戦国BASARA/エロパロ保管庫

Black Sheep2

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momo

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それから暫くは溜っていた執務を片付けたりと忙しかった。
それは奥州に戻ってから幾日か過ぎた頃だった。
暫く放っておいたのは落ち着かせる為だった。
佐助が焦る様は面白かったし、強がる様は嗜虐心を擽った。
だが、そうしたいのは何時もの腹が立つくらい余裕顔のあいつであって、叶わぬ想いに泣き崩れるあいつではなかった。
そもそも、落ち着いてもらわなければ今回の話も中々面倒ではあるのだ。

何時もは部屋に運ばせていたが、たまにはいいだろうと夕食の誘いに離れの客室に足を向けた。
近付いて、その異様な気配に足を忍ばせた。
佐助しかいないはずの部屋からは複数の気配がする。
それだけで予測は付いた。
だが、まさかと言う気持が強かった。

「おい、早くしろ。少しなげーんじゃねえのか。」
「はっそんなに待ちきれないなら前でも使えよ。」
数人が寄ってたかって『何か』をしている。

「っ小十郎さま!」
小十郎が意を決し、襖を開くと予想通り、いやそれ以上の光景が繰り広げられていた。
佐助の虚ろに空を見つめる瞳、投げ出された四肢、胴は痣だらけで火箸を押し付けられた痕さえあった。
その体に幾人もの男が群がっている。
下卑た笑いを浮かべる男達の顔は小十郎の良く知る部下の顔をしていた。

「やべえ!」
「違うんすよ。これは……。」
「っそう!そうだ!俺達填められたんすよ。」
「そ、そうッス。こいつから誘ってきて。」
「猿飛がか?」

馬鹿な。
今、この光景を目の当たりにするまではその可能性も頭にチラつきはした。
だが、あの男から離れた今、態々その身を貶める必要はないし。
誘ったのなら此処まではならないだろう。
そうだそうだと、騒ぎ立てる部下達の奥で、けふっと咳き込む音がした。
小十郎が来た瞬間、無造作に床に投げ出されていた佐助がぐったりとしたまま咳き込んでいた。
「おめえら。俺はきちんと客だと言った筈だ。処分は覚悟しろよ。おい、大丈夫か?」
ここまでして置いてどの口が誘ったと言えるのか。

小十郎は部下を全員部屋から追い出すと佐助に駆け寄った。
佐助の唇から誰のものとも分からない精が溢れ落ちる。
懐から手拭いを出し、水差しで濡らしてから体を拭いてやる。
身体中ベタベタで刃物で軽く斬りつけられたのか腕や背中の切傷から血がにじんでいた。
これでは埒があかないと、抱き上げた時、漸く空をさ迷っていた佐助の視線が小十郎を捕えた。

「……あぇ、…たくらさん?」
「待ってろ今―。」
「……あんたも?」
「?」
「あんたも交ざりにきたの?」
「――。」
佐助の言葉には抑揚はなく、聞きようによってはやはり佐助が誘ったのだと取れなくは無かった。
だが、違うと分かる。
それを口にした瞬間瞳が揺らぎ、その奥に悲しみが見えたから。
例え敵とは言っても自分は多少は信用されていたのかと思えば、胸の奥が例えようもなく痛んだ。



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