「解った、なら早く済ませな……」
諦めて言うと、幸村はきっと睨み付けてきた。
いつでもワンコ目のくせに、時折いっぱしの目をする。
「政宗、遊びではない。……俺ではなく、小十郎を見ていただろう」
おいおい嫉妬かよ、あれぁ元部下だ。そのうえ向こうは殆ど親気分だ。
「へぇ……いい目、してんじゃねぇか。だがDeary?そいつぁ誤解だね」
「誤魔化す気か」
くつくつ喉奥で笑って、のし掛かる幸村の頬を撫でた。
「両方見てたんだよ、片方だけ見るような器用な真似は、いくらオレが片眼でもできないさ」
「やはり誤魔化しているではないか」
懲罰のつもりか、乳首にかり、と音がしそうな程歯を立てられる。
小さい悲鳴を殺すことなく上げ、背を反らせると、血が出そうなそこを音高く吸う。
だからな、そりゃ気持ちいいより痛ぇっての。
「そうかい?今は幸村サマしか見えちゃいないが、それじゃ不服か?」
幸村はぱっと顔を上げた。信じられないような、それでも嬉しそうな顔で。
「何しろ目の前にゃ幸村サマしかいないんでね」
腕を伸ばしその顔を引き寄せ、唇を重ねる。
幸村の愛し方はいつでも直情だ。
目の前にあるものを一心に貪り、あの時と変わることなく焦らすことも煽ることもしない。
今も息が詰まりそうなほど唇を吸うと、いい加減高ぶったらしく体をひっくり返され、
裾を腰巻きごとまくりあげられた。
尻だけさらし掲げたこの姿勢の恥ずかしさはともかく、どうにも止まらないのはよく解った。
ついでに言えば毛を生やすことは許されず……というより伸びようものなら焦がされ抜かれ、
延々と無毛のままを維持させられている。余計にこの体勢はどうなんだ。思うが抗議はしない。
アレが初体験だったと言うし、幸村は多分何か情を交わすってモンを何か誤解している。
または、変な性癖が付いてしまった。あの忍びのせいだ。
「着たままかよ……あぁ、ったく……ちょっ…!てめそっちは違う!ちが、てめ、待て待て……ッ」
後ろにあてがわれたもの。血の気が一気に下がった。思わず初めての抵抗じみた言葉がこぼれた。
「てめえと呼ぶのは止せ」
怖じた政宗の様子に幾分溜飲が下がったのか、幸村は少し気分よさげに言い放つ。
そしてぐいぐいと押しこもうとするその動き。痛いというのに幸村は無理矢理入ろうとするのを止めない。
「いっ、いきなり入るわけ、ねぇだ、ろ……」
慣らしもしてねえぞコラ。何でも入る魔法の穴かよオレの体は。
「しかしもう我慢できぬ!」
いつでもすぐに我慢できなくなるくせに、何を今日は例外みたいな言い方をするのか。
仕方なく、すこしだけ嘘泣きした。
涙目で、後ろを窺う。
「幸村様……やめて、くれよ…願…痛っ、い……」
Coolとはほど遠いが、肛門の危機だ。仕方がない。
そんな場所、無理矢理やられれば後に響く。
基本的にイイコの幸村はう、と息を呑んで止まった。よほど良心を刺激したらしい。
同時に天井裏でぶははははと笑う声が聞こえた。
あーあーそんなに笑えたか下郎。そりゃ良かったな、オレも似合わねーと思ったぜ。
ていうかなあ、やっぱオレ程度の女の武器が通用しすぎるとムカつくんだよ、このワンコ目。
「佐助ェ!覗くとははれんち極まりない!」
幸村はむっとした声を天井に投げつけたが、政宗を離そうとはしなかった。ったく……
「混ざるか下郎?」
上田城の虜55/愛の勝利者3
諦めて言うと、幸村はきっと睨み付けてきた。
いつでもワンコ目のくせに、時折いっぱしの目をする。
「政宗、遊びではない。……俺ではなく、小十郎を見ていただろう」
おいおい嫉妬かよ、あれぁ元部下だ。そのうえ向こうは殆ど親気分だ。
「へぇ……いい目、してんじゃねぇか。だがDeary?そいつぁ誤解だね」
「誤魔化す気か」
くつくつ喉奥で笑って、のし掛かる幸村の頬を撫でた。
「両方見てたんだよ、片方だけ見るような器用な真似は、いくらオレが片眼でもできないさ」
「やはり誤魔化しているではないか」
懲罰のつもりか、乳首にかり、と音がしそうな程歯を立てられる。
小さい悲鳴を殺すことなく上げ、背を反らせると、血が出そうなそこを音高く吸う。
だからな、そりゃ気持ちいいより痛ぇっての。
「そうかい?今は幸村サマしか見えちゃいないが、それじゃ不服か?」
幸村はぱっと顔を上げた。信じられないような、それでも嬉しそうな顔で。
「何しろ目の前にゃ幸村サマしかいないんでね」
腕を伸ばしその顔を引き寄せ、唇を重ねる。
幸村の愛し方はいつでも直情だ。
目の前にあるものを一心に貪り、あの時と変わることなく焦らすことも煽ることもしない。
今も息が詰まりそうなほど唇を吸うと、いい加減高ぶったらしく体をひっくり返され、
裾を腰巻きごとまくりあげられた。
尻だけさらし掲げたこの姿勢の恥ずかしさはともかく、どうにも止まらないのはよく解った。
ついでに言えば毛を生やすことは許されず……というより伸びようものなら焦がされ抜かれ、
延々と無毛のままを維持させられている。余計にこの体勢はどうなんだ。思うが抗議はしない。
アレが初体験だったと言うし、幸村は多分何か情を交わすってモンを何か誤解している。
または、変な性癖が付いてしまった。あの忍びのせいだ。
「着たままかよ……あぁ、ったく……ちょっ…!てめそっちは違う!ちが、てめ、待て待て……ッ」
後ろにあてがわれたもの。血の気が一気に下がった。思わず初めての抵抗じみた言葉がこぼれた。
「てめえと呼ぶのは止せ」
怖じた政宗の様子に幾分溜飲が下がったのか、幸村は少し気分よさげに言い放つ。
そしてぐいぐいと押しこもうとするその動き。痛いというのに幸村は無理矢理入ろうとするのを止めない。
「いっ、いきなり入るわけ、ねぇだ、ろ……」
慣らしもしてねえぞコラ。何でも入る魔法の穴かよオレの体は。
「しかしもう我慢できぬ!」
いつでもすぐに我慢できなくなるくせに、何を今日は例外みたいな言い方をするのか。
仕方なく、すこしだけ嘘泣きした。
涙目で、後ろを窺う。
「幸村様……やめて、くれよ…願…痛っ、い……」
Coolとはほど遠いが、肛門の危機だ。仕方がない。
そんな場所、無理矢理やられれば後に響く。
基本的にイイコの幸村はう、と息を呑んで止まった。よほど良心を刺激したらしい。
同時に天井裏でぶははははと笑う声が聞こえた。
あーあーそんなに笑えたか下郎。そりゃ良かったな、オレも似合わねーと思ったぜ。
ていうかなあ、やっぱオレ程度の女の武器が通用しすぎるとムカつくんだよ、このワンコ目。
「佐助ェ!覗くとははれんち極まりない!」
幸村はむっとした声を天井に投げつけたが、政宗を離そうとはしなかった。ったく……
「混ざるか下郎?」
上田城の虜55/愛の勝利者3




