りんごあめを持つ元就の手を取って、もう一口小さく囓る。
慶次の笑みに見惚れたまま、元就は呟いた。
慶次の笑みに見惚れたまま、元就は呟いた。
「そういう、訳では」
「ふうん?」
「……………美味か」
「甘い」
「ふうん?」
「……………美味か」
「甘い」
慶次はりんごあめを元就の口元に押しつけた。
戸惑いながらも表面を少し囓る。
戸惑いながらも表面を少し囓る。
「………飴の味だな」
「美味い?」
「甘い」
「美味い?」
「甘い」
くつくつと喉を楽しそうに喉を鳴らす慶次を見て、元就は目を逸らした。
慶次はりんごあめに齧りついた。
その囓った欠片を歯で挟んで、元就の唇に寄せる。
怪訝そうに眉をひそめる元就の顎を捕らえて、口を少し開けさせ、その隙間に欠片を押し込んだ。
驚いて体を強ばらせた元就の頬を撫でる。
顔を見ながら言うのは恐ろしかったので、耳に口を寄せて、そこで囁いた。
慶次はりんごあめに齧りついた。
その囓った欠片を歯で挟んで、元就の唇に寄せる。
怪訝そうに眉をひそめる元就の顎を捕らえて、口を少し開けさせ、その隙間に欠片を押し込んだ。
驚いて体を強ばらせた元就の頬を撫でる。
顔を見ながら言うのは恐ろしかったので、耳に口を寄せて、そこで囁いた。
「また買ってあげるよ。
また祭に行こう。来年も、その次の年も。
俺はあんたとそうしたい」
また祭に行こう。来年も、その次の年も。
俺はあんたとそうしたい」
答えが帰ってこない。
「………元就?」
恐る恐る見やれば、泣きそうな顔を耳まで赤くした元就が
慌てて口に手を当てて、もう片方の手のひらを慶次に向けた。
口をもぐもぐと動かして、中のものを飲み込もうとしているようだ。
慶次は噴きだして、笑いながら元就に唇を寄せた。
そのまま腔内に侵入しようとしてくる慶次の舌を元就は嫌がって、体をよじる。
口の中のものを半分ほど飲み込んで、「待て」と言おうとしたら、そのまま深く口付けられた。
元就は抗議して慶次の胸をどんどんと叩く。
だが、もがいても、もがいても、逃れられない。
そうこうしているうちに、また、握りしめたままのりんごあめを囓られた。
慶次はそれを荒く咀嚼して、元就の口に流し込もうと再び口付ける。
元就は口を引き結んだ。
けして開けるまいと思っていた口は、脇腹を撫で上げられて容易く緩んでしまう。
隙間から、人の体温に近くされた、りんごあめだったものが元就の腔内に注がれた。
吐き出すのは躊躇われて、眉根を寄せながら必死でそれを飲み込む。
慌てて口に手を当てて、もう片方の手のひらを慶次に向けた。
口をもぐもぐと動かして、中のものを飲み込もうとしているようだ。
慶次は噴きだして、笑いながら元就に唇を寄せた。
そのまま腔内に侵入しようとしてくる慶次の舌を元就は嫌がって、体をよじる。
口の中のものを半分ほど飲み込んで、「待て」と言おうとしたら、そのまま深く口付けられた。
元就は抗議して慶次の胸をどんどんと叩く。
だが、もがいても、もがいても、逃れられない。
そうこうしているうちに、また、握りしめたままのりんごあめを囓られた。
慶次はそれを荒く咀嚼して、元就の口に流し込もうと再び口付ける。
元就は口を引き結んだ。
けして開けるまいと思っていた口は、脇腹を撫で上げられて容易く緩んでしまう。
隙間から、人の体温に近くされた、りんごあめだったものが元就の腔内に注がれた。
吐き出すのは躊躇われて、眉根を寄せながら必死でそれを飲み込む。
慶次が元就の髪に顔を埋めた。
「酷いこと、しようか」
何を言われたのか分からず、元就は、軽く身じろぎする。
「そうだな、あんたの言うとおり、俺は無理してたんだ。
でもそれは、あんたが嫌になったからじゃない。
ずっとあんたの近くに行きたかったんだ。
もう、無理する必要がないっていうのなら、俺は」
でもそれは、あんたが嫌になったからじゃない。
ずっとあんたの近くに行きたかったんだ。
もう、無理する必要がないっていうのなら、俺は」
慶次は元就の耳を噛んだ。
「あんたに酷いことをしたい」




