戦国BASARA/エロパロ保管庫

元親×元就(♀)時々駒共5

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momo

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「…………………」

元就の部屋の襖をそっと開けて、元親は思わず目を見開いた。
何故ならそこにはきちんと姿勢を正して座り、抱きしめた布に顔を押し付け…
泉のように後から後から溢れ出てくる涙を拭う元就の姿が有ったからだ。

「………っ!???」

まさか元親が戻ってくるとは夢にも思わなかったのだろう。
突然現れた他者の気配に何事かと顔を上げた元就の表情が、驚愕のあまり凍りつく。
その拍子に、目じりから真新しい涙の粒がほろりと零れた。

「「……………」」

しばらくの沈黙の後、わざと呆れたように大げさな溜息を吐いて。
部屋全体に重くのしかかる悲痛なまでの静寂を破ったのは元親だ。

「おいおい…何泣いてんだ、アンタ。
 俺を上手く策にハメて、今最っ高に笑いが止まらねぇんじゃねぇのかよ」

「貴様には…一切関わり無き事」

手にしていた布で一度ゴシゴシと涙を拭いきってから、再びゆっくり顔を上げて。
それから元就が普段どおりの声を出そうと努めた事は分かる。
だが元親にはどうしても…それが涙声にしか聞こえない。

「…………?」

ほんの少しでも元親の目前から遠ざけようとする気持ちが働いたのだろう。
元就は無意識の内に、腕の中の布をぎゅっと抱き直す。
皮肉にもその仕草がきっかけとなり、元親は元就の胸元へと目を留める。
そして元就が涙を拭うため使用していたその布に、奇妙な規視感を覚えた。

だが………妙だ。
だって俺、今日はそれ持って来てねぇぞ…?

元親は元就の傍らに片膝を付くと、その胸元へと手を伸ばす。

「おい、ちょっとそれ……」

「っ、止さぬかっ!!!無礼な…っ!!!」

「良いから貸しやがれ!」

「っ!!」

まるで剥ぎ取るようにして、元親はなかば無理矢理元就の胸元から布を奪う。
そして目の前に広げ愕然とした。
それは間違い無く、元親がいつも愛用している濃紫の羽織だ。
しかもそれに染み付いて取り除く事が出来なかったらしい、数多の古い血痕…。

おっ…おい、もしかしてこれ…あの戦の時に俺が毛利の腰に巻きつけた羽織じゃねぇかっ!??
しかもなんで、こんなにぐしょぐしょに濡れて…。

「……………っ…」

まさか俺が酔い潰れちまって宴会がお開きになった後あたりから…
毛利は長い間ずっと声を殺して独りで泣いてた…って事か?
…じゃなきゃ、こんなにまでならねぇよな…普通。

痛ましげに顔を曇らせると元親はその場に座り込み、視線を合わせるように元就の顔を覗き込む。
元就はバツが悪そうにふいっと元親から顔を背けた。

「なぁ毛利、さっき言ってたアレ…全部嘘だろ」

「………」

「でもって、もしかするとアンタ…何だかんだ言って結構、俺のこと…」
「っ、貴様…自惚れるのも大概に致せ」

「じゃあ今ここでちゃんと俺の眼を見て『俺の事嫌いだ』って声に出してハッキリ言えよ。
 そうでも言われねぇと納得出来ねぇぞ」

元就はどことなく腫れぼったい目元のままきつく元親をにらみつけたが、
やがてフッと表情を曇らせると、虚ろな瞳で何も無い天井を見上げた。
それは何かを熟考しているようでも有り、一方で何も考えていないようでも有った。

「…もし我がそう言ったならば、貴様はどうするつもりなのだ」

「…………………」

相っ変わらず、小難しい謎かけを吹っ掛けて来やがる。
もし俺が「それでも想い続ける」って言やぁ「しつこい男だ」って返してくんだろうし、
だからと言って「諦める」って言やぁ「所詮はその程度の想いだったか」って返してくんだろ。
…その手にゃ乗らねぇぜ。

「もしアンタに振られたら、その時は仕方無ぇ…。
 それでも迷惑かけねぇようにアンタを想い続けるか、綺麗さっぱり諦めて別のいい女を探すさ。
 だがな…それは実際アンタの気持ちを聞いた後で俺が決めることだ」

「……………」



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