阪神淡路大震災における最大の死因は「圧死」
17日で阪神淡路大震災から25年を迎えました。
戦後最大と言って良い
都市直下型地震であるこの地震は、死者の半数以上が圧迫死だと言われています。
地震の際、圧迫死を防ぐ方法は幾つかありますが、主に建物に対する対策と家具に対する対策に分けられるでしょう。
それぞれについて解説していきます。
建物に対する対策「調べる・補強する」
まず、建物に対する対策としては、新耐震基準と呼ばれる耐震基準を満たしているかどうかの確認が必要です。
新耐震基準とは昭和56年6月1日に適用された建築基準法における耐震基準のことで、震度6強から7程度の揺れでも倒壊しないような構造が求められています。
逆に言えば昭和56年6月1日以降に建築の申請がなされた(竣工した、では無いところに注意) 建物であれば、この基準を満たしているはずです。
但し、その後の劣化次第で耐震基準を満たさなくなっている場合があるので、定期的な診断を受けることをお勧めします。
次に、それ以前の建物は自治体によっては耐震診断に対し補助が受けられる場合がありますので、自治体に確認を取って耐震診断をしっかり受けることをお勧めします。
これも自治体次第ではありますが、基準を満たさなかった場合の耐震補強に対し、助成がでる自治体もあります。
家具に対する対策「離れる・固定する」
家具に対する対策ですが、まず、寝るところに家具類が倒れ込まないようにするのが一番です。
ベッドや布団の位置から高い家具まで、十分な離隔を取るようにしましょう。
次に転倒防止グッズの活用です。
固定金具や耐震ジェルなど、色々な物がありますが、注意書きをよく読んで、正しく使いましょう。
恐ろしい「クラッシュシンドローム」とその対策
最後に「クラッシュシンドローム」について。
家具などで圧迫された人を救助した後に、圧迫された部位より心臓から遠い位置(壊死した部位) にたまった成分が体に循環し出すことによって起こる現象で、これによる死者が多数に上っていることもこの地震の特徴です。
長時間がれきなどに圧迫された人を救助する際は、救出後の迅速な措置が必要です。
専門家(出来れば医師) の立ち会いの下で救助を行なう、もしくは救助後即病院など措置が行える場所へ連れて行けるような態勢を整えておくことが必要です。
最後に
今回、阪神淡路大震災で一番多かったと言われる死因、「圧死」を防ぐ為には事前にどういった対策が出来るか、と言った観点を中心に、この啓発文を書かせて頂きました。
もちろん、この中では書き切れなかったところもあり、地震が起こった際に気をつけることなども含めるとかなりのボリュームになります。
このコラムの範囲をしっかりやっておけばOKでは無く、これに加えてどういった対策が有効かといった事を話しあうたたき台にして頂けますと幸いです。
最終更新:2020年01月18日 19:58