報告書「奇石」 - 忘却のテソロ | 一次創作企画

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機密事項。

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報告書 No.1

No.1

あの日、我々が願いの力を糧として生きる様に変化したその瞬間。
決して少なくない数のテソロが内側から溢れ出た真っ黒な何かに飲み込まれ、大きな化け物に姿を変えた。

皆には変化に耐えられなかったものとだけ伝えているが、アレは溢れ出た願いの力の塊だと僕は推測している。

ひとまず、この未知の生物をクラッシュと呼ぶことにする。

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報告書 No.2

No.2

このクラッシュという存在は未だ不明な点が多いが、あれは「テソロとは程遠い生物」であるということだけは確証が持てる。
あの生き物は我々テソロのように思考する事はない。あれは目の前に存在する願いの力に反応するだけの生物なのだ。

テソロが死ぬ際に感じた未練、言い換えれば『願い事』に反応した願いの力はその願いを叶えようと働く。その結果、受け皿を失った願いの力はテソロというガワを食い破り大きな化け物へと形作る。
この『願い事』の影響なのか、彼らはなるべく元の姿に近い形を取ろうとするらしい。そのせいか元の面影を追ってクラッシュに近づく者達が絶えない。

そして、皆食われてしまう。

彼らは『願いの力』に反応する。
そう、僕たちテソロは彼らにとって餌に過ぎないのだ。

…今の所、彼らを元の姿へと戻す手立ては見つかっていない。

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報告書 No.3

No.3

核が破壊されても死ななかったテソロがいるらしい。
クラッシュ化していないと言ってもかなり不安定でいつ完全に壊れてしまってもおかしくはない状態ではあるのだが…
クラッシュになった者との違いを調査しなくては。

ひとまず彼らを核無しと呼ぶ事にした。

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報告書 No.4

No.4

死んだ核無しから綺麗な石が出てきた。

それに触れた

石は消えてしまって、顔を上げたら

そこには彼女がいた。

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報告書 No.5

No.5

彼女は消えてしまった。
一瞬だった。

幻なのかと思ったが、確かにそこに居て。僕に笑いかけてくれたのだ。
あの石は何だったのだろうか。

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報告書 No.6

No.6

テソロの概念を書き換えた際、僕は脆いテソロでも願いの力を保持できるよう核という存在を作り出し、そこに願いの力を込めるようにした。
よって核が破壊されるとテソロの体が願いの力を保持できずに死んでしまうのだが、どういう訳か核無しは核がなくても生きている。

彼らの持つ強力な意志が、願いの力を保持し続けているのだろうか。
あの石と関係がありそうだ。

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報告書 No.7

No.7

あれから何匹ものテソロの最期を見てきた。

あの石は核無しに籠められた強い意志。
そして、それに反応した強力な願いの力の塊なのかもしれない。

この石の事を「奇石」と呼ぶ。

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報告書 No.8

No.8

奇石は、触れた者の願いをほんの少しだけ叶える。
例えどんなものでも。富を願えば魔石が現れ、名声を願えば皆の目線が向けられる。
そして、失われた者を願えばその者が現れる。

…もう一度、彼女に逢いたい。

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報告書 No.9

No.9

核無しをまた一人処分した。

彼らは自分の歪さを嫌ってか隠れて暮らしているようだ。核無しの存在すら知らない者も多い。今のうちに、核無しの存在ごと隠してしまおう。

奇石は、誰にも渡さない。

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報告書 No.10

No.10

集まった奇石を使って今日は彼女と少しだけ話せた。でも、いつかは消えてしまう。

もっとたくさんの奇石があれば…
たくさん集めて、一度に使えば、彼女はきっと…

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報告書 No.11

No.11

×××事件

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報告書 No.12

No.12

彼らの存在が見つかってしまった。

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……どうやってここまで忍びこんだんだい。
え？…あはは、この資料は昔のおとぎ話みたいなのものさ。
本当にこんな事があったらオブリヴィオンはこんなに平和な街にはなってないよ。

この沢山ある石？
…うーん、僕もこれはよくわかってないんだ。
危ないから触っちゃダメだよ。

ほら、こんな埃っぽい場所に長居してたら良くないよ。
出口はあっちだから早く帰るといい。

…あぁそうだ、ここの事は"決して"誰にも話してはいけないからね。
この街が平和である為にも、ここで見たものは全て忘れて自分の居場所に戻るといい。

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詳しく

奇石は手にした者の願いをほんの少しだけ叶える不思議な石。
核無しが死んだ際に出てくる事が稀にある。
石に籠る『願いの力』はどんな願いでも少しだけ叶えることができる。

核無しはこの石の存在を隠すために存在を隠され続けていたが、数十年前に発見された。
この石が公になるのも時間の問題だろう。

現在この情報を知っている者は一部の者のみであり、秘密裏にその存在を追っている。