――数年後――
「政宗様!?何処に行かれたのです!」
ここ数年で急速に勢力を広げる宗教団体に潜り込もう。
そう言い出したのは無謀な主の方だった。
反対するも、言い出したら聞かない主は「少しだけ覗いて、様子をみるだけだ」と言った。
戦を仕掛けるでもなく、大きな犠牲を出すでもなくじわじわと勢力を拡大していく『それ』の内部は闇に包まれていた。
何が起こっているのか知りたい気持は常々あったし、またそれをダシに押しきられる事になった。
だが、甘かった。連れてきた部下が一人二人とはぐれ、気付けば小十郎は薄暗いザビー城で孤立していた。
敵もおらず、随分楽に侵入できると思ったらこれだ。
直ぐに気付き脱出を試みている内に全員バラバラだ。
随分頭の良い参謀がついているらしい。
ここ数年で急速に勢力を広げる宗教団体に潜り込もう。
そう言い出したのは無謀な主の方だった。
反対するも、言い出したら聞かない主は「少しだけ覗いて、様子をみるだけだ」と言った。
戦を仕掛けるでもなく、大きな犠牲を出すでもなくじわじわと勢力を拡大していく『それ』の内部は闇に包まれていた。
何が起こっているのか知りたい気持は常々あったし、またそれをダシに押しきられる事になった。
だが、甘かった。連れてきた部下が一人二人とはぐれ、気付けば小十郎は薄暗いザビー城で孤立していた。
敵もおらず、随分楽に侵入できると思ったらこれだ。
直ぐに気付き脱出を試みている内に全員バラバラだ。
随分頭の良い参謀がついているらしい。
「っちっ!どうする気だ……。」
刀を構え全方向の気配を探る。
だが、それでどうにか出来るとは思えなかった。ここに来てからずっとそうしていたのにこの有様だ。
刀を構え全方向の気配を探る。
だが、それでどうにか出来るとは思えなかった。ここに来てからずっとそうしていたのにこの有様だ。
「こんなトコで何してるだ?」
カタンと言う音と共に声がする。反射的にそちらに鋒を向けるとひゃっと小さい悲鳴がした。
「小十郎さん。おらのこと忘れただか?」
悲しげに声が震える。
「おめえは……。」
サラ、と銀の髪が揺れた。
カタンと言う音と共に声がする。反射的にそちらに鋒を向けるとひゃっと小さい悲鳴がした。
「小十郎さん。おらのこと忘れただか?」
悲しげに声が震える。
「おめえは……。」
サラ、と銀の髪が揺れた。
小十郎の元に現れたのは15、6辺りの美しい少女。
二つに結った髪は流石に高さを変えていたが、服装もあどけない表情も昔のままで直ぐに誰か分かる。
「いつき……何故此処にいる。」
刀を下げるといつきは小十郎に駆け寄ってきた。
二つに結った髪は流石に高さを変えていたが、服装もあどけない表情も昔のままで直ぐに誰か分かる。
「いつき……何故此処にいる。」
刀を下げるといつきは小十郎に駆け寄ってきた。
「それはおらの台詞だべ。なんでー。」
「捕まったのか?」
「へ?うんまあ、そうだども……。」
その以前と変わらぬ受け答えに違和感を感じながらも小十郎はいつきの手を取った。
「なら、来い。逃げ―……。」
「封じ手『懐』。」
背後から小さく声が聞こえ、それと共に現れた光の輪が小十郎を捕縛した。
「捕まったのか?」
「へ?うんまあ、そうだども……。」
その以前と変わらぬ受け答えに違和感を感じながらも小十郎はいつきの手を取った。
「なら、来い。逃げ―……。」
「封じ手『懐』。」
背後から小さく声が聞こえ、それと共に現れた光の輪が小十郎を捕縛した。
「!なにぃ!!」
体の自由が奪われる。振り向き声の主を確認しようとした瞬間、小十郎は信じがたいものを見た。
「おめえさんも大概だべ。」
振り下ろされる大きな木槌。
そして視界は暗転した。
体の自由が奪われる。振り向き声の主を確認しようとした瞬間、小十郎は信じがたいものを見た。
「おめえさんも大概だべ。」
振り下ろされる大きな木槌。
そして視界は暗転した。
「くっ……。ここは……。」
頭の痛みで目が覚めると、異様な雰囲気の部屋に繋がれていた。
趣味の悪い色でとりどりに塗られた壁。
大きな窓があるが、大きな布で閉ざされ室内は薄暗い。
部屋の中央にある異国の寝床ベッドの上に小十郎は居た。
頭の痛みで目が覚めると、異様な雰囲気の部屋に繋がれていた。
趣味の悪い色でとりどりに塗られた壁。
大きな窓があるが、大きな布で閉ざされ室内は薄暗い。
部屋の中央にある異国の寝床ベッドの上に小十郎は居た。
その向かい、足元の方向にはまた大きな鏡がかけられている。
両手両足につけられた枷は強固だったが、そこから延びる鎖はベッドで起き上がったり動いたりする程度の余裕があった。
両手両足につけられた枷は強固だったが、そこから延びる鎖はベッドで起き上がったり動いたりする程度の余裕があった。




