義元(♀)と家康(♀)の話。
苦手な方はスルー推奨。
苦手な方はスルー推奨。
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「竹千代が何やら悩んでいると聞いたのじゃがのう」
どこか間延びしたような声に、家康はがばりと身を起こした。
そしてばたばたと廊下を走っていく。
方々で家臣達がどうしたことかと慌てて主を止めようとするが、小柄ですばしっこい体を捕まえられず、次々と転がっていく。
そんな惨状に振り返る余裕もなく、目的とする部屋へ辿り着くと、襖をすぱーんと開けた。
「義元様、一体何が!」
「おお、元気そうではないか」
扇子で口元を隠しながら、ほほほ、と笑う彼女の声は穏やかである。
「だがもう少しお淑やかにな」
三河の地を治める徳川の姫がはしたない、と優しげに諭すと、義元は目の前に座るよう促した。
ちょこん、と膝を正して座り、相手の白塗りの顔を見上げる。
「例のものをこれへ」
後ろに控えていた家臣を呼ぶと、上品な塗りの箱を取り出した。
「何ですか」
「醍醐じゃ」
牛の乳を発酵させて作ったいわゆるヨーグルトのようなものである。
つん、と酸っぱい匂いが鼻につくが、栄養分満点の代物だ。
一般的ではないが、貴族の間で流行している食べ物らしい。
「麿はこれのおかげで体も丈夫になったでおじゃ」
ついでに肌もすべすべになるし、何といっても胸にも利くそうじゃ、とさらりと言う。
「どうじゃ、試してみるか、んん?」
慣れないうちは苦労するのだが、適度な甘味を加えると食べやすくなると教えられ、家康の心はぐらりと揺らいだ。
「あ、ありがとうございます」
「うむ、竹千代には笑顔が一番似合うでおじゃ」
作り方は後ほど城の者に教えておくと言い残すと、優雅な足取りで駿河の主は帰っていった。
どこか間延びしたような声に、家康はがばりと身を起こした。
そしてばたばたと廊下を走っていく。
方々で家臣達がどうしたことかと慌てて主を止めようとするが、小柄ですばしっこい体を捕まえられず、次々と転がっていく。
そんな惨状に振り返る余裕もなく、目的とする部屋へ辿り着くと、襖をすぱーんと開けた。
「義元様、一体何が!」
「おお、元気そうではないか」
扇子で口元を隠しながら、ほほほ、と笑う彼女の声は穏やかである。
「だがもう少しお淑やかにな」
三河の地を治める徳川の姫がはしたない、と優しげに諭すと、義元は目の前に座るよう促した。
ちょこん、と膝を正して座り、相手の白塗りの顔を見上げる。
「例のものをこれへ」
後ろに控えていた家臣を呼ぶと、上品な塗りの箱を取り出した。
「何ですか」
「醍醐じゃ」
牛の乳を発酵させて作ったいわゆるヨーグルトのようなものである。
つん、と酸っぱい匂いが鼻につくが、栄養分満点の代物だ。
一般的ではないが、貴族の間で流行している食べ物らしい。
「麿はこれのおかげで体も丈夫になったでおじゃ」
ついでに肌もすべすべになるし、何といっても胸にも利くそうじゃ、とさらりと言う。
「どうじゃ、試してみるか、んん?」
慣れないうちは苦労するのだが、適度な甘味を加えると食べやすくなると教えられ、家康の心はぐらりと揺らいだ。
「あ、ありがとうございます」
「うむ、竹千代には笑顔が一番似合うでおじゃ」
作り方は後ほど城の者に教えておくと言い残すと、優雅な足取りで駿河の主は帰っていった。
(がんばれ!竹千代!GOGO!竹千代!天下一の乳を目指して!)