戦国BASARA/エロパロ保管庫

夏祭り*2

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momo

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だが、周囲の喧騒に紛れ、相手には届かなかったらしい。
「よう、時間よりも早いんだな」
慶次は陽気な声で蘭丸に呼びかけた。
「へんっ、濃姫様の言付けがなければこんな所になんか来るもんか!」
そう言いつつも蘭丸の目線は早くも夜店へと注がれている。
「で、何だよ」
「今日はな、ある人を一緒に案内して欲しいんだが」
「蘭丸も知っている人か?」
「ああ、良く知っているとも」
にやりと笑う慶次の顔を訝しげに見上げながら、蘭丸は頭の後ろで手を組んで、ぷいっと顔を逸らす。
「じゃ、とっとと案内しろよ」
「そんなにせっかちじゃ女の子にモテないよ」
「うるせえ!」
そのうち信長様みたいに立派な武士になるんだから良いんだよ、と訳の分からない論法で返すと、蘭丸は慶次の後ろに立つ人影にようやく気付いた。
「あっ」
慶次は良く知っている人だというが、蘭丸には見覚えが無い。
誰だろうか、と近付こうとした瞬間。
「おらの姿に目もくらんだだか?」
へへ、と軽く舌を出して片目を瞑るいつきの声。
「その声は!」
「さっきのおめえさんの顔、見物だったなべ」
ふわり、と柔らかく笑いかけられ、蘭丸の声は次第に小さくなっていく。
「それはな……それは……その」
「ん、どうしただか?」
女の子の持つ独特の甘い香りが鼻腔を擽る。
手を伸ばせば触れられる程に近付かれ、慌てて後ずさると、蘭丸は軽く咳払いをして胸をそらせた。
「……うっせえ、付いてこいよ!この蘭丸様が直々に祭を案内してやろうっていうんだからな!」
「じゃあ、離れないようにこうしていても良いべ?」
「へ?」
不意にいつきに手を掴まれた蘭丸は、見る間に顔を紅く染めてその場にぱったりと倒れた。
「ちょ、おまっ」
慶次は蘭丸を抱え上げると、どいたどいた!と威勢の良い声を上げて走り出した。
「全く蘭丸も困った子ですね」
いつの間に沸いたのか、いつきの後ろに立つ光秀は、呆れたように方を竦めた。

(了)
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