戦国BASARA/エロパロ保管庫

ルリハコベ7

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以来美しいつるぎは謙信の傍に仕え、今に至っている。
「時に、つるぎ」
「はい」
「先程武田の忍の事を考えていたでしょう」
涙を拭ってやった顔を覗き込むとかすががまた赤くなった。
「違います!何で私があんな奴の事」
頭を振って必死に否定すればするほど謙信には滑稽に見える。
「照れずとも良い。武器も技も揃いのお前達は、さぞ仲睦まじい夫婦になれよう」
「なっ…!?」
琥珀色の瞳を大きく見開いたままかすがは固まってしまった。
「槍の又左と奥方の様になるやもしれませんね。実に麗しきこと」
主のその言葉を聞いてかすがの脳裏に何とも形容し難い光景がめくるめいた。
男と常に手を繋ぎ、名前を呼ばれればにっこり笑って返事をする自分。
椀にがっついて食べる男の頬に付いた食べこぼしを甲斐甲斐しく取ってやる自分。
一瞬で色々な事が駆け巡りかすがは耳や首筋まで赤くなる。
「ふふ…やや子は父と母のどちらに似るであろうな」
「失礼致します!!」
赤く染まったつるぎは湯呑を残して謙信の前から姿を消してしまった。
「あなや…少々からかい過ぎましたか」
かすがが存外初心だったので謙信は少し後悔した。
かすがは気付いて居ないが本当に気に掛けて居ない相手であればこの程度一笑に付して終いであり、
無視出来ない相手だからこそ居た堪れ無くなったのだ。
美しい軍神の懐刀はいつ自分の本心に気付くだろうか。
「願わくば、いつかその日が来る事を…」
謙信は立ち上がる。
雨は止み、色付いた木々に靄が掛かって秋の風情が漂っていた。

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