にょたぬーたんに萌えました。
あの柔らかそうな肌にさわりとうございまする。
あの柔らかそうな肌にさわりとうございまする。
ふと思いついた義元(♀)と家康(♀)のほのぼの。
呼称はあやふやなので突っ込まないで下され。
義元→元就前提で、家康のお相手はご想像にお任せします。
呼称はあやふやなので突っ込まないで下され。
義元→元就前提で、家康のお相手はご想像にお任せします。
それでも良いと言う方はどうぞ。
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広い敷地の中にある館は、季節の花々に彩られている。
きっと主の趣味だろう、と家康は思っている。
霜が解けてぬかるみだした庭影をぼうっと眺めながら、手にした碁石を玩んでいた。
「竹千代、手が止まっておるぞ」
向かいで煌びやかな扇子を口元に当てて怪訝そうに呟く義元の声でようやく我に返る。
白塗りの彼女の面には、相変わらず得体の知れない笑みが浮かんでいた。
「…おう、これでどうだ!」
ぱしん、と慣れた手付きで白い石を盤上に置く。
幼い頃より何度となく相手をさせられたので、どのような手を打ってくるかは知っている。
にっと笑い、これ以上の手はないぞ、と挑戦的な視線を送る。
「ふむ…随分と上達したようでおじゃるな」
手にした扇子を開いては閉じる。
その動作を数回繰り返すと、おもむろに黒い石を掴んで打った。
「しかし対局の最中に別の事を考えているようでは駄目でおじゃ」
くくっと楽しげに笑う義元の声に家康はふっくらした頬を膨らませて拗ねる。
ふと盤上に目を移せば、こちらが圧倒的に不利な状況だった。
「こ、これは…」
「…その様子では麿とは勝負にならないのう」
細い手が鳴らされると、すぐ隣の間に控えていた従者が碁盤と碁石を片付けていった。
侍女がお茶と鮮やかな彩りの菓子を二人の前に置き、すっと下がる。
「ほれ、そなたの好きなものじゃ」
もうそのようなもので釣られる子供ではない、と言いたいのだが、彼女の選ぶ菓子はどれも家康好みのものであった。
ただし、服の趣味にはついていけないと思う事が多いが。
この人にはやっぱり敵わない、と小さく溜め息をつくと、白磁の湯呑みを取り口をつける。
「…誰か好きなおのこでも出来たでおじゃるか」
不意打ちされ、思わずお茶を噴出しかけた。
「な、な、な、何を」
「ふふふ、竹千代の潤んだまなこは熱く誰そに向けられたものでおじゃろ?」
優雅な仕草で茶を飲む義元の白い顔を睨みつつ、図星をさされた家康は、そのまま湯呑みを取り落とした。
どこから現れたのか、数名の侍女が家康の着物に零れた茶も拭いて、また何事もなかったかのように新しいお茶を置いていった。
「ずっと子供だと思っておったが、もうそのような年頃の娘になっていたとはのう」
目を細めて笑む義元は、まるで自分の娘の成長を喜ぶ母のようである。
「…う」
「このような可愛い竹千代を悩ませている罪作りなおのこは誰でおじゃろうな」
優しい声で話し掛けられ、家康は戸惑いながら伏せていた顔を上げた。
「義元殿」
「何でおじゃ」
空になった湯呑みを脇へ退けると、義元は家康の方を振り返った。
「そのような想いをされた事がおありか?」
家康の問い掛けに、義元は扇子を口元に添えながら、困ったような表情を浮かべた。
「そのような事もあったのう」
「では、その御仁は…」
「…麿が碁に誘ってやったというのに、素っ気無く断られてしまったでおじゃ」
男女の仲には発展しなかったが、何度か文を交わす程度には交流があったと言い、懐かしそうに笑う。
その後、彼がどこぞの姫と祝言を上げたというのを聞いた。
「全く勿体ない事をしたでおじゃるな、麿を振ってしまうなどとは」
そう言って呟く義元の眦に光るものを見たような気がしたが、家康はそれを見てはいけないような気がして目をそらした。
きっと主の趣味だろう、と家康は思っている。
霜が解けてぬかるみだした庭影をぼうっと眺めながら、手にした碁石を玩んでいた。
「竹千代、手が止まっておるぞ」
向かいで煌びやかな扇子を口元に当てて怪訝そうに呟く義元の声でようやく我に返る。
白塗りの彼女の面には、相変わらず得体の知れない笑みが浮かんでいた。
「…おう、これでどうだ!」
ぱしん、と慣れた手付きで白い石を盤上に置く。
幼い頃より何度となく相手をさせられたので、どのような手を打ってくるかは知っている。
にっと笑い、これ以上の手はないぞ、と挑戦的な視線を送る。
「ふむ…随分と上達したようでおじゃるな」
手にした扇子を開いては閉じる。
その動作を数回繰り返すと、おもむろに黒い石を掴んで打った。
「しかし対局の最中に別の事を考えているようでは駄目でおじゃ」
くくっと楽しげに笑う義元の声に家康はふっくらした頬を膨らませて拗ねる。
ふと盤上に目を移せば、こちらが圧倒的に不利な状況だった。
「こ、これは…」
「…その様子では麿とは勝負にならないのう」
細い手が鳴らされると、すぐ隣の間に控えていた従者が碁盤と碁石を片付けていった。
侍女がお茶と鮮やかな彩りの菓子を二人の前に置き、すっと下がる。
「ほれ、そなたの好きなものじゃ」
もうそのようなもので釣られる子供ではない、と言いたいのだが、彼女の選ぶ菓子はどれも家康好みのものであった。
ただし、服の趣味にはついていけないと思う事が多いが。
この人にはやっぱり敵わない、と小さく溜め息をつくと、白磁の湯呑みを取り口をつける。
「…誰か好きなおのこでも出来たでおじゃるか」
不意打ちされ、思わずお茶を噴出しかけた。
「な、な、な、何を」
「ふふふ、竹千代の潤んだまなこは熱く誰そに向けられたものでおじゃろ?」
優雅な仕草で茶を飲む義元の白い顔を睨みつつ、図星をさされた家康は、そのまま湯呑みを取り落とした。
どこから現れたのか、数名の侍女が家康の着物に零れた茶も拭いて、また何事もなかったかのように新しいお茶を置いていった。
「ずっと子供だと思っておったが、もうそのような年頃の娘になっていたとはのう」
目を細めて笑む義元は、まるで自分の娘の成長を喜ぶ母のようである。
「…う」
「このような可愛い竹千代を悩ませている罪作りなおのこは誰でおじゃろうな」
優しい声で話し掛けられ、家康は戸惑いながら伏せていた顔を上げた。
「義元殿」
「何でおじゃ」
空になった湯呑みを脇へ退けると、義元は家康の方を振り返った。
「そのような想いをされた事がおありか?」
家康の問い掛けに、義元は扇子を口元に添えながら、困ったような表情を浮かべた。
「そのような事もあったのう」
「では、その御仁は…」
「…麿が碁に誘ってやったというのに、素っ気無く断られてしまったでおじゃ」
男女の仲には発展しなかったが、何度か文を交わす程度には交流があったと言い、懐かしそうに笑う。
その後、彼がどこぞの姫と祝言を上げたというのを聞いた。
「全く勿体ない事をしたでおじゃるな、麿を振ってしまうなどとは」
そう言って呟く義元の眦に光るものを見たような気がしたが、家康はそれを見てはいけないような気がして目をそらした。
了