戦国BASARA/エロパロ保管庫

春、まだ遠く

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bsr_e

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夕餉もほぼ片付き、極親しい家臣のみを残して酒宴は続いていた。
時折沸き起こる笑い声に僅かながら元就は眉を顰めたが、偶には息抜きも必要かと考えて白湯の入った湯呑みに口を付ける。
ちらり、と横に座る元親の膳を見ると、何本目かの銚子に白い手が伸びるのが見えた。
「もういい加減にせぬか」
呆れ果てた元就の声に、元親は酒を注いでいた手を止めて隣を見た。
「めでたい日なんだ、正月ぐらい良いだろ?」
くい、と小さめの杯を一口で空けると膳に置く。
酒に強いとはいえ、良い感じに酔いが回り、ほんのりと頬が桜色に染まっており、上機嫌だ。
瑠璃紺の瞳がとろんと潤み、何とも言えぬ色香を漂わせている。
珍しく上質な絹の小袖をきっちりと着込んでいるが、膝を崩しているので裾が乱れている。
その為、元就の位置から少し視線を降ろせば、日に焼けていない脛が見えた。
「いつも呑んだくれているではないか」
ぺしん、と足を叩いて膝を正すように言う。
盛大な溜め息と共に元就は白湯の入った湯呑みを差し出した。
半ば強引に渡され、湯呑みと元就の顔を交互に見遣る。
「正月早々酒で潰れられても我が困る」
丁寧に薬包紙に包まれた胃薬まで用意していた。
「心配してくれるのか」
「たわけ、年始の挨拶に来る家臣の手前、そのような酒臭い者を傍に置けるか」
今日は終いだとばかりに、元就は手を鳴らして侍女を呼び寄せ、彼女の前に転がる酒を下げさせた。
「…元就こそ、正月ぐらいは飲めば良いじゃねぇか」
そこまで言って、元親は彼が身内を酒で亡くしている事を思い出した。
しまった、という顔で首を竦めると、そそくさと白湯で胃薬を飲み下す。
「先に休む」
元就はそれだけ言うと、席を立って部屋を出て行ってしまった。
「待てよ」
元親も後を追うように廊下に出ると、足早に去っていく後ろ姿を見つけて声を掛けた。
「何だ、まだ飲むのではなかったか」
「いや…それはもう良い」
「情けない顔をするな、貴様らしくもない」
ふっと薄い唇に微かな笑みを浮かべ、元就は相手の頬へと手を添えた。
そして元親が状況を把握する前に唇を寄せた。
「…ん」
ぼうっとした頭で元就の顔を眺めつつ、そういや互いに忙しくて久方ぶりだというのを思い出した。
腰へと腕を回され、より体を密着させる形となる。
「では、今宵は付きおうてくれるか」
琥珀の瞳を細めて愉しげに笑む彼の顔を見ながら、やっぱり逆らえねぇな、と元親は呟いた。



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