「お前得物変えたのか?」
出くわしたかすがの腰から自分と揃いの得物が消えていて佐助は目を丸くした。
「うるさい。お前には関係無いだろう」
面倒臭そうな顔でかすがは返す。
「やれやれ、相変わらずつれないねぇ」
「………」
普段なら外方を向くはずのかすがが珍しくじっと見詰めて来る。
「…何だよ」
琥珀の瞳に射ぬかれ佐助はたじろいた。
「いくら俺様が良い男だからってそんなに見詰められちゃ照れるな」
軽口を叩きながらも居心地悪そうに頬を掻いて鳶色の瞳を逸らしたが、
「俺に惚れたか?」
片目をパチリと閉じてやる。途端にかすがは真っ赤になった。
「ふざけるな!」
「待てよ、忍同士仲良くしない?なぁってば」
足早に立ち去ろうとする後ろ姿に佐助は追い縋る。
その馴々しい態度が癇に障ってかすがは振り返ってしまった。
「黙れ!誰がお前……お前と」
ユルくて軽薄そうな笑顔を見て主の言葉が甦る。
――仲睦まじい夫婦になれよう
「お前となんか夫婦にならないんだからな!!」
そう怒鳴ると脇目も振らず一気に駆け出した。
「へ?めおと?」
意外な一言に不意打ちを食らい、取り残された佐助は呆然とかすがの背を見送る。
「……いいかも」
呟き、鼻の下を伸ばすと既に遠くなりつつあるかすがを追い掛けた。
「なぁかすが、今度一緒に里帰りしない?俺の実家に招待するからさ」
「寄るな佐助!あっちへ行け!」
「またまた…照れちゃって可愛いねぇ」
「しつこいぞ!いい加減にしないか!」
そんな遣り取りを木の枝に並んで止まって居る白と黒の二羽の鳥が見守る。
その姿はまるで番のようだった。
出くわしたかすがの腰から自分と揃いの得物が消えていて佐助は目を丸くした。
「うるさい。お前には関係無いだろう」
面倒臭そうな顔でかすがは返す。
「やれやれ、相変わらずつれないねぇ」
「………」
普段なら外方を向くはずのかすがが珍しくじっと見詰めて来る。
「…何だよ」
琥珀の瞳に射ぬかれ佐助はたじろいた。
「いくら俺様が良い男だからってそんなに見詰められちゃ照れるな」
軽口を叩きながらも居心地悪そうに頬を掻いて鳶色の瞳を逸らしたが、
「俺に惚れたか?」
片目をパチリと閉じてやる。途端にかすがは真っ赤になった。
「ふざけるな!」
「待てよ、忍同士仲良くしない?なぁってば」
足早に立ち去ろうとする後ろ姿に佐助は追い縋る。
その馴々しい態度が癇に障ってかすがは振り返ってしまった。
「黙れ!誰がお前……お前と」
ユルくて軽薄そうな笑顔を見て主の言葉が甦る。
――仲睦まじい夫婦になれよう
「お前となんか夫婦にならないんだからな!!」
そう怒鳴ると脇目も振らず一気に駆け出した。
「へ?めおと?」
意外な一言に不意打ちを食らい、取り残された佐助は呆然とかすがの背を見送る。
「……いいかも」
呟き、鼻の下を伸ばすと既に遠くなりつつあるかすがを追い掛けた。
「なぁかすが、今度一緒に里帰りしない?俺の実家に招待するからさ」
「寄るな佐助!あっちへ行け!」
「またまた…照れちゃって可愛いねぇ」
「しつこいぞ!いい加減にしないか!」
そんな遣り取りを木の枝に並んで止まって居る白と黒の二羽の鳥が見守る。
その姿はまるで番のようだった。