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うる☆オクラ30

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だれでも歓迎! 編集
 本当は大の男が、こんなちびっちゃい女に本気で怒るのはどうかと思う。
けど毛利は心底腹が立つような事を言う女だし凄く怖いし訳が分からないし、出来ればお近づきになりたかない。
「だからな、元就そう言うこと言っちゃダメだろ、言うなってんだ」
 体張るのなんか、男の役目だ。姫やってた頃だって忘れたことはない。
やり直してハイおしまい、気が済んだなんての、一番駄目だろが。
それで毛利はいいのか。
「ふん。元親も女に夢を見るのは止めよ。優しく清らかに癒やすだけの役割など、詰まらぬものぞ」
「つまんねぇか?救う方が、ぶちのめすよかずっと大変だろ。ホントあの南蛮宗教は何教えてんだ」
 氷の面が僅かに歪む。
本当に今の紅が似合わない。
「教義も知らぬ癖に何を言う」
「そりゃ知らねーけどな、まあ愛なんだろ、それならこう……」
 何というか、もうちょっとこう色々と違ってもいいはずだと思う。
凄く厭な女なのになあ、と抱きすくめたまま首をかしげる。
放って置きにくいヤツだなあ、と。
「ならば教えてやろう、元親。ザビー教教訓その一に曰く、骨まで愛して」
「え」
 割とまともな口調で、抱きしめた腕の中から囁かれた言葉に元親は少し固まった。
「あ、教訓か」
「そう言っておる。その二に、……」
 言いかけた毛利が、ふっと言葉をとぎらせた。
元親の胸を押し、逃れ出てその腕をしなやかな動きで天へと延べる。
その腕に舞い降りる、
「あああああああ!と、鳥親ぁぁぁぁぁぁっ」
 舞のような動きで鳥親を腕から肩に移動させ、毛利は満足げに眼を細めてこちらを見た。
「この鳥はザビー教徒だ。貴様の勘違いであろう」
「カン違う訳あるかぁっ!と、鳥親ーっ」
「アアアアニキイイイイイイィィィィッ」
 呼ぶと鳥親はくく、と首を曲げて懐かしい声で喋った。
「モトチカ!アイゾ!ザビーサマ!」
「ぎゃーっ!おおお俺の鳥親ぁぁぁっ」
 鳥親は毛利にすり寄った。毛利の細い指先が鳥親を撫で、足元に括ってある紙切れを外した。
「ふん、勘違いだと言っておろうが。これは張り紙を見て入信に来た感心な鳥ぞ。
それより愛の忠実な僕にして我が情報戦略を助けておる。
……ご苦労だったな、すぐに青菜とオクラを与えよう」
「サーンデー!アイユエニー!」
 鳥親が壊れきっている。
「おおお俺はどうすればいいんだ鳥親ぁー……」
「しつこい。済まぬが褒美は後だ、此奴が煩くて構わぬ。暫く好きにしていよ」
 紙切れを広げながら、苛々と毛利が言い放つ。
「サンデー?オタカラ!」
 鳥親は一度元親の肩に飛び乗り、懐かしい言葉を言ったかと思うとまたも空に飛び立った。
「あああぁぁぁぁあああぁあ………とりちかぁぁぁぁぁ……」
「ふむ……元親、良い知らせぞ」
「何がいいんだ何が……あああぁぁ………」
 思えば頭のいい鳥だった。気ままで奔放な所も気に入っていた。
鮮やかな羽の色合いが南海の空と海によく映えていた。
一月や二月の外泊は良くあったが、それでも元親を見忘れることはなかった。
 甲板で働いていた子分がアニキー、と哀しげな声をかけてくる。
すまねぇな、今は叫び返す元気が出ねえ………
「……我の身を案じていた時よりよほど堪えているようだが。まあよい、豊臣が引いたぞ。
更に我が企画した合同懇親会に徳川、本多両名の参加も確定した。
やはり同盟国伊達からの押しが効いたか、ふふ……」
 声が右から左へ素通りする。
……鳥親……元気でな……子供が生まれたら見せに来いよ……
「これぞ我が戦略、友達の友達は皆が友、つまり友達の輪作戦ぞ」
 たまには、遊びに来いよ……
「聞かぬか!」
 踵で足先を踏まれて我に返った。
普通ならもの凄く痛いのだろうが、尖ってない踵と軽い体重に救われた。
「元親はどうする。西国で返事がないのは元親の所だけぞ」
「え?あ?なんか来たっけ?」
 衝撃さめやらぬ元親を毛利が睨む。
「出航する前に届いているはずだ。ザビー様の城で出会った少し後か」
 その頃届いたのは、山ほどのザビー教入信の手引き。
もちろん読まずに棄てた。
「悪い。間違って棄てたかもしれねえ」
「………貴様」

その日元親はもう一度足を踏まれた上、愛の使徒と化した鳥親に突かれ倒された。
ついでに貴様呼びに再び格下げされた。


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