ロールプレイ

本編における「ロールプレイ」はキャラクターの強化手段。
ゲームキャラとして本来設定されている限界を逸脱し、「ぼくの考えた最強のキャラ」を現実に変えること。


一般用語におけるロールプレイは、ロール(役割)をプレイ(演じる)こと。
「役割演技」はゲームだけでなく研修や訓練などにも使われる方法論であり、
例えば接客業では「店員」と「客」を演じる二人が実際の接客の場面を想定したやり取りをすることで、
疑似体験を通じてどんな対応が適切かを直感的に学ぶことができる。
在り様としてはざっくりと立場を設定した即興劇(エチュード)に近い。

ゲームジャンルとしてのロールプレイは、俗に「RPG」と略して呼ばれるもの。
細分化・形骸化しているものもふくめ特徴は多岐にわたるため一概には言えないが、
一般的には「キャラクターを操作し」、「成長させ」、「探索や冒険を行う」ものが多い。
カードゲームや戦略ゲームと異なり、ゲームの主体が手札やユニットではなく「キャラ」という点に特徴がある。
また、キャラに重きを置く都合上、RPGはシナリオが重視される傾向にある。
舞台となる世界と物語を登場人物の視点で楽しむゲームと言ってもいいだろう。

プレイスタイルとしての「ロールプレイ」は、キャラクターになりきり、舞台となった世界に生きる人物として振る舞うことを指す。
キャラクリで設定できる容姿や名前、職業、能力といった項目に加え、
出身地や趣味、信条や口調、善悪の行動指針をはじめ詳細な背景情報を(勝手に)設定し、
キャラ設定を遵守した言動を心掛けることでゲームの没入感を高めるプレイスタイルである
特に他プレイヤーとのコミュニケーション要素のあるオンラインゲームにおいては一定の市民権のある遊び方であり、
ハウジングや箱庭モードで好きな家具を飾ることで「キャラの日常生活」の解像度を上げたりするのもロールプレイの一種と言える
詳細なキャラ設定を構築しなくとも、高品質なクラフト品を作って市場に安く流す「職人ロールプレイ」や買い付けた品を遠隔地のプレイヤーに売却する「行商人プレイ」、特定の拠点を持たずに旅をする「放浪プレイ」など、
ゲーム攻略に直接関係しない部分でのこだわりに楽しさを見出す遊びがロールプレイである


ゲーム、特にRPGってジャンルのキモは"ロールプレイ"、キャラクターを『演じる』ことにある。
プレイヤーはその世界に生きるキャラクターとなって、世界を救ったり仲間を助けたり強大な敵と戦ったりする。
感情移入したキャラクターの成長や成功を追体験することがRPGの楽しさの本質と言って良いだろう。
(10章>122)

  • ロールプレイ理論
「この世界はロールプレイングゲームだろ。ロールプレイが足りてないんだよ、お前ら」

この理論は単なる「ゲームシステムの再解釈/拡大解釈」に過ぎない。
これまでもブレイブ一行が――特に明神が自覚的に使ってきたテクニックだ。

アンデッドは未練を核とする存在/故に未練に纏わるアイテムはアンデッドを変質可能。
スペルカードはスマホ経由の魔法/ならば魔法を学べば外部からその詳細を書き換えられる。
ブレイブには勇気のステータスがある/だから任意の行動を勇気によって補正する事が出来る。
イクリプスはTPSアクションゲームの出身だ/ブレイブとは一線を画すスピード感はその為だ。

だったら――この世界はロールプレイングゲームだ/当然ロールプレイは現実に作用する力を持つ。


「『最新ゲームのキャラクター』じゃ役不足なのさ。ある筈だろ、お前達にも。
 イクリプスになって、この星に来た背景が――役割が。それを活かせ」

エンバースがこの理論を見出したのは――自身の変容がきっかけだった。
ダインスレイヴを鍵に「魔王」と化した/ミハエルを倒し「世界一のブレイブ」になった。
そうした事で――自分とフラウは魔法とも剣術とも付かない「ギミック」めいた力を扱えるようになった。

それにこれならミハエル・シュバルツァーの変容にも説明がつく。
彼の過剰すぎる落胆は「チャンピオン」のロールを初めて失ったが故の反動なのだ。
(10章>150-151)

エンバースが提唱した、ロールプレイが現実に作用する力を持つのではないかという理論。
精神力ブースト的なものを指している(かなり程度が大きい気もするが)とも、それ以上の超常的な力が働いているニュアンスにも取れ、
各キャラが様々な解釈をしている。

カザハの解釈】
あっ、情報といえば……これもしかして、それっぽい嘘情報を与えて敵陣を混乱に陥れるのが目的!?
本当だったら、普通に考えるとわざわざ敵に教えてあげるメリット、こっちにないよな!?
でもそういえば、驚き役(?)やってたころは、なんとなくだけど敵にあんまり狙われなかった気がする……!
驚き役とか解説役といったポジションは、なんとなく敵の攻撃を受けないのが創作物のお約束である。
もしかして、その場の状況に合わせた歌詞の呪歌が大きな威力を発揮する仕様って、ロールプレイ理論の一種なのか?
(10章>164 半信半疑ながらも、実際に自分達の認識している理論で説明できる範疇を超えた、システムによる超常的な力が働いている予感がしている)

【明神の解釈】
――エンバースの指摘。
単調なモーションに縛られているイクリプスに対し、俺達の行動は明らかに自由度が高い。
行動の度にATBゲージを貯めなきゃならないが、ゲージをどう使うかに縛りはない。
一回の『攻撃』の中で、連撃もすればフェイントや攻撃後の回避行動まで盛り込むことが出来る。

かつてカザハ君も言ってたことだが、コマンド式RPGにおいて詳細な描写は省略される。
『攻撃した結果』の成否判定やダメージだけで、『どう攻撃したか』が描写されることはない。
俺達は省略された描写の範疇をフル活用して自由度の高い戦闘を成り立たせてきた。

ロールプレイング……『戦う役割』をロールプレイしてきた。
ゲームシステムに、適応してきた。
それはある意味で、『ゲームのキャラ』でしかない俺達だからこそできたことでもある。
(10章>172 描写が省略されている部分をロールプレイして活用することで自由度の高い戦闘を実現することができるという、ゲームの戦術として解釈)

【ジョンの解釈】
確かにロールプレイ…かはわかんないけど…想いの力が実際助けになった事は何回もあった。
もちろん最近部長が覚醒したのだって…やっぱりそこに絆や…やっぱり想いの力ってのはあったと思う。

奴らにはチーム意識はあっても仲間意識は薄かった。
だれが一番を取り合うかのゲーム…それ以上でもそれ以下でもない…利用しあうだけのドライな関係。

でももし結束や…心の力…ロールプレイ…エンバースの言うとおり…なんらかの答えを得て次のステップに進む奴もでてきたとしたら…
意外と余裕ムードだったイクリプス戦は壮絶ハードモードになる…。
(10章>184 ロールプレイをすることによって連帯感が生まれ、それがキャラの強化等に繋がる。仲間意識による精神力ブースト説)

【なゆたの解釈】
ロールプレイの有無。それは一見すると稚拙な要素のようにも感じられたが、実のところ幾許かの真理を言い当てている。
ロールプレイとは、つまるところ没入感だ。自らの分身たるキャラクターにどれだけ感情移入できるか、
入れ込めるか――全身全霊を懸けられるか。
エンバースも、なゆたも、他の仲間たちも、『ブレイブ&モンスターズ!』というゲームのキャラクターだ。
皆が皆『自分』というキャラクターを演じている。キャラクターそのものとして生きている。
しかし、『星蝕者(イクリプス)』はそうではない。
星蝕者(イクリプス)』にとって、キャラクターは操作できる人形にすぎない。自分自身ではなく、
死んだところで幾らでも代替の利く存在でしかない。
死ねば後がない者と、死んでもやり直せるからいいと考えている者。
その覚悟の差が、双方の強さの差だ――エンバースはそう言っている。
(10章>190 ロールプレイすることによるキャラの強化を、没入感に由来する覚悟の差として説明。シンプル精神力ブースト説)


  • ロールプレイシステム
エンバースが提唱したロールプレイ理論を聞いたイクリプスがロールプレイを行った結果、
ロールプレイが現実に作用するシステムが実際に搭載されていることが明らかになった。
このシステムの存在が世間一般に認識されていないのは、
現在の世界(2巡目の世界)はバックアップでありゲームとして稼働していないため
プレイヤーが操作する新キャラが入ってくることが無かったためと考えられる。
(プレイヤー入りキャラクターの新規参入があれば、ロールプレイを始めた時に顕著な変化が見られるが
ゲーム内の存在には最初から常にこのシステムが発動しているため(後述【ロールプレイによる基本のバフ】
プレイヤーキャラクターの参入が無い状態ではこのシステムの存在に気付きにくい)

多くのイクリプスはキャラの強化のためにあまり深く考えずにロールプレイを始めたと思われるが、
場合によっては、独立した人格が出来上がり、独り歩きするように至る――
ゲーム内視点で言うと、新たな生命が出現してしまうとも言える、かなり大掛かりなシステムのようだ。
(キャラが独立した人格を宿すことがこのシステムの本質でありキャラの強化はその過程で生じる副産物である可能性もある)

一般的にはロールプレイが高水準に至るとキャラが独立した人格を宿すようだが
実際はキャラの独り歩きしやすさにはプレイヤーによってかなりのバラつきがあると考えられる。
真面目にロールプレイしていなくてほぼ中の人そのまんまでも、システムにそういうキャラと認識されて独り歩きし始めることもあるようだ。
更には(特異体質による例外と思われるが)キャラが人格を宿さないように意識的に正統派ロールプレイを避けていても、
何故か勝手に深層心理が投影された独立人格が爆誕した者もいる。
逆にいくら高水準のロールプレイを行ってもキャラが人格を宿すことがない者もいるのかもしれない。

現在の世界(2巡目の世界)には、元々は1巡目の時の上位世界のプレイヤーのPCであったが
このシステムの発動によって独立したキャラ(上位世界視点で言うとNPC)と化した者も存在するようだ。
(例:カザハ(NPC→PC→NPCという変則パターンではあるが) ベル
(ブレイブだけなのかブレイブ以外にもそのパターンは存在するのか、どれぐらいの割合で存在するのかは不明)

【ロールプレイによる基本のバフ】
原理は諸説あり明らかではないが、とりあえずロールプレイを成立させるとキャラにバフがかかるシステムになっているらしい。
ゲーム内世界の存在は特に意識せずとも最初から常にこれを受けている状態であると考えられる。

【世界五分前仮説的ロールプレイ】(仮称)
イクリプス達に見られる、新規参入キャラ特有のロールプレイスタイル。
上級者向けだが新規参入キャラの場合、キャラ設定に工夫をしない限り(後述)、
ロールプレイによるバフを受けようと思うと必然的にこれに手を出すことになる。
作成直後のキャラであるにも拘わらずキャラの設定を作ってそれをロールプレイすることによって
世界五分前仮説のような感じで実際にその能力が搭載されたり
現実には経験してないはずのそれまでの人生の記憶が搭載されたりする。
(搭載されるのが記憶だけなのかそれに合わせて実際に(ゲーム内の)現実まで改変されるのかは今のところ不明)
まだ世界を動かすシステムにキャラの設定がはっきりとは認識されていないことを利用した手法と考えられる。
既存キャラは実際に長い年月をかけてすでに設定を固まってしまっていてこの手法が使えないため
「とんだバランス崩壊システムやろ!」と反感を持つ既存キャラも当然いる。(例:カザハ)
これはブレモンがまだ人気ゲームだった時代に新規参入を促すために搭載されたシステムの名残りなのかもしれない。
ただしこの手のロールプレイは強力な反面、キャラ設定にそぐわないことをするとすぐに弱体化したり
キャラを作り込む過程で搭載した設定が逆に自らの足を引っ張ったりすることもある、扱いの難しい諸刃の刃でもあるので
意外と既存キャラとのバランス調整はされているのかもしれない。
(既存キャラは当然のことながら常にロールプレイを徹底していなくても弱体化することはない)
上手に扱えば強力なバフを起動できるスタイルであると同時に、
場合によっては作成直後にして、作り物の過去を持つキャラが独立した人格を宿してしまうという、なかなかに業が深いスタイルであるともいえる。

【すでに固まっている設定を強化するロールプレイ】(仮称)
世界五分前仮説的な手法を使わないため、こちらは主に既存キャラが行う。
自らがすでに搭載している設定(世界のシステムにすでに認識されている設定)を改めてアピールして相手にも認識させることで、更に強化する手法。

【新規参入キャラが世界五分前仮の使わずにロールプレイを成立させる手法】
イクリプスの中でも、誕生(製造)直後という設定にすることによって、
強力だがリスクもある世界五分前仮説的手法を避けつつロールプレイしている形を成立させ、基本のバフの恩恵を受けている者もいる。
記憶喪失等の設定にしても、同じようなことが出来ると考えられる。

【中の人そのまんま系ロールプレイ】(仮称)
一部のイクリプスが行っている、キャラに自分と(ほぼ)同じ名前を付けたり、ノリもほぼ中の人そのまんまだったりするロールプレイ。
果たしてロールプレイと言っていいのか微妙だが、これでロールプレイシステムを起動している者もいる。
システムの側から見ると、一応キャラとしての体裁が整っていれば、自分とは全く違う存在を真面目にロールプレイしている者と、中の人のノリそのままで振る舞っている者の区別はつかない。
そのゲームの世界観に合わせて設定をカスタマイズさえすれば、リアリティがあるロールプレイが簡単にできる手法ともいえる。
(分かりやすい利点をあげると、名前を呼ばれた時に即刻反応できる
自分と明らかに違う口調のキャラを扱っていると起こりがちな、うっかり素の口調が出てしまうことによるロールプレイの綻びを完封できる 等)
世界五分前仮説を使う手法とも使わない手法とも併用できる。記憶喪失設定+中の人と同じ名前とノリ は最強のロールプレイ初心者向けコンボかもしれない。
また、メタ発言を平気で繰り出すことについては、「自分が超常の存在に操られていることを知っていて、それを当然のこととして受け入れているキャラのロールプレイ」と解釈することもできる。
RPGの中には主人公=プレイヤー自身というコンセプトで作られているものもあり、主人公に自分の名前を付ける文化もあるので、これも一種のロールプレイの形態なのかもしれない。
本人がロールプレイしているつもりがなくても、この種のロールプレイと見做されてロールプレイシステムが起動することもあるらしい。
プレイヤーとキャラクターが同一存在であるゲーム内世界の存在がデフォルトで発動しているロールプレイに近い形態と考えることもできる。

この中の人そのまんま系ロールプレイと、上述の新規参入キャラが世界五分前仮説を使わずにロールプレイを成立させる手法は、
元々はスノウの教官(と愉快な仲間達)がロールプレイの難易度を下げる意図で(真面目にロールプレイしようとしているのかすら怪しいが)
あまり深く考えずに行ったところ、何故か強化が成立したという結果オーライから始まった手法。
これがガチゲーマー達によって分析され、記憶喪失ビルドとして発展し確立された。

こうなるとロールプレイしていると見做される状況と見做されない状況との境界が大変微妙だが、そのキャラがロールプレイをしているかの判定基準も、全貌は不明。
設定の緻密さや整合性が判定基準の一つになっていることは間違いないが、単純なキャラの濃さやキャラに思い入れを持っているか等の複数の判定基準が存在する可能性がある。

レベル3以上イクリプスの中でもロールプレイのスタイルや深度にはかなりのばらつきがあり、
油断するとプレイヤーが出てしまう、いかにもプレイヤーが演技してる感満載の者(例:アヤコ まだ独立した人格を持つには至っていないと思われる)
そこまでロールプレイをしているように見えないもののキャラ設定の工夫によって、
最低限のロールプレイでロールプレイシステムによる強化の恩恵を受けているもの
(例:スノウ 独立した人格を持つには至っていないと思いきや実は持っているがそれを表に出さずに教官の指示(操作)通りに動いており、教官もそのことに気付いていない)
ロールプレイのオン/オフを意図的に切り替えてプレイヤー発言をする者(例:バルディッシュ
(普通にプレイヤーがロールプレイしているのか、独立した人格を持つに至っているイクリプスがプレイヤー発言をする時だけプレイヤーに体を貸しているのかは不明)
イクリプスとしての言動に徹してプレイヤーの気配をあまり見せない者(例:オーロール
(上記と同じく、プレイヤーが素を見せずにロールプレイしているのか、独立した人格が自ら立ち回っていてプレイヤーは表に出ていないのかは不明)
イクリプスが完全に独立した人格を確立し、自律的に動くようになってプレイヤーと対話をしながら立ち回っている者(例:孫護空
など、様々。

全貌は不明だが、ロールプレイにまつわるシステムは他にも搭載されているようで(同じものを根底としてそこから派生しているのかもしれないが)それ全般がロールプレイシステムと言える。
既存キャラの場合も、そのキャラの根幹に関わるロールを得たり失ったりすると、明らかな強化が弱体化が起こることがあるようだ。
その延長で、驚き役とか解説役といったポジションはなんとなく敵の攻撃を受けない仕様もその場の状況に合わせた歌詞の呪歌が大きな威力を発揮する仕様もあるのかもしれない。
ゲーム内視点では精神力ブーストと解釈できる事象も含め、上位世界視点だとシステムとして設定されたものである可能性もある。
また、描写が省略されている部分をロールプレイして活用することで自由度の高い戦闘を実現することができる仕様自体がロールプレイシステムの一種とも言える。

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最終更新:2025年03月12日 21:50