA受付嬢「認証完了、では始めますね」
カイル「おうよ」
SEITA受付嬢「こちらが防術機の各パーツのメ...

~3時間経過~

カイル「帰って機体案考えたい(はい)」
SEITA受付嬢「考えてることが口にでてますよ」
カイル「え」
SEITA受付嬢「最後にこの書類にサインをお願いします」
カイル「はい」カキカキ
SEITA受付嬢「これで免許証の受け渡し及び防術機パイロットの認証を終了。今日からあなたは防術機パイロットです!」
カイル「ヒャッホオオオオウウウウウ」
SEITA受付嬢「お疲れ様でした。これからもSEITA社及びSEITA社製防術機をよろしくお願い致します」
SEITA受付嬢「いない...」
俺はあのネーチャンの話を最後まで聞かずにSEITA社を飛び出した。これでやっと正規のパイロットになれた訳だ。今日は一日中機体設計図を考えよう。
カイル「あ」
俺は大事なことを忘れていた。貯金が底をつきそうだということを-----。
                              残り 400000Br

+ 第二話
第二話「親方ァ!空から防術機がァ!」
俺は帰ってからずっと金を集める方法を考えていた。いや、正確には無料で防術機を手に入れる方法かな。
カイル「あー、空から防術機でも降ってきてくんないかなぁ...」
そう思ったそのとき、
ドカァァァァァァァァァァン!
カイル「う゛ぇあ!?」
ドデカい轟音が家の方から聞こえた。
なにがあったのかと行ってみると、四輪の防術機が家を突き破ってたたずんでいた。
カイル「は?」
言葉がそれしか出なかった。家が無くなって悲しいような、防術機がタダで手に入ってうれしいような。さっそくハッチを開けて中に入ってみた。すると
???「あなたがパイロットですね」
カイル「キエエエエエアアアアアアアアシャベッタアアアアアアアアアアアア」
ヒバリ「わたしは「AS-OS」、名前は「ヒバリ」です。」
カイル「は?」
ヒバリ「あなたの名前は?」
カイル「カイル・ルーカスです...」
ヒバリ「パイロット、とりあえずこの機体を修復してくれないでしょうか?着地の衝撃で色々ダメになっていまして。」
カイル「おっおう...」
ヒバリ「?」
カイル「いや、とりあえず直そう話はそのあとだ...」
ここから俺とこのAIとの傭兵生活が始まった。
                              残り 400000Br

+ 第三話
第三話「ディスノミア」
カイル「とりあえず修理は完了!」
ヒバリ「ありがとうございます、パイロット。」
カイル「で、だ」
カイル「お前はなんで上から降ってきたんだ?」
ヒバリ「私にもわかりません、起きたらここだったので。」
カイル(機械にも寝るという概念はあるんだな)
ヒバリ「そういえば。」
カイル「なんだ?」
ヒバリ「この機体の名前を考えて頂けませんか?」
カイル「わからないのか」
ヒバリ「ええ。」
カイル「そうだな...」
名前付けっていうのは小さい頃からの夢で憧れていたんだが、いざ決めるとなると恥ずかしい。
こういうのはノリが大事だよな。よし、
カイル「ディスノミア...」
ヒバリ「厨二くさいですね。」
カイル「うるせぇ!」
ヒバリ「まあいいでしょう。」
こいつ考えさせておいてなんていう態度だよ
ヒバリ「機体名《ディスノミア》パイロット《カイル・ルーカス》最終セットアップを完了しました。」
カイル「アッソーダ」
ヒバリ「なんでしょう?」
カイル「SEITA社に機体を持ってかないとだな」
ヒバリ「審査というやつですね。」
カイル「じゃいくかぁ」
ヒバリ「パイロット認証、システム通常モード。」
カイル「レッツゴー」
こうして俺は自宅だったものを後にした。ってか燃料が結構少ないな...
                              残り 390000Br -10000Br(ボルトや燃料など)

+ 第四話
第四話「訓練」
SEITA社についた俺たちは早速機体を審査してもらった。
SEITA社員「異常なプログラムなし。審査終了。正式な防術機として認めます。」
カイル「やったぜ。」
ヒバリ「あの、」
SEITA社員「なんでしょう」
ヒバリ「ここの演習場を使わせていただいてよろしいでしょうか?」
SEITA社員「一時間 4000Brです」
カイル「えっ」
ヒバリ「では3時間程。」
カイル「えっ」
SEITA社員「では案内いたします」
ちょっとぐらい俺の話をきいてくれ
SEITA社員「着きました、では有意義なお時間を」
ヒバリ「では始めましょう、パイロット。」
カイル「おいちょっと待てやゴルァ」
ヒバリ「では操縦のおさらいから。」
カイル「こいつら...」
ヒバリ「次は武装の説明を。」
カイル「お」
ヒバリ「右手に持っているのが製造元不明ブレード「YMNG」、左手にあるのが製造元不明ライフル、そして肩に製造元不明ミサイルが二つ、以上です。」
カイル「怪しすぎないか?」
ヒバリ「まあ機関は正常なので大丈夫でしょう」
カイル「そっそうか...」
ヒバリ「では試射してみましょうか。」
カイル「でも弾とかはいってないぞ?」
ヒバリ「さっきの方が気を利かせてくださいました。」
カイル「やったぜ。」
ヒバリ「では撃ってみますか。」
カイル「おう」
ヒバリ「これで訓練を終了します、お疲れ様でした。」
カイル「やっと終わった...じゃ帰るか!」
???「おーい、ちょっと待ってくれーい」
カイル「ん?」
???「あー君たちに依頼したいんだが」
カイル「あんた誰だ?」
???「あー名乗ってなかったな」
ヤマギ「俺の名前はヤマギ・トオルだ、よろしく」
カイル「で、依頼とは?」
ヤマギ「反企業連の中の過激派の一部がSEITA社の工場を占拠した。これの鎮圧を頼みたい」
カイル「敵の数は?」
ヤマギ「旧世代の功機塊o.oが5機とSEITAから奪ったリロード一型が二機だ」
カイル「受けて立とう」
ヤマギ「なお今回の任務にはSEITAからRE:LOADが二機同行する。これらと連携して敵を排除してくれ、ってお偉いさんがいってたぜ。」
カイル「ちなみに達成報酬は...?」
ヤマギ「200000Brだよ」
カイル「よし、いくぞヒバリ」
ヒバリ「単純馬鹿。」
カイル「うるせぇ」
                              残り 378000Br -12000Br(演習料金)

+ 第五話
第五話「任務」
そんなことで俺の初任務はすぐだった。正直心の準備が出来ていない。
オペレーター「今回の任務の概要を説明します。SEITAの工場が反企業連に強奪されました。各機連携してこれにあたってください。なお、功機塊0.0の方は全てAI機体です。新米パイロットにはそちらの対応をよろしくお願いいたします」
カイル「おうよ」
SEITAパイロット1「終わったらこっちの援護を頼むぜ」
カイル「ok」
緊張が高まってきた。こんなに緊張したの初仕事以来だ。
オペレーター「戦闘地点に到達、各機投下!」
カイル「いくぞ、ヒバリッ!」
ヒバリ「システム戦闘モード、起動。サポートは任せてください」
着地した瞬間無線が入ってきた。
敵1「パイロットだ!パイロットがきたぞ!」
敵2「これをやったら昇進確定だ!慎重にやれ!」
敵1「おら、ポンコツどもも働け!」
功機12345「ニンム、カイシ」
混線かな
SEITAパイロット1「ミッションプランは覚えているな、俺たちはリロードをやる!お前は功機塊を片付けろ!」
カイル「分かってますよ」
ヒバリ「敵弱点は頭部カメラアイ及び脚部関節です。」
カイル「わかった、優先して狙う!」
俺は工場内に突っ込むとすぐさま一機ロックして、撃った。
ヒバリ「敵カメラアイに被弾、被害甚大」
そして強引に近づき切った。敵の胴部と脚部が離ればなれになっていくのが見えた。ああにはなりたくねぇな。
ヒバリ「敵機撃破。」
カイル「次ッ!」
一機撃破しただけだがエースパイロットになった気分だった。

+ 第六話
第六話「戦闘描写って難しいよね」
あと残っているのは4機。しかし見るからにおかしい機体が一機あった。
カイル「あれは...」
ヒバリ「旧世代の規格外兵装です。注意してください。」
そんなこと言われたってどう対応すればわからない。今は残りの三機に対応しよう。
ヒバリ「右です、パイロット。」
カイル「ッ!!」
右にターンし速射した。
ヒバリ「焦りすぎです。」
俺もそう思う。ロックするのを心がけないとな。つぎは一気に近づいて、敵の脚部をそぎ落とした。
ヒバリ「敵行動不能。」
カイル「よし!」
このままもう一機をロックし、連射した。
ヒバリ「敵撃破、しかし残弾30%、撃ちすぎです。」
カイル「すまんな」
ヒバリ「残りはあのへんなのです。」
カイル「さっきから動いてなかったが...」
その瞬間最後の一機から青い光が生じた。

+ 第七話
第七話「200mm対ケースフット電磁砲」
カイル「なんだあれ...」
功機塊から謎の青い光が漏れだしている。その瞬間、甲高い音を轟かせながら何かを撃った。しかしその弾は明後日の方向に飛んでいった。
カイル「なんか撃ちやがった!」
ヒバリ「データ認証完了。あれは...旧世代の大型砲ですね。」
カイル「なにか対処法はないのか!」
ヒバリ「もう一発、避けてください。」
カイル「信じていいんだな!?」
ヒバリ「ご自由に。」
こいつの言っている事が本当か分からないが、今は信用するしかない。そう思いながら操縦に意識を向けた。
もう一度、功機塊から青い光が漏れ出す。
ヒバリ「敵、次弾発射まで 10、9、...」
緊張してきた。それはもう初仕事以上に。手汗で操縦桿がヌルヌルしている。
ヒバリ「3、2、1、発射。」
カイル「!!」
操縦桿を握る力がいっそう強くなる。敵の弾はディスノミアの1mくらい右を通過した。助かった。そして敵はそのまま動かなくなった。
ヒバリ「配線が焼き切れてますね。私の予測通りです。」
カイル「本当か?」
ヒバリ「本当です。」
そんな話をしていたら、SEITAのパイロットから無線が入った。

+ 第八話
第八話「任務完了」
SEITAパイロット1「こちらRE:LOAD、目標を鎮圧した。そっちはどうだ?」
カイル「こちらも今終わりました」
SEITAパイロット2「楽な仕事だったなぁ・・・後で飲みに行こうぜ」
SEITAパイロット1「おうそうだな・・・っとそうだ、そこの...カイルだっけか?」
カイル「?」
SEITAパイロット1「見たこともない機体だな...一体どこの企業n」
そこでオペレーターから無線が入った。
オペレーター「目標の殲滅を確認、回収地点に向かいます。お疲れ様でした。」
カイル「報酬はちゃんと払ってくれよ?」
オペレーター「もちろんです。」
SEITAパイロット2「初任務にしては見事な立ち回りだったぜ、新米」
カイル「そりゃどーも」
SEITAパイロット1「えっ」
ヒバリ「パイロット、先ほどの規格外兵装を回収しましょう。」
カイル「なんで?」
ヒバリ「いいお金になりますよ。」
カイル「把握」
今は金より達成感の方が大きかった。

SEITAパイロット1(聞いちゃまずかったのか...?)
                              残り 590000Br +200000Br(任務報酬)

+ 第九話
第九話「報酬と...」
ヤマギ「これが今回の報酬の60000Brと渡しそびれたパイロットスーツだ」
カイル「センキュー」
ヤマギ「あと、お偉いさん達がアンタのこと気に入ってたぜ。
    もしかしたらこれから依頼がどっと増えるかもな」
カイル「やったぜ。」
ヒバリ「まだ動きは粗いですけどね」
カイル「うるせ」
ヤマギ「じゃ、いつかまた頼むぜ」
カイル「ああいいよ」
ヒバリ「あっ。」
カイル「?どうした」
ヒバリ「規格外装備どうしましょう。」
カイル「あ゛っ」
完全に忘れてた。まあいつか修理して使おう。
...
カイル「そろそろ帰るか!」
ヒバリ「パイロットの家は存在していないことになっています
カイル「あっそっかぁ...」
...
カイル「とりあえず今日は車中泊だな...」
ヒバリ「そうですね、パイロット」
これから大変そうだ...


ヒバリ「それと...」
カイル「?」
ヒバリ「これからよろしくお願いします、パイロット。」
カイル「こちらこそ、よろしくな ヒバリ」
                              残り 590000Br

+ 第十話
第十話「企業」
それから何ヶ月か経った。俺達は舞い込んでくる依頼を着実にこなしていた。なかには犬探しの任務もあったが。
しかしある日ある企業から俺好みの依頼が飛び込んできた。
カイル「おいヒバリ、この任務を見てくれ!」
ヒバリ「どうしたんです?そんなに興奮して。」
カイル「試作兵器のテストだってさ!しかもテスト終了後に空き地で打ち放題だ!やっとあれを撃てる!」
あれとは、200mm対ケースフット電磁砲のことである。普通の演習場で撃ったら大惨事になるとヒバリが忠告したので発射テストも出来ずに放置されていたのである。
ヒバリ「これ、見たこともない企業からの依頼ですね...」
カイル「俺が有名ってことだな!HAHAHAHA」
ヒバリ「...」
カイル「よし行くぞー!」
ヒバリ(怪しい...)
カイル「誰もいないな」
ヒバリ「こういうのを世間一般に 騙して悪いが というらしいですよ。」
カイル「どういう意味なんだそれ」
ヒバリ「嘘の依頼で呼び出され殺されるらしいですよ。対象は主に若手に多いらしいです。」
カイル「逃げよう」
ヒバリ「はい。」
すぐ機体の中に飛び乗り、アクセルをべた踏みした。その時だった、
カイル「ッ!?」
4本の腕を持った機体が目の前に現れた。機体は赤黒く、橙色のカメラアイが不気味に光っている。カイルは避けようとし、ブレーキを踏み込んだが、遅かった。その機体はディスノミアの右腕を何かで吹き飛ばすと、すかざずタイヤ部分を正確に打ち込んだ。
???「...貴様がカイル・ルーカスか?」
彼はそう聞いてきた。
カイル「まずテメエから名乗りやがれ!」
???「...貴様に名乗る名はない」
カイル「ア"ァ"!?」
???「そんなに熱くなるんじゃあない。まず話を聞け」
ヒバリ「パイロット、まず話を聞きましょう。」
カイル「クソッ」
言いたいことは山ほどあったが、カイルはヒバリの指示に従った。
???「私は貴様を殺しにきたのでは無い。ヘッドハンティングしに来たのだ。」
カイル「はあ?」
???「君はこの世に不満を持っているか...?かつての戦争の後、軍需景気により圧倒的な支配を作り出した企業の連中による統治。これに対抗するために我々は立ち上がった。」
カイル「(何言ってんだこいつ)」
???「いまや我々は一企業を潰せる程の勢力にまでなった。どうだ、貴様も我々の仲間に加わらないか?いい待遇で出迎えてやるぞ?」
ヒバリ「...」
カイル「いやだ、と言ったら?」
???「貴様が死ぬ。我々の計画の邪魔になりかねんのでな。」
ヒバリ「私はパイロットの意見に追従します。どうしますか?」
カイル「ああ、着いて行ってやるよ。」
???「こっちだ、ついて来い。」
カイル「とでも言うと思ったか歴史的馬鹿野郎がァ!」
???「どうやら本物の阿呆だったようだな。まあいい、死ね。」
彼がそう言うとディスノミアの左腕を引き千切り、
???「残念だ。」
とだけ言い、コックピット目掛けて殴りかかろうとした。
カイル「クソがァ!」
ディスノミアは宙に舞った。無傷で。
カイル「うお!?」
ヒバリ「最後の悪あがきです。」
カイル「何したんだ?」
ヒバリ「下半身と切り離しました。あと、衝撃に備えてください。」
ガガガガガガ——————ッ!
カイル「奴は!?」
ヒバリ「50m先にいますね。背中のアレのせいで飛びませんでした。」
カイル「ヘアッ!」
どうしようかと考えていると、
ヒバリ「?ちょっとまってください...。後ろから新手です。」
絶望するしかないじゃない

+ 第十一話
第十一話「救援」
ヒバリ「後ろから新手です。」
ヒバリは冷静にそう告げた。短い人生だったなぁ...などと回想を始めようとしていると
ヒバリ「カイル、喜んでください。救援です。」
カイル「え」
そんな訳がないだろう...と諦めていると通信が入った。
???「こちら夕張重工業「夕張 義久」だ。救援信号を探知。助けにきたぞ」
夕張と名乗る人物とその機体がカイルの前に立った。その機体は防術機とは一回り大きい機体だった。
夕 張「あの紋章...キルギシートの連中か!」
???「ほう、貴様は中々に博識のようだな。」
夕 張「仲間が貴様らに殺されたんでな...忘れるはずもない...」
???「今更気づいても遅い。もう計画は止まらない。」
夕 張「黙れ!」
そういうと敵に一瞬で肉迫し、右の剣をコックピットのある場所に突き刺した。
夕 張「...無人機か」
無人機から剣を抜いた。
カイル「あ、あのー」
夕 張「大丈夫か、君。」
カイル「なんとか生きてます...」
夕 張「それは良かった。君、名前は?」
カイル「カイルです。救援感謝します。でも一体誰が救難信号を...」
夕 張「?君はうちの社員ではないのか?じゃあなぜ我が社専用の救難信号を...
と言いかけた。すると夕張は声のトーンを上げ、
夕 張「その機体...WC-02じゃないか!なぜ非正規品がこんなところに!あとその背中に背負っているものは...200mm対ケースフット電磁砲じゃないか!ということは...」
ヒバリ「お疲れ様です、社長。お元気でしたか?」
夕 張「君もいたか、ヒバリ」
カイル「アノー」
夕 張「君、カイルと言ったな。もしかしたら君は我が社の救世主かもしれない...」
カイル「!?」
夕 張「君、どうやってWC-02を手に入れたんだ?」
ヒバリ「それはですね...」
話が急すぎて付いていけない...

+ 第十二話
第十二話「再就職」
数時間待つとレッカー車が来た。待っている間に何故俺がディスノミアに乗っているのかなどの経緯を話した。
夕 張「喜べ、WC-02が帰ってきたぞ!」
社員1「そんな訳無いでs...ほんまや!」
夕 張「発見者は彼だ!」
カイル「あっどもカイルです」
社員1「感謝するよカイル君!ああこれで給料が元に...」
夕 張「話しを聞いたんだが、君カイル君の家にWC-02を落としたらしいじゃないか」
社員1「え」
夕 張「それに落とした事に気付かないなんてどういうことかね?」
社員1(あっこれは)
夕 張「減給だ」
社員1「あああんまありだあああああ」
社員2「妥当だ」
社員3「†悔い改めて†」
社員1「お前ら...」
ヒバリ「作業して下さい」
社員123「アッハイ」
ヒバリにそう言われると彼らはせっせと作業を始めた。
カイル「陽気な人達ですね」
夕 張「だろう?」
ディスノミアの積み込みが終わり、トレーラーに乗り込む。
夕 張「君、帰る場所が無いって言ってたな」
カイル「はい」
夕 張「そこで相談なんだが、夕張重工業に入らないか?」
カイル「え?」
夕 張「今、我が社はキルギシート対策で人不足でな。即戦力を探しているんだ。傭兵団に依頼しようと思ったがなにしろ金が無くてな」
夕 張「もちろん給料は出す。どうだ?」
カイル「もちろんです。俺が戦力になれるというのなら付いて行きますよ」
あの野郎吹き飛ばしたいしな
夕 張「協力感謝する。我々は君を歓迎するよ」
こうして俺の再就職先が決まった。

+ 第十三話
第十三話「おてんば娘」
夕 張「ようこそ、夕張重工業へ!歓迎しよう、盛大にな!」
そこは、要塞のような場所だった。白い建物が三棟あり、他にも様々な建物がある。一番驚いたのはメロン畑があったことだ。
カイル「なんで畑が...」
夕 張「儂が好きなんだ」
カイル「へぇ〜」
そんな趣旨の話しをしながら、白い建物の中で二番目に大きいものの前に着いた。
夕 張「ここが本社ビルだ」
カイルは夕張に連れられ中に入る。
社員A「あっ社長お帰りなさい〜」
夕 張「ああ、ただいま」
社員B「社長、KF-δ.strikeの整備終わりましたよ!」
夕 張「ご苦労、早かったな」
社員B「いや〜ハルの奴がいなくなったからですかねぇ...」
社長が社員と話してる間、俺は社内を見物していた。すごい清潔だなーと見ていると、こちらに走ってくる人影がある。あれ、結構速いぞ?いや待って!止まって!うおっ避けられねぇ!
ドシ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン
???「いてててて」
カイル「グホオ...」
社員B「ハル!物を持ちながら走るなと...って青年!大丈夫か!?」
カイル「な、なんとか...」
ハ ル「す、すいません!」
ハルと呼ばれたその娘はこちらに対して何度も頭を下げていた。
夕 張「ハル、今日も元気だな」
ハ ル「えへへ...」
夕 張「ああ、紹介がまだだったな。彼女はキリカゲ ハル。一ヶ月前、防術機乗りになった娘だ。そうだな...カイル、ハルの教導係になってくれんか?」
カイル「うぇ!?」
ハ ル「よ、よろしくお願いします!」
彼女はそう言って勢いよく頭を下げた。
夕 張「(ちょっと天然なところがあるから注意してね)」
カイル「は、はあ...」
これは社長の指示ってことでいいのだろうか。
そんなことを考えていると、近くを犬のロボットが通った。なかなかに可愛い。
カイル「かわいい...」
俺はこのロボ犬をよしよしした。うん、かわいい。すると、
ヒバリ「パイロット、私です。」
カイル「はあ!?ナンデ!?」
ハ ル「それは、前に作っていたヒバリちゃん専用の外部ユニットです!私が発案したんですよ!」
社員B「発想はいいんだけどなぁ...」
ハ ル「発想は ってどういうことですか!?」
夕 張「HAHAHAHA」
愉快な所だなぁ...

+ 第十四話
第十四話「胡蝶」
歓迎会の後、俺は寮に案内された。そこはキッチンやテレビやベッドなど色々な物があった。前の家より豪華な気がする。
カイル「はぁ〜疲れた」
俺はベッドにダイブした。しかし腰に硬いものが当たり何かと思うとヒバリ犬だった。
ヒバリ「重いです」
カイル「なんだヒバリかぁ〜」
ヒバリは俺を驚かすつもりだったのだろうか。俺にはもう構う気力もない。今日は色々なことがありすぎた。
カイル「寝るかぁ〜」
ヒバリ「では6時くらいに起こします。」
カイル「あぁ、センキュー....」
寝た。
起きた。が、ここはどこだ?
なにも無い、いや、正確に言えば廃墟があるばかりだ。
カイル「どこなんだ...ここ...」
辺りを見回して見るとある一人の男が空を見上げている。彼は灰色の防術機の上に佇んで居た。
カイル「あんたは...ッ!!」
話しかけようとしたその時、激しい頭痛に見舞われた。霞む目に映ったのは、灰色の機体に乗り込む彼と、迫りくる大量のナニカだった。
ドシーーーーーーーン!!!
カイル「いってえ!」
また、起きた。どうやらさっきのは夢だったらしい。
ヒバリ「おはようございます。今の時刻は5:50です。」
カイル「ん...ああ」
ヒバリ「どうかしましたか?」
カイル「いや、ただ変な夢を見ただけだ」
ヒバリ「そうですか。」
ヒバリはそう言うと今日の予定を伝えた。今日はハルともうひとりの新米の訓練に同行するらしい。
それにしても...さっきの夢はなんだったんだ?

+ 第十五話
第十五話「新機体」
ヒバリに連れられ機体のガレージに来た。そこには無残な姿のディスノミアがあった。俺は、あの無人機に殺意が湧いた。
整備1「ん、ああ、来たか、カイル」
カイル「あの...直りますか、コイツ」
整備1「直せない。互換性のあるパーツがなくてね」
深刻な顔をして整備員はそう言い放った。
カイル「それってどういう事ですか?」
整備2「コレはもともと試験機でね、ヒバリのテスト用の機体なんだ。装甲も動力も低コストで作られてる」
整備1「んで、ヒバリが正常なOSだと分かったらまた新しい機体を作る予定だったんだ」
カイル「ということは?」
整備2「コイツはもう退役だよ、DC-00...じゃなくてディスノミアは。だが、同時に新機体の製造も行われてる」
カイル「と、いいますと?」
夕 張「機動力と火力を兼ね備えた機体〈DysnomiaⅡ〉だ」
カイル「DysnomiaⅡ...!?」
夕 張「ディスノミアに残っていた戦闘データを元に君専用に作っている。つまりワンオフ機体だ。」
ヒバリ「装甲が無いのはカイルの回避率が高かったからですか?」
そんなに避けてたっけな?
夕 張「そうだ、カイルは回避率62%という脅威の値を叩き出している。完成を楽しみにしていてくれ」
カイル「はい、ありがとうございます!」
感謝しても仕切れない。
夕 張「そうだ、DysnomiaⅡが完成するまでの間は、このKFB-01 type-Liでも使ってくれ」
そういうと、大量に置いてある機体の内の1つを指差した。マシンガンとロケットランチャーを装備している。工兵といった感じの装備だ。
機体をみていると、横からまた、忙しない足音が近づいてきた。案の定、前を見ていないまま走っているハルだったので、俺はひらりと身をかわした。あっ転んだ

+ 第十六話
第十六話「訓練」
カイル「大丈夫か?ハル」
ハ ル「はい、大丈夫れふ...」
フラフラしながらハルが答えた。
夕 張「今日も元気がいいな、ハル。さっそく訓練の準備をしてくれ。アレのテストをする」
カイル(アレってなんだ...?)
ハ ル「アレのテストですね!わかりました!」
ハルは元気よく答えた。
夕 張「例のアレも積んだからそっちも試してくれ」
例のアレ...?
疑問に思いつつも俺は訓練場に向かった。その間、ハルはとても楽しげだった。
訓練場に着いた。コンテナや的など様々な物が置かれている。それらを眺めているとアナウンスが聞こえてきた。
整備3「機体を出すぞー、危ねぇから角に寄っとけー」
カイル「了解」
俺は言われるがまま隅に寄った。すると大入口から機体が入ってきた。その中に異様な機体が一機ある。黄金の甲冑を纏っており、そして何よりも特徴的なのは、でっかい剣を持っていることだ。
ハ ル「でっ出来てるーーーー!!!」
ハルは目を輝かせながらそう言った。そして、その機体のハッチまで駆け上がった。
ハ ル「はやく!!!!!!テストをしましょう!!!!カイルさん!!!!」
俺は勢いのまま機体に乗った。

+ 第十七話
第十七話「訓練2」
機体に乗るとまたアナウンスが聞こえてくる。
アナ1「今回、カイルさんにはハルさんの訓練の補助をしていただくと同時に夕張重工業の操縦システムに慣れていただきます」
カイル「ディスノミアと同じじゃないのか?」
アナ1「はい、DC-00は車の操縦システムに似せてありますからね。あなたに乗っているその機体、KFB-01 type-LiはDysnomiaⅡの操縦システムとほぼ同一です」
車なのか...だから素人の俺でもある程度操縦できたのか。
アナ1「では訓練を始めます。ハルさん、聞いてますか?」
ハルは横で機体を自由自在に動かしていた。
ハ ル「はい、聞いてますよー」
アナ1「あなたの乗っている機体、〈Aristcrasia〉は...ってあなたも設計に関わっていたからわかりますか。説明は不要ですね。そうですね、まず剣で標的1を斬って見てください」
ハ ル「はい!」
そう言うと、剣を地面に突き刺し、ふわりと浮き上がった。そして、標的1を縦に斬った。
カイル「え」
アナ1「普通に斬ったらいいでしょうに」
ハ ル「つい興奮しちゃって...」
アナ1「では、標的2〜8を続け様に斬ってください」
ハ ル「ハイッ!」
補助いらないんじゃないかな。
そう思いつつハルが標的をズバズバ斬っていくのを眺めていた。
アナ1「...素晴らしい成果です、ハルさん。慣熟過程は必要無さそうですね」
ハ ル「アナウンスさん!アレ試してみていいですか!」
アナ1「わかりました、少しお待ちください」
カイル「なぁハル、アレってなんだ?」
ハ ル「見ればわかりますよ!」
カイル「お、おう...」
アナ1「準備が出来ました。ハルさん、いつでもどうぞ」
ハ ル「よし、じゃあ最初から全力全開で行きますよー!CF-Hybrid system起動、モード[羅刹]!」
ハルがそう言うと機体から濃紺の粒子が溢れてきた。そして、機体が殺人的な速度で右へ左へ動き始めた。そしてその粒子を纏った剣で標的を切り刻んだ。
OS-a「CF-Hybrid system停止。」
ハ ル「ぐええ...やっぱり目が回るぅ...」
アリストクラシアはその場に座り込む様にして止まった。
カイル「す、すげえええええええ!!」
す、すげえ...それしか言葉が出てこない。
夕 張「見ただろう?アレが我が社が誇るシステム、[CF-Hybrid system]だ!」
ヒバリ「説明しましょう。」
カイル「あ、最近出番なかったヒバリさん」
ヒバリ「それは置いといて。この[CF-Hybrid system]は、夕張重工業で作られた新粒子[ML粒子]を使ったシステムです。ジェネレーター内の燃料にML粒子を混合させることによって、擬似的にCFぐらいの機動性を出すことができるのです。詳しく説明しますと......」

カイル「な、なるほど...」
夕 張「要約するとこうだ、①使いすぎると機体が動かなくなる ②ML粒子は変化させやすいので様々なことに使うことができる ③ML粒子はメロンからできている」
カイル「はえ〜すごいですね...」
夕 張「DysnomiaⅡにも搭載するつもりだからよろしくね」
カイル「やったぜ!」
アナ1「今日の訓練はこれで終わりです。お疲れ様でした」
CF-Hybrid system...DysnomiaⅡ...完成が楽しみだ...!!!

+ 第十八話
第十八話「宣戦布告」
俺は夕張重工業で安定した生活(?)を過ごしていた。新機体のテストや設計の手伝い、挙げ句の果てには畑を耕したりもしていた。
そんな時だった。キルギシート団長「ジル・ブラスロード」によって全世界に対して宣戦布告が行われた。エリアAUに存在する「VDrake社」が多くのモノに焼き尽くされる映像と共に。
ヒバリ「カイル、起きてくd」
カイル「社長に繋げてくれ!」
ヒバリ「了解です」ピローン
夕 張「カイル、状況を説明する、エリアAUに存在していたVDrake社からの応答が無い!それと全エリアに多数の敵性反応、既に多くの監視船が撃沈されている!」
カイル「アイツらいつのまにそんな戦力を...!」
夕 張「そして、我が社周辺にも敵性反応が多数、「TeW社」と共に掃討作戦を開始、作戦名を「クローチハンティング」とする」
カイル「俺は何に乗れば良いんだ?」
夕 張「それなら、今調整が終わったDysnomiaⅡに乗ってくれ!ヒバリ君、細かい調整を頼む!」
ヒバリ「全力でサポートします。」
夕 張「3番ゲートを開けてある、すぐに向かってくれ!」
不安しか無かったが、奴らをそのままにしてはおけない。俺は3番ゲートへ向かった。

+ 第十九話
第十九話「実戦投入」
アナウンス「ゲートが開きます。ゲートが開きます。」
無個性かつ流暢な声が出撃ゲートに鳴り響く。俺はまだ新品の匂いのするシートに座りながら大きく息を吸って、吐いた。
アナウンス「タッチパネルアップ。圧力上昇。ゲート周辺敵性反応無し、オールグリーン。カタパルト固定解除。出力上昇。」
ヒバリ「パイロットケース調整終了。FCS調整完了。バラストシステム異常無し。モニター起動します。」
真っ暗だったコックピットに光が差し込む。
アナウンス「出撃準備完了。出撃準備完了。」
ヒバリ「行きましょう、カイル。」
俺はレバーを握り直し、前を見据えた。
カイル「カイル・ルーカス、DysnomiaⅡ出ます!」
急な加速が俺をシートに縫い付ける。一瞬の浮遊感の後、重い衝撃が機体を襲った。
カイル「ッ!」
ヒバリ「衝撃緩和システムに異常が見られます。現地での復帰は不可能、我慢してください」
カイル「んな殺生な!」
ビビッ
ヒバリ「無線が入りました、夕張社長からです」
カイル「了解、繋げてくれ」
ピポッ
夕 張「カイル君、無事に出撃できたみたいだな」
カイル「ええ、なんとか」
夕 張「時間が無いから今回の作戦の説明をささっとする」
「今作戦では、君とハル君の働きがとても重要となる。ハル君は君の600m先ですでに交戦中だ。そこで君には敵部隊を後方から狙撃、指揮官機を撃破してもらいたい。敵部隊については解析班がもう特定を終わらせている。どうやら全て無人機みたいだ。指揮官機にはマーカーを付けておくから良く確認しておいてくれ。敵の指揮官機を撃破した後は素早く敵中枢へ奇襲をかける。敵大隊とはVDrake社が交戦中だが長く持ちそうに無い、迅速に作戦を遂行してくれ」
ヒバリ「指揮官機を無力化すれば他の随伴機も無力化するので随伴機との無駄な交戦は避けた方が良いでしょう。」
カイル「了解!ヒバリ、バックアップ頼む!」
ヒバリ「言われなくとも」
〜カイル出撃十分前〜
ハ ル「んあああ敵が多いいいい」ガキンッズシャッ
隊 長「愚痴言ってる暇があったら機体を動かせってんだ!」ダダダダダダダダダッ
ハ ル「もうアレ使いたい!」
隊 長「ダメだ、それは今回の作戦の要だからな」
隊員1「敵戦力解析完了、こちらには指揮官機が4機、随伴機が40機いる模様」
隊 長「ドレイク(VDrake社)の方はどうなんだ!」
隊員1「指揮官機10機、随伴機が100機です。そして、ドレイク側の戦力はそれの半分にも満たないです」
隊 長「そう長くは持たんか...解析班の解析結果はまだか!」
隊員2「もう5分待ちやがれ、だそうです」
隊 長「よし分かった、お前らァこのままここを維持するぞォ」
全隊員「イエッサー!」ダダダダダッ
ヒバリ「指定ポイントへの移動を完了。カイル、やることは分かってますね?」
カイル「もちろんだ」
右手に持っているライフルでマーキングされている機体を狙う。奴らの動きは速い...が、一定の規則性がある。
カイル「......そこだッ!」
ライフルから放たれた弾は真っ直ぐ敵機に向かっていった。そして...
ガァン
敵機の脚部を貫いた。動けなくなった敵機を続けざまに打つ。3回、バイタルポイントへ命中した後、敵機は爆破炎上した。
ヒバリ「ナイスヒット。続けて左の機体を狙ってください。」
カイル「OK」......パァン!
さっきと同じ要領で撃破していく。3機続けて撃破した。
ヒバリ「3機目の撃破を確認。残りは味方部隊に任せましょう。それより...」
カイル「ああ、分かってる」
「こちらカイル、VDrake社は大丈夫か!」
ハ ル「すでに半数が撃破されています、敵の数は指揮官機が7機、随伴機が68機です!」
カイル「了解だ、ハル、作戦通りに中枢を突破するぞ!」
ハル「はい!」
ヒバリ「スナイプモードからインファイトモードに移行。」
敵中枢へ奇襲を開始した。


+ 第二十話
第二十話「剣と火花と紺炎と」
ヒバリ「敵集団背後まであと500m」
カイル「ハル、準備はできてるか?」
ハ ル「任せてください!」
ヒバリ「タイミングはこちらが指示します。それに合わせて発動してください。」
ハ ル「わかりました!」
敵が視認範囲に入る。そこには、タンクなどが付いた重機のような機体群がせわしなく蠢いていた。
ヒバリ「CF-Hsys"羅殺"発動まで3、2、1...」
ハ ル「今だぁ!」
アリストクラシアから紺色の炎が滲み出る。それは、機体全体をあっという間に包み込んだ。そして、ふわりと宙に舞ったかと思うと驚異的なスピードで敵集団に突っ込んでいった。
ハ ル「はああああああ!」
アリストクラシアは剣を携え、重機群をあっという間に切り裂いていく。
ヒバリ「道が出来ましたよ、カイル。」
カイル「よしっ突っ込むぞ!」
ヒバリ「敵中枢へ到達、指揮官機反応多数。」
カイル「問題なしだ!」
俺は機体を指揮官機へ撃ちつつ肉薄させ、トドメをバイタルポイントに打ち込んだ。
ヒバリ「クリア。」
その後、素早く機体をターンさせ、次の目標に向かう。指揮官機はこちらに銃口を向け無機質な頭をのぞかせていた。
カイル「チッ!」
機体を急加速させ、一気に近づくと同時に敵の銃を左腕部で押さえ込んだ。そして、撃つ。
ヒバリ「クリア。残り5。」
次の目標に向かおうとしたが、無人機がこちらに接近してきていた。どうやらターゲットがこちらに移ったらしい。
カイル「接近戦闘に移る!」
ヒバリ「了解。ブレード"YJS-M2"展開。」
ライフルに付けておいたブレードを展開する。
カイル「邪魔だッ」
腕部を一刀両断し、そのまま胴部と脚部別々にした。
ヒバリ「進路上に二機確認、そのままやって下さい。」
一機、二機と同じように斬り、指揮官機にも斬ろうとしたその時だった。
ガッキ-ン
カイル&ヒバリ「あ」
ブレードが砕けた。
カイル「緊急回避いいいいいいいい!」
間一髪避けた。そして、そのまま後退しつつ撃ちまくった。
ヒバリ「オーバーキル。」
カイル「仕方ねえだろ!?」
ヒバリ「それより、任務は終わったみたいですよ。」
カイル「アレッ残りの5機は?」
ヒバリ「それなら...」
夕 張「 私 だ 。 」
そこには、指揮官機の首を高々と掲げている"KF3 δ-strike"の姿があった。
社長に全て任せればいいんじゃないかな

+ 第二十一話
第二十一話「 」
夕 張「 私 だ 。 」
そこには、指揮官機の首を高々と掲げている"KF3 δ-strike"の姿があった。
カイル「あ、あれ?社長?」
夕 張「そうだ、私だ」
ヒバリ「社長。」
夕 張「なにかなヒバリ君」
ヒバリ「社長にあれほどの戦力だったならば、カイルが出撃する必要は無かったのでは。」
夕 張「あーそれはねぇ..."こいつ"が機嫌良くないと動いてくれないんだよ」
社長はそう言いながらふぅ、とため息をついた。
夕 張「起動は安定しないわ起動したとしても連続稼働時間は短いわでな、まともに戦力として考えちゃぁダメなんだ」
ヒバリ「そうなんですね。」
夕 張「それに、今回の戦闘はDysnomiaⅡの実戦データ取得も兼ねている。カイル君、どうだったかい?その機体は」
カイル「不満無しです」
夕 張「そりゃ良かった、んじゃ、あそこに転がってるハルを拾って帰ろうか!」
カイル「はい」
ヒバリ「...?」
カイル「どうしたーヒバリー?」
ヒバリ「いや、特に何も。」
ミッションが終了した。
???「どうしたんだ?急に戦場を視たいだなんて」
???「特に理由は無い」
???「そうかー?まぁ団長さんがそう言うならそういうことにしといてやるよ」
???「ああ。......こちらも"視"られているからな、早急に帰還するぞ」
???「へいへーい」
ドヒュウッ
???「やつら、気づいていたか...だが、必要なデータは得られた、やはりアイツは......」

+ 第二十二話
第二十二話「鏡」
前の作戦から3日が経った。キルギシートの出現により混乱した世界は再び戦争への道を進み始めた。突如世界へ宣戦布告をしたキルギシートはその展開力によりエリアOSを占拠。その為、エリアJP及びエリアASが最前線となった。それにより、すでにキルギシートとの戦闘経験がある夕張重工業が主となり、防衛作戦を展開するのであった。
整備A「こりゃあ整備が面倒だなぁ」
DysnomiaⅡの跳躍装置を弄りながら言う。
整備B「なんだこの銃...」
マニュアルに無いライフルを見て言う。
ハ ル「愚痴を言わない!すぐに出撃令が出るかもしれないんですから頑張ってください!」
コックピットから顔を出してハルが鼓舞した。
整備B「ああ、そうだな、俺たちを守ってくれるのも彼等だからな。戦場に出られない分、頑張らねば」
整備A「おう、そうだな」
カイル「あの、この方達は?」
カイルの前には、容姿が整った爽やかな青年と、屋内なのに顔全体を覆うタイプのヘルメットを被っている変人と、夕張社長がいた。
夕 張「ああ、紹介しよう!こちらの好青年が"アーノイド・ヴァースタイン"、なんと円卓の一員だ!」
ア–ノイド「ご紹介に預かりました、アーノイド・ヴァースタイン、V-Drake社からの要請を受け参上しました。気軽にアーノイドとでもお呼び下さい」
まさに"貴族"という言葉が似合うような人だ。
夕 張「そしてこの常時戦闘態勢の変人が H-hrtkだ!」
H-hrtk「(よろしく、とでもいったようにピースサインをする)」
カイル「よ、よろしくお願いします...」
夕 張「もう説明したように、我が社は対キルギシート前線の司令所として機能している。今日、人員が何十人か補充されたところだ。だが、彼等は主に企業連合軍の指揮をし、我ら夕張重工業は別で行動する。三人共これからがんばってくれたまえ!」
カイル「はい!」
ア–ノイド「仰せのままに」
H-hrtk「(グッと親指を立てた)」
色々な式を終えた後、自室へ戻った。
ヒバリ「カイル、お帰りなさい。」
カイル「ああ、ただいま」
一直線にベッドへ向かい、ルパンダイブする。
カイル「明日は8時に起こしてくれ、そして9時からミーティングの予定だ」
ヒバリ「わかりました、アラームをセットしますね。」
ヒバリ「あと」
カイル「どうした、ヒバリ?」
ヒバリ「微弱ながら私と同じような反応を検知しました、何か居ませんでしたか?」
カイル「いや、いなかったけど?」
ヒバリ「そうですか。」
寝た。
夕 張「これより、ミーティングを始める。まず、今回このチームへ参加してくれた全てのものに感謝する。我らが目指すのはキルギシートの打倒だ!もう一度、この世界の平和を取り戻すぞ!」
全 員「はい!」
夕 張「まず、敵の機体についてだ。こいつらは全て無人機だという報告が上がっている。そして我々はこの無人機の事を"K-bit"と呼称した。K-bitは現在分かっている中で大まかに7つのタイプに分かれている。凡庸型、近接型、高速型、砲撃型、飛行型、輸送型、自爆型、指揮型、だ。凡庸型は優れた部分のない、基本的なタイプだ。近接型は鉈のような物を装備していて、それを機体に叩きつけてくる厄介な野郎だ。高速型はその名の通り、他のタイプと速度が抜きん出て早いタイプだ。だが、装甲は脆いらしい。そうなんだろ、ヒバリ君」
ヒバリ「ええ。夕張重工業に普及している"YJAR-01"で易々と貫通するほどの強度です。」
夕 張「ヒバリ君の言った通り、よーく狙えば倒せる相手だ、落ち着いて狙えよ。次は砲撃型だが、これは戦闘状態になると固定して射撃する後方支援タイプだ。次は飛行型だが、まだエリアJPでは確認されていない。暫くは制空権が取れそうだ。そして、輸送型だが、こいつは戦闘能力を持っていない。エリアEUでは、上陸寸前のこいつを沈めて上陸を防いだらしい。ああ、言い忘れていたが、K-bitは耐水性が皆無だ。だから上陸される前に輸送型をやれば良いんだが...エリアOSではその方法を取って全滅されたらしい。そして、次は一番厄介かもしれない自爆型だ。こいつはエリアOSで主に見られたんだが...端的に言うと"機体に接着後、爆破している"。OSで主に展開されていたフレイヤはこいつ10機の爆発で大破したようだ。そのことから、1機の爆発力は低いと考えられる。そして、最後の指揮型だ。指揮型は1機ごとに50機管理されている。そして、指揮型を撃破すると、管理されていた50機は機能を停止するか、他の指揮型に管理が移行する」
ハ ル「では指揮型だけを撃破すれば良いのでは?」
夕 張「そうだが...なにしろ護衛が多いそうだ。前の作戦は極めて特殊な事象らしい」
ハ ル「むむむぅ...」
夕張「っと今日はここまでだ、各員今日から頑張っていこう!」
全員「はいッ!」
カイル「疲れた...」
ヒバリ「カイル、格納庫に向かってください、とハルさんが。」
カイル「ん、ああ、了解」
俺はすぐに格納庫へ向かった。

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最終更新:2018年03月01日 00:13