海路だろうと陸路だろうと、可能な限り急いだ筈だ。
ついさっきまでだって四国一の早馬を限界まで走らせ、今は最後の総仕上げとして…
俺は単身、山の頂にある毛利の居城への険しい道のりを激走してる。
だが果たして、この調子で正午までに間に合うか!??
いっそ、弩九で…って、駄目だ。
こんな曲がりくねった山道で弩九なんか使っちまったら、
すぐさま道を踏み外して滑落死しちまうのは明白じゃねぇか!
って事は、今は何も考えずに手足を動かせ…じゃなきゃ、間違いなく間に合わねぇっ!!!
ついさっきまでだって四国一の早馬を限界まで走らせ、今は最後の総仕上げとして…
俺は単身、山の頂にある毛利の居城への険しい道のりを激走してる。
だが果たして、この調子で正午までに間に合うか!??
いっそ、弩九で…って、駄目だ。
こんな曲がりくねった山道で弩九なんか使っちまったら、
すぐさま道を踏み外して滑落死しちまうのは明白じゃねぇか!
って事は、今は何も考えずに手足を動かせ…じゃなきゃ、間違いなく間に合わねぇっ!!!
「長曾我部殿~っ!!!!」
本日は雲一つ無い晴天…ゆえに春にしては随分と強い日差しが照りつける中。
遠くに米粒ほどの元親の姿を見つけた毛利軍の門番達が、口元に両手を当てて大声で叫ぶ。
遠くに米粒ほどの元親の姿を見つけた毛利軍の門番達が、口元に両手を当てて大声で叫ぶ。
「我等『正午ちょうどに全ての門を閉鎖せよ』との、元就様のご命令には
死しても従わねばならぬゆえ!!!」
死しても従わねばならぬゆえ!!!」
「何とぞお急ぎくだされ~!!!」
「おうよっ!!! もうちっとで辿り着くから、待っててくれよなっ!!!」
「いえ、ですから我等『正午ちょうどに全ての門を閉鎖せよ』との、元就様のご命令には
死しても従わねばならぬゆえ!!! 何とぞ……」
死しても従わねばならぬゆえ!!! 何とぞ……」
「分かった分かったっ!!もう待っててくれとは言わねぇからおとなしく待ってろ!!」
定刻が訪れたのだろう。
遠目に、無情にも門がゆっくり閉ざされて行くのが映る。
遠目に、無情にも門がゆっくり閉ざされて行くのが映る。
「やっ…やべぇっ!!!」
元親はフラフラになりながらも手ごろな大木の枝に碇槍を引っ掛けると、
その勢いを殺すことなく閉まりかかっている門に向かって突進した。
その勢いを殺すことなく閉まりかかっている門に向かって突進した。
「閉まるんじゃねぇええええーっ!!!!!!」
文字通り門を蹴破り、元親は凄まじい衝撃や爆音と共に無理矢理元就の居城への侵入を果たす。
だがふと見渡すと…瓦礫の中には折り重なるようにして毛利の門番達が倒れていた。
一息つく間も無く、元親は慌てて門番達に向かって駆け寄る。
だがふと見渡すと…瓦礫の中には折り重なるようにして毛利の門番達が倒れていた。
一息つく間も無く、元親は慌てて門番達に向かって駆け寄る。
「おっ…おい、アンタら大丈夫かっ!??
すまねぇ、俺が手荒な真似しでかしちまったばっかりに」
すまねぇ、俺が手荒な真似しでかしちまったばっかりに」
「はっ…はは…何のこれしき…」
「我が毛利軍においては日常茶飯事ゆえ…」
「ご心配には…至りませぬ」
あ、そういえば毛利んトコの奴らって、よく毛利の発やら壁やらに当たってブっ飛んでるよな…。
心の中で密かに納得してしまい、元親は思わず苦笑いを浮かべた。
一方でしたたかに打ちつけた肩や腰をさすりながらも、何とか起き上がってきた毛利の門番達は、
そんな元親の姿を臨み目を見張る。
一方でしたたかに打ちつけた肩や腰をさすりながらも、何とか起き上がってきた毛利の門番達は、
そんな元親の姿を臨み目を見張る。
「おや…長曾我部殿…」
「ん?どうした…?」
「いえ…こたびはいつもの少々粗暴ないでたちとは趣きが異なるようで…」
「なんと申しますか、その…凛々しゅうございますな」




